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イラン核施設への先制攻撃は一筋縄で行かないが、イスラエルが座して待つままとは思えない。実行すれば数週間規模の大作戦になる。米民主党は無力を露呈するだろう。

  

 

AL DHAFRA AIR BASE, United Arab Emirates –イスラエル空軍F-35IライトニングII「アルディール」と米空軍第421戦闘飛行隊F-35AライトニングIIは、2020年8月2日、イスラエル上空の演習「エンデュアリングライトニングII」で第908遠征給油隊 KC-10 エクステンダーからの給油後に一緒に飛行した。毅然としたパートナーシップを築きつつ、同盟国は地域の侵略者を抑止するための準備態勢を維持するために訓練を行っている (U.S. Air Force photo by Master Sgt. Patrick OReilly)

 

バイデンのイラン外交は悪夢のシナリオの可能性を高めている - ウェンディ・シャーマンWendy Sherman国務副長官は7月12日、国際学生会館での講演で、イランへのバイデン政権の魔法思考を実証した。国務省のプライスNed Price報道官は先週、交渉に期限があると主張したが、1日後なのか5年後なのか、はっきりさせようとしなかった。イスラム革命防衛隊はこのような空虚な瀬戸際外交を公然と嘲笑している。

 一方、イランの核開発は野放図に続いている。進歩派や国務省は、ドナルド・トランプ大統領が2015年の共同包括行動計画(JCPOA)から離脱したのを非難しているが、3つの点で間違っている。

 第一に、イランは核不拡散条約の保障措置協定の対象のままだ。JCPOAは、イランを法的義務から解放していない。

 第二に、ウラン濃縮増加は、トランプがJCPOAを離脱したときではなく、バイデン政権がマイク・ポンペオ国務長官の「最大限の圧力」キャンペーンを終了させてから生じた。民主主義防衛財団の年表が決定的である。

 第三に、JCPOAはオバマ大統領とバイデン大統領が言ったことを実行したわけではない。

 バイデンチームが、イラン戦略を現実ではなく、空想に基づいていることが、最悪のシナリオにつながるかもしれない。イランの核兵器獲得(最高指導者ハメネイ師の顧問カマル・ハラジKamal Kharraziは、もう「いつ」「もし」の問題ではなく、地域を不安定にするオープンエンドの紛争が起こる瞬間になると述べている)だけでなく、イランが核兵器を獲得することも、最悪のケースにつながるかもしれない。

 チーム・バイデンは、イランの核武装の脱却について悲観的かもしれない。その結果を目撃するためバイデンは生きているわけではない。ロバート・マリー特使Special Envoy Robert Malleyは、イスラム共和国を脅威と見なさない。道徳的同等性というレンズを通じ、イランには核兵器を保有する権利があると信じている。一方、シャーマンは、イラン交渉の失敗は、北朝鮮外交の失敗ほどひどくはないと内心思っているようだ。結局のところ、彼女は昇進を勝ち取ったし、北朝鮮は(まだ)核爆弾を使用していないのだから。

 しかし、イスラエル、サウジアラビア、その他の地域諸国にとって、イランの核武装は自殺行為ではなく、むしろ末期的危険性をはらんでいる。ルーマニアの独裁者ニコラエ・チャウシェスクの晩年になぞらえて考えてみよう。民衆がテヘランを制圧するまでに1日か2日しかなく、政権が崩壊した場合、核兵器を管理・指揮・統制している革命防衛隊が、権力終焉前にイデオロギーの目的を果たすために攻撃を開始する可能性がある。

 このため、特にイスラエルは、イラン核開発に対して、ホワイトハウスほど楽観視できない。バイデンにとってイランの核武装は、トランプを叩いて責任を逃れる格好の材料だが、ユダヤ国家にとっては存亡の危機となる。

 イスラエルはイラン核開発を攻撃できるだろうか。イスラエルは1981年にイラクに対して、2007年にシリアに対して行った実績がある。問題は、イランはイラクでもシリアでもないことだ。イラクにはオシラク、シリアにはアル・キバールがあっただけだが、イランの核開発は国内に点在し、標的は十数カ所になる。その上、イランはシリアやイラクより規模が大きく、距離も遠い(サウジの滑走路という後方支援で、この問題は軽減されるかもしれないが)。イランはイラクのほぼ4倍、シリアの約9倍の面積がある。このため軍事的にいくつかの意味を持つ。

 まず、標的多数を攻撃し、パイロットが帰還するため燃料補給を可能にするには、イランの飛行場、対空ミサイル基地、指揮統制センターをまず無力化する必要がある。イランの核施設の多くは地下にあるため、パイロットの負担を軽減するため巡航ミサイルを使用するとしても、施設を確実に破壊するためには出撃複数回が必要となる。また、イスラエルは特殊部隊をイランに投入し、重要人物の排除、標的の攻撃、被害状況の確認など行う必要が生まれる。イランはヒズボラのロケット弾でイスラエルに、フーシ派のロケット弾とドローンでサウジアラビアとアラブ首長国連邦に報復する可能性が高い。つまり、イランの核インフラの軍事攻撃には、出撃数十回ではなく、数日間で数千回の出撃が必要になることになる。

 このような軍事攻撃のマイナス面は、イランには核兵器を必要だとするイランのレトリックを正当化することだ。また、イランは政権の周りを固めるかもしれない。イラクの独裁者サダム・フセインが攻撃して、アヤトラ・ルホラ・ホメイニが権力を固めたとき、イスラム革命はほころびを見せていた。最後に、政権を放逐しない軍事攻撃の最大の欠点は、イランの核武装を遅らせることはできても、終わらせることはできないことだ。

 シリア空爆やイランの核科学者やミサイル技術者の暗殺が示すように、中東の他国よりもイスラエルの能力が高いのは確かだが、軍事問題の規模が大きすぎる。とはいえ、バイデンがどう望もうとも、イスラエルが存亡の危機に直面しながら、ただ立ち止まるとは考えにくい。むしろ、イランとレバノン南部で可能な限りのことを行い、あとは他国が破片を拾い集めてくれると考えているのかもしれない。

 スズメバチの巣が近くにある場合、一番の選択肢は、取り除くか、放っておくかである。最悪の選択肢は、棒で数回叩き、スズメバチをかき混ぜてから、最良の結果を望むことだろう。残念ながら、バイデンのイラン政策のシナリオがこれだ。■

 

Iran As a Nuclear Weapons State Is Terrifying. Israel May Attack Before That Happens - 19FortyFive

ByMichael RubinPublished25 mins ago

 

Expert Biography – Now a 1945 Contributing Editor, Dr. Michael Rubin is a Senior Fellow at the American Enterprise Institute (AEI). Dr. Rubin is the author, coauthor, and coeditor of several books exploring diplomacy, Iranian history, Arab culture, Kurdish studies, and Shi’ite politics, including “Seven Pillars: What Really Causes Instability in the Middle East?” (AEI Press, 2019); “Kurdistan Rising” (AEI Press, 2016); “Dancing with the Devil: The Perils of Engaging Rogue Regimes” (Encounter Books, 2014); and “Eternal Iran: Continuity and Chaos” (Palgrave, 2005). You can follow him on Twitter: @mrubin1971.


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