プーチンの側近エフゲニー・プリゴジンが、ロシア受刑者にウクライナでの兵役を売り込む動画のスクリーンショット。 capture via Twitter
刑務所内の受刑者を説得し戦わせることは、しばしば苦肉の策と見なされ、ハリウッド映画でよく見られる。
「特攻大作戦ダーティ・ダズン」や「スーサイド・スクワッド」に出てくるようなシーンで、ウラジーミル・プーチンの側近が、受刑者だらけの刑務所の庭で戦闘任務を持ちかけ、低迷するロシア軍の侵攻に貢献することで刑の免除を約束する。
ロシアのオリガルヒでプーチン側近さらに、同国の軍事情報機関GRUとつながりのあるエフゲニー・ビクトロビッチ・プリゴジンYevgeny Viktorovich Prigozhinが、ロシア刑務所の受刑者を表向き民間軍事会社のワグナーグループで働くよう勧誘する姿をビデオで見ることができる。ワグナーはクレムリンやGRUとも関係があり、その他類似組織もロシアの近年の戦争すべてで任務に就いている。
プリゴジンの受刑者への働きかけは、いささか見当違いかもしれない。オンライン翻訳によると、彼は「戦争は重い」「チェチェンのようなことはない」と言っている。100万人以上のソ連軍が犠牲になった伝説的な残忍な1943年のスターリングラードの戦いより多くの砲弾が発射されていると主張した。ナチスとその同盟国は80万人ほどの死傷者を出した。
ハリウッドなら、このようなシーンは、端役の、時には破天荒な、あるいは不名誉な将校が、堅物の犯罪者を、信じられない報酬が期待できる一見不可能な任務を進んで引き受けるチームに形成する任務として描く。「特攻大作戦」では、恩赦と引き換えに、Dデイ直前にフランスでナチス幹部が集まるシャトーに潜入し、破壊するよう12人が依頼された。こうしたミッションは常に極秘であり、隊員にはほぼ間違いなく片道切符である。
そのシナリオが白昼堂々と演じられ、撮影され、ソーシャルメディアに投稿されているのである。
現実の世界でも、冤罪を晴らしたい囚人にとって兵役は選択肢の一つであった。例えば、ベトナム戦争では、アメリカの犯罪者に兵役に就く選択肢があった。そのバリエーションは、歴史的に見ても多い。ソ連は第二次世界大戦中、ナチスと同じようにシトラフバット(流刑大隊)を組織した。ディルレヴァンガー旅団は、殺人やその他の重大犯罪で有罪判決を受けた者を集めたワッフェンSS部隊で、特に悪名高く、多くの戦争犯罪の直接の原因になった。
ロシア軍に採用され、過去の犯罪に対する恩赦申し出を受けている兵士たちは、爆発的で死ぬか死ぬかの任務に就くためではなく、この場合、ロシア自身が作り出した肉挽き機に送り込まれるのである。
退役陸軍大将で前米国陸軍欧州軍司令官マーク・ハートリングMark Hertlingは、この動きを「正式な友愛」と呼んだ。
ビデオの中でプリゴジンは、兵役に就いた受刑者が守らるべき規則を明示している。最初の「罪」は脱走で、これはどの軍隊でもある。ただし、降伏や捕虜になることは許されないとのソ連時代の掟がある。ワグナーに徴兵された最初の受刑者40人は、彼とウクライナの塹壕を襲撃し、戦死者3名と7人の負傷者を出した。
「誰も牢屋には戻れない」と彼は言う。「6カ月兵役に就けば、自由になれる。ウクライナに着いて、自分には合わないと思った者は処刑する」。
アルコールと薬物の乱用は、徴兵者がその毒に溺れない限り、問題ない。略奪や性的暴行はアウトだが、性的虐待で投獄された者は「間違いは起こるもの」と免責される。そして、任務を明確に説明する。
「ほしいのは攻撃部隊だけだ」
徴兵制への依存は何も新しくないが、ロシアが未訓練の兵士で隊を補充する必要性に迫られているのは、モスクワがいかに絶望的になっているかを示しているようだ。ロシアは2月のウクライナ侵攻に先立ち、数十万人の兵力を確保していたはずだ。おそらく数万人の兵士を失い、補充する必要がある上に、指定期間を終えた兵士がいるため、権力者は明らかに、見つけられる限りの新人を漁るよう迫られている。
恐ろしい売り込みを受け、受刑囚で何人が取引に応じたかが興味深いところだ。■
Russia Doing ‘The Dirty Dozen’ Recruiting Inmates To Fight In Ukraine
BYDAN PARSONSSEP 14, 2022 9:02 PM
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