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KC-46A ボーイングがKC-Xの勝者へ

Boeing The Clear Winner Of KC-X: Pentagon aviationweek.com Feb 25, 2011 米空軍はKC-X次期空中給油機の ボーイング 案を採択し、767を基本とする同社提案機体は KC-46A の呼称になった。 1. EADS 案の大型のA330派生型のKC-45Aは以前の入札で選定されていたものの、今回は選に漏れた。空軍がボーイング案採択を発表したのは24日午後5時(東部標準時)。 2. 価格差が1%以内の場合は仕様で求められていない追加性能を評価する手はずであったが、価格差がこれを上回っていたため追加性能は選定の基準にならなかったとドンレー空軍長官が説明している。 3. 選定過程では各社提示の価格を生涯運用コストで再計算しており、小型の767が消費する燃料合計が少ないことが決定的になっている。 4. ボーイングに交付される契約は2017年までに第一期分18機を総額35億ドル固定価格で納入するもの。ノースロップ・グラマン/EADSコンソーシアムが2008年に一旦落札した際の同様の契約では総額15億ドルだった。 5. 空軍はKC-Xの再度やり直しを2010年7月から始め、仕様書は選定基準を明確にし、入札社の財務負担を軽減する内容に改定された。これは初回の入札で敗者から出た抗議を配慮しこの再現を回避する意図で行われた。 6. これに対しボーイングは当初の競争に敗れた後にアプローチを終始し、767各型の要素を組み合わせた機体の開発案を取り下げ、767-200にKC-10の改良型給油ブームと787コックピットを組み合わせた「NewGen」(新世代)給油機案を提案した。同社によれば当初案よりも価格は下げたという。 7. 一方EADSノースアメリカは一度は採用となったKC-45案のまま、ノースロップが脱退したあと単体で競合に臨み、空軍の仕様書が「明らかに小型機に有利」と批判しながら、今回の入札では提示価格を引き下げている。 8. 前回の入札では敗者からの抗議に遭遇し、しかも空軍の選定過程に批判も集まったことを意識し、ドンレー長官は合計7ヶ月に及ぶ選定作業で作業過程記録を更新したと強調する。入札各社は評価過程をよく理

KC-X選定結果の発表が迫る

USAF KC-X Winner to Be Named Soon aviationweek.com Feb 18, 2011 米空軍は次期空中給油機KC-Xの選定結果を来週にも発表する、と複数の業界、空軍関係者の情報から判明した。 2. 空軍は選にもれた提案者からの抗議が出ることは予想済みで、対応準備も進んでいると思われる。かれこれ10年近くになる空中給油機選定にはスキャンダル、抗議、選定結果の逆転、データ取り扱いの間違いにより競合他社の提案内容が相手にそれぞれ漏れるという直近の事態が発生している。 3. 「抗議が上がるのは織り込み済み。その対策に時間をかけ、選定過程を説明する文書も作成しています」(ドンレー空軍長官) 議会の会計検査院が連邦政府による入札関連の紛争発生時にはレフリーの役をする。 4. ボーイングが767、EADAがエアバスA330をそれぞれ基本とする案を提出済みだ。選定で大きな比重を占めるのは価格で、179機までの調達が始まると老朽化著しいKC-135と置き換わる。 5. ノースロップ・グラマン/EADS共同事業体が前回2008年の選定で勝ち抜いたが、ボーイングの抗議によりペンタゴンが契約締結を凍結し、再度選考を行うことになった経緯がある。ノースロップはEADSとの提携を昨年中止し、EADSは単独入札している。 6. ボーイングはEADSより価格で不利と判断しており、すでに落札失敗に備えているようだ。EADSが落札すると米国国防市場に大きな足場を築くことになる。なお、ヘリコプターでは同社すでに受注に成功している。 7. 選定結果は2月25日金曜日に最終決定される可能性がある。

F-X選定は次世代機国産開発の序章となる

Japan's Roadmap To An Indigenous Fighter aviatonweek.com Feb 11, 2011 日本国内の航空宇宙産業界はFX選定を予定通り完了し、2028年まで生産を継続することを政府に求めており、海外3メーカーがこの需要をめぐって争うことになる。 1. さらに後継機種となる国産機の全面開発は2015年ないし2017年に開始するべきと日本航空宇宙産業工業会は提言している。ということは産業界は生産と開発の二つを長期プロジェクトとして同時並行で進める意向があることになり、これにより同国の戦闘機製造の産業基盤を維持する目的がうかがえる。三菱重工業はF-2最終機を今年引き渡す予定だ。 2. 業界にはロッキード・マーティンF-35をF-Xとして発注することを期待する動きがあるが、同機関連技術は米側がしっかりと管理している。その他候補にはユーロファイター・タイフーンとボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットがある。 3. F- Xの相当部分は国内生産となる見込みで、最終選考結果がどうなっても政府が工業会の提言を採択した場合、2014年生産開始し、2028年まで継続すれば、F-2の例で年間8機の生産数をそのままあてはめれば120機の生産規模になる。F-4改ファントムの代替としてのF-Xの発注数はこれまで50機程度とされてきた。 4. となると、次期F-X選定機は現有200機のF-15の一部も代替することになるのではないかと毎日新聞は見ている。 5. ファントムの退役は2015年に完了する見込みだが、F-X選定が決着しないとこの実現は困難になる。そこで航空宇宙工業会は退役を2018年に先送りになると見ている。その年までに一定数のF-X機が配備可能になるというのが根拠だ。タイフーンやスーパーほーネットならその年までにF-35よりも多くの機数を配備できる。 6. 同工業会はF-XはF-2生産終了から完全国産機の本格生産開始予想の2026年までの15年ギャップを埋める存在と見ており、国産機でも海外機でも構わないと見ている。政府がF-2追加発注をしな

SM-3ミサイル共同生産で決断を迫られる日本

MDA Pushes Japan On SM-3 IIA Production aviationweek.com Feb 9, 2011 米ミサイル防衛庁( MDA )はSM-3ブロックIIA対弾道弾ミサイルの実戦配備目標2018年実現に向けて日米共同生産の計画の実現を日本に求めている。 1. オライリーMDA長官は仮に日本側と生産計画で合意が得られない場合は米側での生産を実現する準備が必要と発言。 2. 同長官は1月3日付け書簡で防衛省に対し て同ミサイル生産の計画で決断すべき重大局面に来ており、日本政府による合意がない場合は米国として レイセオン による生産に踏み切ることになると伝えている。MDA関係者が同書簡が実際に日本に発信されたことを認めた。 3. SM-3ブロックIIAは射程距離画像化しており、SM-3ブロックIAとの比較では操作性が増しており、実戦配備が予定されているSM-3ブロックIBよりも優れている。この二つは直径14インチのブースターを使うのに対し、ブロックIIAは21インチである。 4. 日米両政府は共同開発で合意しているが、実戦配備を2018年に予定している関係から生産計画をまず決着させるのが急務だ。IIA開発の予算規模は20億ドルと見積もられ両国で負担する。 5. 三菱重工業 は第二段、第三段、先頭部分の開発を担当している。レイセオンはペイロードと誘導装置を開発するというのが両国合意内容だ。 6. 両国でそれぞれの開発した範囲の部品製造をするのが理想で、日本が共同開発、資金負担をする際にこの原則が鍵となっている。 7. ブロックIIAの飛行試験は2014年度の予定とMDAは発表している。 8. 仮に米国内での生産が実現しても、両国は必要な部品供給を行い、それぞれの生産に必要な支援を行う。日本が設計した部品を米国に供給することが想定されている。 9. また、他国へのミサイル販売も検討されているとオライリー長官は明かす。「第三国への販売あるいは提供が保証されていないと、コスト上昇や生産能力の過小評価のリスクが増える」 10. SM-3ブロックIIAは海軍のMK41艦載垂直発射装置からの使用が想定されている。同装置を採

X-47B初飛行に成功 空母航空戦力の未来

Northrop UCAS-D Completes First Flight aviationweek.com Feb 4, 2011 ノースロップ・グラマンのX-47B無人戦闘航空機システム(UCAS-D)実証機が2月4日エドワーズ空軍基地で初飛行に成功した。 1. 初飛行は離陸後29分に着陸して完了した。飛行高度は5,000フィート。機体制御システムのデータ収集が目標で同時に今回の初飛行が合計50回予定で年内にかけて実施される性能限界拡大テストの開始となる。当面は一週間一回のフライトで開始し、今年後半には週二回となる。 2. ノースロップと米海軍は昨年11月にタキシー試験と飛行開始前点検で合格判定を出している。 3. 飛行一号機AV-1は2008年12月に完成しているが、飛行開始が大幅に遅れていたのはエンジン関連の音響問題に加えソフトウェアで問題があらたに見つかったため。ジェネラルダイナミクス/マクダネルダグラスのA-12の開発が取り消しとなって以来海軍には同機が初のステルス機となる。X-47Bの初飛行は当初2009年11月の予定だった。 4. 今後は修正作業を空母運用に向けて行い、2013年に空母着艦を目指す。(当初目標は2011年)  5. 空母着艦により無人機の空母運用の実証を行うのが最大の課題だ。ノースロップは当初A-12に期待されていたステルス攻撃ミッションをUCAS機体で実現させるのが目標としており、無人機のため航続距離、飛行時間ともにA-12性能を上回る期待がある。 6. AV-1は今年後半にパタクセント海軍航空基地(メリーランド州)に移送されたあと、空母にクレーンで搭載され.空母着艦が試される予定。 7. 二号機AV-2は機体構造の耐久性確認として8週間にわたる荷重試験を受ける。これは空母運用の状況を再現し、カタパルト発信、着陸に機体構造が耐えられるかを見るもの。AV-2には搭載する単発プラットアンドホイットニーF-100-220Uエンジンの音響問題解決のためノズル形状の変更が加えられている。 8. AV-2のエドワーズ基地での飛行テストは今年末の予定。 (写真 ノースロップ・グラマンのウェブサイトより)

軍用輸送機市場の見込み:A400M、C-2、KC-390他

A400M, KC-390 Will Reshape Transport Market aviationweek.com Feb 4, 2011 軍用貨物機市場は今後十年間でおよそ900機の製造規模だが、その様相は大きく変わることになりそうだ。戦略輸送機市場ではボーイング C-17 の生産は終了し、エアバスミリタリー A400M のみが残り、ロッキード・マーティンC-130JはエンブラエルKC-390という新しいライバルに直面する。 1. C- 17生産は米議会の予算承認が期待できない中で、これまで低率生産で採算を確保してきたが、輸出市場だけのために生産ラインを維持するのが困難。現状では受注済みの海外販売用のC-17最終機の引渡しは2016年で、そのあとはA400Mが唯一の大型輸送機になる。A400Mは遅延により、存続が危ぶまれていたが、主要発注国があらたに支持を表明したことで継続が決まった。 2. A400MはC-17より小型で速度も遅いがC-130よりも搭載量は大きく長距離飛行が可能だ。欧州各国およびその他国にとってA400Mは戦略輸送能力をC-17ほどの費用をかけずに確保するものとして映っている。 3. A400MはC-17より安価とはいえ、各国の空軍でも資金に余裕のあるところしか手が届かないというのがエアバスミリタリーにとって困った点だ。各国が国防支出を削減している中で戦略輸送能力も聖域ではない。 4. 輸送機市場で魅力ある部分は中小型機で、これまではロッキード・マーテインC-130Jが大部分を占めてきた。旧型C-130の代替需要が今後増えると期待される中で数社がC-130とアントノフAn-12の後釜を狙う機体の開発を進めている。 5. そのうち、ブラジルのエンブラエルが KC-390 を開発中でブラジル空軍より28機の受注ずみ。同機の貨物室寸法はC-130-Jよりも小さいもののジェットエンジン搭載で高高度かつ高速巡航が可能だ。エンブラエルはブラジル政府と共に13.7億ドル規模の7ヵ年計画で試作機開発を2009年に開始した。一方で世界市場を狙いブラジルはアルゼンチン、チリ、コロンビア、ポルトガル、チェコ各国と共同開発・生産の協議と売