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NAVANTIAがS-80級潜水艦への水素推進システムAIPの搭載を完了(Naval News)―静かに発電する水素ハイブリッド方式とは

  海上試験中の潜水艦S-81アイザック・ペラル ‘Isaac Peral’ 。 NAVANTIA カルタヘナにあるナバンティアの造船所は、S80級潜水艦への水素ベースの空気独立推進システム(AIP)の搭載作業を完了した ナバンティアのプレスリリースより 潜水艦に搭載された最初の第三世代AIPとなった。このマイルストーンには、スペイン国家軍備局長であるアニセト・ロシケ・ニエト提督が出席した。  今回の快挙は、スペインの造船史上前例のないS-80計画における基本的なマイルストーンである。この技術により、スペイン海軍の潜水艦は、従来のディーゼル電気潜水艦では数日が限界だった潜航の長期化が可能となる。国内業界にとってトップレベルの課題であったこの開発により、ナバンティアは国際的な潜水艦建造入札において独自の能力を提供することが可能となった。  ナヴァンティアがBEST(バイオエタノール・ステルス・テクノロジー)と命名したAIPシステムは、潜水中に潜水艦のバッテリーを充電できる革新的なエネルギー生産プラントであり、シュノーケル操船による探知されやすく脆弱な場所での定期的な充電を回避できる。  同プラントは、有機原料から得られる再生可能燃料バイオエタノールの改質プロセスに基づいたもので、水素を豊富に含むストリームを生成し、純粋酸素とともに燃料電池に供給することで、静かに発電する。  他国の海軍で運用されている装置とは異なり、ナヴァンティアのAIPは第3世代システムで、艦内に水素を貯蔵する必要がない。代わりに、システムは必要に応じて水素を生成し、戦術的かつ安全な利点を提供し、戦略的自律性と抑止力を高める。乗組員と潜水艦自体の安全性をさらに高め、運用に必要となる人員を最小限に抑える。■ NAVANTIA completes the fitting of the hydrogen propulsion system AIP into a S-80 class submarine Naval News Staff  26 Nov 2024 https://www.navalnews.com/naval-news/2024/11/navantia-completes-the-fitting-of-the-hydrogen-propulsion-system-aip-...

米海軍がAIP搭載通常型潜水艦を有望視しない理由。原子力潜水艦、原子力空母などハイエンド装備中心の運用思想は大丈夫か。

    大 気非依存推進方式(AIP)潜水艦(SSPs)が急速に普及してきた。この技術で通常型潜水艦も外部空気を取り入れず運用可能となり、原子力潜水艦 (SSNs) の独壇場だった水中戦の様相が一変する可能性があらわれ、小型通常型潜水艦が注目を集めている。小型で安価な装備品として敵の高価格艦を撃破できれば戦略上の意味が出てくる。では米国もSSPsに予算投入すべきだろうか。答えはノーだろう。 AIP技術の誕生  一部国でAIPは20世紀から試行された。一番古いのは第二次大戦時のドイツ、ソ連だが作戦上意味のある艦は実現していない。終戦で英国、米国、ソ連がドイツの研究成果を入手し試験艦を建造したが、原子力推進のほうが有望と写った。     2000年代に入り、技術の進展で実用に耐えるAIPが実現し、フランス、日本、ドイツ、スウェーデン、中国がSSPs建造に踏み切った。一部は輸出され世界各地で採用されている。 技術上の特徴  SSPsは浮上せずバッテリー充電が可能で、潜航時間が伸び、敵探知を逃れる。以下の三方式が主流だ。 ①クローズドサイクル蒸気タービン方式  フランス建造の潜水艦で採用しているのがクローズドサイクル蒸気タービン方式で原子力潜水艦の発電方式を模し、酸素とエタノールを混合する。フランスはこの方式をMESMAと呼び、発電容量が大量になるが複雑となり、効率は劣る。 ②スターリングサイクル  スターリングサイクルエンジンではディーゼルでエンジン内に密閉した液体を熱し、ピストンを動かし発電する。排気は海中に排出する。フランス方式より効率は高く、機構も単純で日本、スウェーデン、中国が採用している。 ③燃料電池  燃料電池方式がAIPで最高峰だろう。燃料電池は水素、酸素で発電し、可動部品は皆無といってよい。排出物は最小で最大の発電が可能かつ極めて静粛だ。ドイツが燃料電池技術でリードし、フランス、ロシア、インドが追いつこうとしている。 調達の傾向  AIPですばらしいことは既存艦に後付けで搭載可能なことだ。ドイツはこの方法で209型を改修し、ロシアもキロ級で実施したとの報道がある。スウェーデンは4隻を改修し、日本も一隻で実施している。潜水艦戦力の増強策として後付け改修は費用対効果が優れる。  ただし、新規建造SSPsへの関心のほうが高い...

☆☆ そうりゅう級の電池変更でオーストラリア商戦に影響はあるか

当ブログの方向性でお尋ねしたところ早速多数のコメントありがとうございました。海軍関係など独立すべしとのコメントは皆無でしたのでこのまま継続することにします。AIP機関からリチウムイオイン電池に切り替えて大幅な水中性能アップを狙う海上自衛隊潜水艦そうりゅう型(改、になるのでしょうね)の話題ですがオーストラリアにも変更の点は事前に知らされているようです。潜水艦技術の輸出第一案件になるのか今後も注目ですね。なお、以下記事では在外専門家がJapanese Navyとしっかり言っていますのであえて海上自衛隊と訳していない部分があります。あしからず Japan To Make Major Switch on Sub Propulsion Lithium-ion Batteries Will Power Soryu-class Boats Sep. 29, 2014 - 03:45AM   |   By PAUL KALLENDER-UMEZU   |    Comments 海上自衛隊潜水艦はくりゅうがグアムに入港した。2013年撮影、 そうりゅう級潜水艦は大気非依存型推進技術を取り入れたが、日本はこれをリチウムイオン電池技術に切り替えようとしている。 (MC1 Jeffrey Jay Price / US Navy) TOKYO — 日本は今後建造するそうりゅう級潜水艦で大気非依存推進(AIP)をやめリチウムイオン電池を採用する。同種類のバッテリーがボーイング787で問題を起こしているだけに驚きを呼んでいる。 ただし専門家は懸念を退け、むしろ性能が向上し保守点検は容易になると指摘する。日本製潜水艦の輸出可能性が高まるという。. 海上自衛隊によれば変更対象は今後に建造するそうりゅう級4隻。そうりゅう級は全10隻建造する。 オーストラリアは6月に日本と技術協定を締結済みだが、同国高官はDefense NewsにLiイオン電池切り替えを承知しており、日本の潜水艦技術に引き続き関心があると発言した。そうりゅう級の完成品購入も視野に入っているという。 日本製潜水艦にはオーストラリア海軍が多大の関心を示しており、350億オーストラリアドル(330億...