シエラネバダコーポレーション(SNC)はボーイング747-8型機5機を改造し、核戦争や大規模災害時に大統領が軍を指揮できる「生存可能空中作戦指揮センター機」を空軍に納入する(SNC)
米空軍と航空宇宙企業シエラネバダコーポレーションSNCは、次世代「ドゥームズデイプレーン」の飛行試験を開始した。
E-4C生存可能空中作戦統制機(SAOC)の飛行試験は、オハイオ州デイトンにある航空イノベーション技術センターで実施されていると同社は水曜日に明らかにした。
SNCは、プログラムの設計・製造開発プロセスの一環として、8月7日にSAOCの初飛行を実施した。同社によれば、飛行試験と地上試験は主にオハイオ州デイトンとカンザス州ウィチタで2026年まで継続される。
SAOCは、最も壊滅的な状況下で使用される空中指揮統制センターとしての役割を担う。核戦争やその他大規模災害によりほとんどの軍事指揮センターが破壊または機能停止した場合を想定し、SAOCは大統領が米軍を指揮し、空から命令を伝達することを可能にする。
空軍は2024年、老朽化したE-4Bナイトウォッチ機4機の代替として、SAOC機5機を建造する130億ドルの契約をSNCに授与した。同社は2036年7月までに作業を完了する見込みだ。
同社によれば、飛行試験はSAOC開発プロセスの初期段階でリスク低減を図るためで、問題が深刻化して遅延を招く前に特定することを目的としている。
機体は大幅に改造されたボーイング747-8を基に製造されている。SNCは放射線や電磁パルスからの防護強化に加え、通信アンテナ、コンピューター、任務システムを追加した。
SAOC用に最初に割り当てられた747-8は、契約獲得から約1か月半後の2024年6月、デイトン国際空港にあるSNCの技術革新センターに到着した。その後さらに3機の747-8が続き、4機目は2025年4月に到着した。
シエラネバダは、最新の安全な通信システムを備えたモジュラー型オープンシステムアプローチでSAOCを構築する計画だ。
SNCの60年の社史でSAOC契約は最大規模の単一契約であり、同社はこれが次の大型案件の獲得につながることを期待している。
SNCはこの事業拡大に伴い、2024年10月にデイトン空港に747をSAOCへ改造する第2格納庫を開設し、さらに2棟の格納庫建設に着手した。同社によれば、新規ハンガーのうち最初の1棟は2025年10月までに完成し運用開始予定である。
現行のE-4B機群(正式名称:国家空中作戦センター)は半世紀以上前に製造され、機体はいずれも耐用年限に近づいている。■
Flight tests begin on US Air Force’s new ‘doomsday plane’
https://www.defensenews.com/air/2025/09/04/flight-tests-begin-on-us-air-forces-new-doomsday-plane/
Sep 5, 2025, 08:45 AM