スキップしてメイン コンテンツに移動

米軍が強い理由は訓練が実践的であること。CSAR訓練でMi-24を投入。同機を運用する民間企業が米国にあることが驚きですね。

  

hind helicopterテキサス州ランカスターで訓練中にMi-24ハインドを調べる第41救難飛行隊の米空軍飛行士(2022年6月27日撮影)。(Airman 1st Class Courtney Sebastianelli / U.S. Air Force)

 

空軍の救難捜索隊員は、敵機の間を縫い友軍を救出する訓練を行っている。

 

習すれば完璧になるということわざがあるが、空軍のヘリコプター・パイロットは、世界で最も有名な戦闘ヘリコプターMi-24ハインドを飛ばすロシアや北朝鮮などと戦争となった場合を想定して、戦場で出会う可能性の高い敵への訓練をしている。

 空軍の第41救助隊は先月末、ジョージア州のムーディ空軍基地からテキサス州ランカスターに飛び、ハインドへの対応方法を学んだ。この珍しい対戦は、制空権が確保されていない紛争で、墜落したパイロットやその他友軍を救助する準備を乗員にさせるためだった。空軍ヘリコプター隊員は、米製ヘリコプターや固定翼機を相手に訓練を行うが、将来の戦争で戦うかもしれない機体を相手に飛行することはあまりない。

 ムーディにある第23航空団の広報担当者、クリスチャン・リトル中尉Lt. Christian Littleは、「訓練は、主要戦闘作戦(MCO)環境で人員回収を行う一部となる」とタスク&パーパスに語った。「空戦機動は空対空訓練ブロックの要で、エナジー機動、乗員管理、生存性、相互支援の概念を強化するのに役立つ「。

 タンデムコックピット、武器搭載用の翼、大きなトループベイと威嚇的な外観を持つハインドは、ランボー3からトップガンまで、アクション映画の悪役に登場し、高速でタフ、武器庫に匹敵するほど重武装できる。では、アメリカのヘリコプター乗員はどうやって同機と戦えるのだろうか?

 「ここに来て、実際の脅威のヘリコプターと戦うことができた 」と、先週ムーディ空軍基地がFacebookに投稿したビデオで、第41救助隊のパイロット、マシュー・キーオウ少佐Maj. Matthew Keoughは言った。「そのため、他では得られない視覚的にも空力的にも正確な脅威を再現できるのです」。

 知ることは戦いの半分だが、ハインド・ヘリコプターは米軍にとって日常的な光景ではない。同ヘリコプターは世界各地の軍に普及しているにもかかわらず、アメリカにはわずかしか存在しないとキーオウは説明する。米軍の飛行士はハインドの性能を文献で研究できるが、実際に飛んでくるのを見るのは最高だ。

 「ハインドがたくさんいる戦場に行くことになれば、よりよい準備ができる」「本物を操縦することで、機体の本当の能力と限界を知ることができる」(キーオウ少佐)。

 リトル中尉は、同演習は空戦演習の機会であり、「潜在的な脅威であるヘリコプターがどう飛行し、HH-60W乗員が敵機からどう防御するかを学ぶ最良の方法の一つ」と述べた。

 ムーディーズ基地のヘリコプター乗員は、固定翼戦闘機や海兵隊や陸軍のヘリコプターと空戦機動訓練を行うが、今回は、将来の戦闘で実際に対決するかもしれないヘリコプターを相手に飛行する珍しい機会だったとリトル中尉は説明する。

 空軍は過去にもMi-24を相手に同様の演習を行っていた。例えば、2019年にはアリゾナ州デービスモンタン空軍基地を拠点とする第55救難飛行隊のパイロットが、HH-60Gペイブホークでガンシップを相手に飛行する練習を行った。ペイブホークは、陸軍のブラックホークヘリコプターの亜種で、特に戦闘時の捜索・救助や人員回収任務を任務とする。しかし、ムーディに拠点を置く第41救助隊との最近の演習は、新型HH-60Wジョリー・グリーンIIが「フライング・タンク」と対峙する初めての機会となった。

 

hind helicopter 1

テキサス州ランカスター上空で空戦演習中の米空軍HH-60WジョリーグリーンIIをMi-24ハインドヘリコプターの前に飛ばす第41救難飛行隊の飛行士たち(2022年6月29日)。 (Screenshot via video by Airman 1st Class Courtney Sebastianelli / U.S. Air Force)

 

 長い航続距離と優れたセンサーを備えた60Wは60Gの後継機だが、最近空軍がこの新型ヘリコプターの購入を控える決定を下したため、捜索救助関係者は眉をひそめている。しかし、空軍は60Wを75機購入する予定であり、そのパイロットはいつかハインドと対面することになるかもしれない。

 「HH-60Wはこれまでこのようなシナリオに投入されたことはない」と、同じく第41救助隊のパイロット、タイラー・ハドソン大尉 Capt. Tyler Hudsonは言う。「ウィスキーをこのような敵、ハインドと戦わせるのは初めて。ですから、ウィスキーの技術や使い方が証明され、ウィスキーを戦闘に投入できるようになるまであと一歩です」。

 ジョリー・グリーンIIなどブラックホーク各種は、Mi-24と比較してどうか?ハドソンとキーオウは、ハインドが60Wより大きく、重く、速く動くと説明した。しかし、60Wは直線速度では劣るが、機動性で補っている。

 「敏捷性の観点からは、欧米のヘリコプターが有利だ 」と、System Studies & Simulation (S3) Inc.のハインド教官パイロットであるジョン・トッティーJohn Tottyは、Vertical Magazineの2018年記事で述べている。「旋回戦はハインドが望むところではありません。」

 それほど鋭くは旋回しないかもしれないが、ハインドはタフで、機首下の12.7mm機関銃や、翼に装着したり平兵装庫から発射できるロケット、爆弾、銃の数々など、十分な火力がある。しかし、元海軍のヘリコプターパイロット、ジェフ・ノーランJeff Nolanは、ハインドは空対地攻撃任務に使われることが多く、ヘリコプターとの空対空戦闘には使われないと指摘する。

 携帯型地対空ミサイルシステムなどの対空脅威が普及している現在、ヘリコプター乗員は敵ヘリコプターよりも地上からの脅威に直面する可能性が高いとノーランは指摘する。Business Insiderによると、ロシアのウクライナ侵攻では、先月までに200機近くのヘリコプターを喪失していると報告されている。

 しかし、変化が起きているかもしれない。米軍は将来起こりうる紛争で中国やロシアと戦う準備をしているが、空軍の戦闘救難飛行隊は、他の空軍固定翼機と連携し、墜落したパイロットやその他の友軍を救出する方法を計画している。

 空軍の捜索救助ヘリコプターのパイロットであるブロウ・マクドナルド中佐Lt. Col. Brough McDonald,は、「第41救助隊が行っていることは、戦闘空軍の垂直上昇運用の任務と目的を考えると、まさに理想的である思う」と述べた。

 マクドナルドは、戦闘空軍のヘリコプター隊員は、敵のヘリコプターや固定翼機からの脅威を含め、制空権が保証されないシナリオでの飛行に備えなければならないと説明しました。空軍の戦闘救難飛行隊は、敵のふりをした味方の固定翼機に対して日常的に飛行しているが、「侵略者のヘリコプターに対して飛行する機会はもっと稀であり、機会があれば、それを利用すべきである」とマクドナルドは述べている。

 マクドナルドは、映画『トップガン マーベリック』で実際に行われた空軍の捜索・救助作戦を例に挙げた。だ。ネタバレになるが、ある有名なパイロットが敵地上空で機外脱出し、即座に敵のMi-24ヘリコプターに直面する。ミッションを監督していたアメリカ海軍士官が、墜落したアメリカ人パイロットを救出するため「CSAR」を派遣することを提案する。

 「これこそ自分の出番だ!」 マクドナルドは、映画を見ながらそう思ったと振り返る。ハインドについて、「あれなら戦える!」と思ったそうだ。

 

air force helicopter

 

テキサス州ランカスターの上空で空戦演習を行う第41救難飛行隊所属の米空軍HH-60WジョリーグリーンII(2022年6月29日撮影)。(Airman 1st Class Courtney Sebastianelli / U.S. Air Force)

 

 

 残念ながら、映画では作戦担当の提督はCSARを派遣しないことを選択したが、マクドナルドやパイロットたちは、上層部が別の選択をしたときに備え訓練している。では、具体的にどのようにハインドと戦うのだろうか。ヘリコプター大多数に空対空兵器は搭載していないのは事実だが、F-15Eストライク・イーグル戦闘機のパイロットがイラクのヘリコプターに空対地爆弾を投下したり、ウクライナ兵士がロシアのヘリコプターを対戦車ミサイルで撃墜したと伝えられている世界では、アメリカや敵国のヘリコプターの乗組員が空対地武器で敵ヘリコプターを撃墜しようとしないとは言い切れないとマクドナルドは見ている。

 「乗組員は武器を持っており、それらは空対空用に最適化されてはいないものの、ハインドを撃退する効果を生むのであれば、使用を承認する」とマクドナルドは言う。

 ムーディ基地報道官であるリトル中尉は、ジョリーグリーンIIはGAU-2ミニガンとGAU-21 50口径兵器システムを搭載して飛行すると語った。先月テキサス上空で行われたヘリコプター2機の空中戦は、戦闘機パイロットが互いに戦うときに使う基本的操作に匹敵するものだったが、速度がはるかに遅く、はるかに低高度であったとマクドナルドは説明している。ヘリコプターのパイロットは、後部座席にF-15イーグルのパイロットを乗せて訓練していたときのことを思い出して、戦闘機パイロットが "「我々と同じことをしているが、速度が遅いだけだ 」と言われたそうだ。

 ハインドとの演習のもう一つの利点は、ムーディーのパイロット数人がMi-24に同乗し、敵コックピットから戦況を見れたことだ、とリトル中尉は説明する。ハインドを操縦する契約パイロットは、ムーディーの飛行士に航空機の兵器システムをあらかじめ説明し、隊員はその知識を携えて、翌日、契約パイロットがハインドを操縦する際に兵器システム席に座った。

 リトル中尉は、「ムーディーの乗員が両方の航空機に乗ることで、脅威に対する防御策を練習し、戦術が敵軍の視点から見てどこまで効果的であるか分析できた」と述べた。

 このようなスキルは、固定翼機との戦いにも応用できる。ヘリコプターと固定翼機の対戦というと、後者に有利に見えるかもしれまないが、マクドナルドは、ヘリコプター乗員は大地にへばりつき、タイトなターンをして、ミサイルロックしようとする敵パイロットの努力をくじくことができると説明している。目標は、味方の固定翼機が敵を追い払うまで、数分間生き延びることだ、とマクドナルドは説明する。

 敵のヘリコプターであれ、固定翼機であれ、ハインド演習で得た教訓は、どんな状況でも役立つ。「通常の訓練では、事前にブリーフィングを受け、台本通りに行動することは非常に簡単だ」とキーオウは言う。「第3のプレーヤー、ハインドが加わると、もっと難しくなる」。

 

air force helicopter

 

テキサス州ランカスターの上空で空戦演習を行う米空軍HH-60Wジョリー・グリーンIIを操縦する第41救難飛行隊の飛行士たち(2022年6月29日)。 (Screenshot via video by Airman 1st Class Courtney Sebastianelli / U.S. Air Force)

 

 ハインド等の脅威が出現した場合、空軍の乗員は、通常の指揮系統から外れてでも、迅速対応で撃退したり、脱出しなければならない。しかし、突然の脅威や緊急事態が発生した場合、他の搭乗員がタックリードと呼ぶ戦術的な指揮をとり、他の搭乗員を危険から遠ざけることができるとノーランは説明する。それは「左へ行け」「右へ行け」という単純な命令かもしれないが、それが違いを生むこともあり、空軍搭乗員は本格的に練習しているようだった。

 「全員が......いつでも、いわゆる『タック・リード』をとることができ、僚機を救う呼びかけを指示できます」とキーオウは言った。「この訓練は、隊員の自信を高め、いつタック・リードを取り、指示を出す必要があるかを知らせる機会」だという。

 このようなスキルは、脅威がハインドでもミサイルでも、軍用ヘリコプター全体に適用できる。

「万が一の事態を想定した訓練だ」とノーランは言う。「クルーが軽快に動けるよう訓練しているのです」。■

 

Air Force pits helicopter pilots against Russian-made Hinds in rare mock battle

BY DAVID ROZA | PUBLISHED JUL 19, 2022 4:29 PM

 

 

David Roza

David Roza

David covers the Air Force, Space Force and anything Star Wars-related. He joined Task & Purpose in 2019, after covering local news in Maine and FDA policy in Washington D.C. David loves hearing the stories of individual airmen and their families and sharing the human side of America’s most tech-heavy military branch. Contact the author here.


コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...