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2018年11月19日月曜日

F-35導入の遅れを想定した米空軍の対応策とは、その他米航空戦力整備の最新案から読める情報とは



The Air Force Has a Plan if the F-35 Doesn't Work Out As Planned F-35事業が予定通り進展しない場合に備える米空軍の構想


November 16, 2018  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-35MilitaryTechnologyWorldWarF-18. F/A-18




F-35が予定どおり戦力化しない場合に備えペンタゴンはF-15E、F-16、F-18の再調達を想定しているのか。


米議会調査部(CRS)によれば、ペンタゴンが出した航空戦力整備長期計画の背後にこの可能性が見えるという。


国防総省はアメリカの航空戦力を30年俯瞰で想定する構想案を毎年更新している。通常は総論で曖昧な内容に留まる事が多い。


今回は違う。「2018年4月発表の最新の三十年構想では詳細内容が豊富で、事業中止、耐用年数延長、新規事業に触れている」とCRSのジェレマイア・ガートラーが述べる。「一部は直接的、一部は間接的だ」


ガートラーは航空戦力整備構想で判明するパターンに注目している。とくにF-35に関する件だ。空軍はF-15Eストライクイーグル、F-16で耐用年数を延長しながらF-15C制空戦闘機は退役させようとしている。


「F-15EとF-16で共通要素は何か」とがートラーが問いかける。「ともにF-35ライトニングIIが後継機の予定だが、新構想ではF-35が予定通り就役ができない場合を想定し空軍が既存機種で耐用年数を延長して穴埋めをねらっているとわかる。F-35調達機数は変更がなく、空軍は1,763機だが予定通りに投入できない事態を想定し、空軍は旧型機の改修をめざす」


さらにA-10ウォートホッグは2030年代まで飛行継続し、ここでもガートラーはF-35調達の遅れを最初から空軍が想定していると見る。同様に海軍はF-18スーパーホーネットで耐用年数延長を目指しており、旧式のA型からD型は退役させる内容だ。つまり海軍はF-35のトラブルに備える構えだ。


ガートラーは今回の航空戦力整備で以下興味深い点がみつかったと指摘。


第六世代戦闘機で動きが来年発生。海軍と空軍は2019年に第六世代機の性能諸元を決定したいとする。「本格生産は数十年先になり、現在は概念形成の作業が中心。海軍は来年中に検討を完了させるとする。次のステップは提案内容の作成だ」(ガートラー)


KC-46の調達拡大。空軍は当初想定の179機を超えたKC-46ペガサス給油機の調達を希望。「今回の構想で空軍は既存規模では不足とし当初予定以上の機数を導入しつつ既存のKC-135でも改修を行う意向だとわかる。以前はKC-135を全機退役させる予定だったが空軍は供用年数を延長したいとする」


新型長距離給油機構想:航空戦力整備構想ではKC-46投入でKC-10を退役させる予定とわかる。ガートラーはこれを空軍が新型長距離給油機構想を断念する動きと解釈する。「空軍が給油機近代化を始めた段階でまずKC-Xとしてエアバス、ボーイングを競わせ179機導入でKC-135と交代させる構想だった。その次がKC-YでKC-X採択機材をやはり179機導入し、三番目のKC-Zは完全新型の大型機でKC-10の52機の後継機とするはずだった。今回の企画案ではKC-Zが消えている。KC-46は勢いを強めている現役機となっており同機の将来は一層有望に写る」


AWACSは飛行を継続。E-3セントリー空中早期警戒統制機材7機の退役構想は棚上げになった。空軍はC-130供用を続けるがC-130Jは追加調達しない。海軍はC-130数機を調達する。


新型VIP機材。「もう一つ予想外の動きが空軍であり、ボーイング757原型のC-32VIP輸送機を退役させる」とがートラーは指摘。「757生産が終わり14年となり新型機が必要だ」


ポセイドン追加調達。中国との対立深刻化を受けて海軍がP-8ポセイドン哨戒機の調達への動きを示している。「現時点の地政学面の変化を考えれば、追加調達が必要だ」と航空戦力整備構想に記述がある。


海軍向け新型練習機:「もう一つ新規事業としてこれまで予算化されておらず今回の30年計画に盛り込まれたのがT-44の後継機だ。海軍が民生ビーチクラフト・キングエアを原型に訓練に投入している機体だ。」とガートラーは指摘。「陸軍にも同様の動きがある」


新型海軍向けヘリコプター:艦艇建造計画見直しに伴い、海軍はヘリコプター多数を必要とする。「2030年になると新型艦の就役が増えるともっと多数のヘリコプターが必要となる」(ガートラー)。通常は調達前倒しで生産ライン維持を図るが「海軍は完全新型機として2030年代中頃の調達を狙い次世代の垂直離着陸技術の導入を期待する。陸軍と共同で進める新型機がここで絡むのだろう。海軍が新型機を2030年代中頃に運用開始するなら今後三四年のうちに事業開始になるはずだ」


ベテランのCH-47チヌークは今後も飛行を継続する。「陸軍の次世代垂直離着陸機にはまだ大型機版がなく、陸軍はチヌークの改修で耐用年数を15から20年伸ばしておきたいと考えている」(ガートラー)


中古ブラックホークヘリコプターを販売。ガートラーはUH-60ブラックホークヘリコプターの一部を陸軍が民間に払い下げると見ている。航空戦力整備案では陸軍はメーカーのシコースキーにブラックホークを送り再整備させるとある。「構想案では米軍用の再整備と入っておらず、シコースキーは旧型機を再生し別の相手に販売するのではないか。だが米政府が中古機材を市場に放出する準備に入っている」

だがCRSのガートラーは構想案そのものが全体として予算増額をねらうペンタゴンの策である可能性を警告する。「提言は国防予算上限を改定すべく二年おきに議会と約束している内容の延長である。軍としては上限拡大を狙い、これだけの支出で何が手に入るかを議会へ示す必要がある。つまり予算手当がついていない要求リストを別の形で示しているだけである」というのだ。■


Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook .

2018年7月24日火曜日

テンペストをきっかけに動き始めた次世代戦闘機の国際開発


テンペストをめぐり動きが出てきました。やはり次世代機開発は国際共同事業の形になるのでしょうか。では、日本はどういう形で関与できるのでしょうか。あるいは蚊帳の外扱いになるのでしょうか。(これは困りますが)その意味ではF-3開発の基調が国際開発にかじを切っていますので今後は動きやすくなるのでは。


ShowNews

U.S Air Force Reps Meet to Discuss Britain’s Future Fighter With UK 米空軍代表が英国と次世代戦闘機で協議に動く

Jul 18, 2018Lee Hudson | ShowNews

Tempest, Britain’s proposal for the FCAS, the future combat air system.

ンペストと呼ばれる英国の将来型航空戦闘システム(FCAS)の発表を受け米空軍関係者が今週にも英国側と同事業を協議する。
テンペストはフォーンボロ航空ショー初日に発表され、双発の低視認性戦闘機とされる。
空軍次官マシュー・ドノヴァンが報道陣に同盟関係の中で整備する装備では相互運用性が最重要要素だと語っている。
「新技術開発に向かう国の努力を激励したい。だがあくまでも共同作戦対応の装備である必要があると強調したい。その前提で了承すべきだ
ウィル・ローパー空軍次官補(調達、技術、兵站)は報道陣に米国は英国はじめ同盟国と次世代の航空優勢実現に努力すべきと語った。
「どの分野で脅威が顕著になるかで将来は変わってくる。軍事脅威にとどまらず民生技術にも注目している」「今我々が暮らす世界でセンサー技術が普及しているのは民間投資が原動力になっているからであり、その是非を見極める必要がある」
ローパーは英国の迅速戦力整備室を訪問するが同室はペンタゴンにある同名組織の英国版だ。協議では両国でどんな共同作業が可能か検討するという。
「国家防衛戦略の実現は自国単独では不可能だ。同盟国と共同で戦うだけでは不十分であり、同盟国と共同で装備を実現する能力が必要だ」(ローパー)■

2018年7月17日火曜日

★英国がお披露目した次世代戦闘機テンペスト。本当に実現するのか。日本の参画の可能性は?



今年のファーンボロ航空ショーの目玉になりそうな機体です。ただし英国開発の機体には大成したものが少なく、早くも米国には同機を疑問視する声も出ていますが、次期戦闘機開発の方向性に悩む日本としても黙っていられないのではないでしょうか。本当に飛ぶ機体が作られるのかわかりませんが写真で見ると革新的なようですね。タイフーンの後なのでテンペストですか。かつてのRAFの栄光時代の機体名称復活ですね。ハリケーンはどこ?スピットファイヤは?

The UK just unveiled a next-generation fighter jet that could be unmanned and armed with lasers英国が次世代戦闘機を発表。無人運用可能でレーザーも装備。





Britain's defence minister, Gavin Wiliamson, unveils a model of a new jet fighter, called 'Tempest' at the Farnborough Airshow, in Farnborough, Britain July 16, 2018.ギャヴィン・ウィリアムソン英国防相がお披露目した新型戦闘機「テンペスト」、ファーンボロ航空ショー会場にて。July 16, 2018. Reuters
  • 英国が次世代ジェット戦闘機の実寸大モデルを月曜日にファーンボロ航空ショー会場で公表した。
  • 「テンペスト」の愛称がついた同機はBAEシステムズ、ロールズロイス、レオナルド、MBDAの各社共同開発でサイバー攻撃に耐える強さがある。
  • 製造と決まれば英国は26.5億ドルを2025年までに投じる。




国が次世代ジェット戦闘機の実寸大モデルをイングランド・ファーンボロ航空ショーでお披露目した。
「今や危険な戦闘の時代に入りつつあり、将来に目を向けている」と英国防相ぎギャヴィン・ウィリアムソンが会場で述べた。
愛称「テンペスト」はBAEシステムズ、ロールスロイス、レオナルド、MBDAの共同事業で任意に無人運用できレーザー兵装を搭載し、多数のUAVを運用し、サイバー攻撃に耐えるとの報道が出ている。
「一部には今後実現の目を見なくなるものもあるだろうが単一プロジェクトで全部実現できれば成功効果は限りなく高い」とストラトフォーの戦力アナリスト、シム・タックがBusiness Insiderに語っている。「構想はきわめて有望に聞こえるが、狙いが狙いだけに開発、製造ともに問題にぶちあたるだろう」
タックからは「英国はダッソーが独仏戦闘機共同開発に向かうのを見てこれを出してきたのだろう」とのコメントも出ている。
フランスとドイツは昨年7月に「ヨーロッパ製」戦闘機を共同開発しダッソー・ラファールとユーロファイター・タイフーン後継機にしたいとの発表している。ダッソーは次世代戦闘機のイメージの映像を公開したばかりだ。
ウィリアムソンは開発が決まれば英国は同機に26.5億ドルを2025年までに投入すると述べている。また順調にいけば同機は2035年までに運用開始できるとも述べた。■


以下テンペストの写真をご覧ください。

Here's a wide shot of the Tempest.Reuters
Here's a close-up of the cockpit. Reuters

Defense News記者アーロン・メータによる撮影写真はこちら。View image on TwitterView image on TwitterView image on Twitter



BAEシステムズ発表のテンペストの兵装搭載案

And here's a BAE Systems graphic on some of the Tempest's possible capabilities:BAE Systems

2017年12月19日火曜日

★これが第六世代戦闘機の想定内容だ

 毎度、出し惜しみのような内容ですが、それだけ方向性がはっきりしていないのでしょう。そのため何回も同じような内容ですみません。
 もともと第五世代戦闘機とはロッキードが宣伝用に普及させたの表現ですが、F-22やF-35を超えた戦闘機という意味で第六世代なのですね。
 ステルスや兵装等を考えると将来の(有人)戦闘機は現在のコンセプトと変わるはずですが、米海軍は(空母運用もあり)現行サイズの機体を想定のようです。空軍も追随すれば結局同じサイズになりそうですが、まだわかりません。



Air Force Starts Experiments for 6th Gen Fighter

第六世代戦闘機実験を開始した米空軍

The Air Force has begun experimenting and conceptual planning for a 6th

generation fighter aircraft to emerge in coming years as a technological step

beyond the F-35,

空軍が第六世代戦闘機の概念作りを開始した。F-35を超えた技術進展の機体になりそうだ



Kris Osborn - Dec 16, 9:59 AM


  • 米空軍は第六世代戦闘機関連実験を開始しており、F-35を超えた技術進展が今後数年間で登場すると空軍関係者は述べている。
  • 「実験、開発企画、技術投資を開始した」とアーノルド・バンチ中将(空軍副長官(調達)付け軍代表)Gen. Arnold Bunch, Military Deputy, Office of the Assistant Secretary of the Air Force, AcquisitionがScout Warriorに今年はじめに話していた。
  • 第五世代F-35共用打撃戦闘機を超える性能が新型機の狙いで2030年代登場と見られるが、現在は概念構築の初期段階で、空軍は米海軍と共同作業し、必要な性能や技術内容を検討中だ。
  • バンチ中将は検討内容を詳しく述べないが航空優勢2030構想に言及しており、空軍が目指す将来機材に望まれる戦略要素が念頭にあるようだ。
  • 20年後の戦闘機に採用されそうな技術として、新世代ステルス技術、電子戦、高性能コンピュータ処理、自律運行性能、極超音速兵器、いわゆる「スマートスキン」(機体側部にセンサーを埋め込む)があると指摘するのがTeal グループの航空アナリスト、リチャード・アボウラフィア Richard Aboulafiaだ。新技術の一部は昨年のノースロップ・グラマンのスーパーボウルCMに登場している。
  • ノースロップ以外にも新型戦闘機事業競合の参加企業があるはずだが、現段階ではノースロップがコンセプト、技術、初期設計で先行しているといってよい。ボーイングも開発の初期段階にあるとDefense Newsは解説している。
  • 海軍の新型機は2035年までに退役するF/A-18スーパーホーネットの後継機と海軍関係者は2040年における空母航空戦力像を検討しており、現行のF-35CやEA-18Gグラウラーの次の機体を検討中と述べた。表面塗布やステルス、人工知能、機体操縦、センサー性能、通信データリンク等の技術は急速に進歩していると同関係者は指摘している。
  • 海軍は同時に空母運用型の無人機も開発する。ノースロップが歴史を作ったX-47B実証機は空母発着艦に成功した初の無人機だ。
  • アナリストの中には第六世代戦闘機開発ではセンサーデータの最大限共用、超音速巡航や機体そのものを電子センサーにする「スマートスキン」も模索すると見る向きがある。
  • アフターバーナーなしで超音速移動できれば、戦術上も有利になり、対象地点で滞空時間を増やせる。F-22ですでに実用化されている。
  • 最大限の接続性能とは衛星通信中継でのリアルタイム接続を意味する。極超音速兵器の開発ではスクラムジェット方式の効果実証が必要だが、初期試験では成功失敗が入り混じっている。
  • 空軍科学主任ジェフリー・ザカリアス博士Dr. Geoffrey ZachariasはScout Warriorに対し極超音速兵器の実用化は2020年代中に実現し、極超音速無人機は2030年代、再利用可能極超音速無人機の登場は2040年代と見ている。極超音速技術が将来の航空機設計で大きな意味を有しているのは確かなようだ。
  • スマートスキンでは機体にセンサーを埋め込み、機体をセンサーにし、パイロットに各種情報を表示する。一部はF-35でセンサー融合機能として実現しており、各種センサーの戦闘関連情報を収集、統合し、ディスプレイに表示している。さらにF-35ではノースロップの分散開口システムDistributed Aperture Systemで360度の戦闘空間が見られる。同システムのカメラは機体各所につけられ、抗力低減・レーダー探知性の低下で工夫されている
Northrop Grumman

  • スマートスキンに電子装置を分散配置すれば外部に装備搭載が不要となり,機体そのものが統合レンズの役割となる。これも抗力低下に貢献し飛行速度、操縦性が向上しながらセンサー性能を引き上げられる。
  • 第六世代戦闘機のステルス技術は防空性能の向上に対応可能となる。敵側の防空体制ではデジタル処理コンピューターの連携機能で広範な周波数対応が可能となり、ステルス機も遠距離から探知可能になりつつある。
  • 新型第六世代戦闘機にはレーザーや電子攻撃能力も備わるだろう。■



2017年5月1日月曜日

★★米海軍、空軍の次期主力戦闘機(「第六世代」機)はどこまで準備が進んでいるのか



目新しい内容はないのですが、それだけ要素技術の開発が着実に進んでいることを伺わせます。ご承知と思いますが、空軍、海軍は機体の統一化を断念しており、別の機体になりそうです。無人機に積極的な海軍と消極的な空軍の違いが目立ってきそうです。第六世代機の名称は使わない問の動きもあるのですが、わかりやすいのも確かですね。

Visit WarriorNavy, Air Force Are Exploring Concepts for a Next-Generation 6th Generation Fighter to Come After the F-35 F-35後継機の第六世代戦闘機で米海軍、空軍が概念づくりを進めている

KRIS OSBORN
Yesterday at 12:27 PM

ペンタゴンが目指す第六世代戦闘機はステルス性を重視しつつコンピュータ、電子戦技術、速度、兵装、センサーを一新する。
  1. 20年後に登場するはずの戦闘機は次世代のステルス技術、電子戦、コンピュータ処理アルゴリズム、自律運用の拡張、極超音速兵装、またいわゆる「スマートスキン」と呼ぶ機体側面へのセンサー埋め込みを実用化するはずだ。
  2. ノースロップ・グラマンはすでに一年以上前のスーパーボウル生中継中CMでその輪郭を示していた。
  3. ノースロップ以外にも新型戦闘機競作に加わる国防企業があるはずずだが、まだ要求内容が明確でない中で、ノースロップが構想づくり、技術初期設計作業を以上の方向で進めていると言っても誤りではない。ボーイングも開発初期段階の作業に取り組んでいるとDefense Newsが伝えている。
  4. 新型機は第五世代機F-35共用打撃戦闘機の後継機として2030年代中頃に投入されるはずで、空軍と海軍がそれぞれ概念をまとめている。空軍・海軍は共同で概念の初期取りまとめ協議をしており、搭載技術や性能の定義付を急いでいる。うち、空軍では次世代航空優勢戦闘機Next-Gen Air Dominanceの名称を与えている。
  5. 海軍用機材は2035年までに退役するF/A-18スーパーホーネットとの交替をめざすと海軍は説明している。
  6. 海軍は2040年時点の空母航空隊の姿としてJSFの海軍仕様F-35CとEA-18グラウラー電子戦機をまず想定する。そこに海軍仕様の第六世代機を加える構想で、有人無人運用がそれぞれ可能とする。
  7. 機体塗布、電磁スペクトラム、人工知能、機体制御、戦闘状況認識、通信、データリンクそれぞれの個別技術が急速に進歩していると海軍は認識。
  8. 海軍関係者は同時に新型空母運用無人機を並行開発すると述べた。これもノースロップ製のX-47B実証機は空母発着艦に成功した初の機体となっている。
  9. アナリスト陣は第六世代機開発メーカー各社は次世代技術としてセンサー接続性の極大化、スーパークルーズ性能や機体そのものを電子的に設定する「スマートスキン」も導入すると見ている。
  10. スーパークルーズで新型機はアフターバーナーなしで超音速巡航が可能となる。これにより、現場上空での滞空時間が長く確保でき、F-22はこのスーパークルーズ性能を実現している。
  11. 最大限の接続性とは通信機能とセンサー機能を大きく伸ばし、衛星や他機等とリアルタイム接続を実現し戦場情報を利用することだ。極超音速兵器の搭載も想定するが、スクラムジェット極超音速飛翔など開発中技術の進捗度に依存する。
  12. 空軍主任科学者ジェフリー・ザカリアス博士はScout Warriorに極超音速兵器の実用化予定を2020年代、極超音速無人機の実現を2030年代、再利用可能極超音速無人機を2040年までに実用化すると語った。将来の戦闘機材には極超音速技術が兵器、あるいは推進手段としてまたは双方が必要要素になるのは疑いがない。
  13. 機体のスマート表皮は機体にセンサー技術を分散装着し機体と一体化させることを意味する。ここに次世代コンピュータのアルゴリズムを使いパイロットに情報を整理統合して提示する。この一部はF-35でデータ融合として実現しており高度コンピュータ技術が投入され各種センサーから戦闘関連情報を収集、整理統合してパイロットの前に一つの画面上に表示する。さらにノースロップの分散開口装置Distributed Aperture SystemでF-35パイロットは戦場の360度画像を見られる。カメラは機体に組み込み式で、抗力を増やさず、かつステルス性を損ねない。
  14. スマートスキンに分散型電子装置を組み込めば機体に装備をぶら下げる必要がなくなり、機体表面そのものがセンサーの開口部となるとアナリストは説明する。これで抗力を減らしながら速度、操縦性を向上させるが、センサー性能も改善される。
  15. 第六世代戦闘機は高性能ステルス技術を搭載し防御性能の向上が実現しそうだ。敵側の防空体制が装備更新で高速処理とネットワーク機能を組み合わせ従来より広範な周波数帯での探知を可能になっておりステルス機の早期探知も不可能ではなくなっている。
  16. また第六世代戦闘機はレーザー兵器や電子攻撃能力も搭載することになりそうだ。■



2016年8月1日月曜日

★★★米海軍の次世代戦闘機構想を妨害しているのはパイロット集団の閉鎖的思考だ

UCLASSなど革新的な無人機構想をことごとく廃案にしてきたのは海軍航空士官をトップとする組織内圧力団体であると判明しました。今回の記事の情報源はそのヒエラルキーに煮え湯を飲まされている向きなので多少割り引く必要がありますが、海軍の次期主力戦闘機がスーパーホーネットの焼き直しとなっては意味がありません。米海軍からステルス性重視はもうしないとの姿勢が示されていた背景にはこんな考えもあったのですね。そうなるとF-35Cを継子扱いするのもうなづけるところです。米空軍との共同開発など全く可能性がありません。


The National Interest



US Navy's Sixth-Generation F/A-XX Fighter: Just a 'Super' Super Hornet?

July 26, 2016


  1. 米海軍には2030年代以降の脅威環境の中で空母搭載戦闘機を運用構想で一貫した考えが欠乏しているようだ。National Interestが各種筋に聞いたところ海軍のF/A-XXでは接近阻止領域拒否A2/ADや新世代の敵側軍用機がいる中では対応できないことが判明した。その一方で海軍はF-35Cの効果には懐疑的なままだが、同機が時代の要求内容のほとんどに応える唯一の機体となる。
  2. 「将来の空に高性能地対空ミサイルのS-300やS-400が登場する予想の中で海軍航空兵力でこれまでの流れに固まった思考の先へ進む必要があるでしょう」と新アメリカ安全保障センターの国防戦略評価事業をまとめるジェリー・ヘンドリックスは述べている。
  3. 脅威は確かにあるが米海軍はロッキード・マーティンF-35C共用打撃戦闘機の空母配備は少数に留めて2030年代を迎える。海軍に近い筋の話では単発の同機の性能には海軍はもはや不安を感じていないが、ペンタゴンのN98航空戦部は海軍航空システムズ本部(NAVAIR)とともに同機の価格に高い懸念を示しているという。「あまりにも短絡的な見方だと思いますよ。価格水準が期待通りに下がっていないので気にしているのです」とその筋は語る。「新型機一個飛行隊は10機構成でホーネット飛行隊12機より少なくなるのは予算が足りないからだと言っています」
  4. ヘンドリックスによれば問題は単純だ。空母の予算項目が残っていても新型機が非常に高価になれば機体は多数導入できなくなる。「予算が増えない状況で追加の財源もないと機数を減らすしかないでしょう」
  5. F-35Cの機体価格が高いため、海軍もできることなら共用打撃戦闘機開発から抜けたいところだと消息筋も認める。理想的なのはF-35Cは避けて直接F/A-XX実用化を目指すことだ。「F-35Cが遅れればニーズに合わせて作れるF/A-XXが手に入ると海軍は考えている」と消息筋は語る。「だが今のところF/A-XXは絵に描いた餅で、しかもDOD(国防総省)上層部から却下されたのです」
  6. 外部専門家にはF/A-XXを超音速巡航、ブロードバンド全方位ステルスの第六世代戦闘機あるいは新型長距離無人ステルス爆撃機になるとの意見が多いが、海軍の考えるF/A-XXはもっと平凡だ。海軍はF/A-XXを有人機想定としてだけでなく、F/A-18E/Fと比べてもレーダー断面積、航続距離を除けば大きな性能差は想定していない。「海軍が目指すのはF/A-18そっくりの機体で若干きれいに近代化した機体です。スーパー・スーパーホーネットですね。S-300やS-400の配備地点では運用不可能です。RCSが対応していませんからね」
  7. この妙なF/A-XXコンセプトの背景にスーパーホーネットのパイロット、ウェポンズシステムズ士官の一団がF/A-18ロビー団体になっていることがある。「スーパーホーネット・ロビーは海軍航空隊の伝統を体現しているのです」と前の消息筋は語る。「ボーイングにも近く、結局ボーイング好みの設計に戻してしまうのです」
  8. 海軍の航空部門がDOD上層部のみならず海軍長官レイ・メイバスからも圧力を受けている理由に F/A-XX設計を極度に保守的に考えており、F-35Cより相当低い性能で想定している点があると消息筋は語る。国防総省特にロバート・ワーク副長官はメイバスとともに高性能の長距離ステルス爆撃機を想定していたのだが、スーパーホーネット・グループはこれが気に入らない。
  9. 同じ消息筋によればスーパーホーネット・グループはまず無人空母発進偵察攻撃機(UCLASS)構想を葬り去ったが消息筋は敵地奥深くまで侵攻できる無人機が出現すれば戦闘攻撃機部隊の地位が脅かされるためと解説した。「要は自分たちの地位を正当化しているのです」
  10. だが国防総省と海軍長官は繰り返し長距離攻撃能力整備の方向性えを示し、スティングレイ空母搭載自律給油機という隠れ蓑で結局実現することになった。「海軍航空部門は少なくとも二回、主張を拒絶されている。しかも同じ内容を提案して」と消息筋は語る。「F/A-XXはまるでスーパー・スーパーホーネットにしか見えません」
  11. 国防総省の反対意見を受けて海軍省は海軍航空戦力の将来像の決定をクリントンあるいはトランプ政権誕生後まで意図的に先送りしている。「現政権の任期が終われば予算割り当て増を期待し、F/A-XXを差し出すか、F-35の購入を終了して本当に海軍が欲しいものを手に入れるのではないか」と消息筋は述べる。
  12. その反面、空母航空隊主力は2030年代中盤まで第四世代のボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットのままだ。スーパーホーネットで2030年代の脅威環境に対応できるのかとの問いに海軍航空システムズ本部は「NAVAIRによる分析とNAWCが2030年代のA2/AD想定環境での課題、制約、作戦能力要求を定義しようといています。さらにOPNAVでは将来必要となる性能を優先順位付けしています」との声明文を送ってきた。「海軍は今後も空母航空部隊各機で必要な性能とともに敵装備の性能も併せて検討してロードマップ並びにフライトプランを作成し技術成熟化、導入、展開を目指し有効な戦力を2030年代でも確保します。NAVAIRはOPNAVと連携して機種別の将来投資計画を作成します。F/A-18、EA-18G、E-2C/D、JSFなどが対象です」
  13. ブライアン・マグラスはフェリーブリッジ・グループ海事コンサルタンシーの経営幹部で、空母航空隊は2030年でも現在と大差ない陣容にと述べており、少数のF-35Cが高度防空体制空域で飛行するのが違いと見る。「スーパーホーネットは今と大差ない任務についているでしょう。厳しい環境ではステルス攻撃機F-35Cの出番となり、航空隊はシステムとして機能する必要がありますので、グラウラー隊がジャミングでスーパーホーネット隊に活躍の機会を作るでしょう」「今後15年で精密長距離攻撃兵器が標準となるはずです。スーパーホーネットはスタンドオフ攻撃機になります」
  14. ブライアン・クラークは戦略予算評価センター(CSBA)の主任研究員で海軍統合火器管制対空(NIFC-CA)システムが2030年代以降の空母航空作戦でカギになると見ている。オプションの一つとして「F-35CあるいはBをステルスISR機材として投入しパッシブで敵目標を探り、安全なデータリンクでF/A-18E/Fの『ミサイルトラック』がスタンドオフ地点に待機しているところへ連絡する」ことがあるという。ただ「今日と同様にF/A-18E/FがE/A-18Gの保護の下にスタンドオフ兵器攻撃を行うこともあるが、F-35Cもジャミング機材として使えるだろう」と述べる。
  15. さらに海軍はMQ-21スティングレイ無人給油機を「ISR機材として標的情報を安全にデータリンクでF-35Cへ送り、F-35CはC2センターとして攻撃対象を各機に割り振ることもできるはず」とクラークは言う。もし海軍がF/A-XXをF/A-18E/F退役後の穴を埋める機材として見ているのであれば、スーパースーパーホーネットがNIFC-CAの仕様に適合した形になっていてはじめて意味が出てくる。NIFC-CAではE-2D高性能ホークアイからイージス巡洋艦駆逐艦まですべてを結ぶ。
  16. それでも問題は海軍が将来の空母航空部隊がA2/AD環境でどう戦うべきかの明確な答えをまだ準備していないことだと消息筋はいう。「海軍航空部門は長期的な視野で考えることを拒否し、脅威環境も同様に考えていないのです」と消息筋は述べ、「もう将来の脅威環境ではないですよ。現在の脅威環境です。もしロシアがA2/ADのバブルをシリアに広げたら、もしS-400をシリアに投入したら、F/A-18ホーネットでは対抗できなくなります。つまり海軍は東地中海から締め出されることになりますね」■


Dave Majumdar is the defense editor of The National Interest. You can follow him on Twitter @DaveMajumdar.

2016年2月16日火曜日

★米空軍>第六世代戦闘機は海軍とは別個の機体になる(参謀次長)



F-22やF-35の次に登場する戦闘機は現在の戦闘機と外観も変わっているかもしれませんし、高エネルギー兵器を搭載するため多大な発電容量も必要ですから機体寸法も大きくなっている可能性もあります。そうなると空軍は相当先を見越した機体開発が可能ですが、海軍は空母運用を前提にしますからそんな大型機では運用できないと考えるでしょう。ともあれ、少しずつ情報が出てきた第六世代機とは相当技術的に進んだ存在の想定のようです。F-15やF-16も2040年代まで供用する案もあるようなので、ドッグファイトは既存機にまかせて、6th Genが過日提唱されたBattle Planeに大化けする可能性もあるでしょう。その前身としてArsenal Plane構想は要注目ですね。一方でF-35で各軍共通機材の開発では相当ストレスが空軍に高まっていたようですね。
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Sixth-Gen Fighter Likely Won’t Be Common Across Services, Air Force General Says

Lara Seligman and Phillip Swarts, Defense News, Military Times 6:29 p.m. EST February 12, 2016
WASHINGTON — 各軍共通の機材としてF-35開発を進めた方法論とは反対に第六世代戦闘機は米空軍と海軍で共通要素のない機体になりそうだと空軍トップが語っている。
  1. 次世代戦闘機が各軍で別個の機体になりそうなのは空軍と海軍のミッション要求内容が異なることになりそうなためとジェイムズ・「マイク」・ホームズ中将(空軍参謀次長、計画立案要求性能担当)が述べている。第六世代機はF-22と海軍のF/A-18の後継機として2030年代実戦化を狙う。
  2. 「統合部隊といってもお互いに任務が違うので要求内容も異なる」とホームズ中将は報道陣に語った。「一部の技術要素は共通化できるだろうが、今の段階では同じ機体にはならないとみている」
  3. これは現在進行中の案件とは大きなかい離だ。第五世代F-35は空軍、海軍、海兵隊で共用の戦闘機として構想され、各軍向けに三つの型式が生まれた。
  4. 昨年は海軍と空軍が合同して代替策分析を実施し2030年代以降も航空優越性を確保する手段を模索するとしていた。だが海軍は独自にAOAを実施し、空軍はまだ行っていないとホームズ中将は述べた。ただし、両軍は強く連携していると強調するのは忘れなかった。
  5. 「意図的に一年を費やしもっと全体像を見るようにした」のだという。
  6. AOAを実施する代わりに、空軍は能力連携チームCapability Collaboration Team (CCT) を編成し、第六世代戦闘機の可能性を検討してきた。また空軍は産業界、その他の軍組織や学界、技術陣、政府研究施設とともに選択肢を二つまでにしぼったとホームズ中将は述べた。同チームは今春にも空軍上層部に検討結果を報告するとも明らかにした。
  7. 「多彩な領域を擁する空軍の中で問題解決も複数分野にまたがる方法を考えるのが空軍のやり方だ」とホームズは述べた。「宇宙、サイバー、飛行の各分野で何ができるかを見極め空対空の優位性を取り戻す方法を考える」
  8. 2017年度予算で空軍は複数の費目で実験と技術実証を求めており、第六世代戦闘機の開発リスクを低減するとホームズ中将は説明。第六世代機以外も含む広義の次世代制空戦闘機の予算は2017年度に20.6百万ドル確保し、2018年度2019年度は毎年13百万ドルを研究開発に使うと予算説明書は解説している。これとは別に2017年度から2019年度に75百万ドルが「イノベーションと実験」用に確保されており、第六世代戦闘機にも使われると空軍は説明している。
  9. 予算の使い方を空軍は今年中に決定するとホームズ中将は述べた。
  10. 「短期的にはまず実験と技術実証でリスク低減をこれから必要となる技術性能について行い、最終的には多様なシステムのファミリー構造が出現すると見ている」■


2016年1月16日土曜日

★★ノースロップ>次世代戦闘機はサイバー回復機能を搭載する




今のところ第六世代戦闘機(この用語が正しいのでしょうか)について中身が一番伝わってくるのがノースロップ・グラマンのようです。生き残りをかけて次期戦闘機事業の獲得を狙っているようです。今回の内容からは同社の目指す方向が見えてきます。

Northrop Lays Out Vision for ‘Cyber Resilient’ Next-Gen Fighter

Lara Seligman 12:51 p.m. EST January 15, 2016
http://www.defensenews.com/story/defense/air-space/strike/2016/01/15/northrop-cyber-resilient-next-gen-fighter/78833308/
635884555563533319-NGAD-2.jpg(Photo: Northrop Grumman)
PALMDALE, Calif — ノースロップ・グラマンはF-35共用打撃戦闘機事業に参画しながら、次世代の機体構想を練っている。
  1. ノースロップで航空宇宙部門を統率するトム・ヴァイス社長は長距離無人戦闘機構想を今週発表して、レーザー兵器と高性能「サイバー回復力」“cyber resiliency” を搭載し、今よりネット化が進む2030年代の脅威対象に対抗する構想だという。
  2. ペンタゴンは第六世代戦闘機の初期構想作成にとりかかっており、空軍F-22と海軍のF/A-18の後継機づくりを2030年代の想定で進める。昨年はじめに空軍は将来の航空優越性確保に必要な技術要素の検討作業を開始している。
  3. 産業界も次の競作の準備を開始した。ロッキード・マーティンは第五世代戦闘機F-35で主契約企業だが、次代の戦闘機構想の作成にとりかかったと伝えられ、ボーイングはこっそりとモックアップ案数例を発表している。
  4. ノースロップはF-35で協力企業であり同時に第六世代戦闘機では主契約企業の地位をめざすとヴァイス社長は報道陣に1月14日話している。同社は次世代戦闘機の性能指標の決定を目指した研究を始めていると同社で技術研究と高度設計事業を担当するクリス・ヘルナンデスが述べている。
  5. ヴァイス社長発言は同社が主催したカリフォーニア州の同社施設査察旅行ででたもの。Defense Newsは旅費、宿泊費を同社から受け取っている。
  6. ペンタゴンがこれから解決すべき問題に機体のデータと通信内容の保全がある。これからはサイバーハッキングがあたりまえになる。サイバー攻撃をすべて回避することは不可能だ。かわりに侵入を探知し、被害の発生を防ぐ、とヴァイスは言う。
  7. 「人体は感染を受けやすいが、皮膚表面で感染をすべて食い止めるのは不可能だ。感染した場合に身体が反応する」とヴァイスは言う。「人体には素晴らしい機能があり白血球がウィルスを攻撃し、制御して身体に害が広がるのを防いでいる。2030年には同様のシステムが実用化しているだろう」 次世代の制空戦闘機にはデジタル版の白血球が搭載され、システムがサイバー感染しても広がるのを防げるとヴァイスは見る。
  8. もう一つ業界が考えているのは速度と航続距離の完璧なバランスだ。速度と飛行特性はこれまで戦闘機で最重要視されてきたが、ヘルナンデスによれば将来の機体では速度を犠牲にしても航続距離を重視するという。飛行距離は利用可能な基地が世界各地で減る中でもっと重要になっていくというのだ。 「飛行距離と速度は直交関係にある。亜音速機は超音速機よりずっと飛行時間が長い。次世代戦闘機でも超音速飛行性能はあるだどうが、現在の戦闘機ほどの速さには及ばないだろう。その分航続距離が重視されるからだ」
Northrop Grumman's rendering of a sixth-generationNorthrop Grumman's rendering of a sixth-generation fighter jet (Photo: Northrop Grumman)
  1. 第六世代機の課題には機体での熱制御もある。超音速飛行、指向性エネルギー兵器が排出する熱の処理だ。ここに高出力レーザー兵器が加わると熱制御はもっとむずかしくなるとヴァイスは指摘する。現在の熱制御のレベルは「不十分」と言う。
  2. 「高出力レーザー兵器システムを超音速機に搭載して発熱が発生しないとは誰も期待できない」とヴァイス社長は述べた。「そのため相当の時間をかけて熱の再利用を図る方法を模索していくことになりそうだ」
  3. ペンタゴンと業界はこれとは別に第六世代戦闘機がそもそも有人機になる必要があるのかで答えを模索することになる。答えはそんなに簡単ではないとヴァイスは言う。多分物理的に機内に乗員が入ることはないだろうが、遠隔操作でミッションをこなすのだろう。「ジェット機に人をこれからも乗せるのか、それとも人をミッションにあてておくのか。本当にコックピットに人が乗り込む必要があるのかで答えはそのうち出そうだ」
  4. 未来の飛行隊は有人機と自動飛行機の組合せで無人機を統率する「ミッション指揮官」が隊を指揮するのではないかとヘルナンデスは言う。
  5. だがロボットは頭脳のかわりにはならず、人間にはソフトウェア改訂がなくても最新の情報に適応できるとヴァイスは指摘する。そこでノースロップが取り組んでいるのは自ら学習して進化できるソフトウェアでリアルタイムで意思決定できる機能だという。
  6. この技術は第六世代機には間に合わないかもしれないが、その後の改修で搭載できるかもしれないとヘルナンデスは言う。
  7. 「生身のパイロットに何か新しいことを教えるときにわざわざ脳を取り替える必要はないでしょう。ならば、学習機能のついた機械もできるのでは。進化できる機械が可能ではないでしょうか」(ヴァイス)■

なるほど、人工知能、マンマシンインターフェース、自律飛行、排熱の再利用技術など新しい次元の課題がそこまできているということですね。ノースロップが費用負担した報道陣向けツアーであることをちゃんと記するのは良いことだと思います。