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2017年6月22日木曜日

★★F-22生産再開の可能性は消滅




ラプターもそのうちに改修の限界、機体の限界に達するでしょう。如何せん機体数が少ないのでミッションで酷使されるでしょうから。次期戦闘機を開発するとしていますが、従来型戦闘機の形態である必要もなく、無人機の存在も無視できなくなってきます。なによりステルス性能を発揮するのに小型機では限界があります。そうなると空軍の中に歴然と残る戦闘機パイロットを頂点とする文化も消えていくのでしょうか。

An F-22 Raptor from Tyndall Air Force Base, Fla., sits on the flightline while a Raptor launches from the Tyndall runway Dec. 10, 2015, during Checkered Flag 16-1. (Photo: Senior Airman Sergio A. Gamboa)F-22ラプターがティンダル空軍基地フライトラインに見える。2015年12月のチェッカーフラッグ演習16-1にて。 (Photo: Senior Airman Sergio A. Gamboa)
The F-22 Fighter Jet Restart Is Dead: Study
F-22生産再開の芽消える報告書
Military.com | 21 Jun 2017 | by Oriana Pawlyk

ラプターファンには申し訳ないが、F-22生産再開の可能性はやはりない。だが最大の理由は費用以外と新しく出た報告書にある。
  1. 議会に提出された極秘報告によると米空軍は「F-22を新規生産した場合500億ドルとなり、一機当たり206百万ドルから216百万ドルの試算」とある。Military.comに21日関係者が語った。
  2. 「総額は生産再開の初期費用99億ドル、機体調達費404億ドルの構造だ」と空軍は説明している。
  3. 空軍長官ヘザー・ウィルソンが報告書を議会国防委員会に6月9日に送付した。下院軍事委員会航空地上小委員会が昨年空軍にロッキード・マーティンF-22を生産再開した場合の検討結果をまとめるよう求めていた。
  4. 「空軍にF-22生産ライン再開の予定はない。経済的運用面で実施に意味がない」と空軍報道官エミリー・グラボウスキ大尉が声明を発表した。
  5. 「航空優勢2030事業戦力実現チームで提唱する開発事業」に財源を振り向けたほうがよい大尉は述べている。
  6. 航空優勢2030構想とは高性能戦闘機、センサー、兵装を開発し予測が困難になる脅威環境の拡大に対応するもの。
  7. F-22生産再開となれば数十億ドル規模の予算が必要となるのは必然だ。
  8. 2010年のRand研究所報告ではF-22生産再開で75機製造した場合はインフレ調整後で200億ドルと試算していた。ここで想定したラプターは1990年代製のオリジナルではなく新型性能向上型だ。
  9. 「以前と同じ機体を作るのではないとさらに高額事業になります」と国防アナリストが3月に背景をMilitary.comに説明していた。「そうなると旧型F-22を新しく製造するのか、改良型機を作るのか選択することになる」
  10. Rand研究所の数字は粗い試算で小ロット生産を再開した想定だが、雇用費用、新規ステルス性能の統合、パイロット訓練等は含まない。
  11. そうなると結論はあきらか。F-35に賭けるしかない。
-- Oriana Pawlyk can be reached at oriana.pawlyk@military.com. Follow her on Twitter at@Oriana0214.


2016年4月22日金曜日

★F-22生産再開を求める動きにフォーブス議員の選挙戦事情があった



なんだそういうことだったのか。F-22生産再開の主張の中心がフォーブス議員だと分かりましたが、選挙が二年ごとにあり全員改選されるのが下院議員ですから当選されなければ意味がなくなります。F-22再開で国防力整備をうたっておきながら、ちゃっかり再選を狙っているわけですね。ただこの議論でF-35とF-22の違いがあらためて理解されれば効能が生まれるわけですが。ハイローミックスができるのは米国だけですから、日本含む各国は既存の戦闘機を今後も稼働させてなんとかバランスをとらなければなりません。この話題は今後急速に失速しそうですね。
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Facing Election Fight, Forbes Pushes F-22 Revival

Lara Seligman, Defense News 5:24 p.m. EDT April 21, 2016

1st Fighter Wing hosts coalition aerial exercise(Photo: Senior Airman Kayla Newman/Air Force)
WASHINGTON — ロッキード・マーティンF-22ステルス戦闘機の生産再開推進の前面に立つランディ・フォーブス下院議員だが選挙区変更で厳しい選挙戦に直面している。生産再開の可能性もまずない。
  1. ヴァージニア州選出のベテラン共和党議員フォーブスは国防法案で空軍にF-22生産再開を求める動きで先鋒となっている。同議員は下院軍事委員会の戦術航空機陸上兵力小委員会に籍を置かないが、小委員会はフォーブスの文言を盛り込んだ法案を今週公表した。
  1. ロッキード・マーティンがF-22生産を終了したのは2011年で、当時の国防長官ロバート・ゲイツの決定で187機生産にとどまった。原案は749機調達だった。だが米軍が技術優位性をロシアや中国に対し失いつつある中、フォーブス議員は空軍へ将来の航空優勢をどう確保するのか「総合的に検討」するよう求めている。
  2. 「航空優勢ではF-22の話題は避けられない。同機は世界最高の戦闘航空機だからだ」とフォーブス議員は Defense News 独占インタビューで21日に述べている。「世界最高の機体だからこそ生産再開した場合の費用を検討する意味がある」
  3. フォーブスがF-22生産再開を強く推す背景には自らの選挙区ヴァージニア州第二区で再選が楽でない事情がある。同選挙区には第一戦闘航空団を擁するラングレー空軍基地があり、F-22の三分の一の機体が本拠地としている。
  4. フォーブス議員はヴァージニア州第四区で2001年以来再選されてきたが、今年の改革で同選挙区はこれまでの共和党指定席から民主党有利に変わった。今年初めにフォーブス議員は第二区へ鞍替えを発表したが、共和党で三番手となっている。現在同区からはスコット・リゲル(共)が選出されているが、リゲルは四選を断念しフォーブス支持に回ると表明している。同じ共和党では州議会議員スコット・テイラーと弁護士パット・カードウェルが第二区で出馬を表明しており、指名を狙う。
  5. フォーブス議員がF-22復活を提唱するのは今回が初めてだ。本人は下院軍事委員会のシーパワーおよび兵力投射小委員会の委員長で海軍、海兵隊、艦船建造と空軍の長距離爆撃機案件を担当している。ただしフォーブス議員はF-22生産ラインの閉鎖に当初から疑問視していたと述べる。
  6. 「記録を見てもらえれば、生産中止と決めた段階から当方が疑問を呈していたとわかるはずだ。その時点でも今と同じ質問をしており、昨日、今日ではなく、一貫している」(フォーブス)
  7. 厳しい予算環境の中でF-22生産再開の可能性が少ないのも事実だ。空軍関係者は実施したら支出規模は膨大になるとみる。2010年時点のRAND研究所による空軍委託調査では75機追加した場合は170億ドル、ただし2008年ドル価値で、としていた。
  8. だが戦場にいる男女を防護するのに価格が高すぎるということはないとフォーブス議員は力を入れる。
  9. 「数字の問題ではない。必要な装備を与えないで無事帰国させられなくなっていいのか。下院軍事委員会の面々は軍の男女が博物館もの装備でフライトしている現状にも、訓練も本来の半分しか与えられていないことにもあきあきしている」
  10. 「祖父の時代の機体で若者を戦闘に送り出したくない。だからこの国を守るために十分な装備が今必要なのだ」
  11. 現在の空軍にF-22ラインを再開する予定はないが、ペンタゴンはF-35を2,443機調達し、各軍で旧式ジェット機と交代させる。しかし、フォーブス議員は二機種は全く違う役割でF-22は空対空戦では「無敵」の存在だが、F-35はもともと空対地戦用だとする。
  12. 「F-22とF-35の組み合わせはどうあるべきか考えており、今回求める検討で答えが出ることを期待したい」
  13. フォーブス議員はF-22生産終了の決定が出た時点で全体生産機数を187機とする根拠はなかったと述べている。「幹部など多くの部署で、あれはペンタゴンでこの20年間最悪の決定というだろう」■


2016年4月20日水曜日

★F-22生産再開>空軍へ検討を求める下院予算法案




日のないところに煙は立たず。先日お伝えしたF-22生産ライン再開の構想は突拍子もない思い付きではなかったのですね。ただし文中にもあるように生産再開が経済性を無視した事業になるのは必至です。(その場合は日本やイスラエルに請求書を回せばよいとの主張がでるのでは) さらにA型をそのまま再開するより技術改良を反映したB型(仮称)を生産してこそ意味があるのであり、この開発にさらに資源が必要ですからどう考えてもそのまま実現するとは思えませんね。
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House Legislation Orders F-22 Restart Study

Lara Seligman and Joe Gould, Defense News 6:21 p.m. EDT April 19, 2016

SKOREA-MILITARY-DEFENCE
(Photo: JUNG YEON-JE/AFP/Getty Images)
WASHINGTON — ロッキード・マーティンがF-22ステルス戦闘機の生産ラインを閉鎖してほぼ5年、米下院は空軍へ組立再開の検討を命じたと4月19日火曜日に公表した。
  1. 当時の国防長官ロバート・ゲイツによりロッキードのマリエッタ(ジョージア)、フォートワース(テキサス)両施設でのF-22生産は187機で終了した。当初は749機が調達予定だった。ここにきて米軍の技術優位性がロシア・中国に対し減少中との恐れがましており、下院では今年度の予算審理中に生産ライン再開に特に強い関心が示されている。また運用中のF-22がヨーロッパ、中東に急きょ展開しているのも注目を集めている。
  2. 下院軍事委員会の戦術航空・陸上兵力小委員会は2017年度国防政策法案の一部に空軍長官に対しF-22を最低194機追加調達した場合の費用検討を求める項目を追加した。また検討結果を議会内該当委員会に2017年1月1日までに提出するよう求めている。
  3. 「米国の航空優越性への脅威が敵方が技術格差を縮めることで増大する一方、同盟国協力国から高性能装備・多用途機材で世界の安全保障脅威に対応したいとの要望が増えていることにかんがみ、当委員会はかような要望はさらに検討の価値があるものと信ずる」と法案は述べている。
  4. ただし、空軍関係者は一貫してラプター生産再開は巨額の予算だけ使う無駄だと主張している。RAND研究所が行った2010年の空軍委託研究ではF-22を75機生産した場合の総費用を2008年価格で170億ドルと見積もっている。
  5. 同法案では共用目標監視攻撃レーダーシステム(JSTARS)の次期機体整備の加速化に関する情報提示を求めている。2017年度予算要求では技術生産開発契約交付が最大六か月遅れると見込み、実施が2018年になれば初期作戦能力獲得も一年遅れ2024年になる。
  6. JSTARSは現在16機稼働中だが、2025年度には10機不足するとペンタゴンは見ており、同法案では空軍長官にJSTARS再整備計画を二案準備するよう求め、委員会には12月1日期限でないよう報告を求めている。
  7. 同法案では空軍が実施中の技術成熟化およびリスク低減(TMRR)作業への不満が表明されており、空軍は代替レーダー技術を模索すべきとしている。
  8. 他方、同法案はF-35共用打撃戦闘機事業の維持支援戦略の分析を連邦会計検査院院長に求め、4月1日までに議会国防関連諸委員会へ結果報告を求めている。
  9. 同機の調達戦略は海外諸国の参画が前提で、F-35事業推進室を率いるクリス・ボグデン中将は「世界規模の維持管理制度」の構築をめざしている。同中将は現状のサプライチェーンでは増産や日常点検に対応した作業ができなくなると警告している。■