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2023年8月3日木曜日

ウクライナ向けF-16パイロット訓練が西ヨーロッパで進展中。機体供与へ前進。ただし、F-16とともにウクライナに必要なのはミサイル防衛体制の充実だ。

F-16訓練にデンマーク、オランダ両国が協力している

クライナのパイロットは、F-16の到着を前に訓練と準備を続けつつ、ロシアの空軍と地上部隊への攻撃実施に大きく近づいている。ここ数週間、国防総省はF-16の納入を支援することで、ウクライナの対ロシア戦争を支援すると決定した。ウクライナ軍パイロットの訓練と準備は、ヨーロッパの米同盟国とともに行われている。

「F-16訓練連合の共同リーダーであるデンマークとオランダから話を聞いた」。国防総省によれば、ロイド・オースティン国防長官は記者団に対し、「訓練計画について前進を続け、非常に熱心なウクライナ軍パイロットたちが第4世代の航空機の操縦を学ぶのを支援している」と語った。

制空権を決定的に確立できない限り、F-16は期待されるような絶大な効果をもたらさないかもしれない。ロシアがハイテクを駆使した高度な防空網を広範に張り巡らせ、それを維持しているからだ。

ロシアは第4世代第5世代の機体を何百機も持っている。ロシアと1対1、あるいは2対1で戦おうとすれば、大量の機体が必要になる。パイロットの訓練に何年もかかるし、メンテナンスや維持にも何年もかかる。

確かに、国防総省とウクライナを支援する同盟国は、長期的視点で取り組んでいるように見える。国防総省はウクライナのため兵器生産を長期間維持する契約メカニズムを構築している。

その答えは、F-16のレーダー、センサー、照準、兵器システムの射程距離、忠実度、精度などに左右される可能性が高い。Globalfirepower.comによれば、ウクライナの69機に対し、ロシアは773機の戦闘機を保有している。しかし、不思議なことに、ロシアはウクライナのどの重要地域でも、制空権を獲得できていない。どういうわけか、ウクライナ軍はロシアの航空攻撃をほぼ無力化するために、決意、戦術、空と地上兵器の混合を結集することができた。

ミリー統合参謀本部議長は、この空の膠着状態を認識し、航空機少数よりも、地上の防御や兵器、装甲複合兵器の機動作戦の方が、ロシア軍陣地に対し大きな影響を与える可能性が高いと説明している。現在のところ、ウクライナ軍が空域に影響を与える最善の方法は、地対空防空システムだとミリーは言う。

「空を制圧するには2つの方法がある。空から空へ、あるいは地上から空へ。ウクライナで最善の方法は、防空システムによる地対空攻撃だ。ロシアの近接航空支援や攻撃ヘリ支援から攻撃部隊を守るためであり、ロシアは防空システムを持っているからだ」とミルレーは語った。

ロシア空軍に対抗するウクライナ

ウクライナがロシア軍の侵攻に耐え、成功しようとしても、ロシアが実際に航空優勢であれば、間違いなく不可能となる。ウクライナは西側諸国から防空ミサイルを供与されており、ミリーが指摘するように、極めて効果的な防空効果を発揮しているようだ。

国防総省高官が紛争に関する報告書についてブリーフィングしたところによると、ロシアが「リスク回避的」に見える要因のひとつとして、ウクライナが防空体制を敷いている脅威の高い地域での作戦にパイロットが消極的であることがある。おそらく、ウクライナの防空は非常に効果的であるか、少なくともかなり脅威的であるため、ロシア航空機の大規模な編隊は攻撃をためらっているのだろう。その理由として考えられるのは、ロシアが200マイルから300マイルも飛ぶ長距離の地上発射ロケットでウクライナの標的や民間人居住区を破壊してきたことだ。以前のウクライナ側は空でロケット弾を狙うことができなかったため、この阻止に苦労していた。

しかし、HIMARSとGMLRS長距離地上ロケットの登場で、ウクライナ側はロシア国内の奥深くにあるロシアのミサイル・ロケット発射地域を攻撃できるようになった。

米国防総省の当局者はまた、少なくともこれまでのところ、ロシアは航空機の一部しか使用していないと述べている。しかし、ロシアの航空部隊の完全な運用範囲は、773機のうち数百機が戦闘準備が不満足で、近代化もされておらず、運用されていない可能性があるため、判断は難しい。

ロシアはSu-30やSu-35だけでなく、アップグレードされた第4世代のSu-35も運用している。Su-34とSu-35はどちらも、2014年時点で「戦闘機」として挙げられている。Su-34は長距離攻撃能力を持つ「戦闘爆撃機」、Su-35はマルチロール重戦闘機とされる。

対照的にウクライナは、1974年に登場したとされるSu-24など、1970年代や1980年代のソ連製戦闘機を主に運用している。しかし、機体が古いからといって、戦闘機の能力が低いとは限らない。

例えばアメリカは、1980年代のF-15やF/A-18戦闘機を、新型エイビオニクス、照準技術、センサー、武器で大幅にアップグレードしている。ウクライナ側はもちろん、西側諸国から効果的な防空ミサイルの提供を受けており、すでに冷戦時代のソ連製SAMシステム(最新は1986年のSA-15ガントレット)を運用している。これら数十年前のシステムは、どれほど整備され、アップグレードされてきたのだろうか。

しかし、ウクライナの空をで守るには、地対空ミサイルシステムを大量導入する必要はない。ジョン・カービー元国防総省報道官は1年前、少数の防空システムでほぼ「ウクライナ全土」を守ることができると記者団に語っている。■

Ukrainian Pilots To Train on F-16s In Europe, Prepare for Massive Air Attack - Warrior Maven: Center for Military Modernization

By Kris Osborn, President, Center for Military Modernization

Kris Osborn is the President of Warrior Maven – Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master's Degree in Comparative Literature from Columbia University.


 

2019年8月10日土曜日

ドイツ軍事力の退潮、今度はパイロット訓練時間数が不足の原因は結局国防予算の不足



Germany’s Pilots Don’t Have Enough Warplanes to Fly 

ドイツ空軍パイロットの訓練機材が足りない

August 10, 2019  Topic: Security  Region: Europe  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarStealth

イツ空軍パイロットの飛行時間が不足しNATOの求める訓練水準を満たせない状態になっている。
訓練教程の不備ではない。原因はルフトバッフェに飛行可能な機材数の不足だ。
「ルフトバッフェパイロットのほぼ半数がNATO目標の年間180飛行時間を満たしていない。機材が整備問題で飛行できないためだ」と英国のテレグラフ紙が伝えている。空軍パイロット875名中で要求される飛行時間に達したのは512名のみとドイツ関係者が官報で明らかにしている。Advertisement
「ルフトバッフェは低調な状態」とインゴ・ゲルハルツ中将(ドイツ空軍参謀長)が先月発言。「交換部品の不足あるいは機材整備が終わらず機材が地上待機状態のままだ」
ドイツ軍といえば第二次大戦中は大いに恐れられ、冷戦中も一目置かれる存在だったが、ここ数年は予算カットでかろうじて機能している状態だ。2018年夏にはユーロファイター128機中で稼働可能機材はわずか10機、交換部品不足が原因とされていた。2019年2月には「ユーロファイター全128機中で39機のみ、旧型トーネード93機では26機が戦闘任務あるいは訓練に投入できる状態だった」とテレグラフ紙は伝えている。
「今度はパイロットが空軍に愛想をつかして除隊が止まらない。昨年上半期は6名が辞職したが、5年前は年間で11名退職だった」
冷戦終結後のドイツ軍事力で退潮が止まらない。問題は予算だ。ドイツの国防費はGDPの1.3%とNATO目標の2パーセントに届いていない。(加盟国で目標を達成している国は少ない)
2018年にはドイツ潜水艦部隊が航行できない状態になり、新型ヘリコプターや輸送機が飛行不能となり、装甲車両が第一線から除去された。状況はとても悪くロシアがバルト海諸国侵攻に踏み切れば、ドイツは部隊動員と輸送に一ヶ月費やしても現地救援に送れるのは装甲旅団一個のみと米国は分析している。
とはいえ訓練不足のドイツパイロットを放置できない。米国やイスラエルの空軍部隊が75年にわたり数々の成功を収めてきた背景には訓練を十分に受けた航空要員の存在があった。アナリストの中には今日のロシア軍パイロットは西側諸国より訓練時間が少ないと見る向きがある。ドイツ空軍パイロットの訓練時間がこのままだとNATOの対ロシア優位性が消失しかねない。
皮肉にもナチ時代の旧ルフトバッフェの崩壊を招いたのが訓練不足だった。1939年当時のドイツパイロットは200時間の訓練を経て戦闘任務に赴いた。これは対戦国の水準を大きく上回っていた。だが1944年になると燃料不足で訓練に支障をきたし機体喪失も増え、パイロットは50ないし100時間の飛行訓練で戦闘に駆り出された。その時点で英米パイロットは300時間超の訓練を受けていた。ソ連では100時間程度だった。
その結果、悪循環が生まれ、パイロット不足のためルフトバッフェは訓練不足のパイロットを投入せざるを得なくなり、すぐに戦死あるいは損傷し、一層多くの新人が戦場に駆り出された。■


Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.

2013年5月22日水曜日

F-35パイロット訓練は着実に進展中

F-35 Training Capability Slowly Expanding

By Graham Warwick
Source: Aerospace Daily & Defense Report

May 17, 2013
Credit: USAF/Master Sgt. John R. Nimmo; Sr.

ロッキード・マーティンF-35統合打撃戦闘機のパイロット養成がフロリダ州エグリン空軍基地で活発化しており、米空軍の教官パイロットがF-35Aで空中給油を実施している。
  1. .リー・クルース中佐Lt. Col. Lee Kloos(在エグリン基地統合訓練センター(ITC)第58戦闘機中隊隊長)が5月14日にテストパイロット以外ではじめてF-35の空中給油に挑戦した。
  2. これにより空中給油がエグリン基地の標準教程になり、訓練の飛行時間も延長できる。「これでパイロット訓練の対象を増やせる」(同中佐)
  3. 「今週は教官パイロット12名全員が認定を受け、ブロック1B過程の空中給油を全員が実施しました」と中佐は語る。「時間がかかりますが、少しずつ同機の性能を引き出しています」
  4. 最近数ヶ月でITCはF-35搭載の電子光学式照準装置と兵装シミュレータの使用による訓練ミッションの実施ができるようになったと中佐は言う。
  5. 4月末までにエグリン基地で44名がF-35操縦資格を得ており、うち2名は英国人で合計1,700飛行時間を記録しているとロッキード・マーティン副社長メアリー・アン・ホーターMary Ann Horterが明らかにしている。
  6. 機体にはブロック1Bソフトウェアが搭載されており、これは初期訓練用の性能しか提供できない。ブロック2Aも訓練用だが、10月に完成するとホーターは説明する。
  7. 二番目の訓練センターは米海兵隊向けF-35B用でボーフォート海兵隊航空基地(サウスカロライナ州)に2014年に、三番目のセンターが米空軍F-35Aおよび各国向けにルーク空軍基地(アリゾナ州)に完成するのは2015年予定。
  8. クルース中佐によるとF-35は空中給油時の飛行が安定しているという。給油機の背後に回るとロッキード・マーティンF-16は「砂利道を運転するみたいだが、F-35は滑らかな舗装道路を走る感覚ですよ」とのこと。
  9. こ の意見に賛同するウィリアム・ジョー・パーカー軍曹Tech Sgt. William Joe Parker,(第336空中給油飛行隊でボーイングKC-135のブーム操作員)は今回の空中給油ミッションに参加している。「パイロットはこちらの後 ろぴったりに駐車したみたいだった」
  10. F-35の操縦特性は空中給油用の扉が開くことで変化し、パイロットは微調整がしやすくなるが、これと同じ技法がF-16でも使われている。
  11. エ グリンでの訓練ミッションは空中給油実施が再承認された直後に開始されている。最初の承認は2011年にブーム切り離しが遅れる問題がテスト飛行中にエド ワーズ基地で見つかったため取り消されている。この問題はテスト用の少数機だけの問題として扱われるようになったと、クルース中佐は語る。■