F-35ライトニングII戦闘機には目覚ましい成功と論争の両方が生まれた。コスト超過と遅延にもかかわらず、20カ国と広く採用されている。当初は手頃な価格を目指したが、時間の経過とともにコストは膨れ上がり、1時間あたり運用コストは当初の見積もりをはるかに超えている。
しかし、F-35の安全性は際立っており、100万時間以上の飛行時間を記録しながら、以前の機体より事故率が大幅に低い。
その技術的進歩は、敵対する国々に同様の戦闘機の開発を促している。 結局のところ、F-35の戦闘効果はまだ同種の戦闘機に対して実証されていないが、F-35の長期的な成功はコスト管理と地政学的安定にかかっている。
F-35ライトニングIIが大成功を収め、かつ物議を醸す戦闘機である理由
F-35ライトニングII打撃戦闘機は、これまでで最も成功した戦闘機になりつつある。しかし、史上最も物議を醸す戦闘機になることも確実だ。
この20年間、F-35は度重なる遅延に見舞われ、中止を求める声に何度も耐え、技術的、コスト的、サプライチェーン的な問題を乗り越えてきた。
そして20年以上経った今、F-35は供用中にかかる2兆ドル(あるいはそれ以上)に見合うものになっているのだろうか?
航空機の成否を判断する基準はたくさんある。最も重要な、戦闘における優位性は、F-35にとってはまだ未知数である。F-35は戦場で同格の相手と対峙したことがなく、今後もそうなることはないだろう。
この短い記事では、別の指標を用いてF-35の価値を測定する。
F-35の真価
F-35は戦闘機として成功の道を歩んでいるが、空軍はこの戦闘機にまつわるいくつかの失望、主に金銭的な問題を抱えながら生きていかなければならない。
F-35が明確な成功を収めている分野のひとつは、採用である。20カ国がF-35を飛ばしており、多くはF-16ファイティング・ファルコンからF-35にアップグレードした。予想以上のコストと開発の遅れにもかかわらず、F-35の顧客獲得にはほとんど問題がなかった。確かにF-35は、F-16に代わる第5世代戦闘機として唯一現実的で信頼できるという大きなアドバンテージがあったが、日本、イギリス、オーストラリアなど、前任機では獲得できなかった主要な顧客を獲得した。
F-16の初飛行から20年近く経った冷戦終結後、少なくとも10カ国のF-16運用国がF-35を手に入れた。
コスト問題は現実範囲だ
F-35プログラムは、コスト削減には成功していない。ライトニングIIは当初、2000年代に1機あたり5,000万ドルの価格で売り出されたが、開発上の問題や低調な発注によってコストは高騰した。2010年代半ばには、3つのバージョンすべてが1機あたり1億ドルを超え、-Bと-Cモデルは1億2000万ドル以上となった。
現在、最も手頃な価格のF-35Aだが、単価は8,200万ドルで、インフレを考慮すると当初の見積もりにかなり近い。
F-35の画像: クリエイティブ・コモンズ
F-35の値ごろ感は飛行コストにも及んでいる。2000年代初頭、F-35プログラムは1飛行時間あたり2万5000ドルという目標を設定した。これは、当時のF/A-18スーパーホーネットより高かったが、F-35の優れた能力、特にレーダーシグネチャーの低減に役立つメンテナンス性の高い外皮コーティングを考慮すれば許容範囲だった。
F-35は当初の計画よりも運用コストが高いことが判明し、2014年には飛行時間あたりのコストが8万8000ドル/時間にまで跳ね上がった。 そのため、空軍はコストを抑えるのに苦労し、飛行時間が減少した。1時間あたりのコストは2012年のドル換算で約33,600ドルまで下がり、インフレを考慮すればおそらく当初の1時間あたり25,000ドルにかなり近い。
安全なステルス戦闘機
プラス面に戻ると、F-35は驚くほど安全な航空機である。F-35の公式ウェブサイトによれば、全世界のF-35で100万時間以上の飛行時間を記録しており、このうち機械的な故障で失われた機体は13機にすぎない。
これは、機体の損傷、機体の損失、人員の負傷を伴う事故が2件発生するまでの飛行時間が76,923時間を超えることを意味する。F-35の機械関連の事故でパイロットが失われたことはないが、航空自衛隊のパイロットが1名、空間見当識障害で亡くなっている。
8万時間近くも大きな事故がないというのは、民間機としては特筆すべきことではないが、高性能ジェット戦闘機としては前例がない。 1970年代に導入された空軍のF-15イーグルは43,917飛行時間に1回の割合で重大事故を起こし、54人が死亡している。空軍のF-16は、30,838時間に1回の割合で大事故を起こしている。
F-14トムキャットの初期に海軍は11,273時間に1機を失ったが、この数字には高価な修理を伴う事故は含まれていないかもしれない。
冷戦時代、空軍のF-104スターファイターは、大事故が発生するまでの平均時間がわずか3,333時間だった。
来るべき戦闘機のトレンドを作った
最後に、F-35の開発は、そのトラブルにもかかわらず、潜在的な敵対国に同様の航空機を開発するよう促した。 中国が開発したJ-35ジャルファルコンは、見た目がF-35に似ているだけでなく、陸上型と空母搭載型の両方を持つ単座ステルス攻撃戦闘機である。
ロシアはスホーイSu-75「チェックメイト」を発表した。これは、より重く、双発で、より高性能で、より高価なSu-57「フェロン」を補強することを目的とした、低コスト戦闘機である。
F-35A統合打撃戦闘機。 画像出典:ロッキード・マーチン
両国とも、F-35が "宝の持ち腐れ "になる確信があれば、新戦闘機の開発費用を惜しむこともできたはずだが、アメリカの戦闘機は、最終的に既存の戦闘機部隊を置き換えるために数十億ドルを費やすよう、両国を駆り立てている。
F-35への疑問: 本当に答えられるのか?
時間(と資金)はF-35の問題を徐々に解決している。同機は成功といえるのか?大きな紛争が起きた後、あるいは40年後、どちらか早いほうになればわかるだろう。
しかし、すべてが順調に進んでいるわけではない。ドナルド・トランプ政権下で国防費が削減される可能性があり、F-35はすでに時代遅れだと考え、F-35の製造者を「バカ」と呼ぶ億万長者イーロン・マスクの影響もあり、F-35プログラムは長らく恐れられていた削減をついに経験することになるかもしれない。
2021年10月29日、カリフォーニア州サリナスでの国際航空ショーでパフォーマンスを行う米海軍のF-35CライトニングII戦闘機。F-35CはF-35AやF-35Bより翼幅と内部燃料容量が大きく、着陸装置も強化されている。 (米空軍撮影:二等軍曹アンドリュー・D・サーヴァー)
F-35の運用者を含む同盟国に対する政権の奇妙で非生産的な振る舞いは、同盟国が米国の防衛輸出への露出を減らす原因になりかねない。
F-35は史上最も先進的で生存性の高い戦闘機かもしれないが、フレンドリー・ファイア(味方による誤射)に弱そうだ。■
$2,000,000,000,000 Question: Is the F-35 Fighter Worth It?
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https://www.19fortyfive.com/2025/03/2000000000000-question-is-the-f-35-fighter-worth-it/
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