ラベル 2022年1月24日F-35C水没事故 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2022年3月4日金曜日

南シナ海へ水没したF-35Cの回収に成功。中国ロシアの手に渡らず安堵する米海軍。事故原因調査と並行し機密漏洩で内部処分も進む。

 F-35C_RECOVERED_SOUTH_CHINA_SEA

U.S. NAVY

 

海軍は、今年初めに空母カール・ヴィンソン(CVN-70)の着艦事故で喪失したF-35C共用打撃戦闘機を南シナ海で回収に成功した。同機は深度約12,400フィートから引き上げられた。

機体は米第7艦隊の任務部隊75(潜水・サルベージ)と海軍海洋システム本部(NAVSEA)のサルベージ・潜水監督官(SUPSALV)により回収された。合同チームは、民間潜水支援工事船(DSCV)「ピカソ」に乗船した。同船は2月23日に沖縄を出港し、墜落現場に向かっていた。

 

海上保安庁発行の告知から、引揚げ作業地点はフィリピン・ルソン島の西方約170マイルだった可能性がある。海軍は詳細な場所を発表していない。

 

回収作業には、CURV-21(Cable-controlled Undersea Recovery Vehicle 21)と呼ぶ通常は海底調査に使用するテザー式の遠隔操作船(ROV)が使用された。CURV-21は、ソナーやカメラを搭載し対象物の位置を特定が可能で、今回は事故機に専リグとリフトラインを取り付けた。

 

艤装品とリフトラインで固定したF-35Cは、船内クレーンのフックで海上に吊り上げられ、ピカソに移送された。第7艦隊の公開写真では、機体は保護用のプラスチックに包まれ輸送されているようだ。

 

タスクフォース75責任者であるガレス・ヒーリー大佐Capt. Gareth Healyは、「迅速かつ有効な指揮・統制・通信機能、機敏なロジスティクス、有機的なセキュリティ、タスクフォースの専門性を選択した」「最終的に、慎重に事件発生から37日で回収作業を行えた。この問題のユニークな特性とNAVSEAのユニークな技術力で達成可能なスケジュールにできた」と述べている。

 

海軍は、事故機の残骸は今後、「調査のため軍事施設に運ばれ、本国輸送の可能性を評価する」と発表した。

 

残骸の大部分が回収されていなかったことがわかり、国防総省や共用打撃戦闘機のコミュニティは安堵するだろう。残骸の一部または全部が敵対する国(中国かロシア)により調査されたり、墜落現場から持ち出される可能性が非常に高かった。

 

「我々はF-35の価値を、あらゆる点で留意している」と、事故直後に国防総省のジョン・カービーJohn Kirby報道官は述べた。「さらに機体回収では、安全を第一に考えつつ、国家安全保障上の利益を考慮して行う」

 

昨年11月に空母HMSクイーン・エリザベスで離陸時の事故で地中海に沈んだ英国空軍F-35Bステルス機を浮上させる作業と同様のパターンで回収されたようだ。

 

今回のF-35Cは、着艦時に飛行甲板後部に衝突し、その後、転覆して着水した。パイロット含む7名が負傷したが、パイロットは脱出後、水中から救出された。

 

F-35Cは空母の4本のアレスティング・ワイヤーをすべて引きちぎり、甲板上に破片を散乱させたが、ヴィンソンの飛行業務はわずか45分以内に再開された。

 

ただし墜落直後に、水中の事故機の写真と、艦内のアイランドカメラ室が撮影した動画2点がSNSにアップされるという驚くべき手順違反が発生した。海軍はその後、すべて本物であると確認した。

 

海軍は、こうした機密漏洩がなぜ起こった原因を究明したいとはずだ。海軍士官1名と上級下士官4名を戒告処分にしており、これらの者は裁判によらない処分を受ける見込みである。同時に、海軍は墜落事故の原因究明を続けており、期待されていた海軍F-35Cによる最初の作戦行動に影を落としている。

 

Navy's Crashed F-35C Recovered From The Bottom Of The South China Sea

Recovery of the jet after its carrier landing mishap allays fears that it could have fallen into the wrong hands.

BY THOMAS NEWDICK MARCH 3, 2022

 


2022年2月2日水曜日

2022年1月24日F-35C水没事故。海上保安庁がサルベージ作業を予告し、海上交通安全情報として公開。米海軍は作業準備に入っている。

 (メディア関係者の皆さんへ F35Cではありません)

An F-35C Lightning II Joint Strike Fighter following a crash on USS Carl Vinson CVN-70) on Jan. 24, 2022.

 

 

海軍は先週発生したF-35Cの機体引き上げの準備に入ったと第七艦隊がUSNI Newsに2022年1月31日に述べた。

 

「米海軍はUSSカール・ヴィンソン(CVN-70)着艦に失敗し南シナ海に水没したF-35Cの回収準備に入った」とヘイリー・シムズ中佐がUSNI Newsに声明を伝えてきた。海軍はこれ以上の情報は開示していないが、日本の海上保安庁がNAVAREA航行注意情報を先週土曜日に発出し、サルベージ作業が南シナ海で予定されているとある。

 

同情報によればサルベージ作業は追って通告があるまで南シナ海でフィリピン西方で展開される。

 

海上保安庁発表のNAVAREA航行情報

 

 

F-35の機密技術が機体回収を急ぐ理由で、ロシアや中国が改修するのを恐れてのことだ。

 

昨年発生した英F-35Bの地中海墜落事故では英国、イタリア、米国がサルベージ作業を展開した。同機は英空母HMSクイーン・エリザベス発艦時に水没した。2019年に工区自衛隊のF-35Aが太平洋に墜落したが、日米が徹底的な捜索を展開した。この事例では機体回収に成功したのか不明だが、見つかった機体は海面衝突で分解したといわれ、これに対し、その後のF-35事故二例では機体は比較的姿を保っているといわれる。

 

ソーシャルメディアに流出した写真については第七艦隊が本物と認め、VFA-147打撃戦闘機飛行隊「アーゴノーツ」所属のF-35Cで、艦右側に落下したのち、機体はおおむねそのまま沈下したとする。

 

Notice to Mariners

 

米海軍が機体回収に展開する部隊はまだ不明だが、深度は最大30千フィートになる場所もあり、機体は鎮座していると見られる。

 

海軍はサルベージ艦USNSサルヴァー(ARS-52)が第七艦隊にあるが、民間船や沖合支援船でサルベージ回収を図る可能性もある。■

 

Japan Coast Guard Issues Salvage Warning in South China Sea as Navy Prepares F-35C Recovery Operations - USNI News

By: Dzirhan Mahadzir and Sam LaGrone

January 31, 2022 5:40 PMUpdated: January 31, 2022 8:54 PM