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2026年2月15日日曜日

米海軍トップはUSSフォードの配備延長に反対の意見を表明していた。空母への需要が高まる中、稼働可能な隻数が足りない米海軍の事情

 

空母ジェラルド・R・フォードの配備延長に「反対」と海軍最高司令官は表明していたが

同提督は、中東に派遣されたばかりの空母を海上配備し続けることは、大規模な整備問題と乗組員の負担増につながると述べた


TWZ

ハワード・アルトマン

2026年2月13日 午後4時09分(米国東部時間)更新

The USS Ford was ordered to the Middle East after CNO expressed concerns about the ships and crew after months at sea.

(米海軍広報専門兵見習いアリッサ・ジョイ撮影)

ォード空母打撃群(CSG)をカリブ海から中東に派遣する決定は、海軍最高幹部が、長期の配備による乗組員の福祉と艦艇の状態を懸念し、そのような命令が出ても「抵抗する」と述べてうたが下された。同空母は、昨年6月にノーフォークを出港し、地中海に向かった。その後、昨年10月、ドナルド・トランプ大統領により、ヴェネズエラの独裁者ニコラス・マドゥロを最終的に捕らえることとなった作戦に参加するため、カリブ海に派遣された。トランプ大統領がフォードの新たな配備命令を出したのは、交渉が継続する中、イランを攻撃すべきかどうか検討している最中で、そしてエイブラハム・リンカン空母打撃群を米中央軍作戦地域に派遣した後だった。

「能力の観点からフォードは大統領が軍事的に行いたいと考えるあらゆる事柄にとって、計り知れない価値のある選択肢となるだろう」と、海軍作戦部長(CNO)ダリル・コードル提督は先月、水上艦協会(SNA)の年次シンポジウムで、本誌含む記者団に語った。「しかし、運用期間の延長が必要となれば、CNOからの反発を受けるだろう。その際は、他に可能な手段がないか検討する」

コードル提督は、延長を回避するために具体的にどのような措置を取るかについて¥言及しなかった。

The aircraft carrier USS Gerald R. Ford is now in the SOUTHCOM region.空母「フォード」とその打撃群は中東への展開を命じられている。(米海軍)

いずれにせよ、「フォード」打撃群を中東に派遣する命令により、母港からの離脱期間はさらに延長される。同艦が現地到着するのは今月末近くの見込みで、トランプ大統領が漠然としたタイムラインに言及しているものの、現地での必要期間は不明だ。

「おそらく今後1か月程度だろう」とトランプ大統領は木曜日、イラン核問題に関する合意のタイムラインに関する質問に答えて述べた。「迅速に決着すべきだ。彼らは即座に合意すべきだ」。イランと合意が成立すれば、フォードが帰国命令を受ける可能性もある。

またトランプ大統領は合意が成立しない場合、イランにとって「非常に深刻な打撃」となると述べた。

金曜日、トランプ大統領は記者団に対し、フォードを中東に派遣した理由を説明した。「合意に至らなければ必要になる」と米大統領は記者団に語った。

「打撃群の展開期間は既に一度延長されており、乗組員は3月上旬の帰還を予定していた」と、フォードの中東派遣を最初に報じたニューヨーク・タイムズ紙は指摘した。「新たな延期により、ヴァージニア州でのフォードのドック入り期間がさらに危うくなる。同地では大規模な改修と修理が計画されていた」

海軍作戦部長(CNO)が政権高官や国防総省幹部とどのような協議を行ったか、またフォードの予定より長期の海上配備に異議を唱えたり代替案を模索したかは公には不明。本誌はCNO事務室に取材を申し込んでおり、詳細が提供され次第、本記事を更新する。ホワイトハウスと統合参謀本部にも取材を申し込んだが、両機関とも海軍作戦部長室に照会するよう指示した。

SNA会議でコードルは、打撃群が母港を離れて200日以上、しばしば過酷な状況下で活動した代償を強調した。これはほぼちょうど1か月前のことである。

「派遣延長には大反対だ。重大な影響を及ぼすからだ」とコードルは説明した。「第一に、私は水兵第一の海軍作戦部長だ。乗員は7ヶ月間の任務を確実に遂行できるという確信を求めている」

人的影響に加え、任務延長は前述のドック補修計画にも悪影響を及ぼす。

「艦が帰還した際、当初は7ヶ月間の配備で使用された状態を維持できると想定していました。しかし配備が8ヶ月、9ヶ月以上に及ぶと、想定外の重要部品の修理が必要になります」とコードルは指摘した。「作業パッケージが膨れ上がり、運用に支障をきたすのです」

コードルがSNA会議で提起した整備問題に加え、フォードは下水処理問題にも悩まされている。

中東地域に空母2隻が展開されるのは珍しいことではない。1年前、米海軍はUSS ハリー・S・トルーマン USS カール・ヴィンソン を同時に中東に展開し、イエメンを拠点とするフーシ派反乱勢力に対する戦闘作戦に従事させていた。しかし、海軍最古のニミッツが昨年12月に予定より早く退役のため帰港したため、稼働中の空母は10隻となった。同時に展開できる艦艇数には、後続の作戦に重大な支障を来さない範囲で、スケジュール上および後方支援上の限界がある。

長期展開を最後に遂行した空母「アイゼンハワー」は、母港から長期離脱による追加負担の結果、メンテナンスが半年以上延長されている。海軍の2026会計年度予算書によれば、同艦の作業は昨年7月までに完了予定だったが、現在も未完了である。運用不能状態は艦隊全体に波及している。これにより指揮官が緊急事態を計画・準備する際の選択肢が制限され、空母全体の運用計画が狂わされている。

その他の艦隊状況としては、3隻の空母が整備中であり、長期にわたり運用不能状態にある。加えて、ジョージ・ワシントンは日本に前線配備中、2隻が配備準備中、2隻が配備後調整中である。

(イアン・エリス=ジョーンズ作図)

フォードを中東に派遣する動きは、イランとの潜在的な紛争を前に増大する軍事力集結の一環で行われている。フォードに加え、国防総省は空軍の戦術機を異例の少数で中東に派遣しており、陸海上に展開中の限定的な数の航空機に加わる。

空母リンカンに加え、同海域には少なくとも9隻の艦艇が展開中で、うち5隻はアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦である。潜水艦も配備されているが、その存在は公表されておらず、中東各地の基地には3万人以上の兵士が駐留している。

戦術航空機を搭載した空母打撃群(CSG)とイージス艦による護衛隊が追加配備されれば、中東における米国の火力強化は確実である。本誌が繰り返し指摘してきた通り、現地配備機と到着予定の機を合わせても、大規模持続作戦には戦術航空戦力が不足している。第二の空母打撃群は大きな助けとなるだろう。

トランプ大統領がいつどのような命令を下すかは依然不明だが、同地域への第二空母打撃群配備は選択肢を広げる。■

ハワード・アルトマン

シニアスタッフライター

ハワードは『The War Zone』のシニアスタッフライターであり、『Military Times』の元シニアマネージングエディター。それ以前は『Tampa Bay Times』のシニアライターとして軍事問題を担当。ハワードの作品は『Yahoo News』『RealClearDefense』『Air Force Times』など様々な媒体に掲載されている。



Navy’s Top Admiral Previously Said He Would “Push Back” Against Extending USS Gerald R. Ford’s Deployment

The admiral said keeping the carrier, which was just sent to the Middle East, at sea could result in big maintenance repercussions and crew strain.

Howard Altman

Updated Feb 13, 2026 4:09 PM EST

https://www.twz.com/sea/navys-top-admiral-previously-said-he-would-push-back-against-extending-uss-gerald-r-fords-deployment


2025年11月29日土曜日

ホームズ教授の視点:カリブ海へのフォード空母打撃群のプレゼンスだけで米国の政治的目標が達成できれば十分であるが、マドゥロ政権の打倒につながるか疑問だ

 空母USSジェラルド・R・フォードではニコラス・マドゥロを倒せない。倒す必要すらないのかもしれない。(The National Interest)

2025年11月25日

ジェームズ・ホームズ

ヴェネズエラ近海へ同空母が回航した目的は依然不明だが、カラカスに対して「その後何が起きるか」との点で強力な警告となっている

子力空母「ジェラルド・R・フォード」は現在、ミサイル駆逐艦と水陸両用即応部隊を伴い、ヴェネズエラ近海を巡航中だ。戦闘機・攻撃機、巡航ミサイル、約 2,200 人の海兵隊員で構成される海兵遠征部隊など、強力な火力を誇る海軍機動部隊の一部だ。

しかし、その目的は何だろうか?この展開の目的は依然として不明瞭であり、したがって推測する価値がある。

フォードはヴェネズエラ近海で、正確には何をしているのか?

まず、明らかなことから始めよう。トランプ政権は、カリブ海、メキシコ湾、東太平洋海域における違法薬物の流通を阻止したいと公言している。11月13日、ピート・ヘグセス国防長官は、「南部の槍作戦」を「祖国を守り、西半球から麻薬テロリストを一掃し、国民を殺している麻薬から祖国を守る」任務だと宣伝した。ヘグセスはさらに、「西半球はアメリカの近隣地域であり、我々はそれを守る」と付け加えた。

一方、ドナルド・トランプ大統領は、何らかの形で麻薬対策の戦いを陸上に展開することを検討している。彼は、隣国メキシコで麻薬密売人を攻撃することさえほのめかしている。その場合、「南部の槍作戦」は、これまでの海上作戦ではなくなるだろう。

米海軍第 4 艦隊(米南部軍の一部)は 1 月、「南部の槍」作戦を開始し、海軍のプレスリリースが「長距離航行可能な無人水上艦艇、小型無人迎撃艇、垂直離着陸型無人航空機」と表現するものを配備して、海上交通を監視した。無人機は、米国沿岸警備隊の巡視船と連携して、「海上領域の認識を調整し、麻薬対策作戦を実施する」ために活動した。

しかしその後、作戦は拡大した。麻薬密輸業者に対する前線防衛体制の構築に政権が注力していることは疑いようがない。米軍機は米国湾岸や太平洋岸へ違法薬物を輸送中と判断された21隻の船を先週までに沈没させた。

だが重要な点は、高速艇を粉々に砕くのに巨大な空母や駆逐艦は必要ないということだ。明らかに、これまでカリブ海と太平洋で用いられてきたのは、米空軍のAC-130ガンシップ、武装MQ-9リーパードローン、そして地上発進の戦闘攻撃機だ。あらゆる兆候から、麻薬取締任務には陸上航空戦力で十分だったと言える。

空母打撃群はニコラス・マドゥロへの警告だ

これは空母ジェラルド・R・フォードの展開には別の目的があることを示唆している。フォードとその護衛部隊は、海上からヴェネズエラ本土へ戦力を投射することで、南部の槍作戦に様々な形で貢献できる。空母打撃群は戦術機や巡航ミサイルを用いて陸上へ戦力を投射できる。沿岸部や内陸部のカルテル拠点を攻撃し、麻薬密輸問題を根源から断つ試みも可能だ。特殊作戦部隊が地上でカルテルと戦う際、火力支援や兵站補給、その他の支援を提供できる。あるいは、空母航空機と水上戦闘艦の支援を受けた水陸両用部隊が米海兵隊を上陸させ、沿岸襲撃を実行する可能性もある。おそらく、麻薬密輸業者がカリブ海へ飛び立つ前に集結する港湾が標的となるだろう。

こうした選択肢の1つ以上を実行する可能性のある脅威は、ワシントンにカラカスに対する政治的梃子を与える。ヴェネズエラの強権者ニコラス・マドゥロは、自らの政権を崩壊させる可能性のある米軍の軍事行動を招くリスクを冒すより、自らの手でカルテルを取り締まり、それ以上の事態を招くのを回避するかもしれない。

政権交代はトランプ政権の最終目標の一つだ。当局は「南部の槍」作戦の目的としてマドゥロ放逐を明言していないが、ホワイトハウスは強硬派の排除を望んでいることを隠していない。国務省はマドゥロをカルテル首謀者と認定し、麻薬密輸容疑での逮捕・有罪判決につながる情報提供者に5000万ドルの懸賞金を懸けている。

だがフォード級空母は単独でヴェネズエラ侵攻するには力不足だ

しかし、いかに強力な米海軍機動部隊であろうと、その水陸両用部隊——海兵遠征部隊——はイラクやアフガニスタン式の政権交代を強制するには著しく不十分だ。大規模で人口の多いラテンアメリカの敵対国に対し、成功の見込みを持って本格侵攻を仕掛けることはできない。

つまり、地上部隊こそが米海軍作戦の潜在的な限界要因だ。軍事戦略の目的は支配である——領土支配、あるいは戦略的・政治的目標達成に必要な物理的対象の支配だ。支配を行使できるのは兵士だけである。航空機やミサイルは地上の物を破壊できるが、物理的空間を支配することはできない。飛行機は飛来して去り、ミサイルは標的を破壊して消滅する。地上部隊だけが現地展開し、制圧した重要地点を勝利が確定するまで維持できる。彼らが勝敗を決する。

ヴェネズエラで政権交代を図るには、カラカスで政府を物理的に掌握し、マドゥロとその側近を権力から排除し、より人道的な政権の樹立を支援する必要がある。これは海空軍による支援を受けた陸上作戦の実施を意味する。しかし、マドゥロ政権をカラカスから追放するには、同地域に展開している米海兵隊や特殊部隊の兵力は圧倒的に不足している。直接的な武力による政権交代は、現地に展開する米海軍戦力の能力を超えている。

確かに、マドゥロの悪政はヴェネズエラ国民を驚くべきほど貧困化させ虐待してきた。トランプ政権は、空と海からの効果的な打撃が民衆を奮い立たせ、2011年に地中海からNATOの爆撃作戦を受けたリビア人がムアンマル・カダフィに反旗を翻したように、マドゥロに対し蜂起を促すと想定している可能性がある。実質的に、ヴェネズエラ民衆が政権交代に必要な地上戦力を提供し、米国は沖合の艦船から支援を行うという構図だ。

もし米軍の海上作戦が「内部からの政権交代」をねらうなら、それは徹底的に検証する価値がある。戦略界では、作戦の明確かつ達成可能な政治目標を定義し、それを達成する「勝利理論」を構築するよう戦闘員に助言する。勝利理論(平時では「成功理論」)とは、単なる因果関係の理論に過ぎない。行動Aが効果Xを生み、行動Bが効果Yを生み、行動Cが効果Zを生み、というように、求める政治的目標が達成されるまで連鎖する。

この因果関係の連鎖における各ステップは、政治・軍事指導部が納得できる説得力のあるものでなければならない。さもなければ理論は不十分となる。

自然科学と同様に、勝利理論の立案者は自らの創作に懐疑的な視点を保つべきだ。科学者が自然現象に関する仮説を「反証」しようとするように、彼らは自らの理論を反証するために全力を尽くすべきである。論理学ではいかなる理論も完全に証明されることはない。仮説が暫定的に成立するのは、それを反証しようとする誠実かつ協調的な努力が失敗した場合に限られる。疑いと謙虚さに根ざした科学的視点は、軍事活動においても健全だ。情報収集と分析、軍・外交スタッフ内での活発な議論、戦術シミュレーションは、科学者が実験器具で仮説を検証するように、この分野の必須ツールである。

展開の真の目的は体制変更ではなく政治的示威行動だ

では「南部の槍」作戦は、武力による体制変更へ変質するのか? 筆者は疑わしく思う。「米軍の支援があればヴェネズエラ国民が自ら行動を起こす」という勝利理論には疑わしい点がある。厳密な検証が必要だ。独裁者の武力による追放は状況次第で可能だ——カダフィやサダム・フセインを思い出してほしい。だが独裁者を啓蒙的な統治形態により置き換えるのは別問題だ。

空母「フォード」打撃群の巡航は、実用性を伴った政治的パフォーマンスだろう。軍艦は政治的道具だ。大統領は権力と目的を示す時、常に空母に手を伸ばす。今回の場合、空母とその護衛艦に象徴される意味合いとは別に、フォードの展開はワシントンに、陸上のカルテルを攻撃する火力と、同時にマドゥロ政権に苦痛を与える——あるいは潜在的に政権を転覆させる——脅威を与える。具体的な選択肢をメッセージを伴って提供するのだ。

独裁者の心に疑念と恐怖を植え付けつつ、麻薬密輸組織を阻止できれば、それだけで一つの成果となる。■

著者について:ジェームズ・ホームズ

ジェームズ・ホームズは、海軍戦争大学校のJ.C.ワイリー海事戦略講座教授、ブルート・クルーラック革新・未来戦争センターの特別研究員、ジョージア大学公共国際問題学部の客員研究員である。元米海軍水上戦闘士官で、第一次湾岸戦争の戦闘を経験した。戦艦ウィスコンシンでは兵器・工兵士官を務め、水上戦闘将校学校司令部では工兵・消防教官を、海軍大学校では戦略の軍事教授を務めた。タフツ大学フレッチャー法律外交大学院で国際関係学の博士号を取得し、プロビデンス大学とサルベ・レジーナ大学で数学と国際関係の修士号を取得している。ここに表明された見解は彼個人のものである。


The USS Gerald R. Ford Can’t Overthrow Nicolas Maduro. It Might Not Need To.

November 25, 2025

By: James Holmes


2025年11月9日日曜日

米海軍は空母でヴェネズエラのどこを攻撃するのか考えてみた(National Security Journal)

 


The world's largest aircraft carrier, USS Gerald R. Ford (CVN 78), conducts flight operations in the North Sea, Aug. 23, 2025. Gerald R. Ford, a first-in-class aircraft carrier and deployed flagship of Carrier Strike Group Twelve, is on a scheduled deployment in the U.S. 6th Fleet area of operations to support the warfighting effectiveness, lethality, and readiness of U.S. Naval Forces Europe-Africa, and defend U.S., Allied and partner interests in the region. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Maxwell Orlosky)

フォード級空母。画像クレジット:クリエイティブ・コモンズ。

要点と概要 – ヴェネズエラ沖に展開するジェラルド・R・フォードは、大規模な空戦を約束せずとも圧力を示す存在だ。

-ワシントンが行動を命じた場合、航空機・ドローン・衛星によるISR(情報・監視・偵察)を基に限定的かつ精密な攻撃が展開される可能性が高い。標的は軍事拠点やトレン・デ・アラグアのような麻薬関連施設となる。

-ヴェネズエラが保有するロシア製S-300VM、Buk-M2E、パンツィール防空システムは脅威だが、駆逐艦や潜水艦から発射されるトマホーク巡航ミサイルは全土を射程に収め、滞空しながらデータリンク経由で目標を再設定し、固定/移動目標を攻撃できる。これによりパイロットを危険から遠ざけられる。

-ステルス戦闘機F-35Cは時間的制約のある目標や移動目標への選択肢だが、最初の打撃手段はトマホークミサイルである。

ヴェネズエラ沖に空母ジェラルド・R・フォードが展開した際の作戦計画

ヴェネズエラ沖に展開が予想される空母ジェラルド・R・フォード(CVN-78)は、米海軍の戦力投射能力について説得力のあるメッセージを発信している。

しかし、この地域における戦闘シナリオで、空母航空団や空母打撃群が具体的にどう運用されるのか疑問に思うかもしれない。

米国が第四世代・第五世代機を大量投入し大規模空爆を展開する可能性は極めて低い。単に、そのような大規模攻撃の必要性が全く見当たらないからだ。ただし、精密攻撃が軍事施設、指揮統制施設、あるいはトレン・デ・アラグアのような麻薬密輸組織の拠点として知られる場所を標的とする可能性はある。

ヴェネズエラの防空能力

ヴェネズエラが米空母発進機を脅威とする防空能力を有している可能性は低い。とはいえ、ヤフーの報道によれば、同国はロシア製S-300VMシステムを運用しており、100マイル超の距離から航空機を標的とできる。

保有数や整備・近代化の程度は不明で、各プラットフォームが相互にネットワーク化されているかどうかも不明だ。USSフォードから発進したF-35Cは、同国国内の軍事目標や麻薬密輸組織を攻撃する場合、これらのシステムに対して一定の成功を収める可能性が高い。

世界最大の空母USSジェラルド・R・フォード(CVN 78)の航空部門に配属された航空甲板員(航空機取扱)一等兵曹ホセ・メヒアカストロは、2025年9月26日、飛行甲板上で第87攻撃戦闘機隊所属の第8空母航空団F/A-18Eスーパーホーネットへの信号準備を行う。ジェラルド・R・フォードは同型初の空母であり、第12空母打撃群の旗艦として、米第6艦隊作戦海域に予定配備中である。これは欧州・アフリカ海軍部隊の戦闘効果性、殺傷力、即応態勢を支援し、同地域における米国、同盟国、パートナー諸国の利益を守るためである。(米海軍広報専門士2等兵曹 マリアノ・ロペス撮影)

2021年6月18日、大西洋を航行中の空母ジェラルド・R・フォード(CVN 78)が、初の予定された全艦衝撃試験(Full Ship Shock Trials)の爆発実験を完了した。米海軍は、実戦で使用される爆発物を使用して新造艦の衝撃試験を実施し、戦闘で遭遇する可能性のある過酷な条件下でも、軍艦が厳しい任務要件を引き続き満たせることを確認している。(米海軍、マスコミュニケーションスペシャリスト3等兵、ライリー・B・マクダウェル撮影)

別のTWZの報道は、ロシアの出版物を引用し、モスクワが輸送機でパンツィールS1およびブクM2E防空システムをヴェネズエラに送ったと公式に主張していると述べている。

トマホークによる攻撃

米海軍の火力がヴェネズエラ国内の目標を攻撃するために使用される場合、は潜水艦や駆逐艦がトマホークを内陸の目標に向けて発射する形になる可能性が高い。最も重要な問題は射程距離だ。水上艦や潜水艦から発射されたトマホークは、少なくとも 900 マイル飛行できる。

この射程距離により、ヴェネズエラ国内のあらゆる地点がトマホーク攻撃の脅威に晒される。つまり海軍は、敵対地域上空での有人戦闘機運用に伴うリスク(たとえヴェネズエラの防空能力が限定的であっても常に存在する危険)を冒さずに目標を攻撃できる。

麻薬密売組織を標的とした精密攻撃

いかなる攻撃でも固定翼偵察機(ISR)、ドローン、衛星が攻撃地点の特定を支援する。

トマホークに組み込まれた最新技術は、標的捕捉と攻撃の可能性を向上させる。ブロックIV標準型トマホークはISR対応の滞空機能を備え、標的領域上空に滞空しながら双方向データリンクで標的情報が変化した場合に必要な再誘導が可能となっている。

海軍は現在、戦術トマホーク巡航ミサイルも運用している。この兵器は飛行中に軌道を変更し、海上船舶・陸上車両・移動式防空システムなどの移動目標を追尾できる。

こうした特性とトマホークミサイルの射程・飛行誘導オプションを考慮すれば、必要と判断されれば、沿岸数百マイル沖からヴェネズエラ全土を攻撃圏内に収めることが可能となる。


USSアイオワ艦上のトマホーク発射装置。ナショナル・セキュリティ・ジャーナル誌写真。

トマホークは射程と精度の高さから、紛争時にはしばしば最初の攻撃兵器となる。このミサイルは冷戦時代に、ソ連の防空網を突破するため、地表すれすれを飛行する巡航ミサイル軌道で設計された。最適なスタンドオフ距離の精密兵器である。

歴史的には、バンカー、指揮統制センター、兵器施設、部隊配置地などの固定目標に対して使用されてきた。近年では、航路を調整可能な戦術兵器として開発が進み、海上を航行する艦船を追跡・攻撃する能力を獲得した。

F-35Cによる攻撃はありうるか?

可能性は低いものの、もし承認されれば、長距離ISR(情報・監視・偵察)とトマホークのような巡航ミサイルが使用されるだろう。

ヴェネズエラへの攻撃は極めて限定的な標的攻撃に留まるため、大規模な空軍作戦は必要がない。

同時に、F-35Cのようなステルス機は特定の状況なら望ましい攻撃プラットフォームとなり得る。標的が小型で機動性が高い場合、空中からの追跡が必要となるからだ。■

著者について:クリス・オズボーン

クリス・オズボーンは、軍事近代化センター「ウォリアー・メイヴン」の代表を務める。オズボーンは以前、国防総省で陸軍次官補室(調達・兵站・技術担当)の高度な専門知識を持つ専門家として勤務した。また全国ネットのテレビ局でアンカーおよび軍事専門家として出演した経験を持つ。フォックスニュース、MSNBC、ミリタリーチャンネル、ヒストリーチャンネルに軍事専門家ゲストとして出演した。コロンビア大学で比較文学の修士号を取得している。

What a U.S. Navy Aircraft Carrier Could Actually Hit in Venezuela

By

Kris Osborn

https://nationalsecurityjournal.org/what-a-u-s-navy-aircraft-carrier-could-actually-hit-in-venezuela/