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F-35JPO統括官が交代。内部昇進のパターンを破る人事。一方で、次期ロット機体単価設定でロッキード、国防総省の意見が食い違ったまま。史上最悪の調達事業に取り掛かるシュミット中将は大変だ。

  (US Marine Corps/Chief Warrant Officer Bryan Nygaard) 機 体価格設定で意見が不一致なまま次期ロットに関するロッキード・マーチンとの交渉が長引いているが、マイケル・シュミット空軍中将 Lt. Gen. Michael Schmidt がF-35プログラムオフィスを引き継ぐ。 マイケル・シュミット空軍中将は本日、国防総省のF-35プログラムオフィスの手綱を取り、国防総省で最も悪名高く高価な兵器プログラムの継続開発を指揮することになった。 シュミット中将は空軍の指揮・制御・通信・情報・ネットワーク(C3I)担当プログラム主幹が前職、2019年7月からF-35統合プログラムオフィスを率いていたエリック・フィック空軍中将 Lt. Gen. Eric Fick の後任として就任した。 シュミット中将は、F-35ロット15-17の契約交渉が1年以上にわたる協議にもかかわらず長引く中、F-35プログラムオフィスを引き継ぐ。フィックは3月に記者団に対し、国防総省とF-35メーカーのロッキード・マーティンは機体単価でまだ合意していないが、サプライチェーン問題のため前回のロットより高くなる可能性が高いと述べていた。 シュミット中将はまた、F-35がブロック4近代化プログラムに移行し、基本形の機体戦闘機で追加武器、改良センサー、ミッションシステム、ソフトウェアでアップグレードされるのを監督する。 シュミット中将は、指揮官交代式で「世界最高の戦闘機事業を引き継ぐよう依頼され、本当に光栄に思い、さらに良いものにすることを楽しみにしています」と述べた。 F-35JPOのリーダーシップは、空軍と海軍が交互にプログラムオフィスを支配し、トップの座はプログラムエグゼクティブから副官へと移るという、通常決まったパターンで行われてきた。しかし、今回のシュミット中将は、F-35プログラムオフィスの外部出身であり、同じ空軍士官の後を継ぐため、これまでの傾向に反している。 シュミットの経歴には、複雑な兵器システムを監督した豊富な経験が含まれる。直近では、空軍の150億ドル規模のC3Iポートフォリオを監督した。このポートフォリオでは、サイバースペース機能、電子戦システム、ソフトウェア開発工場など、各種企業が含まれていた。それ以前は、2016年から2018

2030年のF-35はここまで性能強化される(はず)

ロ ッキード・マーティ ン F-35にはこれからの10年で以下が期待されている。 世界各地で2千機超が供用され、さらに増える。機体販売単価、運航費用双方で第四世代機をわずかに上回る程度になれば販売に拍車がかかる。最新のブロック4仕様では現行型のコンピュータ処理能力の25倍になり、機内のデータ融合エンジンでアクティブ、パッシブ双方のセンサーのデータが有効活用可能となる。 コックピットの状況認識機能が向上し、パイロットは各種兵装を選択可能となる。ロッキード・マーティンAIM-260あるいは レイセオン AIM-120高性能中距離空対空ミサイル6本を機内搭載する、洋上標的攻撃に共用打撃ミサイル、新型長距離打撃ミサイルの スタンドイン攻撃兵器 (SiAW) を機外に搭載する。極超音速巡航ミサイルの外部搭載の可能性もある。ロット22機材がロッキード組立ラインを離れる2030年には新型空中発射回収式装備により探知能力が向上し、兵装搭載量もミッション内容により倍増する。 F-35の役割も制空攻撃任務から広がる。陸軍、海軍ともにF-35のセンサーデータで迎撃ミサイルを遠隔制御している。空軍の分散型指揮統制体制ではF-35の処理能力、センサーデータや通信能力で各ドメインで広範な攻撃効果を上げるのが狙いだ。F-35は空軍が通常使用する範囲を超えた役割を果たしそうだ。 米空軍のF-35Aが5月にネリスAFBで飛行テストに供されたが、GBU-49レーザー誘導爆弾を搭載していた。性能改修でレイセオンGBU-53/Bストームブレイカーの運用が可能となる。Credit: Airman 1st Class Bryan Guthrie/U.S. Air Force 10年先といっても決して遠い先のことではなく、実現は大いに可能だろう。10年前のF-35は危機的状況にあった。飛行テストは2009年に停止され、サプライチェーンは混乱していいた。当時国防総省で調達・技術導入の責任者だったアシュトン・カーターは状況説明を受け事業中止を提案していた。 ロッキードはF-35の500機超を9か国に引き渡しずみで、さらに三カ国が導入を決めた。2022年にロット14生産が始まると機材単価は77.9百万ドルまで 低下する。 ただし同機開発のこれからの10年

F-35事業推進室長交替人事(ペンタゴン発表)

ボグデン中将には史上最大規模の調達事業をよくここまで統括してきたなと率直に尊敬のしますがよく正常な精神を維持できたと思います。後任のウィンター提督は新大統領のもとで今までとは違うプレッシャーに負けず職責を果たしてもらいたいものです。 Rear Adm. Mat Winter Nominated As Head of F-35 Joint Strike Fighter Office F-35事業推進室長にマット・ウィンター海軍少将 By: Sam LaGrone March 28, 2017 1:45 PM • Updated: March 28, 2017 9:11 PM https://news.usni.org/2017/03/28/rear-adm-mat-winter-nominated-head-f-35-joint-strike-fighter-office 海軍研究部門長マシアス・W・ウィンター少将US Navy Photo 前海軍研究部門長かつ海軍無人機開発部門長を国防総省がF-35ライトニングII共用打撃戦闘機推進室長に指名した。ペンタゴンが28日発表した。 マット・ウィンター少将はクリストファー・ボグデン空軍中将の後任でJSF開発室長として国防長官官房に入る。上院の指名承認が下りれば中将に昇進する。ウィンターは2016年12月より開発室(JPO)の事業副責任者となっている。 トランプ政権がロッキード・マーティンF-35の事業費削減を目指す中でウィンターはJPOを引き継ぐことになる。トランプは当選直後にボグデンに二回電話し価格問題で懸念を伝えている。これでジェイムズ・マティス国防長官が検討の指示を出し、ボブ・ワーク副長官のもと「F-35CとF/A-18E/Fの作戦性能比較とホーネット改良型でどこまで費用対効果が高い選択肢になりうるかの評価」を求めた。 F-35合同事業推進室長クリストファー・ボグデン空軍中将DoD Photo ボグデンはJPO室長を2012年から務め、JSFは三形式はいずれも価格引き下げに成功し、空軍海兵隊の各仕様は初期作戦能力獲得を実現した。ボグデンは退官する意向だ。 ウインターは海軍研究部長として海軍研究所を統括していた。以前は攻撃兵器・無人航空機開発責任

★★あまりにひどいF-35の現実にトランプ大統領はどんな判断をする?

「F-35事業は15年にわたる失敗、遅延、予算超過の一大叙事詩」 ---- す、すごい表現ですね。しかし一体どちらが正しいのか。メーカーや運用する米空軍等は楽観的な見方をする一方でペンタゴンの評価部門は極めて厳しい評価をしており、事業推進責任部門にも厳しい目を向けています。大きすぎてつぶせない、というF-35事業ですが、ビジネスマンのトランプ大統領がどんな判断を下すのかが来年の大きな話題になるでしょう。 We go to war so you don’t have to An F-35A takes off from Mountain Home Air Force Base in Idaho. U.S. Air Force photo The U.S. Military Will Bring F-35s Into Service Without Finishing Them Program office cuts development short by DAN GRAZIER https://warisboring.com/the-u-s-military-will-bring-f-35s-into-service-without-finishing-them-f7a25bc8de2c 戦闘対応の準備ができていない状態でしかも開発が完了しないままでパイロットがF-35共用打撃戦闘機を操縦することになりそうだ。 「このままでは実施できない」重要なミッションがあるとペンタゴンの武器試験部門トップも警鐘を鳴らしている。 Project On Government OversightはこのたびDTO&E作戦試験評価部長マイケル・ギルモアの作成したメモを入手したが、共用打撃戦闘機推進室がF-35開発期間を切り上げることで日程・予算ともに予定通りと取り繕おうとしていると批判している。 開発テスト打ち切りでさらに予算超過する 契約企業各社、JPO、ペンタゴンともに同事業を予定通り進行することに失敗しており、今回は開発試験や技術修正が必要なのに予算がなくなったようだ 失敗を認める代わりに関係者は開発期間を短縮し次の作戦テスト製造段階用に確保しておいた予算に手を付けようとしている。 遅ればせな

F-35:2Bソフトウェア完成遅れるが海兵隊はIOCに向け努力中

ボグデン中将は率直な物の言い方をする人のようですね。これだけ大規模なトラブルにある事業を統括し続ける人だけに普通の神経ではないのかもしれません。しかし次から次に話と違う事態がF-35では発生しているようで目が離せません。 ‘I Am Not A Salesman For F-35:’ Lt. Gen. Bogdan, F-35 PEO; 2B Software Delayed By COLIN CLARK on March 25, 2015 at 6:53 PM http://breakingdefense.com/2015/03/i-am-not-a-salesman-for-f-35-lt-gen-bogdan-f-35-peo-2b-software-delayed/feed/ F-35事業を統括するクリストファー・ボグデン空軍中将が記者を前にF-35に関する正しい報道を行うよう求めた。その際に注目を集めた中将の発言は「自分はF-35のセールスマンではない。またF-35事業の提唱者でもない。最高の事業を運営するのが仕事だ」というもの。 兵器開発に当たる制服組は得てして自らが携わる兵装の信奉者になる。予算の獲得に奔走しながらどれだけうまく事業が推進されるかで昇進にも影響する。F-35取材の中ではロバート・ゲイツ元長官がボグデンの前任者だったデイビッド・ハインツ海兵隊少将を更迭した場面が記憶に新しい。2010年度予算の説明の際にハインツはF-35向け第二エンジン選択を批判し、ゲイツは公の場で自分の意見と対立する人を我慢できなかった。 ボグデンが取り組むのは米国史上最大の通常兵器開発事業だ。その彼が事業の信奉者ではないと公然と発言するのは勇気のいることだ。その同じ人物が当初はJPOとロッキード・マーティンの関係は「ここまでひどいものは見たことがない」と言っていた。つまりボグデンが心のなかを明らかにするのは前例があることになる。 記者も納税者であり、一言言わせてもらえばボグデンの発言を聞いて嬉しくなった。ただしそのままうけとめてはいけない。F-35事業の国際規模を考えると運営には演技力と雄弁ぶりが必要。 そこでボグデンが他にどんなことを行っているのか知りたくなる。 まず2Bソフトウェアは6月までに利用開始できない。この月に