ラベル IRGCシャヒド・バゲリ、ドローン空母 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2025年2月10日月曜日

(再掲載誰も見たことのない奇抜なイランの空母が就役した(The War Zone)―商船構造なので攻撃には脆弱で、公開された搭載機も本物か疑わしいのですが、イランが考える兵力投射を実現したものと考えてよいでしょう

 


Iran has finally shown a drone taking off and landing on – in the latter case with the help of arresting gear – the deck of the country's unusual new 'drone carrier,' the Shahid Bagheri. Newly emerged imagery also shows various drones and crewed helicopters on the flight deck, which has a ski jump at the bow end, including the appearance of 'drones' styled after the infamous Qaher 313.  

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シャヒード・バゲリの能力については疑問が残るが、悪名高いカヘル313が新たなドローン形態で再登場したことについて注目だ


ランが新型「ドローン空母」であるシャヒード・バゲリthe Shahid Bagheriの甲板に離着陸するドローンの画像を公開した。画像には、悪名高いカヘル313に倣った「ドローン」の姿も含め、艦首端にスキージャンプ飛行甲板上の様々なドローンや乗組員付きヘリコプターも写っている。公式には移動海上基地として宣伝されているシャヒード・バゲリは、小型ミサイル艇を発進させ、自衛のための武器と巡航ミサイルで武装していることが示されている。

 シャヒード・バゲリの新たな写真と動画は、イラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)の海軍部門への正式就役を記念する式典の前後に公開された。 商業用コンテナ船からの改造は2022年5月に開始され、昨年11月には新形態での海上公試が開始されたと伝えられている。

 本日の式典の映像には、シャヒード・バゲリの180メートル(590フィート)の飛行甲板から発射される、格納フック付きの改良型Ababil-3ドローンの映像が含まれている 別の映像では、おそらく同じドローンがフックでアレスティング・ワイヤーをキャッチして甲板上で回収している。Ababil-3はまた、各翼の下に1基ずつ、2基の小型ターボジェットエンジンを搭載しており、カタパルトの助けを借りず短い飛行甲板から運用するための貴重な追加性能を提供する可能性がある。

 Ababil-3の「空母」改造が実際にどの程度恒久的なものなのか、また、より洗練された設計が計画されているのかは不明である。Ababil-3の核心は、イランや、イランに支援された中東の代理人を含む中東の他のオペレーターで現役で使用されているイラン設計である。このドローンは、偵察・監視任務や小型精密弾薬の使用が可能である。

 ビデオクリップでは、イランのQaher 313航空機を模した小型の遠隔操作飛行機風の「ドローン」が、シャヒード・バゲリのデッキで離着陸している。カヘル313と同じデザインの大型ドローン、あるいはそのモックアップもデッキで目撃されている。 未確認情報では、大型のものはオリジナルのカヘル313の20%、小型のものは60%の大きさだという。どちらもJAS-313と記されており、片方はエレベーターで飛行甲板まで持ち上げられているのが映っている。 実際の能力は不明である。

 2013年に初めて公開されたQ-313やF-313としても知られるカヘルQaher 313は、それ自体が怪しげで広く嘲笑されており、一度も飛行したことがない。 イランのメディアは過去に、以下のビデオに見られるような、この設計のリモコン飛行機らしきサブスケールモデルの画像を公開している。2023年、イランのメディアは、無搭乗の改良型または派生型が開発中であると報じた。その後の報道では、カヘル313由来のドローンが昨年処女飛行を行ったとしている。




今日の式典画像では、シャヒード・バゲリ甲板に他のタイプの無人機も見られる。例えば、イランで人気のある設計で、現在ロシア軍を含む世界各地で使用されているMohajer-6などだ。 アメリカ設計のベル206型と212型ヘリコプター、そしてロシア製のMi-17ヒップが、艦内の飛行甲板で運用されている。 前述の航空機エレベーターのクリップにもかかわらず、内部の航空機格納庫の様子は出てきていない。

 航空関連の能力だけでなく、シャヒード・バゲリの新しい画像は、船体の左右にある大きなドアの後ろにあるダビットを使い小型ボートを発進させ、回収する能力を強調している。 ミサイルやその他の武器で武装した小型ボートを集団使用することは、長い間、IRGCの海軍部隊の特徴的な戦術であった。 この船は、乗組員の無人の水上艦船(USV)や水中車両(UUV)の発進にも使えるという主張がある。


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今回公開された写真には、シャヒード・バゲリのボートの1隻が、タラップを介して小型の上陸用舟艇のような船と接続するために使用されている様子も写っている。 こうすることで、「空母」は人員や物資の積み下ろしをより迅速に行うことができる。



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シャヒード・バゲリの艦尾に対艦巡航ミサイル用と思われる発射装置、艦首には自動砲と思われる砲塔など、独自の兵装が搭載されている。 また、艦尾の上部構造物後方には、ヘリコプターや垂直離着陸が可能なドローン用の飛行甲板や、ミサイル発射装置(コンテナ型)の増設など、多様な用途に使用できる広いオープンエリアがある。イラン政府は、同艦は短・中距離防空、電子戦、情報収集能力を備えていると主張しているが、今回公開された画像では、その明確な証拠は見えない。


シャヒード・バゲリを後方から見る。 対艦巡航ミサイル用と思われる発射機が艦の上部構造の後方に見える。イラン政府

キャノン砲塔が見えるシャヒード・バゲリのアップ。 スキージャンプの両側には白色システムも見えるが、正確な目的は不明。 イラン政府


艦内には、医療室、アストロターフのサッカー場とバスケットボールのフープを備えた体育館などのスペースがある。

 シャヒード・バゲリの能力には大きな疑問が残る。本誌が今まで指摘したように、オリジナルのコンテナ船の主上部構造を船尾に残しているため、飛行甲板の配置が通常と異なる。 昨年、大部分が完成した船の画像が公開された後、本誌はこう書いた:

「Shahid Bagheriがデッキの全幅に渡るオリジナルの上部構造を残しているという事実は、従来のフラットトップ配置を採用できないことを意味する。 その代わり、角度のついた飛行甲板が、おそらく発進と回収に必要な滑走路の長さを確保している。 船首ランプまで伸びる角度のついたデッキを追加するには、船の左側に目立つ張り出しやフレアを作る必要がある。アングルド・デッキには現在、白く塗られたマーキングが施され、ランプの端まで伸びる余白と中心線が示されている。

...

「寸法は非常にタイトで、上部構造はアングルドデッキエリアのすぐ隣に位置している。つまり、回収する航空機は、本当に航空機を回収する予定であれば、飛行経路にわずかな誤差があれば上部構造に衝突する可能性がある。

 「アングルドデッキが使用され、航空機がタッチダウン後に完全に停止しなかった場合、彼らは再びスキージャンプに向かうだろうが、実際に再挑戦のために飛び立つ力があるのだろうか? また、船がドローンを停止させるためにアレスティングワイヤーを使用するのか、それとも何らかのバリア回収システムを使用するのかも不明だ」。

 少なくともある程度のアレスティング・ギアが取り付けられていることがわかっているが、この設置が試運転イベントのための一時的なものなのか、またさらなる改良が加えられるのかどうかはまだ不明である。  これまでのところ、改造されたアバビル3と2機のJAS-313のうち小型版だけが飛行甲板を使っている固定翼機だ。


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イランが同艦をどのように利用するかは、まだ未解決の問題であるが、今回我々が見たことは、完全に我々の過去の評価と一致している。 本誌は以前こう書いた:

「この奇妙な船からどのような航空機が飛び立つのかという疑問は、その設計の目的を理解する鍵である。垂直離着陸(VTOL)ドローンや、イランが現在使用している一方向攻撃弾の多くがそうであるように、中高度、長時間飛行タイプは理想的な候補のように思える。 ジェットエンジンを搭載した、高性能なドローンがこの空母を本拠地とする可能性もあり、その特徴を説明するのに役立つだろう。 このように、一方向攻撃型を含む、より重く、より長距離のドローンを発射するためにも、この艦が使われる可能性がある。 ただ、現時点ではわからない。

「それはともかく、角度のついたデッキの延長線の反対側には、ドローンやその他のモジュール兵器を搭載する十分なスペースがある。 上部構造物後方の後部デッキには、ヘリコプターや小型のカタパルト、ネット/ライン回収型のドローンも設置できる。 トレーラーやトラックのコンテナから発射する巡航ミサイルも選択肢のひとつで、イランがすでに使用した経験があるものだ

...

「シャヒード・バゲリは、たとえ短期間であっても、防御の不十分な目標に対するより日和見的な攻撃を含め、商業船舶に大混乱をもたらす可能性は考えられる。

...

「ドローン専用空母からドローン、特に一方向攻撃ドローンを発射する能力を持つことは、一部の敵に対するシナリオにおいて、また "グレーゾーン"攻撃においても有益である可能性がある。しかし、シャヒード・バゲリがこのような攻撃的な任務に使用された場合、どれだけの期間生き残ることができるかは非常に疑問である。このような能力を世界中どこにでも展開できる可能性があるという事実も、イランの軍事ポートフォリオにユニークな位置を与えている。そうしても長くは生き延びられないかもしれないが、自国から、あるいは代理人によって発射された兵器を使って、現在の到達範囲をはるかに超えた目標を脅かすことができるということは、実際の戦術的妥当性にかかわらず、イランが目指す非対称的なプレーのように思える。



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シャヒード・バゲリは、IRGCや通常のイラン海軍ですでに就役している、航空機能などを備えた他の海上基地のような船に加わる。 イランはまた、地域の代理勢力も含む攻撃を調整し、情報収集任務を遂行するための秘密母船として、改造された商業船を使用してきた。

 さらに、シャヒード・バゲリはイランにとって重要な象徴的価値を持っている。イランは、ペルシャ湾で自国近くを航行する米海軍の空母やその他の軍艦に対して定期的に激怒している。そのため、イラン政府関係者は西半球を含む長距離の海軍配備を求めるようになっている。  シャヒード・バゲリの航続距離は22,000海里と主張されているが、これは疑わしいが、グローバルな野心に近づくものである。

 シャヒード・バゲリの実際の能力がどのようなものであれ、ドローン運用に重点を置いた新しい大型甲板艦の建造や、既存の艦艇をさまざまな程度の「ドローン空母」に改造する世界的な傾向を如実に反映している。 伝統的なフラットトップを運用する各国は米国を含め、空母航空団に無人装備導入の拡大を検討するのがトレンドだ。

 シャヒード・バゲリがIRGCに正式に就役したことで、今後は同艦がが実際にどのようなことができるのか、そしてイランがどのようにシャヒード・バゲリを使用するつもりなのかを、目にするようになろう。■


Iran’s Wacky Aircraft Carrier Has Entered Service

Questions about the Shahid Bagheri's capabilities remain, especially with the reappearance of the infamous Qaher 313 in a new drone form.

Joseph Trevithick

https://www.twz.com/sea/irans-wacky-aircraft-carrier-has-entered-service


2024年8月24日土曜日

常識に反する形態のイラン革命防衛隊向けの「空母」は同国の戦略戦術に沿ったもので、就役すれば嘲笑していられない。ただし、商船船体のため脆弱だ。(The War Zone)

イランの奇妙な「空母」の詳細が新たに判明


商船を改造した「シャヒド・バゲリ」は、傾斜した飛行甲板を備え、奇妙な外観だが、イランが長年開発を続けてきた任務を遂行できる可能性がある

A newly emerged photo provides our best look so far at the unusual layout of Iran’s intriguing drone-carrier ship, the IRGC Shahid Bagheri, including its angled flight deck. Converted from an existing commercial vessel, this so-called “forward base ship” design is definitely topical considering the kind of anti-shipping campaign currently being waged by Iranian proxies in the Red Sea and, according to the U.S., by Iran, increasingly further afield.

スクリーンショット

たに公開された写真により、イランの興味深い無人機空母「IRGCシャヒド・バゲリ(Shahid Bagheri)」の、傾斜した飛行甲板を含む、珍しいレイアウトと建造作業の様子が明らかになった。商業用船舶を転用したこの「前進基地船」は、航空機運用能力を備えたイランの設計シリーズの一環であり、その一部はグローバルプレゼンス作戦さえも想定しているが、真の目的は依然として不明瞭である。

 最新写真の日付は不明だが、同艦は昨年末から、確実に追加の作業が行われている。例えば、飛行甲板にはマーキングが施され、完成度が高まっている。

 イスラム革命防衛隊(IRGC)海軍向けに建造されたシャヒード・バゲリは、コンテナ船ペラリンを転用したもので。もう1隻、シャヒド・マハダヴィの改修も作業中だ。

 一部では「イラン初の空母」と呼ばれる(この主張には嘲笑的な意味もある)は、全長約240メートルのコンテナ船を流用し、飛行甲板と、新しい写真でもはっきりと見える「スキージャンプ」式の離陸用ランプを設置したものだ。

 シャヒド・バゲリが甲板の全幅にわたる構造物をそのまま保持している事実は、従来型の空母の構造を採用できないことを意味する。代わりに、傾斜のついた飛行甲板が、おそらく発進と回収に必要な滑走路の長さを確保している。船首ランプまで延びる角度のついた甲板を追加するには、左舷側に目立つ張り出し部またはフレアを建設する必要がある。下記の衛星画像と比較すると、斜めの甲板には白くペイントされたマーキングが施され、ランプの端まで延びる余白と中心線が示されている。


シャヒド・バゲリの衛星画像では、元のままの構造物が残っているにもかかわらず、無人機の発進と回収を可能にする斜めの甲板の構成を明らかだ。 写真 © 2023 PLANET LABS INC. 著作権は放棄されていません。許可を得て転載


しかし、実際にどのように機能するのかは不明であり、同艦で運用を想定する航空機も不明です。

 寸法は非常に厳しく、上部構造は傾斜甲板エリアのすぐ隣に位置しているため、航空機を実際に回収するつもりであれば、上部構造に衝突する可能性がある。

 傾斜甲板が使用され、着陸後に機体が完全に停止しなかった場合、機体は再びスキージャンプ台に向かって上昇することになるが、実際に離陸して次の試みを行うだけの能力があるだろうか? また、同艦が、無人機を停止させるため制動ワイヤーを使用するのか、あるいは、ある種の回収システムを使用するのかも不明である。

 この奇妙な船からどのような機体が飛ぶのかという疑問は、この船の設計の目的を理解する上で鍵となる。中高度・長時間飛行タイプが理想的な候補であるように思われる。垂直離着陸(VTOL)ドローンや、イランが現在配備している多くの一方向攻撃兵器も同様である。ジェットエンジン搭載の高性能ドローンは、潜在的に母艦を本拠地と呼ぶ可能性があり、そのことがこの艦の特徴を説明する手助けとなる。そうなるとこの艦は、使い捨て攻撃タイプを含む、大型長距離のドローンを発進させるのにも使用できる可能性があるが、現時点では不明である。


2024年5月にソーシャルメディアに投稿された、シャヒド・バゲリ級の最近の写真


 いずれにしても、傾斜甲板の延長部と反対側の側面には、多くの種類の無人機やその他のモジュール式兵器を搭載する十分なスペースがある。上部構造後方の後部甲板には、ヘリコプターやより小型のカタパルトおよびネット回収型無人機を搭載することも可能である。トレーラーやトラックのコンテナから発射される巡航ミサイルも選択肢のひとつで、イランはすでにその使用経験がある。

 シャヒド・バゲリ級の改修作業は、バンダール・アッバース近郊のイラン造船・海洋産業複合会社(ISOICO)で行われており、2022年5月までに乾ドックで作業が開始されたと報告されている。

 ISOICO造船所は、同様の転用に関して実績があり、以前には石油タンカーをヘリコプターや無人機運用用の飛行甲板(より小さいものだが)を備えたイラン海軍の別の前進基地艦「マクラン」に転用したことがある。 


2022年12月頃に公開されたISOICO造船所の初期の写真。写真の左側奥と挿入図に、改修初期段階のシャヒード・バゲリが写っている。


 シャヒド・バゲリは、米海軍と同盟国にとって現実的な脅威とはなり得ないが、イランの艦船 には大きな象徴的価値を持っている。

 米軍および同盟国の軍艦やその他の地域資産に対して、持続的に無人機を発進させることは必ずしも想定されていないが、シャヒド・バゲリは、防備の甘い標的を狙った攻撃を含め、短期間であっても商業船舶に甚大な被害をもたらす可能性がある。

 長年にわたり、イランとイスラエルとの間で水面下で船舶に対する秘密の戦争が繰り広げられており、本誌も繰り返し報告してきた。

 一方、昨年10月7日にイスラエルがガザ地区で戦争を開始して以来、イランが支援するフーシ派武装勢力による空前の船舶攻撃キャンペーンが展開されており、特に、紅海、バブ・エル・マンデブ海峡、アデン湾を航行する船舶を標的と無人機やミサイルによる攻撃が行われている。

 この影響で、一部の貨物船はアフリカ南端の周回航路に変更を余儀なくされ、また、紅海を通過する商業船舶の一部を保護するために、アメリカ主導の「オペレーション・プロスパー・ガーディアン」連合および欧州連合の海軍部隊「オペレーション・アスピーデス」が結成された。

 無人機、特に攻撃用無人機を無人機専用母艦から発進させる能力は、一部の敵に対するシナリオや「グレーゾーン」攻撃において有益となる可能性がある。しかし、シャヒド・バゲリがこのような攻撃能力として使用された場合、それがどの程度の期間生き残れるかは依然として非常に疑問だ。また、これらの能力を世界中のどこにでも展開できるという事実も、イランの軍事ポートフォリオにおいてユニークな位置づけを与えている。実際に使用された場合、長時間は生き残れない可能性があるが、自国または代理国から発射された兵器を使用して、現在の射程距離をはるかに超えた目標を脅かすことができるということは、実際の戦術的な関連性とは関係なく、イランが追求する非対称戦術であることは間違いない。

 シャヒド・バゲリは、確かに使い捨て攻撃型無人機を発射できるが、この種の任務は必ずしも最適な使用法ではない。

 むしろ、シャヒド・バゲリが飛行甲板とランプの支援を受けて、より長時間の飛行と優れた性能を持つ無人機を発進させる能力の方が、より関連性が高い。これにより、より広範囲の監視、商業および海軍船舶の追跡、潜在的な標的の特定が可能になる。他の兵器による攻撃に標的情報を提供するだけでなく、空母から発進する無人機は、より広範な非運動的な海上支配の一環に使用することも可能だ。

 モハージェル-6、シャヘド-129、フォートロス、カマン-12といった中高度・長時間滞空型(MALE)無人機を搭載できれば、艦船が活動する海域を広範囲にわたって持続的に監視することが可能となる。この種の無人機には、小型ミサイルや誘導爆弾を搭載することもできる。

 RQ-170を非常に大まかに基にした低探知性のSaeghehも、この艦により海上に移動することが可能になる。

 無人機がシャヒド・バゲリから運用される主要航空機と見られている一方で、この艦はヘリコプター運用も支援できる。すでに、フーシ派が紅海で商業船舶をハイジャックするためにヘリコプター搭載の特殊部隊を使用しているのが目撃されているが、イランは、この艦船やその他の前進基地艦を使用して、同様の攻撃を長距離にわたって行うことも可能だろう。

マクランの飛行甲板上のイラン海軍のRH-53Dシー・スタリオン。イラン国営メディア


シャヒド・バゲリが就役する時期は不明だが、以前の報道では2023年に就役する可能性が示唆されていた。しかし、イランは明らかに、無人機を運用する選択肢を広げている。その中には、一方的な攻撃タイプも含まれ、海上運用も可能である。これは、無人機を専門に運用する「無人機運搬」部門を設立したことからも明らかだ。

 以前にも、イランのメディアが「航空機を搭載可能な外洋軍艦」と表現したIRGCシャヒード・ロウダキが民間商船から改装された。ただし、この設計がドローン運用に適しているかどうかは疑問が残るし、その生存性はさておき、サウジアラビアやイエメンの沿岸を含むイラン国外への野望を明確に示している。

IRGCシャヒード・ロウダキの甲板に展示されたベル412ヘリコプターの前にあるアバビル2型ドローン。IRAN PRESS SCREENCAP


 より実用的なイランの無人機母艦へのもう一つのステップは、イラン海軍の「マクラン」だ。元は石油タンカーであったが、これも「前方基地艦」に改造され、シャヒド・ロウダキよりもかなり大きく、シャヒド・バゲリに近いサイズとなっている。ヘリコプターやVTOL無人機を運用できる飛行甲板を備えたマクランは、イランの沿岸地域をはるかに超えた海域で持続的な海上作戦を実施できることも実証しています。


マクランの概観。イラン国営メディア

www.twz.com


 マクランは、大西洋に乗り出す大規模な戦力投射巡航を実施しており、まさに、シャヒド・バゲリでも見られるようなミッションだ。当時も議論があったが、マクランによる展開は、何よりもまず、イランがペルシャ湾やオマーン湾を超えた新たな作戦領域において、初めて海上能力を実証したという点で重要な意味を持つ。

 また、注目に値するのは、イランがホルムズ海峡とその周辺で実施した軍事演習中にあらわれた、米海軍の空母を模した艦だ

模擬空母は、実質的には大幅に改造されたバージ船であり、ホルムズ海峡に曳航された後、演習の目玉となった。 Sepah News


 イランおよびイランが支援する代理勢力による海上攻撃が示しているように、無人機を撃墜する課題は相当なものであり、特に弾道ミサイルや巡航ミサイルの脅威と組み合わせた場合にその傾向が強い。シャヒド・バゲリと、少なくとも同型艦がもう1隻建造される予定であることから、イランは近海のみならず、インド洋やその他海域でも、短時間であっても、世界の海上交通に深刻な混乱を引き起こせry装備を整えることになる。

 さらに、イランは通常と異なる方向から攻撃を行うことが可能となり、海外に軍事的脅威をもたらす手段が得られることになり、国内および国外において心理的な利益がもたらされる。しかし、その全体的な脆弱性から、無人機搭載母艦が、攻撃任務よりも非攻撃的な任務に優先的に使用されることになったとしても驚くことではない。■


Iran’s Bizarre ‘Aircraft Carrier’ Seen In New Detail

A converted commercial ship with an angled flight deck, the Shahid Bagheri looks strange but could fill a mission set that Iran has been developing for years.

Thomas Newdick

Posted on Aug 21, 2024 4:51 PM EDT

https://www.twz.com/sea/irans-bizarre-aircraft-carrier-seen-in-new-detail