アンダーセン空軍基地(グアム)所属のRQ-4グローバルホークが三沢航空基地で誘導路へ移動した。May 24, 2014. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Nathan Lipscomb)
米空軍はグローバルホークの退役を模索してきたが、公式に退役日程が決定されていることが分かった。
ワシントン:米空軍は2027年度までにRQ-4グローバルホークで残る全機を段階的に廃棄する計画で、同偵察機に残された日数は少ないことが分かった。
Breaking Defenseが入手した空軍ライフサイクル管理センターの契約担当者発出の6月27日付書簡は、元請けのノースロップ・グラマンにグローバルホーク・ブロック40(空軍が監視収集と地上目標の追跡に使用中のRQ-4の最新版)の退役日を通知している。
「ノースロップグラマンは、米空軍のグローバルホークの全機種が2026年に寿命を迎える想定で、DMS(製造源の縮小)とライフサイクルマネジメント計画を立てる」と契約担当者は書いている。
質問に対して、空軍の広報アン・ステファネクAnn Stefanekは、空軍がグローバル・ホーク・ブロック40計9機を売却する計画を確認したが、生存性の高い監視技術に移行するため、書簡にある26年度ではなく27年度に運用を停止させる計画だと明らかにした。
「将来のハイエンド戦に勝利するためには、接続された生存可能なプラットフォームへの投資を加速させ、互角の実力を有する脅威に対し限定能力しかないレガシーISR資産は売却し短期リスクを受け入れる必要がある」とステファネクは声明で述べている。(ノースロップ・グラマンはコメントを拒否)。
空軍はほぼ10年間、グローバルホークの全機種(あるいは高高度・長時間監視を行うU-2スパイ機)を廃棄しようとして失敗してきたが、最近になり議会から旧型RQ-4の売却開始を認められた。
ジョン・ホーヴェン上院議員(共和党)Sen. John Hoeven, R-NDが昨年発表したニュースリリースによると、残る4機のグローバルホーク・ブロック20は10月に売却され、国防総省のスカイレンジ計画の一環として極超音速ミサイルのテストに使用される。ブロック30の20機は退役を開始しており、2023年までに空軍から消える、とステファネクは言う。
空軍はブロック40退役を27年度に計画しているかもしれないが、空軍には旧型システムを切り離す試みで苦労した長い歴史がある。最終的には議会がグローバルホーク退役を判断することになるが、同機を失うことで能力ギャップが生じれば、議員は退役を望まないかもしれない。また、退役させるとしても、予算や現在の脅威により時期が変更される可能性もある。
能力格差のリスク
空軍は10年ほど前からRQ-4に懐疑的で、2013年度に初めてグローバルホークを退役させようとした。当時、空軍指導部は、グローバルホークの代わりに運用する予定のU-2と同等になるようにRQ-4ブロック30のセンサーをアップグレードするには費用がかかりすぎると主張していた。
その結果、空軍は15年度予算案でU-2を退役させ、グローバルホークに高高度監視任務を引き継がせる逆の戦術をとろうとした。議会が提案を却下すると、空軍は両機種を数年間静かに共存させ、21年度にグローバルホークのうちブロック20とブロック30を処分する許可を議会から得るのに成功した。
一方、海軍はグローバルホークの海上バージョンであるMQ-4Cトライトンにこだわり続けている。Center for a New American Securityの防衛プログラムディレクターであるステイシー・ペティジョンStacie Pettyjohnは、空軍がE-8C統合監視ターゲット攻撃レーダーシステム(JSTARS)機を段階的に廃棄する間、「応急処置として」ブロック40無人機を保持することが重要になると述べた。空軍は12機あるJSTARSのうち8機を23年度に退役させ、残りの機体も次年度以降に売却される可能性がある。
そうなると、敵のミサイルで撃墜される危険性が低いシステムを開発するまで、地上移動部隊の追跡は、地上移動目標表示(GMTI)モード付き合成開口レーダーを装備したグローバルホーク・ブロック40に任される。
「いろいろな意味で、空軍が正しいと思います」とペティジョンは述べる。「高度な防空技術を有する国と戦争になれば、生存可能なプラットフォームといえない」と述べた。「しかし、ISRのプラットフォームはどれも同じだ。このことは、我々の情報・監視・偵察機のポートフォリオの全体的な限界を示しています」。
では、グローバルホークの後継機は何だろうか。
「1対1の取引にはなりません。JSTARSやグローバル・ホークの機能すべてを置き換える新しいシステムを構築するわけではありません」(ペティジョン)。むしろ、F-35統合打撃戦闘機のような戦術戦闘機やGMTIセンサー搭載衛星のセンサーデータをつなぎ合わせるというより「複合的」なアプローチをとりそうだという。
2021年、宇宙軍作戦部長ジェイ・レイモンド大将Gen. Jay Raymond は、JSTARSに代わり、地上部隊を宇宙から追跡できる衛星の開発について、機密扱いにしてきた取り組みを明らかにした。宇宙軍はまた、ISRデータを提供できるセンサーのホストを商業衛星プロバイダーに依頼することも検討中と、Breaking Defenseは今月初めに報じた。
ペティジョンは、空軍当局が侵攻型ISRシステムにも言及していると指摘し、グローバルホークやU-2のような高高度偵察機に代わるRQ-180含む極秘偵察機に密かに取り組んでいる可能性を示唆した。
「RQ-4ブロック30グローバルホークは、昨日と今日のISRの要件には不可欠でした。しかし、このプラットフォームは、紛争環境で太刀打ちできない。そして、明日の紛争は争奪戦になる」と、空軍参謀長CQブラウン大将とレイモンド含む空軍指導部は、2021年5月の議会への文書証言で述べている。
「このプラットフォームから移行することで、センシンググリッドを使用し、侵攻型ISRプラットフォームを含む先進技術を導入し、ISR事業はデジタル時代に移行することができます」と、証言で述べており、RQ-4ブロック30の売却により、空軍が侵攻型ISR能力に必要な予算を再利用できると付け加えた。「全体として、情報収集は、非伝統的な資産、全領域センサー、商業プラットフォーム、第5世代と第6世代の能力の混成部隊を含むシステム群に移行するだろう」とある。■
EXCLUSIVE: Air Force's RQ-4 Global Hawk drones headed for the boneyard in FY27 - Breaking Defense
on July 27, 2022 at 11:46 AM
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