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日本が建造する大型イージス防衛艦に興味津々。どんな艦になるのか。帝国海軍の軍艦金剛との意外な共通点とは。

 

Japan Ministry of Defense/KAZUHIRO NOGI/AFP via Getty Images

日本の弾道ミサイル防衛能力は、イージス・アショア・システムではなく2隻の新型艦建造で抜本的に見直される

 

衛省は、陸上イージスシステム導入としてきたこれまでの提案の代替と、巨大な新型艦艇2隻を建造する計画について詳細情報を提供した。まだ名前のないミサイル防衛艦は、標準排水量が約2万トンで、現在のイージス駆逐艦まや型の2倍以上となる見込みで、第二次世界大戦以来、日本最大の水上戦闘艦となる。

2023年度の予算要求の中で、防衛省は新型艦2隻の調達案を示している。日本メディアによる未確認報道では、2隻には71億ドルの価格が付くとされており、イージス・アショア・システム二箇所の43億ドルをかなり上回っている。日本の防衛予算は近年着実に増加しており、軍事に対する重要性の高まりと、北朝鮮と中国から発せられる脅威が急速に発展していることを反映している。

 

北朝鮮のミサイル発射を受け、日本と朝鮮半島の地図を表示したテレビ画面の前を歩く歩行者(2017年11月29日、東京都内で)KAZUHIRO NOGI/AFP via Getty Images

浜田靖一防衛大臣は、ミサイル防衛を担う2隻の大型新型艦を導入することで、既存のイージス駆逐艦は他の重要任務、特に中国の潜在的な海上侵攻に対する防衛に集中できると述べた。

現在、海上自衛隊のイージス艦は、「まや」級2隻、「あたご」級2隻、「こんごう」級4隻で構成されている。最新のまや級は、あたご級の派生型で、こんごう型は米海軍のアーレイ・バーク級駆逐艦の日本での派生型だ。

日本経済新聞記事によると、新型艦は全長約690フィート、幅約130フィートと予想されている。これは、海上自衛隊の最新イージス駆逐艦「まや」級の全長557フィート強、幅73フィートより一層大きくなる。まや級の標準排水量は約10,250トン。

主力イージス艦まや  Japan Ministry of Defense

これまでの報道では、新型艦の大きさは「まや」級にかなり近く、標準的な排水量は9,000トン程度とされていた。そのため、まや級の改造版が建造されるのではないかとの憶測もあった。

新型ミサイル防衛艦の大きさは、現在、海上自衛隊最大の艦艇いずも級ヘリコプタ駆逐艦の全長814フィート弱、幅125フィート前後、空積19800トン、全備27000トンに匹敵するものとなる。

興味深いことに、提案にある新型艦は、第二次世界大戦時の金剛型戦艦と寸法がほぼ同じで、金剛型は全長720フィート6インチ、幅108フィート7インチ、排水量28000トンであった。この数字には相当量の装甲防御が含まれている。

1913年建造の巡洋戦艦金剛は、1929年から31年にかけ改装され、この姿になった。1945年7月まで使用された。 U.S. Naval Historical Center Photograph

これまで発表の数値はあくまで計画案であり、変更される可能性があることにも注意が必要だ。

いずれにせよ、新型艦は米国のミサイル防衛シールドの重要なノードとなるため、その調達は日本だけでなく米国にとっても優先事項となる。

浜田大臣は新型艦について「5年以内に防衛力を抜本的に強化するための極めて重要な取り組みだと考えている」と述べ、開発プロセスを加速させていることを明らかにした。現在の計画では、新型艦の1番艦は2027年後半に就役し、2番艦は2028年後半に就役する予定だ。

しかし、全体として、新型艦の姿は現段階では不明である。日本のメディアは以前、新型艦を「超巨大駆逐艦」と表現したが、最近では、海上自衛隊の現在のイージス艦の設計を踏襲しないのではとの憶測も出ている。

レーダー性能を最大限に発揮するため重要となる安定性を高める双胴船や多胴船をベースにした構想もある。さらに過激な案として、ミサイル防衛アーキテクチャを無動力はしけに搭載することも考えられていた。

現在は単胴型が使用されるようだが、最終的なデザインは、約130フィートという比較的大きな全幅が示すように、従来型駆逐艦や巡洋艦との共通点は多くないかもしれない。いずも型ヘリコプター駆逐艦や少しこぶりのひゅうが型の船体を大きくした案が選択肢になるかもしれない。

浜田防衛大臣は、新型艦の必要性として、北朝鮮の弾道ミサイル兵器が拡大し、能力が向上している点を指摘した。北朝鮮は現在、弾道ミサイルを大量発射できるだけでなく、道路や鉄道を利用した移動式弾道ミサイルの開発により、予想外の発射地点から発射する可能性が高まっている。北朝鮮は潜水艦発射型の新型弾道ミサイルの開発も精力的に行っている。その一方で、性能と飛行プロファイルは迎撃を難しくしている。新型艦には、北朝鮮のミサイル(あるいは他の敵対国が発射したミサイル)を高高度で迎撃する能力が期待される。

弾道ミサイルに加え、浜田大臣は、新型艦は極超音速滑空兵器(中国とロシアが実用化しており、北朝鮮も開発を進めている)の迎撃装備にもなると語った。日本経済新聞によると、極超音速滑空兵器に対抗する能力は「後から追加する」とあるが、それ以外の詳細は明らかにされていない。一般に、マッハ5以上で飛行する極超音速ミサイルへの迎撃ミサイルの実用化は大きな挑戦だ。

新型艦ではその他の主な特徴としては、乗組員数が110人と、まや級駆逐艦の約300人に対し少なくなる。

海上自衛隊の人員問題は、以前から指摘されていた。イージス・アショアを選択した当初の理由のひとつに、艦艇勤務できる海上自衛隊隊員が限られていることへの懸念があった。この問題は非常に重要で、海上自衛隊は現在、人員不足に対応するため、フリゲート艦サイズの多任務型「駆逐艦」「もがみ」級を導入している。

小型マルチミッション型「駆逐艦」新クラスの主力艦もがみ Japan Ministry of Defense

自動化が進み、戦闘任務が防空やミサイル防衛に限定されるなどの要因も乗組員数を減らすのに役立つ可能性がある。

同時に、乗組員の居住空間は充実する可能性が高く、日本本土周辺での長期配備に適したものになる。

新型艦は現在就役中とイージス艦とは似た外観とならなくても、特に弾道ミサイル防衛任務の大部分を担うことになると、防衛省は確認している。

したがって、2隻の新型艦の目玉は、弾道ミサイル防衛用のロッキード・マーチン製AN/SPY-7長距離識別レーダーであることは確かだ。このレーダーは、もともと日本のイージス・アショアシステムに使用される予定だったものと同じだ。

イージス・アショアシステムは、技術的な問題、コストの上昇、国内の批判を理由に、2020年に中断された。後者には、迎撃ミサイルの破片が日本に着弾し、損害や負傷を引き起こす懸念があり、また、イージス・アショアシステムの強力なレーダーが出す放射線が健康に与える影響でも、国民が大きく懸念していた。

ハワイ州カウアイ島にあるイージス・アショアミサイル防衛実験施設にあるメインコントロールセンター。日本のイージス・アショア施設も同様の設計になると予想されるが、レーダーはここで見られるAN/SPY-1の代わりにAN/SPY-7が搭載されている。 KYODO VIA AP IMAGES

搭載するミサイルはSM-3 MkIIA迎撃ミサイルで、現在配備されているSM-3よりも交戦範囲が広く、より幅広いミサイルの脅威に対処できる。同ミサイルを開発した日米コンソーシアムについては、過去に何度か取り上げている。

また、SPY-7の艦艇搭載を決定したのは日本が初めてではない。ロッキード・マーチンはすでに、BAEシステムズの26型フリゲートから派生した将来のカナダ水上戦闘艦や、スペインが計画中のF110級フリゲートに搭載するため同レーダーを供給している。これらの設計は、日本が提案するミサイル防衛艦よりも相当小型だ。しかし、SPY-7は拡張性の高いレーダーであり、弾道ミサイル防衛に特化した設備であれば、大型化も可能だ。

それでも、日本がここまで異例の解決策を選んだのは、少なくとも部分的にコストが理由である可能性がある。日本は、ミサイル防衛で特殊用途艦や海上プラットフォームを研究し、大型駆逐艦に代わる安価な選択肢を検討していた。ハンティントン・インガルスが、既存のサンアントニオ級ドック船型をベースに構想した米国の弾道ミサイル防衛艦(BMD Ship)も同様の発想だった。これは、既存のアーレイ・バーク級誘導弾駆逐艦を大幅に上回るミサイル防衛プラットフォームを提供するのが目的だった。

洋上プラットフォームや、水陸両用強襲揚陸艦の船体を流用したミサイル防衛艦は、対艦ミサイルや潜水艦からの攻撃に弱い欠点がある。また、ミサイル防衛の任務が重視されているため、船体にどのような防衛手段や武器が搭載されるかは不明である。そのため、駆逐艦や潜水艦の護衛が必要となる可能性がある。

しかし、ミサイル防衛艦が汎用プラットフォームになる可能性や、少なくとも北朝鮮のミサイル発射台に対する長距離巡航ミサイル攻撃などの反撃能力を持つ艦になる可能性を示唆する声もある。先月、日本メディアは、12式地対艦ミサイルのアップグレード版で「反撃能力」の追加を検討している可能性を報道した。この射程距離は600マイル以上になる可能性がある。

陸上自衛隊のランチャーから発射される12式地対地ミサイル JGSDF

日本のミサイル防衛艦計画からどんな艦艇が誕生するかは興味深い。ミサイル防衛艦が配備されれば、弾道ミサイルが拡散中のこの地域で、米国と日本の利益を守るミサイル防衛の盾として重要な役割を果たすことが期待される。■

 

Japan Plans Giant Missile Defense Ships, Its Largest Post-WWII Surface Combatantss

BYTHOMAS NEWDICKSEP 8, 2022 5:21 PM

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