スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

ラベル(#米空軍)が付いた投稿を表示しています

鹿屋基地に米空軍MQ-9リーパー部隊が展開中。1年間同基地からISR活動にあたる。

  2022年7月21日、カリフォーニア州トゥエンティナインパームスの海兵隊航空地上戦闘センターで、第163攻撃飛行隊のクルーチーフがMQ-9リーパーをマーシャリングする。(Joseph Pagan/U.S. Air National Guard)   日 米当局によると、米空軍のMQ-9リーパー8機と隊員150人以上が1年にわたる南日本への派遣を開始しており、数週間以内に監視飛行を開始する。 第319遠征偵察飛行隊は日曜日に鹿屋基地で指揮権継承式を行い、任務を開始したと、米軍日本部報道官のトーマス・バーガー空軍大佐が月曜日に電話で語った。鹿屋は、九州の南端に近い海上自衛隊の基地である。 九州防衛局の広報担当者が月曜日に電話で語ったところによると、無人機は今月末以降に鹿屋から飛行を開始する予定だという。日本では、一部の政府関係者が身元を明かさずにメディアに発言することが慣例となっている。 「この戦略的立地とMQ-9の能力により、日米同盟は広大な地域を見渡し監視することができる」と、319部隊のアレクサンダー・ケリー中佐は、防衛省がオンライン公開した式典のビデオで、飛行士や地元関係者、海上自衛隊の隊員たちに語った。 新しく活動する部隊は、第二次世界大戦中の第319戦闘機隊の系譜を汲んでいる。1977年にフロリダ州ティンダル空軍基地の第319戦闘機迎撃飛行隊として不活性化された。第374作戦群司令官オウ・ジュン大佐は式典の別のビデオでこう述べた。 鹿屋への配備は、日米両国が相互の課題を克服するため技術を共有する機会になると、彼は言った。 「MQ-9はインド太平洋全域で日米の情報、監視、偵察の優先順位をサポートする」と述べた。 空軍によると、リーパーは偵察機だが、ヘルファイアミサイルやペイブウェイ・レーザー誘導爆弾などの武器を搭載することができる。 鹿屋市のウェブサイトに掲載された防衛省文書によると、鹿屋のリーパーは「監視仕様で、武器は搭載できない」とある。 鹿屋市の中西茂市長は7月、米軍関係者が関わる事故や犯罪の可能性に対する住民の懸念にもかかわらず、国防上の重要性を理由に無人機の配備に署名した。 鹿屋にはすでに、海上自衛隊のP-3Cオライオン海上偵察機やUH-60Jブラックホーク、SH-60Kシーホークヘリコプターが配備されている。海兵隊のKC-130タンカーやオスプ

輸送機をミサイル攻撃機に変身させる米空軍のラピッドドラゴン構想に注目。

  ラピッドドラゴンのビデオからの画面キャプチャー 長 距離攻撃ミサイルの空中発射でB-52はじめ古参機材に新たな意義が生まれたが、米空軍の「ラピッド・ドラゴン」プログラムは、このコンセプトを次のレベルへ引き上げる。「ラピッド・ドラゴン」は、重爆撃機や攻撃戦闘機だけに頼らず、輸送機もミサイル搭載機として戦いに参加できるようにする。太平洋で紛争が起これば、貨物機が強力な艦艇ハンターに変身する。 C-130ハーキュリーズやC-17グローブマスターのようなレーダー反射が大きい機体を、戦闘空域近くで飛ばし軍需品を搭載させるのは直感に反するように思えるかもしれないが、ラピッドドラゴンは大型機を戦闘投入する前提ではない。代わりに、AGM-158 JASSM(Joint Air-to-Surface Standoff Missile)のような射程1000マイル超のスタンドオフ兵器をパレット上で活用し、敵防空網が届かない地点から輸送機で展開する。空軍によると、これにより比較的低コストかつ低リスクで、大量の低観測性巡航ミサイルで敵空域に飽和攻撃させる道が開かれる。 ラピッド・ドラゴンの名称は、紀元950年頃の古代中国にあった "Ji Long Che"(直訳すると "快速龍車")という攻城兵器へのオマージュだ。この武器は弩級カタパルトで、一人が引き金を引くと、12本もの矢を遠距離に同時発射できた。   空軍研究本部はこう述べている。 「Rapid Dragonコンセプトは、米空軍の兵器運搬システムとして、ゲームを変える。パレット化した弾薬は、遠方の敵に強力な一斉射撃を約束する」。 皮肉なことに、ラピッド・ドラゴン兵器システムは、名前の由来となった国との紛争で最も価値を発揮しそうだ。JASSM巡航ミサイルのような低視認性・長距離弾薬により、貨物機は敵空域をミサイルで飽和させたり、敵艦隊を全滅させたり、広大な海域に機雷を敷設するのが可能となり、しかも中国の航空防衛システムの射程内に入らない。 Air Mobile Feasibility Demonstrationプログラムでは、空中のC-5ギャラクシーからミニットマンI ICBMを発射する想定だった。 (U.S. Air Force photo) ミサイルを輸送機に搭載するのは新しいコンセプトで

ウクライナ戦からこれからの空軍のあるべき姿を考察したエッセイをご紹介。

        著者の一人は現役の米空軍大佐です。ウクライナ戦からこれからの空軍像を提唱していますので、このブログ読者にも参考になると思います。   ウ クライナの空中戦の成功は、西側諸国で航空戦力のパラダイムを覆し、制空権より領空侵犯を重視する代替ビジョンを提供する。ロシアは世界最大かつ技術的に洗練された空軍を保有しているにもかかわらず、ウクライナで制空権を確立できなかった。西側諸国のアナリストは驚き、困惑した。しかし、困惑するのは軍事的近視眼の表れだ。 西側諸国の空軍は、イタリアのジュリオ・ドゥーエ元帥、米陸軍航空隊のビリー・ミッチェル准将、英空軍のヒュー・トレンチャード空軍大将らが示した道を今も踏襲している。航空兵力理論の創始者たちは、"command of the air"、今日のドクトリンでは "air supremacy "を獲得し、維持することを唱えた。ドゥーエは、「制空権を握るのは、自らが飛ぶ能力を保持しながら、敵の飛行を阻止すること」と提唱した。これは、アルフレッド・セイヤー・マハンAlfred Thayer Mahanの「海上の指揮(command of the sea)」を熟読しての理解で、決戦で敵艦隊を探し出し破壊することが目標だった。     一世紀経た今も、このビジョンは西側空軍のドクトリンと倫理観にしっかり根付いている。しかし、ウクライナでの空戦では、いずれの側も空を支配していないことから、制空権を獲得するより、制空権を否定する方が賢明な作戦目標となるのを示唆している。米空軍の指導層や国防アナリストは、米国が制空権を当然視することはできなくなっていると今日認識している。ウクライナ戦は、空軍が航空拒否をもっと活用すべきことを示している。   コーベットに航空戦力理論家として再注目 アメリカの航空戦力へのアプローチを再考する上で、識者はマハンと同時代のイギリスの海軍理論家ジュリアン・コーベット卿 Sir Julian Corbett に注目すべきだ。コーベットは、海の完全支配を懐疑的にとらえ、「海戦でよくある状況は、どちらの側にも支配権がないこと」だと主張した。彼は海上指揮について絶対的ではなく相対的な解釈を主張し、時間または空間で区切られた「作業指揮」、今日の言葉で言えば「制海権」を要求した。同様に

F-22のほぼ2割が2023年に供用を終了。米空軍2023年度予算要求の背景。NGADは順調に開発が進んでいる模様。

ラプターの退役はまだ始まっていないが、残された時間は減りつつある。 (U.S. Air Force Photo by Staff Sgt. Kaylee Dubois) ペ ンタゴンは先週2023年度予算要求を発表し、 ロッキード・マーティン F-22ラプター30機超の供用終了が目立つ。同機は現時点で最高性能の制空戦闘機と言われる。米国は同機生産を186機で終了し全機が引き渡し済みなので、今回の削減でラプターのほぼ2割が姿を消すことになる。 F-22は航空優勢確保に特化し生まれた機体で米国の競合相手が有する高性能戦闘機の打破をめざしたものだ。第5世代戦闘機としては最古の存在となっているが、高性能、センサー有効範囲、極めて低い視認性により今日の制空戦闘機のベンチマークとなっている。 F-22は航空戦闘で今も優位性をほこるものの、空軍は未来を展望し、あらたな制空戦闘機をシステムとして開発中だ。これが次世代制空(NGAD)事業だ。空軍は最古参のF-22計33機を用途廃止して今後8年で18億ドルを確保し、残る153機の性能改修に使う。これによりNGADに次ぐラプターの高性能を維持できる。 (U.S. Air Force photo) F-22は世界最高峰のステルス性能を持ち、レーダー断面積(RCS)はF-35の0.0015平方メートルの10分の一とされる。F-22、F-35はともに低視認性で他国機の一歩先にあり、J-20は1980年代のF-117ナイトホーク(0.025平方メートル)程度とされ、ロシアのSu-57は0.5平方メートルとステルス性能が劣る。 言い換えれば、正面方向でのレーダーでF-22はビー玉程度、Su-57はiPad13台分の大きさに映るはずだ。 ただし、レーダー断面積は一定のままではない。F-22は正面方向でのRCSを最小限とする設計だが、角度によってはレーダー反射が増える。ただこれは、ステルス戦闘機全般で同じでF-22のみではない。とはいえ、レーダーをかいくぐり忍び込む性能でF-22がその他機種より優れていたのは事実だろう。 ステルスの威力が戦闘で実証されたのが2013年のことで、イランのF-4ファントム編隊が米MQ-1プレデターに嫌がらせをしている場面にF-22単機が接近した。F-22のケヴィン・「ショータイム」・サターフィールド中佐は探知されずに自