スキップしてメイン コンテンツに移動

日本をめぐる各国海軍の動き(9月18日-24日)

 

USS ロナルド・レーガンが韓国釜山に寄港した。Sept. 23, 2022. US Navy Photo

 

 

USS ロナルド・レーガン (CVN-76)が9月22日に大韓民国に入港したと米海軍が発表した。

 レーガンは巡洋艦USSチャンセラーズビル(CG-62)、駆逐艦USSバリー(DDG-52)と釜山に入港した。駆逐艦USSベンフォールド(DDG-65)は東の鎮海に寄港した。

 

 

 「ロナルド・レーガン打撃群の寄港は、米国と韓国の関係にとって戦略的に重要であり、同盟に対する米国のコミットメントを明確かつ明白に示すものだ」と、打撃群司令のバズ・ドネリー少将Rear Adm. Buzz Donnellyは声明で述べている。「釜山に戻り興奮している。今回の訪問は、70年以上にわたって平和を維持してきたこの地域における我々の日常業務の一部である」。

 レーガンCSGは、来月は韓国海軍と訓練を行う予定で、今回の入港は訓練に向けた準備と計画、乗組員のレクリエーションを兼ねている。レーガン打撃群は韓国入港に先立ち、海上自衛隊の駆逐艦「あまぎり」(DD-154)と訓練を実施した。

 

ズムワルトが西太平洋に展開中

 レーガンに加え、誘導ミサイル駆逐艦「ズムウォルト」(DDG-1000)も西太平洋で活動している。

 

 米海軍によると、ズムウォルトは9月19日にグアムを出港しました。今回の訪問は、同艦が母港カリフォーニア州サンディエゴから最も離れた場所となった。

 

揚陸強襲揚陸部隊の動向

 揚陸強襲揚陸艦USSトリポリ(LHA-7)は、9月17日にUSSアメリカ(LHA-6)と東シナ海で演習を行った後、現在フィリピン海にいる。

 トリポリ水陸両用群(ARG)の前方展開水陸両用ドック USS ニューオーリンズ(LPD-18)は、第 31 海兵遠征隊(MEU)隊員とともに日本海にいる。

 水陸両用ドック揚陸艦USSラッシュモア(LSD-47)は、静岡県の沼津海上演習場において、海上自衛隊のLST「くにさき」(LST-4003)との相互運用・上陸訓練を終え、日本各地で活動している。演習は9月16日に始まった。

 

カナダ海軍の動き

 東シナ海周辺では、カナダ海軍のフリゲート「HMCSバンクーバー」(FFH331)が、国連安全保障理事会が北朝鮮に科している制裁措置を支援する多国間協調作戦「ネオン作戦」の一環で活動中だ。カナダは、国連制裁を破った船舶の監視やモニタリングなどに参加している。バンクーバーは9月中旬からこの任務を実施しており、カナダ海軍による展開は2018年以降で6回目となった。火曜日、バンクーバーはUSSヒギンズ(DDG-76)と台湾海峡通過を実施した。

 

ロシア海軍

 今週はロシア海軍のタランチュール級コルベット4隻がラペルーズ海峡を西進し、東シナ海に侵入しているのが目撃されたと、日本の防衛省が9月16日に発表した。

 コルベットは、RFS R-14(924)、RFS R-18(937)、RFS R-11(940)、RFS イワノベツIvanovets(954)であることが確認された。海上自衛隊の高速攻撃艇「くまたか」(PG-827)と、海上自衛隊八戸航空基地に所属する第二航空団の P-3Cオライオン海上哨戒機(MPA)が監視した。

 このうちイワノベツはロシア黒海艦隊の所属だが、今年7月から太平洋艦隊に配置転換されたのか、同級を計10隻運用するロシア太平洋艦隊の他のタランチュール級コルベットのいずれかが改番されたのかは不明である。ロシアはウクライナ侵攻以来、艦艇番号を塗り潰し正体を隠している。

 ラペルーズ海峡は、ロシアのサハリン島と北海道を隔てる国際水路で、日本海とオホーツク海を行き来するロシア太平洋艦隊の艦船が日常的に通過しており、両海域は艦隊の作戦区域の一部となっている。日本は付近を航行するロシアと中国の海軍艦艇の活動を注意深く監視している。

 

PLANの動き

 人民解放軍海軍(PLAN)の第42中国海軍護衛任務部隊(駆逐艦CNS淮南 Huainan (123)、フリゲートCNS 日照Rizhao (598)、補給艦CNS Kekexilihu (968)で構成)は水曜日、第41中国海軍護衛任務部隊を交代させるため青島基地を出港した。CNS 蘇州Suzhou(132)、CNS 南通Nantong(533)、CNS巢湖Chaohu(890)等の駆逐艦は、今年 5 月に派遣された第 41 回中国海軍護衛任務部隊を引き継ぐため、青島を出発した。PLAN は 2008 年から、アデン湾での護衛任務のために艦船を派遣している。

 

オーストラリアのカカドゥ2022演習

 オーストラリアでは、22カ国からの水上艦艇16隻、1隻の潜水艦、34機の航空機、3000人の隊員が、オーストラリア海軍が主導するカカドゥ2022演習の海上フェーズを、オーストラリア北部演習地域の海域と空域で実施している。この演習は9月12日から24日まで行われ、戦闘と海上取締りの両方の訓練が含まれる。演習参加国は、オーストラリア、ブルネイ、チリ、クック諸島、フィジー、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、パキスタン、パラオ、フィリピン、サモア、シンガポール、ソロモン諸島、タイ、東チモール、英国、アラブ首長国連邦、米国、バヌアツ。

 オーストラリア海軍の艦艇は、駆逐艦 HMAS ホバート(DDG39)、フリゲート HMAS パース(FFH157)、 補給艦 HMAS スタルワート(A304)、巡視船 HMAS ブルーム(ACPB90)、及び RAN 潜水艦が参加してい る。フィジー、フランス、インド、インドネシア、日本、マレーシア、シンガポール、タイ、米国は、それぞれこの演習に艦船を派遣しておりフィジー海軍は哨戒艇RFNS Savenaca (401), フランス海軍フリゲート艦 FNS Vendémiaire (F734), インド海軍フリゲート艦 INS Satpura (F48), インドネシア海軍フリゲート艦 KRI Raden Eddy Martadinata (331), 海上自衛隊駆逐艦 JS Kirisame (DD-104), マレーシア海軍フリゲート艦 KD Lekiu (FFGH30),シンガポール海軍フリゲート艦RSS Steadfast (70), タイ王国海軍フリゲート艦HTMS Bhumibol Adulyadej (FFG 471) 米海軍沿海域戦闘艦USS Charleston (LCS-18)だ。

 8月19日から9月8日までオーストラリアで行われたRAAFピッチブラック演習に参加したドイツ空軍とシンガポール空軍の部隊もカカドゥで参加するため残っていた。ドイツ空軍は、ユーロファイター・タイフーン6機、A330多用途タンカー輸送機(MRTT)3機、A400M輸送機で構成され、RSAFはF-15SGとF-16D戦闘機8機、ガルフストリーム550空中早期警戒機とA330 MRTTで構成されている。■

 

Carrier Ronald Reagan Makes Rare South Korean Port Call, Russian Ships Active Near Japan - USNI News

By: Dzirhan Mahadzir

September 23, 2022 2:46 PM


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ