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2024年12月24日火曜日

現代の防空体制でサンタのステルスそりを阻止可能か?(19fortyfive)

 



Santa Claus Flying a Fighter Plane

2017年12月3日、オレゴン州キングスレーフィールドで、第173戦闘航空団と第550戦闘飛行隊の米空軍メンバーと家族が、F-15から降りたサンタクロースをフライトラインで出迎えた。 同飛行団はホリデーシーズンを祝うため、毎年恒例の子どもクリスマスパーティーを開催した。 (米航空州兵撮影:Staff Sgt.)


ンタクロースに対する人類の長く苦しい戦いは続いている。

この2年間、北極圏のホリデーエルフとの戦いは新たな技術的フロンティアを突破し、煙突への侵入を防ぐための考え方を変えてきた。


Santa Claus2019年12月8日、ユタ州ヒル空軍基地で、第419戦闘航空団のメンバーを訪問する前に、F-35ライトニングIIの前で記念撮影をするサンタ。 同飛行団は毎年、世界中に何度も配備された多忙な1年を終えた予備役兵士に再会の機会を提供するため、子どもたちのクリスマスパーティーを開催している。 (米空軍写真/ジャスティン・フックス上級空兵)


NORADのサンタクロース・トラッカーは、世界中の子どもたちにサンタの国家空域への侵入に関するデータを提供し続けている。

 しかし、技術革新にもかかわらず、サンタは依然として防空の脅威である。この2年間、サンタの恐怖の支配を防ぐために我々は何をしてきたのだろうか?


過去2年間の変化

人類との戦争で開発された防空の技術とテクニックは、サンタとの闘いに明確な意味を持っている。防空技術の進歩により、ステルスなしで近距離にプレゼントを届ける努力は、エルフにとってもトナカイにとっても自殺行為に近い。従来の航空機やそりは、空域が争奪されている場合、大きなリスクなしに運航することはできない。

 このため、サンタには魅力的でない選択肢が残されている。 近距離で発射される滑空爆弾は、サンタのそりへの危険を減らすことができるが、精度が低く、荷物が目標から外れることが多い。長距離の精密巡航ミサイルで荷物を届ければ、標的の問題の一部を解決できるが、数量が多い分費用も高く、最も高速の巡航ミサイルでも撃ち落とされる可能性がある。

 歴史的に見ても、サンタは弾道弾を発射することに消極的である。終末速度で移動するそりを受け止めることができない従来の屋根がほとんどだったからだ。とはいえ、精密な標的を定めた弾道ミサイルによる荷物の配送は、サンタにとってますます魅力的な選択肢となっている。

 しかし、弾道ミサイル防衛技術の進歩は、最も致命的な配送システムでさえも、目標にうまく到着する可能性はわずかであることを意味する。もちろん、量は助けになる。サンタが長年培ってきた荷物配達の戦略のひとつは、一晩で防空システムを飽和させることだ。しかし、それでも多くの荷物が配達されなかったり、間違った住所に配達される。


Santa Claus and F-352019年12月8日、ユタ州ヒル空軍基地で、第419戦闘航空団のメンバーを訪問する前に、F-35ライトニングIIの前で記念撮影をするサンタ。 同飛行団は毎年、世界中に何度も配備された多忙な1年を終えた予備役兵士に再会の機会を提供するため、子どもたちのクリスマスパーティーを開催している。 (米空軍写真/ジャスティン・フックス上級空兵)


しかし、勝利至上主義に浸る余地はほとんどない。サンタが高度なステルス技術にアクセスできるようになった今、サンタは従来の防空ネットワークや、それらが保護する目標に対する直接的な脅威であり続けている。実際、ステルスそりを適切に使用すれば、防空システム全体を目くらましにして打ち負かすことができ、国全体が祝日の荷物の配達に開放される。ドローンや長距離精密弾薬と組み合わせることで、ステルス・トナカイが先導する恐怖のホリデー・キャンペーンは、十分に構築された防空ネットワークの最善の努力をも打ち負かすことができる。


サンタとドローン革命

こうした流れを受けて、サンタは配達用ドローンの利用を大幅に拡大した。誘導され、慎重にプログラムされたドローンは、管理可能な費用で、国中のターゲットに正確に荷物を届けることができる。入手可能な最良の証拠によれば、サンタは北極の氷の下にドローン管制センターを設置し、特別な訓練を受けた妖精が常駐し、多種多様な標的に対して多角的な休日攻勢を調整できるシステムを開発したという。

 さらに、自律型および半自律型のドローンは、直接制御することなく荷物を届けることができ、電子的干渉の懸念を回避することができる。 ドローン作戦は、サンタの防衛産業基盤とサンタの玩具製造産業が密接に結びついているため、北極の空中浸透戦略に特に適している。

 しかし、ドローンだけで話が終わるわけではない。北極のドローンのほとんどは、従来の防空システムから迎撃されやすい速度と飛行経路で飛行する。ミサイルと同様、防御能力を圧倒することで体積を稼ぐことはできるが、これでは多くの荷物が届かなくなってしまう。さらに、対ドローン用ドローンの開発は、休日の空中戦の場を均等にするのに役立っている。


残された対抗手段

サンタとの戦いは複数領域にまたがる争いだ。近年、防衛側は、サンタのそりが空を飛ぶ前からサンタを打ち負かす「Left of Launch」の取り組みで大きな飛躍を遂げている。陽気な老エルフが広大な監視ネットワークの能力を享受していることはよく知られており、彼のアナリスト軍団は "いたずらっ子 "と "いい子 "を区別することができる。  このネットワークを混乱させ、破壊することが、世界中のサイバー戦士たちの任務となりつつある。

 受動的で防御的な対策は、ある休暇期間中にサンタがアクセスできるデータの範囲を縮小するのに役立つ。能動的な対策は、北極の分析システムに供給されるデータを破損させ、サンタのターゲットシステムへの信頼を低下させるのに役立つ。ネットワーク全体にわたる一般的な攻撃は、北極の「情報経済」を劣化させ、組織全体の有効性を低下させる。  もちろん、戦いは一方的ではない。「ブラックハット」と「ホワイトハット」のハッカーを識別し、それぞれに「報酬」を適切に決定するサンタの能力は、サイバーコミュニティを困惑させ、恐怖に陥れ続けている。


次に期待されること

この200年間、サンタの研究開発技術部門の妖精たちは、世界の大国の国家技術革新システム(NIS)と厳しい競争を繰り広げてきた(そしてしばしば勝利してきた)。北極の氷の奥深くに位置するサンタの兵器研究所は、推進力、ステルス、光学画像など、さまざまな航空技術において驚異的な飛躍を先導してきた。このような努力が将来も実を結ぶことを期待する十分な理由がある。

 入手可能な最高の情報によれば、サンタはそりとトナカイのステルス性を向上させる努力を続けているようだ。北極はまた、近距離でエルフが運転するそりの任務をサポートする「ウィングマン」ドローンの開発進捗も綿密に追跡している。サンタの兵器研究所はまた、電磁波領域で最先端の能力を維持し、航空監視網の目をくらませ、打ち負かす能力を生み出してきた。

 さらに、サンタの妖精たちは、民生用電子機器やテクノロジー市場での豊富な経験を生かし、ドローンの群れを完成させるのに適している。


おわりに

陽気な妖精は、世界中の平和と安全に対する脅威であり続けている。 100年以上もの間、各国政府は、髭を生やした過激派とトナカイの子分の手によって、綿密に守られた領空が毎年侵犯されることに耐えることを余儀なくされてきた。

 防空技術の大幅な進歩にもかかわらず、トナカイは驚くべき速度で侵入を続けている。とはいえ、献身的な努力と適切なレベルの投資と技術革新があれば、年末年始の脅威を完全に打ち負かす希望は残されている。■



About the Author: Dr. Robert Farley 

Dr. Robert Farley has taught security and diplomacy courses at the Patterson School since 2005. He received his BS from the University of Oregon in 1997, and his Ph. D. from the University of Washington in 2004. Dr. Farley is the author of Grounded: The Case for Abolishing the United States Air Force (University Press of Kentucky, 2014), the Battleship Book (Wildside, 2016), Patents for Power: Intellectual Property Law and the Diffusion of Military Technology (University of Chicago, 2020), and most recently Waging War with Gold: National Security and the Finance Domain Across the Ages (Lynne Rienner, 2023). He has contributed extensively to a number of journals and magazines, including the National Interest, the Diplomat: APAC, World Politics Review, and the American Prospect. Dr. Farley is also a founder and senior editor of Lawyers, Guns and Money.


Can Modern Air Defenses Stop Santa’s Stealth Sleigh?

By

Robert Farley


https://www.19fortyfive.com/2024/12/can-modern-air-defenses-stop-santas-stealth-sleigh/


2020年12月24日木曜日

クリスマスイブ記事 今年もNORAD北米防空司令部がサンタさんを追跡。でもこの伝統はいつ、どう始まったのでしょうか。

 


During last year's Christmas Eve, Canadian Brig. Gen. Guy Hamel of NORAD joins other volunteers taking phone calls from children around the world. (AP Photo/Brennan Linsley)

昨年のクリスマスイブの風景。カナダ軍のガイ・ハメル准将もボランティアとして世界各地の子どもたちからの電話対応にあたった。(AP Photo/Brennan Linsley)



米が恒例の北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)によるサンタさん追跡が気になる時期が来た。NORADは実際にサンタの飛行経路をオンラインで公開しており、アプリでも昔ながらの電話でもその時点でサンタがどこを移動中か教えてくれる。


だがこれはNORADの超天才がはじめたわけではない。新聞記事の誤植が原因だった。

ボランティアの空軍曹長ロデリック・シュワルドがコロラド州ピーターソン基地内のNORADサンタ追跡オペレーションセンターで各地からの電話問い合わせに対応している。Dec. 24, 2013. (Photo: Master Sgt. Charles Marsh)

 

だがNORADはなぜサンタを追跡するのか。


1955年12月24日、当時の米大陸防空例支部作戦センターのあるコロラドは通常通勤務体制だったが、当直のハリー・シャウプ大佐におかしな電話が入ってきた。


「電話をかけてきたのはコロラドスプリングの幼児で地元デパートの広告に番号があったのです。幼児はサンタクロースの居場所を聞いてきたんです」(NORAD広報官プレストン・シュラクター)

新聞広告ではこの番号でサンタさんにお話できるよとあったが、番号が間違っており、防空司令部にかかってしまうのだった。


シャウプは最初の通話に対応した。意地悪な対応もできたのだが、実際は違っていた。


「大佐はご両親にかわってもらい幼児には大陸防空司令部はサンタの安全を守っていると伝えたのです」(NORAD広報官プレストン・シュラクター)


その晩シャウプは部下と一緒にサンタの居場所を幼児一人ひとりに答えた。こうして伝統がはじまったのであり、1958年NORADに改組されても維持された。その後のテクノロジーの進歩でさらに人気を博すようになっている。今日の幼児は電子メール、スカイプ、ツイッター、フェイスブックやアプリ更にオンスターでサンタの行方を把握している。


サンタ追跡は大掛かりな事業で毎年11月にNORADSanta.orgが各家庭からの問い合わせに対応を開始してスタートする。政府、非政府あわせ70もの団体が寄付しサイト、アプリ、電話回線を準備する。制服組、国防総省文民、家族ボランティアが1,500人もクリスマスイブに子どもたちのサンタはどことの問いに答える。


シュラクターによれば200もの国と地域からウェブサイトへの訪問があり、ページビューは18百万、フェイスブックの特設ページには175万人のフォロワーがあるという。NORADサンタ追跡プログラムには126千もの通話が入り、電子メール2,030通に対応し、オンスターでも7,477もリクエストがあったという。


シュラクターはたまたま誤植だったとはいえ、いまや重要な伝統の一部となっており、各家庭の楽しい場面づくりに役立てて嬉しいと語る。


コールセンターは12月24日東部標準時の午前6時にオープンする。小児は 1-877-Hi-NORAD(446-6723) へ電話、あるいはnoradtrackssanta@outlook.comに電子メールを送ればその時点でサンタがどこにいるか教えてもらえる。ただし、関係者はサンタは子どもたちが寝ている時間にならないとあらわれないので当日は早くベッドに入らいないとお家にやってこないよと注意喚起している。


サンタクロースの居場所追跡を楽しんでください。トナカイには人参を、さんさんにはミルクとクッキーを忘れないで。■


この記事は以下を再構成したものです。


Does NORAD Really Track Santa?

Department Of Defense | By Katie Lange