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韓国KF-21戦闘機の開発ペースが早い。今月中に初飛行敢行か。技術開発力はいいが、竹島上空を飛行する画像を公開するところが日本にとって許しがたい。

 KF21 taxi test

via Twitter

 

 

 

南朝鮮は、新型戦闘機KF-21の飛行試験開始に向け、異例のアプローチをとっているようだ。

 

朝鮮の次世代戦闘機KF-21は、初飛行に向けた準備を進めており、試作機が地上試験を行う映像が公開された。同テストは、最近行われた双発戦闘機の静止状態でのエンジン運転に続くもので、今月末に初飛行が計画されていると噂されている。

 

 

泗川にある韓国航空宇宙産業(KAI)の生産施設の外部から撮影された、最近のビデオには、試作型KF-21(韓国語で鷹を意味するボラメと名付けられた)が一時的に閉鎖された道路を横切るタキシングが映っている。KAI施設は泗川空港に併設しており、同空港は韓国南東部の晋州市にある。報道によると、ジェット機はKAI工場から空港のメイン滑走路に北上した。そこでテストパイロットは、米国から供給されたジェネラル・エレクトリックF414-GE-400Kエンジンのスロットルを開き、短時間の高速走行を行った後、減速した。このような試運転は、初飛行が差し迫っていることを示すものだ。

 

未確認情報だが、KF-21の初飛行は7月22日に行われる可能性があるという。合計6機の飛行試作機が完成する予定であり、少なくとも2機目、3機目、4機目の組立て作業が進行中だ。

 

先月末には、泗川の試験場で着陸装置を地面に固定し、エンジン静止試験を行う試作1号機の公式映像が公開された。エンジンは2基ともフル出力で、アフターバーナーもフルに設定されているようだ。

 

2020年に試作一号機の組立てが始まり、2021年にロールアウトが行われた。

 

ソウルは、老朽化した韓国空軍(ROKAF)のF-4EファントムIIとF-5E/FタイガーII戦闘機の後継機として、KF-21を開発している。現在の計画では、韓国空軍は2028年までにKF-21を40機導入し、2032年までに120機が配備される。さらにインドネシアが50機発注する予定で、インドネシアは同事業のジュニアパートナーであるが、過去にはKF-21へのコミットメントが疑問視されていた。KF-21プログラムの総額は74億ドルになる予想がある。

 

現代の国産戦闘機プログラムとしては、積極的なスケジュールだ。しかし、試作機がすでにエンジン(およびおそらく他の主要サブシステム)を稼働させた状態で地上試験を行っていることは、非現実的なものでない可能性を示唆している。

 

結局のところ、KAIは、少なくとも当分の間、例えば韓国が調達中のF-35の特徴である高度なステルス性能を見送った。このような難しい要件は、航空機設計や戦術のほぼすべての面で考慮する必要があり、全体的なコストやサポートの負担を大幅に増加させる。

 

KF-21では低視認性設計に慎重なアプローチをとっており、能力面ではF-35と第4世代F-16の間のギャップを埋めるのをめざす。KF-21の兵装は、6つの翼下ハードポイントと4つの胴体下ハードポイントに搭載され、F-35はじめ次世代戦闘機の多くが、主にレーダー探知能力を低下させるため武器庫を内蔵するのと異なる。就役後は、高度な派生機の開発に着手するとの予想がある。初期のKF-21のレーダー断面積はユーロファイター・タイフーンとほぼ同じで、その後の改良で大幅に減少する可能性がある。

 

さらに、KF-21は当初、空対空能力のみを持つブロック1が配備され、その後のブロック2は空対地任務をクリアする。この点も、最初から多用途性を持たせようとするその他機種と大きく異なる点である。

 

昨年4月のロールアウト時に、試作機KF-21のコックピットから敬礼するパイロット。MBC News Screencap

 

 

しかし、興味深いのは、南朝鮮がKF-21に期待する運用方法だ。

 

ソウルの新型戦闘機に対するユニークなアプローチは、高度なステルス性を引き換えに、低コスト機材とし、ステルス機と連動して戦闘効率を高めるものだ。例えば、F-35の補助機として、韓国空軍のKF-21は、共用打撃戦闘機よりも多くの武器(大型兵装も含む)を内部搭載できる。

 

4発のセミ・リセスド・メテオ空対空ミサイル、IRIS-T自己防衛ミサイル、2発のJDAMを搭載したKF-21の初期のコンセプトアートワーク MBDA

 

 

同時に、KF-21は基本形でも、韓国空軍の60機のマルチロール機F-15Kスラムイーグル、F-15Eストライクイーグルの発展型、現在F-16V規格にアップグレード中のF-16C/Dより小さなレーダー探知性を持つことになる。

 

しかし、KF-21は韓国空軍のF-35と協力するだけでなく、国産のステルス無人機と一緒に働く可能性が注目されている。

 

韓国防衛装備庁(DAPA)が昨年作成した短いビデオでは、KF-21の任務と武器のいくつかをCGで詳細に明らかにしている。

 

ビデオでは離陸、KC-330シグナスタンカーからの空中給油、長距離空対空ミサイル(AAM)メテオの発射のほか、KF-21が3機のステルス無人機と飛行する様子が示されている。

 

興味深いことに、ビデオで見られるジェット機は単座機だ。しかし、複座型が計画されており、「忠実なるウィングマン」の制御のため追加搭乗員が好まれる傾向がある。中国では明らかにこの任務のために作られた2人乗りJ-20ステルス戦闘機が登場した。

 

聯合ニュース報道によると、「プロジェクトが順調に進み、国産ジェット機が配備されれば、無人機と任務を遂行するかもしれない」とDAPA関係者は述べている。この無名の関係者は意図的に慎重に話したのかもしれないが、ソウルがステルス機プログラムに取り組んでいることは周知の事実である。

 

 

DAPAのビデオでは、重武装KF-21(外部照準ポッド付き)が3機のステルス無人機とミッションを遂行する様子が映し出されている。DAPA Screencap

 

 

DAPA映像に登場するステルス機3機は、無尾翼の飛行翼型で、エンジン吸気口が前方の機体上部に配置された構成で世界中のUCAV設計と類似している。このDAPAの描写が、実際にどの程度、量産型ステルス機と一致するかは不明だが、南朝鮮のこれまでのUCAV設計と大まかな特徴を共有している。

 

大韓航空宇宙部(KAL-ASD)が、KUS-FCプログラムでステルス無人戦闘機(UCAV)の開発に取り組んでいる。2015年にはサブスケール実証機「Kaori-X」が飛行試験を開始した。同実証機は、低観測性、空力制御と安定性、推進コンセプトのテストに使用されたと伝えられている。

 

大韓航空が開発した無尾翼のステルス機「Kaori-X」実証機は、2020年8月公開された。 Korean Air

 

 

昨年9月、韓国防衛庁(ADD)は、2016年に開始したプロジェクトの成果として、フルサイズのステルスUCAVの生産似必要な重要技術を習得できたと発表した。特に、レーダー吸収材を含む空中構造の開発に加え、無人機のレーダー断面積(RCS)を減らすのに役立つ飛行制御アルゴリズムを指摘した。ADDはまた、各機能が無尾翼の無人航空機に組み込まれていると説明した。この取り組みは、KUS-FCプログラムとは別個だが、補完するものであると報告されている。

 

ステルスUCAV「KUS-FC」の可能な構成を示す大韓航空のコンセプトアート Korean Air

 

 

同時にソウルは、KF-21のような有人航空機を無人機と密接に連携して運用するため必要な技術も、共同チームの一員として研究している。

 

2021年10月、KF-21プログラムを主導する韓国航空宇宙産業(KAI)が、DAPAから340万ドルの契約を獲得し、新しい有人・無人チーミング(MUM-T)システムを迅速に開発したと発表された。2022年12月に完成予定で、当初はスリオンや軽攻撃ヘリ(LAH)など南朝鮮の戦場ヘリと無人機の共同作戦の支援に使用される。ヘリコプターが直接無人機を制御し、UAVからリアルタイムで画像を受信し、任務を支援する。南朝鮮に配備されているアメリカのアパッチとグレイ・イーグルは、現在この機能を備えており、このことが現地開発に拍車をかけたと思われる。

 

MUM-Tの技術は、KF-21とUAVの統合に応用される可能性がある。

 

KF-21の「忠実なるウィングマン」としてステルス・無人機を利用することは、意味のあることのように思われる。前述したように、KF-21の初期バージョンは、F-35のようなハイエンドのステルス属性は備えない。

 

また、KF-21は当初、空対空専用のブロック1バリアントとして配備される予定なので、攻撃用弾薬を搭載できるUCAVは有人戦闘機の補助として有用となる。例えば、有人戦闘機が確認した地上目標を無人機で攻撃することが可能にとなる。

 

ソウルは、すでに欧米の各種空対地兵器を保有しているだけでなく、独自に精密誘導弾を開発している。少なくともその一部は、KF-21だけでなくUCAVの武装としても適している。最大射程距離62マイルの500ポンドMk82爆弾を運用する韓国GPS誘導爆弾(KGGB)、射程距離約250マイルと予想されるヨーロッパのTAURUS KEPD 350巡航ミサイルの小型版が含まれる

 

韓国製GPS誘導爆弾KGGBは、KF-21や戦闘用無人機に搭載される可能性がある。LIG Nex1

 

 

ステルスUCAVに内蔵された武器は、KF-21ブロック1またはブロック2が激しい戦闘空域に侵入する際に非常に有利となる。これにより、有人戦闘機は安全なスタンドオフ距離を保ち、高性能なメテオ・ミサイルとアクティブ電子スキャン・アレイ(AESA)レーダー、赤外線捜索・追跡(IRST)を使って空中の目標を狙い撃ちできる。KF-21の搭載レーダーを使用せず、UCAVのセンサーから受信したターゲティングデータで行えるだろう。有人戦闘機が電磁気的に沈黙を守り、生存率を高め、無人機が前方探査プラットフォームとしてリスクの高い役割を担うことを可能になるため、同コンセプトはさらに魅力的になっている。

 

DAPAコンセプトビデオより、流星ミサイルを発射するKF-21の静止画。 DAPA Screencap

 

KF-21用の国産AESAレーダー(ハンファ・システムズLIG Nex1の共同事業)の開発も進んでいるようだ。このプログラムでは、南アフリカのAircraft Instrument and Electronicsが運航するボーイング737-500ををテストベッドとして使用している。この機体は、公開飛行追跡データによると、先月だけでソウル仁川国際空港から5回離陸している。

 

KF-21のブロック2バージョンは、地上目標に対してスタンドオフ・ミサイルを発射できるようになる。これもF-35、ステルス・無人機、またはその他の手段が座標を提供し、おそらくUCAVの存在に向けられる敵対的防空に対応できる。

 

こうしたハイエンドの能力は、北朝鮮以外の潜在的な敵も示唆している。前述のDAPAビデオでは、KF-21とUCAVチームが独島(竹島)上空を飛行している。独島は、南朝鮮と日本間で長年続く領土問題の中心地だ。南朝鮮と日本は、豊かな漁場と石油・ガス埋蔵量に囲まれた同島の領有権を競い合っている。

 

DAPAビデオで独島上空で完全武装したKF-21を追跡するステルス無人機。DAPA Screencap

 

北朝鮮だけでなく、中国や日本とも歩調を合わせるためには、さらに高度な能力が要求されている。KF-21のような国家資産、特にステルスUCAVと連携できる装備は、韓国空軍や韓国軍で大きな需要がある可能性がある。

 

KF-21は輸出市場でもニッチを見つけることになりそうだ。ほぼ間違いなく、KF-21はF-35より運用コストが安く、大規模な支援インフラを必要としない。また、共用戦闘機プログラムでの厳しい輸出規制の回避もできる。KF-21がF-16後継機として世界で市場を見つけることができるかは、同機の最終単価と運用コストに大きく依存する。

 

しかし、国産機と国産AESAレーダーを市場に投入できるのは、南朝鮮の航空宇宙産業の総合力を示している。

 

ソウルはKF-21の実用化で野心的なスケジュールを描いているが、初期生産に控えめな能力を組み込むことが目標達成に役立つはずだ。地上試験が示す最新の証拠は、同機開発が着実に重要な進展を遂げている裏付けだ。■

 

 

オリジナル記事への読者コメント一部


  • KF-21が満たす「中間世代」のニッチについてはよく理解し、同意するが、この設計が韓国空軍にとって最も重要である理由は別にある。経済発展にもかかわらず、同国ではF-4とF-5がまだ相当の割合を占めている。これらの機体は休ませる必要があり、老朽化が追いついてきている。KF-21は、その問題を解決するための国内的な要素になりそうだ。


  • 尹政権では国防部長官をはじめ、複数の主要メンバーが空母計画に難色を示している。専門家は、新政権が北朝鮮のミサイルと核戦力への対抗を重視したことが、韓国空軍計画を承認する判断につながったとしている。


  • このようなアプローチは、米国が提案しているF-16の後継機MR-Xに有効ではないだろうか。ステルス技術を駆使しないなら、信頼度が低い同盟国向けの輸出が容易になり、低所得国へのアピールが生まれる可能性もあります。ステルスパイロンとポッドの開発で、LOをさらに進めるかもしれません。また、統合装備品よりもポッドを使用することで、互換性のあるアメリカの装備品、例えばT/F-7をさらに購入することができるかもしれません。


  • 米国内に工場があったほうがいいかもしれませんね。問題なく順調に進んでいるようです。


  • これは35よりも安く、飛行を継続しやすいはずですが、F-35の「ビーストモード」の最大外部搭載量と比較するとどうでしょうか。実際はそれほど変わらないのではと想像します。これはむしろ、南朝鮮の産業界が航空宇宙開発で多くの経験を積み、将来の選択肢を多様化するための足がかりになるように思える。


  • 南朝鮮は日本と係争中の島の上空を飛ぶ戦闘機と無人機の画像を作成した---世界は複雑な場所であり、我々の友人はいつもお互いに友好的ではないことを米国に思い出させるだけである。猫の群れのように。ギリシャとトルコ。南朝鮮と日本。イスラエルと...そうです。  あのメッセージは、日本はすでに知っていることを思い出させるためのものだと思う。私たちは聞いていますか? 私たちは2つの友好国の領土問題を解決するのを助けるべきでしょうか? 我々は彼らの間でこの紛争を悪化させる必要はありませんし、もちろん、我々が介入すれば、さらに悪化させるかもしれない。地域の真の問題に対して、同盟国が団結する必要がある。


  • SKのために良いこと! アメリカの力を借りなくても、NKに対応できるようになってきた。このことは、台湾をめぐるPLAとの熱い戦いの可能性を示唆しているのではないだろうか?


South Korea Readies Its KF-21 Next-Generation Fighter Jet For Takeoff

 

BYTHOMAS NEWDICKJUL 5, 2022 1:27 PM

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