Illustration by Cristiana Couceiro; Photo sources: Reuters, Getty Images 冷 戦が終結して20年間、グローバリズムがナショナリズムを凌駕した。同時に、制度、金融、テクノロジーなど、複雑なシステムやネットワークの台頭により、政治における個人の役割は影を潜めていた。しかし、2010年代初頭に、大きな変化が始まった。今世紀のツールを駆使することを学んだカリスマ的人物たちが、前時代の典型的な姿を復活させた。すなわち、強力なリーダー、偉大な国家、誇り高い文明だ。 この変化は、ロシアで始まったといってよい。2012年、ウラジーミル・プーチンは、大統領職を退き、4年間を首相として過ごすという短い試みを終えた。プーチンは再び大統領職に返り咲き、権力を強化し、あらゆる反対派を粉砕し、「ロシア世界」の再建に専念し、ソビエト連邦の崩壊で消え去った大国としての地位を回復し、米国とその同盟国の支配に抵抗した。 その2年後、中国で習近平がトップの座に就いた。彼の目標はプーチンと似ていたが、規模ははるかに壮大で、中国には大きな能力があった。 2014年には、インドに大きな野望を抱くナレンドラ・モディが、首相官邸までの長い政治的出世を成し遂げ、ヒンドゥー・ナショナリズムを自国の支配的なイデオロギーとして確立した。同じ年、トルコの強硬派首相として10年余りを過ごしたレジェップ・タイイップ・エルドアンが同国大統領に就任した。エルドアンは、あっという間に、派閥が乱立する同国の民主主義体制を独裁的なワンマンショーへ変貌させた。 こうした変遷の中で最も重大な瞬間は、2016年にドナルド・トランプが米国の大統領に選出されたときだろう。彼は「米国を再び偉大にすること」と「米国第一主義」を公約した。これは、米国主導のリベラルな国際秩序が確立され、拡大する中で、西洋内外で高まっていたポピュリズム、ナショナリズム、反グローバリズムの精神を捉えたスローガンであった。トランプは単に世界的な潮流に乗っていたわけではない。米国の世界における役割に関する彼のビジョンは、1930年代にピークを迎えた「アメリカ・ファースト」運動より、1950年代の右翼反共主義から多くを汲み取っているが、米国特有の源流から生まれたものである。 2020年の...
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