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ウクライナ戦争が三周年へ。ロシアがここまでの犠牲を払っても本来の目的を貫徹できなない中で戦闘はどう収束するのか、戦後の影響はどんな形で現るのか損失をいつまで維持できるのか?(19fortytive)

  ウクライナのM777砲。画像:クリエイティブ・コモンズ。 今 月は ロシアによるウクライナ 侵攻から3周年にあたる。この戦争は 膠着状態 に陥っている。ロシアは少しずつ前進できるものの、 膨大な戦線での損失 という代償を払ってのことだ。その損失はあまりにも甚大であるため、人権侵害と国民の命への無関心で悪名高いロシアの同盟国である北朝鮮でさえ、自国 が被った甚大な損失 を懸念している。  大きな損失を伴うロシアの小さな利益という傾向を踏まえると、この戦争の決定的な問題は、ロシアがエリートや国民の反発なしに、どれだけの期間、この犠牲を維持できるかだ。ロシアは非開放的な社会だ。国民の不満や人道的コストは抑え込むことができる。ロシア大統領 ウラジーミル・プーチン は、この戦争に自身の名声を賭けており、妥協することはないだろう。彼は最後まで戦い抜くと主張するだろう。しかし、ロシアのエリート層は、わずかな利益のため長期にわたって多大なコストがかかる戦争を続けることの機会費用を認識し、恐れているはずだ。彼らは、プーチンに、ロシアが征服した地域のみを獲得し、ウクライナの大半を制圧する当初の目標を断念するよう説得できるだろうか? ロシアとウクライナは今後どれほどの期間、多大な損失を甘受できるだろうか? ロシアは現在、世界の裕福な経済圏や、そこで開発される先進技術から経済的に孤立している。同国は経済的な生命線として中国依存を強めており、明らかに「 抵抗の枢軸 」では劣勢のパートナーである。 ロシアは現在、戦争経済下にあり、それは紛争に勝利する助けにはなるが、長期的には経済成長と投資の損失という代償を伴う。ロシアのGDPはすでに世界トップ10から 脱落 しており、カナダやイタリアよりも小さくなっている。長期的な軍事力は国家の富の機能であり、ロシア通常軍の再建には数十年ではないとしても、何年もかかるだろう。さらに悪いことに、戦場でのパフォーマンスが非常に悪いため、以前のように他国から恐れられることはなくなるだろう。 ウクライナにとっては残念だが、ロシアにとっての中長期的な戦争のコストは、おそらく短期的にウクライナを救うことはないだろう。ウクライナは経済的にも人口統計的にもロシアよりはるかに小さい。特に 人的資源と兵器の不足 は、 大きな課題 となっている。 徴兵制と外国からの支...

JASSMの供与はウクライナに巡航ミサイルの安定供給をもたらす―一方で機微情報の漏洩リスクや米軍在庫の減少リスクも懸念(The War Zone)

 今回の話題は AGM-158 統合空対地スタンドオフミサイル(JASSM)で、米国がウクライナへ引き渡すことになりました。 頑なにロシア国内への攻撃を供与した装備では実行しないように求めてきた米国が態度を変えてきていることがわかります。    Todd Cromar/USAF JASSMはロシアの防空システムを突破できる。しかし、提供される数が最大の利点となる 米 国が、今後数週間のうちに実施する支援パッケージにAGM-158 統合空対地スタンドオフミサイル(JASSM)をウクライナに提供する準備を進めているとの報道が本日出た。JASSMはウクライナの兵器庫内のいかなるスタンドオフ兵器よりも高性能であり、より優れた能力を提供できるが、最大の利点は、米国政府が安定供給できることであり、これにより、ウクライナが敵陣深くまで攻撃できる優先度の高い標的の数を大幅に拡大できる。  JASSMがウクライナに送られる可能性があるという報道は、数ヶ月前に同国の最高幹部が、寄贈されるF-16ヴァイパーには、300~500キロ(186~310マイル)の射程距離を持つ最新型スタンドオフミサイルが武器メニューの一部として搭載されるだろうと主張していたことと一致する。  また、ウクライナで生まれたばかりのヴァイパー部隊に、大きなリスクを負わせず、防空以外の任務を提供することにもなる。ウクライナは納入された6機半のF-16のうち1機と、貴重なバイパー訓練を受けたパイロットを失ったが、その経緯については依然として不明な点が多い。 F-16 ファイティングファルコンは、2024年8月4日にウクライナが初めて受け取ったジェネラル・ダイナミクス社製F-16 ファイティングファルコンの前で、ウクライナ軍の功績を称える演説を行うウクライナ大統領ヴォロディミール・ゼレンスキー氏(ウクライナ大統領府/提供/Anadolu via Getty Images)Anadolu  現在、ウクライナ空軍は、イギリスとフランスから各供与された、ほぼ同一のストームシャドーとSCALP-EG巡航ミサイルを、空対地離脱攻撃の主な手段として採用している。両タイプとも、ウクライナのSu-24フェンサーによって発射される。   米軍から供与されたATACMS弾道ミサイルと、独自開発のネプチュー...

余剰A-10がヨルダン空軍の手に渡る可能性がでてきた。ウクライナへの譲渡はどうなる?

  ヨルダンというのは意外ですが、ゆくゆくウクライナへ譲渡する前のテストケースであるとも言えます。A-10を運用するには航空優勢が確保されていることが条件となりますので今の段階でウクライナで運用するのは時期尚早なのかもしれません。The War Zone記事のご紹介です。 ヨルダンが本当にA-10に興味を示せば、地上攻撃能力を高めることになり、その他国への移籍の道も開けるかもしれない 上 院軍事委員会は国防総省に対し、退役したA-10対地攻撃機をヨルダンに譲渡する可能性を検討するよう指示した。    ヨルダンでA-10攻撃機を将来的に運用する可能性が浮上している。米空軍は、2020年代末までに由緒あるウォートホグの運用を停止する予定である。A-10は、ウクライナ含む他国への派遣が検討されている。 月曜日、上院軍事委員会は国防総省に対し、A-10をヨルダンに移譲することを検討するよう正式に指示した。これは、来る2025会計年度の国防政策法案(国防授権法(NDAA))の新しい草案に添付された報告書の中で発表された。年初時点で、空軍は現役部隊、予備役部隊、空軍州兵部隊にまたがり、およそ218機のA-10を保有していた。 具体的には、「委員会は国防長官に対し、2025年2月1日までに、引退するA-10機をヨルダンに譲渡することの実現可能性と是非について、上院と下院の軍事委員会に報告するよう指示する」と、上院軍事委員会の報告書は述べている。「報告書には、ヨルダンが自力で航空機を維持する能力の分析を含める」。 ヨルダンのA-10取得への関心がどの程度活発なのか、いつからウォートホグに注目したのかは不明だが、同機への真の欲求がなければ、この件が浮上したとは考えにくい。本誌はヨルダン政府に問い合わせた。上院が最近の報告書を発表する前、コロンビアとウクライナだけが、A-10の取得に関心を示していたことが知られている。 4月の下院軍事委員会の公聴会で、フランク・ケンドール空軍長官は、A-10を取得する可能性に関心を示している国があることは知っているが、その時点で活発な議論が行われているとは認識していない、と述べた。同じ公聴会で、長官は問題の国がウクライナではないことにも言及した。空軍は、その後の本誌の質問に対し、ケンドールが言及した国を特定することを拒否した...

【与太話?】アルゼンチンがスーパーエテンダール戦闘機をウクライナへ移送する検討中といわれるが実現性はあるのか

  この話がどこまで実現性があるのかわかりませんが、話題としては面白いですね。フォークランド戦争から40年あまりたちましたが、英国はアルゼンチンの暴挙を今でも許しておらず、制裁のため活用できなかったシュペルエタンダール戦闘機が部品不足で眠ったままなので、それならウクライナに引き取ってもらおうという虫の良い話なのですが。たった5機ではウクライナも戦力として活用できないでしょうし、すでにF-16やミラージュ2000を受け取る準備をしているところに別の機種がくわわれば運用支援がますます困難になるばかりですからね。The War Zoneが伝えてくれました。 Martín Otero via Wikicommons F-16、ミラージュ2000に続き、フランス製スーパーエタンダール戦闘機がウクライナの次の西側戦闘機になる可能性が浮上してきたが、実現に至るかは不透明だ 非 常に意外な展開として、アルゼンチンが保有するフランス製スーパーエタンダード海軍攻撃機をウクライナに譲渡する計画を練っていると言われている。初期段階だが、このありそうもない提案はアルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領President Javier Mileiが承認したと報じられている。実現すれば、ウクライナは対艦ミサイル「エクソセ」による対地攻撃能力の戦闘実績がある機体を手にすることになる。その一方で、同機は旧式亜音速ジェット機で数も少ない。ウクライナがこれに時間と人員を投資するのは、疑問の残る動きかもしれない。 アルゼンチンの『インフォバエ』紙によれば、アルゼンチンからスーパーエテンダール5機を譲渡する計画は、アルゼンチンのディアナ・モンディーノ外務大臣とルイス・ペトリ国防大臣によって練られた。ミレイがこの計画を承認した後、モンディーノとペトリは、この航空機のオリジナル・メーカーであるフランスとの交渉に「何週間も」取り組んできたと伝えられている。 この計画は、モンディーノとジェイク・サリバン米国家安全保障顧問とのワシントンでの会談や、ブリュッセルでのNATO高官との会談でも話し合われたと伝えられている。 5機のスーパーエタンダールは、2016年にラファールMに交代したまでフランス海軍で飛行していた機体である。アルゼンチンは、フォークランド紛争で活躍した14機のスーパーエタンダールが2014年頃に運用...

ウクライナでF-16がなにができるのか現実的な分析をしてみた

  ウクライナがずっと求めてきたF-16がヨーロッパからの供与と云う形でついに戦力として加わることになります。ただし、パイロット養成が限られていることにウクライナは不満のようです。同機が戦場に加わると何が変わるのか、変わらないのかSandboxx Newsが分析していますのでご紹介しましょう。それにしてもバイデン政権の優柔不断さに巻き込まれたウクライナが不憫でなりません。     ベ ルギーは、現在進行中のロシア侵攻に対するウクライナを支援するため、 ジェネラル・ダイナミクス F-16ファイティング・ファルコン30機をウクライナに供与することを約束した。昨年、オランダは、ウクライナ軍パイロットがF-16の操縦訓練を受け次第、ウクライナに42機のF-16を供与する計画を発表した。これでウクライナが受け取るF-16の総数は80機以上になる。 これがウクライナにとって勝利であることは確かだが、高性能ジェット機で何ができるかだけでなく、何ができないかも理解することが重要だ。最終的に、F-16はウクライナ軍に空対空能力と空対地能力の大幅な向上をもたらすだろうが、機体は50年前のものだ。さらに、単一のプラットフォームやシステムでウクライナ戦争に勝てるわけではない。そして、最終的に最も重要になのは、より広範な包括的戦闘戦略の中で、この機体をどうに活用するかである。 新しい戦闘機には新しい戦術 ソ連時代のMiG-29とSu-27で構成されるウクライナの戦闘機隊は、ロシアの機体と見た目は似ているが、エイビオニクスは旧式で、性能に制限を加えている。 ウクライナ空軍司令部のユリイ・インハット報道官はウォール・ストリート・ジャーナルに、「ロシア機はレーダーで我々の戦闘機より2-3倍遠くを見ることができる」と語った。 その結果、ウクライナが受け取るF-16は、大部分が1990年代のシステムを搭載しているとはいえ、同国の戦闘機能力を大幅に向上させることになる。しかし、技術は戦闘パズルの1ピースに過ぎず、これらのプラットフォームが戦闘でどのように活用されるかが、その価値を大きく左右することも忘れてはならない。 「エイビオニクス、ウェポンシステム、兵器の統合は、今(ウクライナが)飛ばしているものより何十年も進んでいる」と、元F-16パイロットでNATO連合軍最高司令官フ...