スキップしてメイン コンテンツに移動

イランがSu-35導入を検討中。ロシアとの無人機商談が背景にあるのか。国産技術に自信たっぷりのイランだが、米国の評価は低い。

 

 

ラン空軍司令官のハミド・ヴァヘディ准将Brigadier General Hamid Vahediは日曜日、イランが戦闘機購入を模索していることを明らかにした。

 ヴァヘディ准将は、ロシアからのスホイSu-35戦闘機の購入が空軍の議題であると発表した。「この問題は議題に上がっており、将来的に4++世代戦闘機を手に入れられることを望んでいる」。

 空軍司令官はまた、スホイSu-35の購入に関する最終決定権は、陸軍と軍参謀本部にあることを強調した。

 Su-35は、N011Mレーダーをさらに発展させた強力なN035 Irbis-E(Snow Leopard)PESA(受動電子走査アレイ)レーダーを採用し、武器管制システムの中核としている。最大400km離れた空中目標を探知でき、30個の空中目標を追跡し、8個と同時に交戦可能で、さらに合成開口モードを使用して地上の高解像度画像を提供できる多機能レーダーである。

 また、コックピット前方にはOLS-35光電子照準装置を装備し、赤外線探知追尾も可能である。また、敵の追跡からの防御に、L175MキビニーM電子対策システムを装備している。Su-35の正面レーダー断面積を半分にし、敵レーダーの検出範囲を最小限に抑えるために、エンジン入口とエンジン圧縮機前段にレーダー吸収材を適用している。

 Su-35は2基のサトゥルンAL-41F1Sターボファンエンジンを搭載している。AL-31Fの高度改良型であるAL-41F1Sは、Su-57のAL-41F1(izdeliye 117)と関連しており、エンジン制御システムが異なっている。

 エンジンは、回転軸が斜めに傾いた推力偏向ノズルを搭載し、ノズルはピッチに対し一平面で動作するが、傾きにより各エンジンノズルを異なるベクトルにすることでロールとヨーの両方を発生させる。この構造はSu-30MKIで最初に実装され、Su-57も採用している。

 

イランとロシアの無人機協力を危惧する欧米諸国

欧米のメディアは、テヘランとモスクワ間でドローン取引が行われる可能性があると、しきりに報道している。

 先週発表されたNBCニュースは、「ロシアはウクライナ戦争のためにイラン製無人機の第一陣を取得したが、無人機の最初のテストで技術的な問題に遭遇した」と、米国当局者の主張を引用している。

 「ウクライナ戦争の長期化と欧米制裁の壁に直面するロシアは、両国で利害が一致するため、軍備増強と経済浮揚のためイランに目を向けている」と記事は続けた。 これは、イラン当局者が、イランが無人機に関してロシアと協力していることについてのコメントをまだ拒否している間の話だ。

 「ロシア貨物機は今月、イランの飛行場で数日間にわたってMohajer-6とShahedシリーズ無人航空機を積み込み、無人機をロシアに運んだ」と、米当局者3名がNBC Newsに語った。この輸送は、ロシアがイランから『数百機』の無人機を輸入する計画の一部である、ととNBCは付け加えた。

 イランのドローン能力が軍事戦略家の注目を集めていることは周知の事実だ。また、イランが国内の知識を投入し高度な無人機を製造し、それを輸出する用意があることも、大いに注目される。

 しかし、イランはウクライナでの戦争は対話によって終わらせるべきだと主張している。

 革命防衛隊IRGCの航空宇宙司令官アミール・アリ・ハジザデAmir Ali Hajizadehは8月22日、ドローン産業の進歩を支える頭脳は知識集約型企業であると発表した。

 イランは、いかなる状況でもドローン技術の進歩を止めることはないと明言している。

 防衛能力は、軍隊と知識ベースの企業との相互作用の産物であるとハジザデは指摘し、「知識ベースの生産は飛躍を生み出すことができるので、外国に依存しない。多くの分野で知識ベースの対策が必要である」と付け加えた。

 IRGC航空宇宙部長は、こうした措置が防衛産業でとられていると述べ、イランは過去にこうした能力を保有していなかったと指摘した。

 「昔は有刺鉄線を輸入していたが、今はドローンを輸出している。この道は間違いなく、知識集約型の学部や大学、軍エリートの関係を確立することで切り開かれた」と強調した。

 また、IRGCの航空宇宙部門は、障害を克服できるよう研究部門に投資してきたと述べた。

 「このため、イランは空で優位に立つことができ、欧米諸国は、イラン製無人機とミサイルの能力を制限するため交渉を優先させるとくりかえし表明している」と述べている。■


Iran to purchase Sukhoi Su-35 from Russia: report - Tehran Times

September 4, 2022 - 22:7



コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...