Republic of Korea Navy CVX carrier concept. RoK Navy Image
韓国は、空軍(RoKAF)用に20機のF-35Aブロック4ライトニングIIステルス戦闘機を新規購入する見込みであり、これが韓国の空母計画の将来について疑問を投げかけている。
地元メディア報道によれば、決定は今月末に発表の見込みで、航空機は2020年代半ばよりも早く導入される予定だ。計画は、韓国の防衛態勢がより広く変化しているのを示し、ソウルから見た脅威の優先順位の変化を告げている。
F-35Aプロジェクトの推進で、海軍(RoKN)が計画している3万トンの軽空母(CVX)とそれに付随する約20機のF-35B短距離離陸垂直着陸機の調達が犠牲になるという憶測が流れている。
空軍のF-35Aは、北朝鮮の軍事施設や核兵器発射施設、貯蔵施設を標的とした先制攻撃および反撃のための機体として設計されている。これにより、朝鮮半島と韓国の不安定な隣国に直接存在する潜在的な脅威に焦点が当てられる。RoKAFはすでに40機のF-35Aブロック3を就役させている。
一方、軽空母は、韓国の遠征作戦を支援するため、遠方の脅威に対する作戦用に想定される。今回のF-35A購入決定は、CVXの調達の遅れを意味すると思われる。
優先順位の変更は、政権交代の結果だ。3月の選挙後、民主党の文在寅前大統領に代わって、人民の力党の尹淑烈(ユン・スギョン)大統領が就任した。
成均館大学校グローバル戦略研究所(SIGS)のキム・ジェヨプ研究員はUSNIニュースに対し、CVXは文大統領の「画期的なプロジェクト」であり、「韓国の防衛近代化の焦点で平壌の脅威以外に拡大しようと積極的に取り組んだ」と述べた。
キム研究員は、この拡張の原動力の1つは、2019年の貿易紛争と東海での海上衝突を受け、RoKNが日本に立ち向かえるようにするためだと説明した。文大統領は、日本が2隻のいずも級ヘリ空母を軽空母に改装することを決めた後、海軍が独自の空母を持ち、日本の海軍力に対抗することを望んでいた。
その結果、韓国は過去20年間にイージス艦搭載の駆逐艦、新しいクラスの潜水艦、上陸用プラットフォーム・ヘリコプター(LPH)水陸両用攻撃艦のペアに投資してきた。
尹大統領の国防近代化では優先順位が異なるようだ。
「核兵器や弾道ミサイルなど、大量破壊兵器を保有し続ける平壌への抑止力を強化することが、より重要かつ緊急の課題だと考えている」と金氏は言う。
つまり、F-35Aの決定が良い選択であることを意味する、とキム研究員は言った。RoKAFは旧型航空機に制限されている。
空軍は400機以上の航空機を保有しているが、1970年代と1980年代のF-4ファントムやF-5戦闘機も100機以上含まれる。
「旧型戦闘機は、多くの飛行事故で空軍のパイロットを失った原因となっている」(キム研究員)。
旧型戦闘機は、2026年以降KF-21、FA-50軽戦闘機、そしてF-35の国産機導入で置き換えられる。
CVX建造の決定は、2020年発表の中期防衛計画(MTDP)2021-2025以来、論議を呼んでいる。RoKNが掲げるブルーウォーター・ネイビーへの野望の中心的存在だ。2021年10月に韓国航空宇宙産業と現代重工業の間でCVXの設計・開発に関する覚書が締結されたが、資金確保に失敗した。
キム研究員は、CVXが北朝鮮の沿岸や独島(またはリアンクール岩礁)のような係争中の島の近くなど、朝鮮半島周辺で作戦を行う前提だったため、代替手段があるのに高価な資産を最適に使うことができなかったと考えているという。
RoKNは、より多くの支持を得るたに、軽空母の優位性を強調する必要がありそうだ、とキム研究員は言う。
「これには、米海軍はじめとする同盟国やパートナーとの多国間任務への CVXの貢献も含まれます」「この場合、CVXは日本よりもむしろ中国からの海洋の脅威に対処するために、より大きな役割を遂行することが期待されます」。
F-35A Purchase Raises Questions Over South Korean Aircraft Carrier Program - USNI News
By: Tim Fish
July 11, 2022
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