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2026年10月17日土曜日

米空軍が新設したHH-60WジョリーグリーンIIの第5ヘリコプター中隊は国家緊急時に最高指導部を首都から退避させる特別な任務を実行する

 

米空軍が「終末の日」に要人の首都退避任務を担うHH-60Wヘリコプター部隊を新設、

USAF Stands Up Unit To Fly HH-60W Helicopters In Doomsday Evacuation Role In Nation’s Capital

「ジョリー・グリーンII」救助ヘリコプターは、国家緊急時に要人輸送や政府機能の継続という任務において能力向上をもたらすが、この計画に疑問の声も上がっている


The U.S. Air Force has stood up a new squadron at Andrews Air Force Base to manage the arrival of HH-60W Jolly Green II helicopters to replace aging UH-1N Twin Hueys.

USAF

米空軍は、老朽化したUH-1N ツイン・ヒューイに代わるHH-60W ジョリー・グリーンIIヘリコプターの配備で、アンドリュース空軍基地に新たな飛行隊を新設した。戦闘捜索救難(CSAR)任務のため設計された、第5ヘリコプター中隊に配属されるHH-60Wは、首都圏における要人の移送および政府機能継続計画の支援任務を担う特殊な構成となる。だがジョリー・グリーンIIをこれらの役割に投入すること、およびこれが同型ヘリコプターの全機隊がCSARの需要を満たす能力に生じる影響で疑問が提起されている。

空軍は昨日、アンドリュース基地で第5ヘリコプター中隊(5 HS)の正式な発足を記念する式典を開催した。UH-1Nを運用する第1ヘリコプター中隊(1 HS)は、重要な作戦要件を満たす能力に空白が生じないよう、2030年に完了予定のHH-60Wへの移行期間中も運用を継続する。ワシントンD.C.郊外に位置する同基地には、計26機の「ジョリー・グリーンII」が配備される予定であり、これは現在同基地に配備されている「ツイン・ヒューイ」を1対1の割合で置き換える。新型ヘリコプターの配備に伴い、アンドリュース基地の総人員も60名へとわずかに増加する。

アンドリュース基地で行われた第5ヘリコプター中隊の編成記念式典の様子。右上にHH-60W「ジョリー・グリーンII」が見える。USAF

空軍は当初、世界中のUH-1Nをすべて、サイズや能力の面でより直接的な代替機である新型MH-139グレイ・ウルフヘリコプターに置き換える計画だった。同軍は現在も、ミニットマンIII大陸間弾道ミサイル(ICBM)サイロ周辺の警備を支援する空軍グローバルストライクコマンド(AFGSC)部隊に配備されている機体を含め、他地域のUH-1Nを置き換えるため、MH-139の導入を継続している。この点については後ほど改めて触れる。

モンタナ州マルムストロム空軍基地に配備された、空軍グローバルストライクコマンド(AFGSC)所属の最初のMH-139A。背景には飛行中のUH-1Nが見える。USAF モンタナ州マルムストロム空軍基地に配備された、AFGSC所属の最初のMH-139A。背景には飛行中のUH-1Nが見える。USAF

「HH-60Wの速度、航続距離、および搭載能力の向上により、米国の要人、軍関係者、および地域周辺のコミュニティに対して、より安全な作戦遂行が可能となる」と、空軍は第5ヘリコプター中隊の編成に関するプレスリリースで述べた。

「ジョリー・グリーンII」は、UH-1NやMH-139にはない空中給油能力も備えており、ワシントンD.C.周辺での任務において非常に有用となる可能性がある。アンドリュース基地へ向かうHH-60Wには、メインキャビンの座席配置、通信システム、防御能力など、さらなる改良が施される予定である。詳細についてはこちらを参照のこと。

Combat Rescue Helicopter Successfully Executes Major Test Milestone: Aerial Refueling thumbnail

戦闘救出ヘリコプター(CSAR)、重要な試験の節目を成功裏に達成:空中給油

CSAR任務向けにHH-60Wのキャビンの構成組み合わせ示す図。ロッキード・マーティン

「今後数年間、第5ヘリコプター中隊(5 HS)は、乗員および整備員の訓練を行い、運用および整備プロセスを確立し、新たな航空機を受け入れながら、ナショナル・キャピタル・リージョン(NCR)内での国家安全保障任務の遂行に備える」と、昨日の発表は付け加えている。

ナショナル・キャピタル・リージョン(NCR)とは、ワシントンD.C.市域を囲む広範な地域を指す。NCR内およびその周辺における空軍の作戦は、主に「ワシントン空軍管区(AFDW)」と呼ばれる部隊を通じて管理されている。

HH-60Wは、現在、首都圏周辺で米国および外国の要人を輸送する日々の空輸任務を含むAFDWの任務を、UH-1Nから引き継ぐことになる。また、これらのヘリコプターは、政府機能継続計画の一環として、即座に活動に移れる態勢を整える。そのような事態において、「ジョリー・グリーンII」は、攻撃や同様の深刻な緊急事態発生後、連邦当局の機能継続を確保するため、高官や議員を迅速に安全な場所へ避難させる任務を担うことになる。昨日アンドリュースで行われた就役式典では、2001年9月11日のペンタゴンに対するテロ攻撃への対応における第1ヘリコプター中隊の役割が強調された。

第1ヘリコプター中隊のUH-1Nのストック写真。USAF

NCR(首都圏)は、危機対応任務や日常的な飛行運用において、特に困難な課題をもたらしている。ワシントンD.C.周辺の空域は、全米の中でも最も厳重に防衛され、厳重に監視されており、毎日、軍用機や民間機の航空交通で溢れかえっている。2025年1月に陸軍のUH-60ブラックホークとPSAエアラインズのボンバルディアCRJ700地域ジェット機が関与した致命的な空中衝突以来、首都上空で軍用ヘリコプターがどこで、いつ飛行できるかは、熱い議論の的となっている。当時、ブラックホークは政府機能継続(COG)訓練飛行を行っていた。この問題は、今月初めにドナルド・トランプ大統領を乗せた「マリーン・ワン」ヘリコプターの事故によって、さらに注目を集めている。その後の連邦航空局(FAA)の調査では、通信上の問題や、ホワイトハウスの新しいヘリポートの建設に関連する要因が指摘された。

また、ここで注目すべきは、大統領専用ヘリコプター「マリーン・ワン」の任務を主に担う海兵隊第1ヘリコプター飛行隊(HMX-1)が、NCR(首都圏)における政府機能継続のあらゆるシナリオで役割を果たすという点である。米国公園警察のヘリコプターに加え、他の法執行機関や民間機関のヘリコプターも活用されることになるだろう。

前述の通り、アンドリュース基地へのHH-60W配備が、空軍のその他の「ジョリー・グリーンII」機群に与える影響について重大な疑問が残っている。これは、空軍が今年初めに2027会計年度の予算要求を発表し、AFDWのHH-60W計画を推進することを確認した際、本誌が指摘した点である。

特に問題となるのは、空軍が数年前にHH-60Wの総調達数を113機から91機に削減すると決定した点だ。今後数年間で空軍が「ジョリー・グリーンII」を追加発注しなければ、全機体の約3分の1がAFDW任務に割り当てられることになる。

空軍は以前、この計画においてHH-60Wを「予備在庫」から投入することを確認していた。過去において、同軍はこの決定を、AFDWの要件を満たすために「MH-139Aを追加調達する」よりも「費用対効果が高い」として擁護してきた。こうしたニーズを満たすために「ジョリー・グリーンII」を使用するという決定に、他に具体的な運用上の考慮事項が影響したかどうかは不明である。グレイ・ウルフの調達計画も大幅に縮小されており、空軍は現在、わずか56機のみを購入する計画となっている。

「MH-139A『グレイ・ウルフ』は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の警備および首都圏(NCR)での任務――政府機能の継続や米国政府高官・治安部隊の輸送を含む――において、UH-1Nに代わる機体として競争入札を経て選定された」と、下院軍事委員会の委員らは、5月に公表された2027会計年度の年次政策法案(国防授権法:NDAA)草案に添付された報告書の中で記している。「委員会は、これらの任務を別の回転翼プラットフォームに移行させることの正当性について依然として懸念を抱いており、費用および運用上の影響に関する追加の詳細を求めている。」

当時、下院軍事委員会は、「空軍長官に対し、2026年12月1日までに、MH-139A以外の回転翼航空機を、首都圏における政府機能の継続および米国政府高官・治安部隊の輸送任務に割り当てることによる、運用、コスト、インフラ、および即応態勢への影響を評価した報告書を、議会の防衛関連委員会に提出するよう」明確に指示した。議員らは、報告書には「調達コスト、飛行時間当たりのコスト、インフラおよび航空機の改造要件、ならびに訓練および要員への影響の比較」に加え、「各航空機タイプごとに、アンドリュース合同基地の施設に必要な改修に関連するコスト、スケジュール、および運用上の支障に関する評価」を含める必要があると強調した。

近年、将来の作戦、特に太平洋における米国と中国の間のようなハイエンドな戦闘の文脈において、従来のCSAR(戦闘捜索救難)ヘリコプターの有用性について、別の疑問が提起されてきた。空軍当局者は、紛争地域深くで撃墜された乗組員を救出するための代替案の検討について公に言及していたが、それらの計画に関する詳細は依然として限定的であった。

同時に、従来のCSARへの需要が完全に消え去ったわけではない。このことは、F-15Eストライク・イーグルの乗員を回収するための4月にイラン国内で墜落した機体の救出作戦で改めて浮き彫りになった。HH-60Wは、これらのパイロットの救出を支援するためにイラン領空に派遣された大規模な部隊の一部だった。

一方、空軍のUH-1N(同軍が1970年代初頭に運用開始した機種)は、年を重ねるにつれて老朽化が進み、維持もますます困難になっている。現在、第1ヘリコプター中隊に配備されているUH-1Nのうち3機は、ベトナム戦争で実戦を経験している。つい先週、同中隊の「ツイン・ヒューイ」の1機が、訓練飛行中に「異常な機械音が発生した」ため、メリーランド州の野原に予防着陸した。このような事故が発生したのは、決して初めてのことではない。

議会が、ワシントンD.C.周辺でのHH-60Wの運用開始に向けた空軍の動きに、より直接的に介入する可能性もある。UH-1Nがアンドリュース基地であと4年間は運用され続けると見込まれているため、空軍自身の計画がさらに進化する時間は残されている。

第5ヘリコプター中隊の編成により、空軍は首都における全く新しいヘリコプター部隊の構築に向けて重要な一歩を踏み出した。

副編集長

ジョセフはTWZの副編集長として、当サイトの経験豊富で献身的なチームの統括を支援するとともに、有益で影響力のある防衛・国家安全保障関連のコンテンツを執筆している。彼はワシントンD.C.エリアのまさにその中心部に在住している。


オリジナル版読者のコメント

  • MH-139については、私の見解では、リーダーシップの失敗だった。選定当時、第2層の警備任務を担える量産中のヘリコプターは2機種あった。ラコタとUH-1Yだ。これらなら、共通の機体群を運用することで大幅なコスト削減が可能であり、中古機の調達にも大きな可能性があった...

    • 私はこの件について何年も言い続けてきた。ブラックホークの派生型なら、これらの役割のどれでも果たせない理由はない。

  • 航空機の選定(これについては多くの議論がある)はさておき、この任務における空輸の役割を大幅に拡大するという考え方は妥当だ。9.11以降、政府機能の継続性という話題が本当に重要視されるようになった際、当時国防総省で働いていた私の父が、その…について言及していたのを覚えている。

    • ええ、どの航空機を採用すべきかという議論は、政治家が航空機を手に入れることに不満を抱く人々によって、かなり混乱させられてしまいました。法案に署名する人々が、その見返りとして何かを得ないことを期待するのは明らかに非現実的です。また、政府機能維持に関するすべての緊急事態が…...

  • 首都圏でVIPの送迎任務を担う

  • 航空会社のケータリングトラックも空輸できるのかな?

  • 空軍は当初、世界中のUH-1Nをすべて、新型の MH-139 グレイ・ウルフヘリコプターに置き換える計画でした。これは、サイズや能力の面でより直接的な代替機となります。

  • 全くそうではない

  • MH-139は客室スペースが30%広く、積載量が5000ポンド多く、速度が50%速く(乗り心地も滑らか)、航続距離が50%長い...

  • つまり、政府は、私たちをこの破滅的な状況に陥らせたまさにその人々を避難させようとしているのか?

  • 「政府機能の継続」という任務には費用も労力も惜しまれないようだが、一般市民にとっての民間防衛インフラといえば、60年前に誰かが古い建物の壁に打ち付けた、色あせた「核シェルター」の看板程度に過ぎない。

    • おそらくそれは、70年前に試みたような民間防衛を行うよりも安上がりで、しかも効果的だからだろう。現代の核兵器の威力は凄まじく、古い放射能シェルターではほとんど役に立たない。それに、昔のシステムの多くは、大衆をなだめることを主眼に置いていた。学校が……ごめんなさい。

  • 政府機能維持のような状況下で、36年間連れ添った妻と子供を置き去りにし、家族が核の地獄の炎に焼かれる中、自分だけが地下の要塞に逃げ込んで保護されるような立場に自分が置かれるなんて、私には想像もできません。

  • 彼らを置き去りにして……なんてことを想像することすらできません。

    • バンカーにはナタリーも一緒だろう。彼女は君と一緒にいるためにヘリコプターのスキッドにしがみつくはずだ。

  • スイスでは、災害に備えてチューリッヒに多くの一般市民を収容できる地下施設を確保している。 こっちの上層部のクズどもは、自分たちのことしか考えていない。

    • 多くのごく普通の一般市民

    • うちの政府には、セクシーな若い一般市民を避難させる計画があるのは間違いないと思う。

  • つまり、この飛行隊は人々をバンカーへ運ぶことになっているんだろ?

  • 定番には敵わないね。

  • UH-1Nがアンドリュース基地であと4年間運用され続けると見込まれる以上、軍自身の計画がさらに進化する時間は十分にある。

  • だから、それが実現する前に、理性的な国防総省と話し合う余地は常にある。

  • これこそまさにそれだと思うよ。MH-139は男らしさが足りない。

    • まず米空軍が予算に組み込まなければならないし、仮に組み込んだとしても、首都圏ではなく遠征任務に回される可能性が高い。少なくとも今後10年ほどはそうなるだろう。

  • つまり、CSAR用に購入予定だった113機のHH-60Wのうち、米空軍は91機に削減し、そのうち26機がワシントンでのVVIP用ヘリコプターとして使用されることになる。

  • 確かに、過去20年間、米空軍が常時運用していたHH-60Gは100機程度だったが、CSAR任務用のHH-60Wが65機にまで減るなんて、間違いなく……

  • 議会は、「オレンジ色の強姦犯」ことトランプ王を怒らせるようなことは何もしないだろう。

  • 日本の軍事販売に関する規制が残念だ。UH-2ならUH-1Nの直接の後継機になれたはずなのに。

    • それが基本的にベル412EPの派生型だということに気づいていますか?

    • もし直接の代替機を望んでいたなら、わざわざ日本まで探しに行く必要はなかったでしょう。唯一の「欠点」は、ベル社がカナダで「民間用」のベル412ヘリコプターを製造していることです(カナダのCH-146グリフォンもそこで生産されました)、n...

  • 半ば陰謀論、あるいは不測の事態への備えといったところか…中間選挙が近づいているのに、偶然にも新しい要人避難用ヘリが導入された。

  • あいつらはそのまま放置しておけばいい。ポリティコ系の連中が何人かいなくなっても損はない(あの宇宙レーザーを使ってみてもいいかも)

  • もともと戦闘捜索救難(CSAR)任務のために設計された第5ヘリコプター飛行隊に配属されたHH-60Wは、首都圏における要人の移送および政府機能継続計画の支援を行うための特殊な構成となる。

  • 「そうすれば、あのクソ野郎どもが……

  • 彼らは、私たちには知らない何かを知っているのだろうか?

  • 返信

    • 彼らは金を無駄にする方法を知っているし、予算が大幅に増額されたことも知っている。そして、今のところ支出を監督する者が誰もいないのだ。


2022年7月28日木曜日

米軍が強い理由は訓練が実践的であること。CSAR訓練でMi-24を投入。同機を運用する民間企業が米国にあることが驚きですね。

  

hind helicopterテキサス州ランカスターで訓練中にMi-24ハインドを調べる第41救難飛行隊の米空軍飛行士(2022年6月27日撮影)。(Airman 1st Class Courtney Sebastianelli / U.S. Air Force)

 

空軍の救難捜索隊員は、敵機の間を縫い友軍を救出する訓練を行っている。

 

練習すれば完璧になるということわざがあるが、空軍のヘリコプター・パイロットは、世界で最も有名な戦闘ヘリコプターMi-24ハインドを飛ばすロシアや北朝鮮などと戦争となった場合を想定して、戦場で出会う可能性の高い敵への訓練をしている。

 空軍の第41救助隊は先月末、ジョージア州のムーディ空軍基地からテキサス州ランカスターに飛び、ハインドへの対応方法を学んだ。この珍しい対戦は、制空権が確保されていない紛争で、墜落したパイロットやその他友軍を救助する準備を乗員にさせるためだった。空軍ヘリコプター隊員は、米製ヘリコプターや固定翼機を相手に訓練を行うが、将来の戦争で戦うかもしれない機体を相手に飛行することはあまりない。

 ムーディにある第23航空団の広報担当者、クリスチャン・リトル中尉Lt. Christian Littleは、「訓練は、主要戦闘作戦(MCO)環境で人員回収を行う一部となる」とタスク&パーパスに語った。「空戦機動は空対空訓練ブロックの要で、エナジー機動、乗員管理、生存性、相互支援の概念を強化するのに役立つ「。

 タンデムコックピット、武器搭載用の翼、大きなトループベイと威嚇的な外観を持つハインドは、ランボー3からトップガンまで、アクション映画の悪役に登場し、高速でタフ、武器庫に匹敵するほど重武装できる。では、アメリカのヘリコプター乗員はどうやって同機と戦えるのだろうか?

 「ここに来て、実際の脅威のヘリコプターと戦うことができた 」と、先週ムーディ空軍基地がFacebookに投稿したビデオで、第41救助隊のパイロット、マシュー・キーオウ少佐Maj. Matthew Keoughは言った。「そのため、他では得られない視覚的にも空力的にも正確な脅威を再現できるのです」。

 知ることは戦いの半分だが、ハインド・ヘリコプターは米軍にとって日常的な光景ではない。同ヘリコプターは世界各地の軍に普及しているにもかかわらず、アメリカにはわずかしか存在しないとキーオウは説明する。米軍の飛行士はハインドの性能を文献で研究できるが、実際に飛んでくるのを見るのは最高だ。

 「ハインドがたくさんいる戦場に行くことになれば、よりよい準備ができる」「本物を操縦することで、機体の本当の能力と限界を知ることができる」(キーオウ少佐)。

 リトル中尉は、同演習は空戦演習の機会であり、「潜在的な脅威であるヘリコプターがどう飛行し、HH-60W乗員が敵機からどう防御するかを学ぶ最良の方法の一つ」と述べた。

 ムーディーズ基地のヘリコプター乗員は、固定翼戦闘機や海兵隊や陸軍のヘリコプターと空戦機動訓練を行うが、今回は、将来の戦闘で実際に対決するかもしれないヘリコプターを相手に飛行する珍しい機会だったとリトル中尉は説明する。

 空軍は過去にもMi-24を相手に同様の演習を行っていた。例えば、2019年にはアリゾナ州デービスモンタン空軍基地を拠点とする第55救難飛行隊のパイロットが、HH-60Gペイブホークでガンシップを相手に飛行する練習を行った。ペイブホークは、陸軍のブラックホークヘリコプターの亜種で、特に戦闘時の捜索・救助や人員回収任務を任務とする。しかし、ムーディに拠点を置く第41救助隊との最近の演習は、新型HH-60Wジョリー・グリーンIIが「フライング・タンク」と対峙する初めての機会となった。

 

hind helicopter 1

テキサス州ランカスター上空で空戦演習中の米空軍HH-60WジョリーグリーンIIをMi-24ハインドヘリコプターの前に飛ばす第41救難飛行隊の飛行士たち(2022年6月29日)。 (Screenshot via video by Airman 1st Class Courtney Sebastianelli / U.S. Air Force)

 

 長い航続距離と優れたセンサーを備えた60Wは60Gの後継機だが、最近空軍がこの新型ヘリコプターの購入を控える決定を下したため、捜索救助関係者は眉をひそめている。しかし、空軍は60Wを75機購入する予定であり、そのパイロットはいつかハインドと対面することになるかもしれない。

 「HH-60Wはこれまでこのようなシナリオに投入されたことはない」と、同じく第41救助隊のパイロット、タイラー・ハドソン大尉 Capt. Tyler Hudsonは言う。「ウィスキーをこのような敵、ハインドと戦わせるのは初めて。ですから、ウィスキーの技術や使い方が証明され、ウィスキーを戦闘に投入できるようになるまであと一歩です」。

 ジョリー・グリーンIIなどブラックホーク各種は、Mi-24と比較してどうか?ハドソンとキーオウは、ハインドが60Wより大きく、重く、速く動くと説明した。しかし、60Wは直線速度では劣るが、機動性で補っている。

 「敏捷性の観点からは、欧米のヘリコプターが有利だ 」と、System Studies & Simulation (S3) Inc.のハインド教官パイロットであるジョン・トッティーJohn Tottyは、Vertical Magazineの2018年記事で述べている。「旋回戦はハインドが望むところではありません。」

 それほど鋭くは旋回しないかもしれないが、ハインドはタフで、機首下の12.7mm機関銃や、翼に装着したり平兵装庫から発射できるロケット、爆弾、銃の数々など、十分な火力がある。しかし、元海軍のヘリコプターパイロット、ジェフ・ノーランJeff Nolanは、ハインドは空対地攻撃任務に使われることが多く、ヘリコプターとの空対空戦闘には使われないと指摘する。

 携帯型地対空ミサイルシステムなどの対空脅威が普及している現在、ヘリコプター乗員は敵ヘリコプターよりも地上からの脅威に直面する可能性が高いとノーランは指摘する。Business Insiderによると、ロシアのウクライナ侵攻では、先月までに200機近くのヘリコプターを喪失していると報告されている。

 しかし、変化が起きているかもしれない。米軍は将来起こりうる紛争で中国やロシアと戦う準備をしているが、空軍の戦闘救難飛行隊は、他の空軍固定翼機と連携し、墜落したパイロットやその他の友軍を救出する方法を計画している。

 空軍の捜索救助ヘリコプターのパイロットであるブロウ・マクドナルド中佐Lt. Col. Brough McDonald,は、「第41救助隊が行っていることは、戦闘空軍の垂直上昇運用の任務と目的を考えると、まさに理想的である思う」と述べた。

 マクドナルドは、戦闘空軍のヘリコプター隊員は、敵のヘリコプターや固定翼機からの脅威を含め、制空権が保証されないシナリオでの飛行に備えなければならないと説明しました。空軍の戦闘救難飛行隊は、敵のふりをした味方の固定翼機に対して日常的に飛行しているが、「侵略者のヘリコプターに対して飛行する機会はもっと稀であり、機会があれば、それを利用すべきである」とマクドナルドは述べている。

 マクドナルドは、映画『トップガン マーベリック』で実際に行われた空軍の捜索・救助作戦を例に挙げた。だ。ネタバレになるが、ある有名なパイロットが敵地上空で機外脱出し、即座に敵のMi-24ヘリコプターに直面する。ミッションを監督していたアメリカ海軍士官が、墜落したアメリカ人パイロットを救出するため「CSAR」を派遣することを提案する。

 「これこそ自分の出番だ!」 マクドナルドは、映画を見ながらそう思ったと振り返る。ハインドについて、「あれなら戦える!」と思ったそうだ。

 

air force helicopter

 

テキサス州ランカスターの上空で空戦演習を行う第41救難飛行隊所属の米空軍HH-60WジョリーグリーンII(2022年6月29日撮影)。(Airman 1st Class Courtney Sebastianelli / U.S. Air Force)

 

 

 残念ながら、映画では作戦担当の提督はCSARを派遣しないことを選択したが、マクドナルドやパイロットたちは、上層部が別の選択をしたときに備え訓練している。では、具体的にどのようにハインドと戦うのだろうか。ヘリコプター大多数に空対空兵器は搭載していないのは事実だが、F-15Eストライク・イーグル戦闘機のパイロットがイラクのヘリコプターに空対地爆弾を投下したり、ウクライナ兵士がロシアのヘリコプターを対戦車ミサイルで撃墜したと伝えられている世界では、アメリカや敵国のヘリコプターの乗組員が空対地武器で敵ヘリコプターを撃墜しようとしないとは言い切れないとマクドナルドは見ている。

 「乗組員は武器を持っており、それらは空対空用に最適化されてはいないものの、ハインドを撃退する効果を生むのであれば、使用を承認する」とマクドナルドは言う。

 ムーディ基地報道官であるリトル中尉は、ジョリーグリーンIIはGAU-2ミニガンとGAU-21 50口径兵器システムを搭載して飛行すると語った。先月テキサス上空で行われたヘリコプター2機の空中戦は、戦闘機パイロットが互いに戦うときに使う基本的操作に匹敵するものだったが、速度がはるかに遅く、はるかに低高度であったとマクドナルドは説明している。ヘリコプターのパイロットは、後部座席にF-15イーグルのパイロットを乗せて訓練していたときのことを思い出して、戦闘機パイロットが "「我々と同じことをしているが、速度が遅いだけだ 」と言われたそうだ。

 ハインドとの演習のもう一つの利点は、ムーディーのパイロット数人がMi-24に同乗し、敵コックピットから戦況を見れたことだ、とリトル中尉は説明する。ハインドを操縦する契約パイロットは、ムーディーの飛行士に航空機の兵器システムをあらかじめ説明し、隊員はその知識を携えて、翌日、契約パイロットがハインドを操縦する際に兵器システム席に座った。

 リトル中尉は、「ムーディーの乗員が両方の航空機に乗ることで、脅威に対する防御策を練習し、戦術が敵軍の視点から見てどこまで効果的であるか分析できた」と述べた。

 このようなスキルは、固定翼機との戦いにも応用できる。ヘリコプターと固定翼機の対戦というと、後者に有利に見えるかもしれまないが、マクドナルドは、ヘリコプター乗員は大地にへばりつき、タイトなターンをして、ミサイルロックしようとする敵パイロットの努力をくじくことができると説明している。目標は、味方の固定翼機が敵を追い払うまで、数分間生き延びることだ、とマクドナルドは説明する。

 敵のヘリコプターであれ、固定翼機であれ、ハインド演習で得た教訓は、どんな状況でも役立つ。「通常の訓練では、事前にブリーフィングを受け、台本通りに行動することは非常に簡単だ」とキーオウは言う。「第3のプレーヤー、ハインドが加わると、もっと難しくなる」。

 

air force helicopter

 

テキサス州ランカスターの上空で空戦演習を行う米空軍HH-60Wジョリー・グリーンIIを操縦する第41救難飛行隊の飛行士たち(2022年6月29日)。 (Screenshot via video by Airman 1st Class Courtney Sebastianelli / U.S. Air Force)

 

 ハインド等の脅威が出現した場合、空軍の乗員は、通常の指揮系統から外れてでも、迅速対応で撃退したり、脱出しなければならない。しかし、突然の脅威や緊急事態が発生した場合、他の搭乗員がタックリードと呼ぶ戦術的な指揮をとり、他の搭乗員を危険から遠ざけることができるとノーランは説明する。それは「左へ行け」「右へ行け」という単純な命令かもしれないが、それが違いを生むこともあり、空軍搭乗員は本格的に練習しているようだった。

 「全員が......いつでも、いわゆる『タック・リード』をとることができ、僚機を救う呼びかけを指示できます」とキーオウは言った。「この訓練は、隊員の自信を高め、いつタック・リードを取り、指示を出す必要があるかを知らせる機会」だという。

 このようなスキルは、脅威がハインドでもミサイルでも、軍用ヘリコプター全体に適用できる。

「万が一の事態を想定した訓練だ」とノーランは言う。「クルーが軽快に動けるよう訓練しているのです」。■

 

Air Force pits helicopter pilots against Russian-made Hinds in rare mock battle

BY DAVID ROZA | PUBLISHED JUL 19, 2022 4:29 PM

 

 

David Roza

David Roza

David covers the Air Force, Space Force and anything Star Wars-related. He joined Task & Purpose in 2019, after covering local news in Maine and FDA policy in Washington D.C. David loves hearing the stories of individual airmen and their families and sharing the human side of America’s most tech-heavy military branch. Contact the author here.