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9月, 2022の投稿を表示しています

ノルドストリーム・海底パイプラインの漏洩は4箇所に拡大。NATOとEUはロシアの関与を非難。パイプライン復旧は困難になるのか。

Swedish Coast Guard     ス ウェーデン当局によると、ロシアとドイツ間のバルト海中を走るパイプライン「Nord Stream 1」と「2」で、4件目の断裂が確認された。破裂の正確な経緯は不明だが、NATOは欧州連合(EU)とともに、何らかの意図的な攻撃によるものの可能性が高いと結論付けた。      今回の破裂は、ノルドストリーム 2パイプラインで2件目のものだ。ノルドストリーム 1のパイプラインでは、他に二箇所で破裂が確認されている。最初の破断は、月曜日に大きな水中爆発に続き検知された。本稿執筆時点では、EUもNATOも、加盟国も、単独で、いずれかの行為者の責任を正式に告発していないが、ロシアを指さす声はますます大きくなってきている   ノルドストリーム 2パイプラインの破断箇所の1つ上で天然ガスが表面に泡立つ。スウェーデン沿岸警備隊   スウェーデン沿岸警備隊は本日未明、2つ目のノルドストリーム 2の破断を明らかにし、最初の破断地点の近く(約1マイル)であったと述べた。また、同警備隊の哨戒機Dash 8-Q300と捜索救助船アンフィライトAmfitriteが撮影したと思われる、水面でガスが噴出している写真とビデオ映像を公開した。アンフィライトは水中無人機も装備しているが、このシステムで破損箇所の直接点検を行ったかどうかは不明。     スウェーデン沿岸警備隊の捜索救助船「アンフィライト」と、上空を飛行する同隊の航空機「ダッシュ8-Q300」。スウェーデン沿岸警備隊 Swedish Coast Guard     ノルドストリーム2パイプラインの破断箇所はともに国際水域だが、スウェーデンの排他的経済水域(EEZ)内である。ノルドストリーム 1の破断した2本のパイプラインも国際水域にあるが、デンマークのEEZが適用される区域に位置している。この2つのパイプラインは、いずれもロシアの国営ガス会社ガスプロムと欧州のエネルギー企業が部分所有している。  スウェーデンとデンマーク両国の当局が調査を進めており、米国など欧州以外の国も協力している。デンマークはNATOに加盟しており、スウェーデンは現在、NATOへの加盟を申請中である。  「バルト海の国際水域におけるNordstream1とNordstream 2のパイプライン損傷に深く懸念する」と、本日

ロシアがウクライナ東部を併合後に核兵器を投入する可能性はどこまであるのか専門家4名の見識を聞いてみた

    核兵器を搭載したロシアの道路移動型ICBM     最 近のマスコミは、ウクライナ戦争で一つの問題に熱中している。プーチン大統領は核兵器の使用にふみきるか?ロシアの指導者の発言がハッタリかは、すぐに分かるだろう。  明日、クレムリンは、ロシア連邦加盟を問うた偽の投票を行ったウクライナ一部を併合する。プーチンは過去に、ロシアの一部、あるいはモスクワがロシアの一部とみなす部分が攻撃を受ければ、モスクワが対応することになると述べている。これは戦術核兵器の使用まで意味する。  19FortyFiveでは、数日前からこの問題について議論し、分析し、一流の専門家の分析と専門知識を求めてきた。今回は、専門家4名に、この問題についての見解と、プーチンの今後の対応を聞いた。  具体的な質問は以下の通り。プーチンがウクライナで核兵器を使えばどうなるか?以下まとめてみた。   マーク・カンシアンCSIS上級顧問  Mark F. Cancian , Senior Adviser, CSIS:  ロシアの核兵器使用がウクライナに限定されれば、NATOが核兵器使用を選択することはないだろう。欧州諸国は自国領土への拡大を恐れるだろうし、バイデン大統領も「第三次世界大戦を起こしたくない」と繰り返し表明している。同様に、NATOがウクライナやカリーニングラードのようなロシアの脆弱な領土に通常兵力を使用することも、エスカレーションへの懸念から疑わしい。  代わりに、NATOは別の手段で対応することになろう。外交的には、NATOはロシアをさらに孤立させ、おそらくインドと中国にロシアから燃料を買うのをやめさせるだろう。軍事的には、NATOは、ウクライナがまだ抵抗していると仮定し、ウクライナへの装備供給を増やすだろう。NATOは、装備の戦時使用に関し制限をすべて撤廃し、ロシア本土を攻撃できるATACMSなど装備品も供給することになる。NATO、特に米国は、同盟国を安心させ防衛するために、東ヨーロッパに追加部隊と防空能力を移動させるだろう。   Jアンドレス・ギャノン、米外交問題評議会スタントン核安全保障フェロー J Andrés Gannon , Stanton Nuclear Security Fellow at the Council on Foreign Relations NATOがロシア

ACCは中国の最新戦闘機開発状況を警戒。一方太平洋空軍はJ-20の実力を軽視。いずれにせよNGAD開発の重要性を強調する米空軍の主張の援護弾か。

via Twitter 航空戦闘軍団では、中国の次世代航空戦闘プログラムが米空軍と並行して進行中と見ている   航 空戦闘軍団(ACC)のトップ、マーク・D・ケリー大将Gen. Mark D. Kellyによれば、中国は米空軍の次世代航空優勢プログラム(NGAD)への対抗策開発に忙しいという。ケリー大将は、中国の極秘の取り組みから、第6世代有人戦闘機を含む、米空軍と同様の「システム・オブ・システム」が登場すると予想している。 NGADプログラムは第6世代有人戦闘機だけにとどまらない。有人機と一緒に働く協働型ドローンや、新型武器、センサー、通信アーキテクチャなども計画されている。米空軍はNGADを2030年以前に実戦配備したいと考えており、中国も歩調を合わせているとケリー大将は言う。 ケリー大将は最近、空軍宇宙軍協会Air & Space Forces AssociationのAir, Space & Cyber ConferenceでThe War Zone含むメディアを前に、将来の中国の航空戦闘プログラムに関する考察を紹介した。 その中で、ケリー大将は、中国が将来の有人戦闘機を含む第6世代の航空戦力が「我々の見方と大きく異なり、シグネチャーの指数関数的な削減、処理能力とセンシングの指数関数的な加速」を実現するとと見ているのがポイントだ。もうひとつ重要な要素は、オープン・ミッション・システムが支援する「反復」改良です。 反復アプローチで中国は「意味のあるスピードでの再プログラム」が可能になるとケリーは主張している。   2021年のAir, Space & Cyber ConferenceでFighter Roadmapのプレゼンテーションを行う航空戦闘軍団司令官Mark D. Kelly大将。 U.S. Air Force illustration by Tech. Sgt. Joshua R. M. Dewberry さらにACCのボスは、ソ連が設計したフランカー・シリーズの改良を中心に、中国が戦闘機ファミリーの開発を繰り返してきた経緯を指摘している。 「Su-27から始まり、Su-30、J-16、Su-35へと変化してきた」。   2021年に行われた中露アビアダート演習で、離陸する中国のJ-16戦闘機。 Ministry of De

ガスパイプラインを自ら破壊したロシアが次に狙うのは国際通信海底ケーブルの切断だ。ロシアの思考が邪悪すぎる

ノルドストリーム・パイプラインへの攻撃でプーチンがエナジーを武器化した 海底パイプラインの破壊工作はロシアの作戦だ ロ シアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」と「ノルドストリームII」の圧力が突然低下したのを欧州当局が月曜日に気付いた。それ以来、両パイプラインで計3回(NS1で2回、NS2で1回)の漏れが見つかった、デンマークの地震学者は、同地域でマグニチュード2.1および2.3程度の爆発を記録している。 漏洩は、デンマークの戦略的前哨基地ボーンホルム島のすぐ東のバルト海で発生している。ロシアによる妨害行為であることは間違いない。ドイツを含むいくつかのヨーロッパ諸国も、同じ結論に達した。実際、CIAはまさにその可能性をドイツに警告していたと伝えられている。 パイプラインからのガス放出(圧力を維持するために充填されていたが、現在は使用されていない)により、船舶はガス漏れ箇所から5海里、航空機は少なくとも3,280フィート上空離れるよう勧告されている。バルト海で巨大な泡のような円を描きガスが浮上している写真は、近隣諸国に気になるが、もちろん、問題の一部にすぎない。 この規模のメタンガスが大気中に放出されることで環境への影響もさることながら、ボーンホルム周辺の海底は環境的に敏感な場所だ。ボーンホルム東側の海は、第二次世界大戦後、化学兵器や軍需品の大規模な投棄場となった。バルト海には、4万トンから10万トンが投棄されたと考えられている。ソ連は戦後、マスタードガスなど約4万トンの化学兵器をボーンホルム近郊の投棄場に投棄したとされる。 このことは、パイプライン建設で大きな問題となった。プロジェクトを建設したコンソーシアムは、機密性の高い場所に参加するため、錨を下ろす船舶の特別許可を確保する必要があった。投棄場所数カ所は判明しているが、記録管理の不備、嵐、航行ミス、事故、さらに単に軍が無造作に荷物を投げ捨てただけで、バルト海底の危険物の範囲と位置が完全に判明できなくなる。 今回の最新の攻撃は、ロシアが西側諸国にダメージを与え、圧力をかけるためなら、あらゆる手段を利用し続けていることの顕著な例として、明確に読み取れる。プーチンは、ウクライナでの戦争と西側への対抗を、すぐ解決しない長期的な対立とみている。だからこそ彼は、(影響力の買収も含め)多額の資金と政治・外交

ロシア軍の弱体化の一方、ウクライナ軍は戦力を充実。この状況はいつまで続くか。プーチンは次にどんな手を打ってくるか

  自走榴弾砲2S1 Gvozdikaで射撃するウクライナ軍兵士(2022年5月7日、ウクライナ・ハリコフ地方にて)。 REUTERS/Serhii Nuzhnenko   ウ クライナでこれから何が起こるのか?ウラジーミル・プーチン大統領が、ウクライナ戦争に勝利するためにロシアの兵力の一部を追加動員すると発表したことは、開戦以来最も重要な変曲点の1つとなった。      プーチンは、ウクライナがハリコフ地方への攻勢に成功し、さらにロシア領ケルソンへの再攻勢を開始したことを受けて宣言した。同時にロシアは、ウクライナの大部分を併合する法的根拠となりうる占領地での住民投票を加速させると明らかにした。  これらの発表は、戦争の新たな局面を開くものであり、短期的にも長期的にも重要な意味を持つ。   ウクライナにおける短期的な影響    短期的には、動員は時間の経過とともに戦争に影響を与えるだろう。新しく訓練されたロシアの新兵や徴兵が前線に到着し、陣形に組み込まれるまで、ある程度の時間がかかる。訓練も意欲も不十分な人材の流入は、防衛線の薄い部分を安定させることはできても、それ自体で紛争のバランスを根本的に変えるはないだろう。ロシア軍の士気は、救援が近づいていることを知れば向上するだろう。しかし、戦争の終結を地平線上に押しやれば、長期戦を予期していなかった部隊には逆効果になりかねない。例えば、新たに動員されたロシア兵は、ウクライナで戦うより降伏や亡命を考えているとの指摘もある。  一方、今回の動員令は、ウクライナ、ロシア、そして世界の国々に対して、今後数ヶ月の行動を変える動機付けになる可能性もある。ウクライナにとって状況は明快で、今後数カ月はウクライナ軍の戦力が圧倒的に有利だが、ロシアが動員をかければ有利性は薄れる可能性がある。このため、ウクライナには、現在の有利なパワーバランスを可能な限り活用する強い動機がある。このため、ウクライナはロシアから領土を奪還するため、より積極的でリスクを許容するアプローチに傾くかもしれない。  欧米の間接参加者にとって、ロシアの動員は、モスクワが紛争に勝っているとは思っていないが、すぐにやめるつもりもないことを示すもと写る。このことは、紛争に伴う経済的混乱の期間と程度について難しい問題を提起しながらも、ウクライナ支援を継続する多くの人々の決意を