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2025年12月28日日曜日

米陸軍の極超音速ミサイル(LRHW)ダークイーグルとは。射程3,500キロ。ただし、月産2機では戦力が整備されるのに時間がかかりすぎます

 米国が開発中の極超音速兵器ダークイーグルの詳細が浮上

レッドストーン兵器廠を訪問したヘグセス国防長官が、ダークイーグルの射程距離と小型弾頭について新たな情報が明らかにした

TWZ

タイラー・ロゴウェイ

2025年12月14日 午後10時50分(米国東部標準時間)公開

We are getting some new information about America's long-range Dark Eagle hypersonic boost-glide vehicle weapon system from Secretary Hegseth's recent tour of Redstone Arsenal in Alabama.

DoW/USN 一等兵曹アレクサンダー・クビッツァ

ート・ヘグセス長官がアラバマ州のレッドストーン兵器廠を視察したことから、アメリカの長距離ダークイーグル極超音速ブースター・グライド兵器システムに関し新たな情報が明らかになった。視察中、ヘグセス長官は同施設を米国宇宙軍(SPACECOM)の新本部と指定した。

陸軍のダークイーグルは、長距離極超音速兵器(LRHW)としても知られ、トレーラーから発射される極超音速ブーストグライド車両システム。大気圏内を不安定に飛行しながら、極超音速(マッハ 5 を超える速度)で長距離を移動する。この特性により、防衛が極めて手厚い、優先度が高く、時間的制約ある目標を攻撃するのに理想的な兵器となっている。例として、敵の防空施設、指揮統制拠点、センサーシステムなどが含まれる。これは、米軍の第一線で運用が予定されている初の極超音速兵器である。同じミサイル構造が、海軍で中間射程通常弾頭即時攻撃(IRCPS)兵器システムとして海上発射用に採用されている。


ダークイーグル/LRHW システムおよび IRCPS システムに共通するミサイルの概要、ならびに陸軍と海軍の分業体制を示す図。GAO


従来の弾道ミサイルと極超音速ブーストグライド体、ならびに疑似弾道ミサイルや空気呼吸型極超音速巡航ミサイルの弾道の違いを、ごく大まかに示した図。GAO

陸軍ミサイルシステムの発表会で、極超音速・指向性エナジー・宇宙・迅速調達担当部長のフランシスコ・ロサノ中将はダークイーグルの射程は 3,500 キロメートルと語った。このイベントにはメディア関係者も同席し、その模様はビデオ収録されC-SPAN その他の報道機関によって報じられた。

ロサノ中将はさらに、ダークイーグルで「グアムから中国本土を攻撃できる」と述べた。また、ロンドンからモスクワ、カタールからテヘランを攻撃できるとも述べた。国防総省がダークイーグルの射程について公式に発表したのは今回が初めてではない。この兵器は、これまで少なくとも1,725マイル(2,775キロメートル)の射程があると言われていた。今日のロサノ中将発言に基づけば、実際の射程は少なくとも 2,175 マイルであることになる。この兵器の発展と試験に基づいて陸軍の数字が変更されたのか、以前の数字が意図的に「水増し」されていたのかは明らかではない。

以前の訓練演習で見られたダークイーグル発射装置。米陸軍

イベントに参加していた、別の陸軍将校は、ヘグセス長官に、ダークイーグルの弾頭は「30ポンド未満」で、長距離兵器としては比較的小さい、例えば AIM-120 空対空ミサイルに搭載されているものよりも小さいと語った。この将校は、弾頭は「発射体を打ち出す」ためのものであり、彼らが立つ駐車場とほぼ同じ大きさのエリアに効果をもたらすことができると述べた。

繰り返し述べてきたように、この兵器が提供する運動エナジーの衝撃は、円錐形のブーストグライド飛翔体という狭い空間に搭載された従来の弾頭以上に、破壊力に貢献するだろう。それでも、この将校がほのめかした爆風破片弾頭は、防空砲やレーダーアレイなどの脆弱な目標を無力化するのに役立つだろう。

この将校はまた、ダークイーグルは 20 分以内でその射程距離をカバーできるとも述べている。

この弾頭について言及されたのは、昨年、国防総省がダークイーグルの殺傷能力について懸念を示していたことから、特に興味深い。

本誌は、2月に国防総省の試験評価について次のように報じた。

「その間、海軍は AUR 弾頭をミサイルと別個に試験した。弾頭の競技場試験は 2024 年度第 1 四半期に実施され、2024 年度第 2 四半期にはそり試験が実施された。国防総省は、この試験には「脅威を代表する標的がいくつか含まれていた」と述べているが、結果は処理中であるとも指摘している。

また、過去の滑走試験や飛行試験では『実戦を想定した標的が含まれておらず、結果として兵器の殺傷効果を直接検証できなかった』と国防総省は補足している。

報告書はこの部分で『最終的に陸軍は、飛行試験やその他の実戦的な殺傷力・生存性試験に、実戦を想定した標的と環境を取り入れる必要がある』と結論付けている。」

ダークイーグルで開発遅延が相次いで発生していたが、今年6月時点で陸軍は2025会計年度末までの運用開始を計画していた。現在の進捗状況は不明だ。フォートルイスには1個大隊が配備されており、今年中に別の部隊が到着する。

1年前、米陸軍はトレーラー型発射装置からダークイーグル極超音速ミサイルの試験発射を行った。米陸軍

ダークイーグルの運用開始の重要性は、戦術的・戦略的考慮を超える。米国は極超音速開発分野で他国に遅れをとっており、特に中国に関しては顕著だ。

また、ヘグセスが生産数と生産速度について質問したことも特筆すべきだろう。陸軍将校は、月産1発と答えたが、目標は月産2発、つまり年間 24発に増やすことだ。米国が戦闘用兵器の供給に苦戦する中、大量の兵器を迅速に生産する能力は、ヘグセスにとって最優先事項であることは明らかだ。ダークイーグルは、生産数が少なすぎてコストも高く、持続的な紛争で大きな影響力を持つには不十分な「特効薬」的な兵器だと主張する者もいる。

いずれにせよ、この兵器システムの技術仕様で多くのことが明らかになった今、国防総省はついにその運用開始を宣言する寸前にあるのかもしれない。■

著者注:この情報を提供してくれた X の @lfx160219 に感謝する。

タイラー・ロゴウェイ

編集長

タイラーは軍事技術・戦略・外交政策の研究に情熱を注ぎ、防衛メディア分野でこれらのテーマにおける主導的な発言力を築いてきた。防衛サイト『フォックストロット・アルファ』を創設した後、『ザ・ウォー・ゾーン』を開発した。



New Dark Eagle Hypersonic Weapon Details Emerge

Hegseth's visit to Redstone Arsenal provided new disclosures on Dark Eagle's range and its small warhead.

Tyler Rogoway

Published Dec 14, 2025 10:50 PM EST

https://www.twz.com/land/new-dark-eagle-hypersonic-weapon-details-emerge



2025年10月14日火曜日

極超音速兵器を搭載した駆逐艦と潜水艦がハワイへ再配置される(USNI News)―

 

真珠湾基地の改装が完成すればズムワルト級駆逐艦3隻がそろいます。同級は形こそ変われ当初の構想通り画期的な対地攻撃力を提供し、中国をにらむことになりますね。

USS Zumwalt in Pearl Harbor

2019年真珠湾の埠頭に接岸するミサイル駆逐艦USSズムウォルト(DDG 1000)。(米海軍写真:マスコミュニケーション専門士官2等ジョナサン・ジャン)

真珠湾施設の改修・近代化工事により、ホノルル海軍基地は極超音速兵器を装備したズムウォルト級駆逐艦3隻と最大3隻の極超音速兵器装備ヴァージニア級原子力攻撃潜水艦の受け入れに向け準備している。この動きは、中国との潜在的な戦争を見据えた米海軍の極超音速装備戦闘部隊の大規模な再配置だ。

2028年半ばからハワイを母港とする新型艦艇・潜水艦に対応するため、合同基地パールハーバー・ヒッカム全域で近代化作業が進行中である。

海軍施設建設司令部(NAFVAC)によるパールハーバー・ヒッカム統合基地での建設作業は、ズムウォルト級駆逐艦とヴァージニア級攻撃型原子力潜水艦の配備・修理に必要な係留スペースと乾ドック能力を整備する。

M1、M2、B26、B24各埠頭の近代化により、2028年半ばに配備されるズムウォルト級水上戦闘艦全艦の収容スペースと電力需要が満たされる。共同基地における乾ドック作業と整備を支援する追加建設も、今後数ヶ月以内に開始される見込みだ。

汎用岸壁1/2は既に、ズムウォルト級に必要な4160ボルト電力供給要件に対応するため電気設備のアップグレードを実施中である。5月には海軍施設工兵・遠征戦術センター(NAVFAC EXWC)の移動式ユーティリティ支援装置(MUSE)変電所が同岸壁に設置された。各岸壁は最終的に恒久設置型の4160ボルト電力供給能力を備える予定である。

2025年4月21日、ハワイ州パールハーバー・ヒッカム統合基地での現地視察において、ハワイ海軍施設工兵司令部(NAVFAC)が、P-8014U埠頭M1/M2陸上電力配電プロジェクトの進捗状況をNAVFAC太平洋司令官ジェフ・キリアン少将に説明している。本プロジェクトの目的は、JBPHHのジェネラルバース・マイク1において、移動式ユーティリティ支援装備(MUSE)への電力供給およびDDG 1000ズムウォルト級駆逐艦などの将来プラットフォームへの陸上電源供給を実現する電気インフラを整備することである。(米海軍写真:アンナ・マリー・G・ゴンザレス)

艦艇支援のための追加工事は2026年3月に開始され、艦艇がハワイに到着する2028年6月の完成を予定している。

「戦時における艦隊即応能力を維持するため、DDG-1000級に十分な信頼性のある電力を供給するには、既存の陸上電源のアップグレードが必須である。DDG-1000級艦は2028年半ばまでに当施設に到着する。したがって、本プロジェクトはそれまでに完了し、使用可能でなければならない。」

米国海軍

NAVSEA(海軍海上システム司令部)は、真珠湾海軍造船所(PHNSY)における3隻のズムウォルト級艦艇の維持管理・近代化・乾ドック入渠を支援可能な請負業者向け情報提供要請書で建設要件を明示した。関連作業は契約締結時期である2026年末に開始予定。請負業者は、同艦級向け予備部品及び調達期間の長い資材を保管する施設の開設・改修を含む。

NAVSEAは、2028年半ばまでに3隻全ての母港変更を支援できる施設と請負業者の整備を求めている。

現在、2隻のズムウォルト級駆逐艦が米海軍の通常弾頭即時打撃(CPS)極超音速ミサイル配備に向け近代化中である。3隻目は2026年にミシシッピ州パスカグーラのハンティントン・インガルズ・インダストリーズ社で近代化作業に入る予定。

先頭艦であるUSSズムウォルト(DDG 1000)の作業は2026年5月までに完了する見込みであり、USSリンドン・B・ジョンソン(DDG 1002)の作業は今年初めにハンティントン・インガルズ・パスカグーラで乾ドック入りした際に開始された。

Hypersonic CPS

2024年1月から10月にかけてUSSズムウォルト(DDG-1000)で行われた極超音速ミサイル統合作業の詳細を示すNAVSEA写真。撮影:筆者

ズムウォルト級駆逐艦は3隻で合計36発のCPSミサイルを搭載し、沿岸陸上攻撃能力を提供する。これは現行の他の兵器システムでは実現できない能力である。対艦能力のための終末誘導装置統合に向けた開発作業は進行中である。

3隻全てに新たな信号情報収集システム、新型海軍データリンクプラットフォーム、領域防空能力のためのSM-6統合が施される。米海軍は同級駆逐艦を「現行能力と比較して、より長射程、より短飛行時間、敵防空網に対する高い生存性を備えた独立した前方展開攻撃プラットフォーム」と位置付けている。

真珠湾はまた、造船所インフラ近代化計画の一環として、2030年までにヴァージニア級攻撃型潜水艦を追加配備する。艦隊によると、パールハーバーに移管される潜水艦のうち2~3隻はヴァージニア・ペイロード・モジュール(VPM)を装備し、各艦に追加で28発のトマホーク巡航ミサイルまたは12発のCPSミサイルを搭載可能となる。

VPMを装備したブロックVヴァージニア級SSNは、合計28発のトマホーク巡航ミサイルまたは12発の通常弾頭即時発射型極超音速ミサイル(CPS)を配備可能となる。

「2030年までに、真珠湾を母港とする潜水艦の大半はヴァージニア級となる見込みだ。母港配備にはブロックVヴァージニア・ペイロード・モジュール(VPM)搭載型潜水艦2~3隻が含まれる予定である」

米海軍原子力潜水艦アリゾナ(SSN 803)は、VPM搭載型ヴァージニア級攻撃型潜水艦の1番艦として2027年の就役を予定している。続いて「バーブ」級(SSN 804)が配備される。「アリゾナ」は1941年の真珠湾攻撃で沈没した戦艦「アリゾナ」(BB-39)に因む。「バーブ」は第二次大戦で大西洋・太平洋戦域で敵艦17隻(太平洋では空母1隻を含む)を撃沈した伝説的潜水艦「バーブ」(SS-220)に因む。

前述の米海軍計画に基づけば、両艦ともハワイを母港とする可能性が高い。

追加のヴァージニア級潜水艦需要に対応するため、米海軍はドック3の近代化とドック5の建設を進めており、これによりヴァージニア級の全ブロック型および次世代攻撃型潜水艦(SSN(X))の整備が可能となる。改修が行われなければ、PHNSYはヴァージニア級攻撃型潜水艦の整備に対応できない。近代化により、真珠湾に配備されるヴァージニア級攻撃型潜水艦の全ブロック型に対し、中間整備およびデポレベル整備の要件を満たすことが可能となる。

2030 年までに、 CPS を装備した艦艇および潜水艦少なくとも 5 隻がハワイに配備されることで、米海軍の主要な時間的制約のある攻撃部隊の大半は、戦時シナリオで中国に対して行動を起こす態勢が整い、サンディエゴを母港とする艦艇や潜水艦に比べ、インド太平洋への移動時間を数日間短縮できる。■


Hypersonic-Armed Destroyers and Submarines are Relocating to Hawaii

  • Published on 11/10/2025

  • By Carter Johnston

  • https://www.navalnews.com/naval-news/2025/10/hypersonic-armed-destroyers-and-submarines-are-relocating-to-hawaii/

  • カーター・ジョンストン

  • カーター・ジョンストンは、ジョージ・ワシントン大学エリオット国際問題大学院の 2028 年卒業予定の 2 年生です。ワシントン D.C. を拠点としています。彼の関心分野は、米国の造船所インフラ、米海軍および海兵隊の継続的な近代化の取り組み、そして国内外でそれらの成功につながる政治です。

2024年12月6日金曜日

ロシアの極超音速ミサイル "ジルコン "の実態に迫る(The War Zone)

   

A recent drill by the Russian Armed Forces in the Mediterranean has provided us with a more detailed view of the shadowy Zircon hypersonic missile, a weapon that has only been glimpsed in the past and shown up in the form of fragments after being combat tested in Ukraine. The maneuvers come as Russia’s position in Syria — home to its two major Mediterranean bases — increasingly looks to be under threat, as rebels continue their rapid advance south, threatening the rule of Bashar al-Assad, a key Kremlin ally.Russian Ministry of Defense capture



ロシアの極超音速ミサイル "ジルコン "の実態に迫る(The War Zone)


ロシア海軍は、地中海での大規模な実弾演習の一環として、巡航ミサイル「ジルコン」を発射した


シア軍による地中海での最近の訓練では、ウクライナで戦闘実験が行われた後、破片の形でしか姿を見せなかった兵器、謎の超音速ミサイル「ジルコン」をより詳細に見ることができるようになった。 

 反体制派が南方へ急速な前進を続け、クレムリンの重要な同盟国であるバッシャール・アル・アサドの支配を脅かしているためだ。

 ジルコン(ツィルコンと訳されることもある)の新しいビデオを、ロシア国防省が地中海演習の記録として公開した。いくつかの異なるアングルから、ロシア海軍プロジェクト22350アドミラル・ゴルシコフ級フリゲート艦の甲板上で3S14垂直発射システム(VLS)からミサイルが発射される様子が映っている。ミサイルはベクタリングロケットで安定させられながら引き上げられ、垂直軌道を進み、そこで映像は終了する。


最新の映像からジルコンミサイルの発射を示す2つのビュー。 ロシア国防省のキャプチャロシア国防省のキャプチャ


ロシア国防省によると、実弾演習は昨日地中海東部で行われ、海上発射ミサイルと空中発射ミサイルが使用された。フリゲート艦アドミラル・ゴルシコフとアドミラル・ゴロフコはジルコン・ミサイルを発射し、ディーゼル電気潜水艦ノヴォロシースクはカリブ亜音速巡航ミサイルを発射したという。一方、シリア沿岸では、バスティオン沿岸防衛システムが超音速巡航ミサイル「オニキス」を発射した。別のビデオでは、MiG-31I戦闘機の下でキンズハル空中発射弾道ミサイルが準備されている様子が映っていたが、このミサイルも発射されたかどうかは不明だ。

間違いなく、アメリカやNATOもこの演習を注意深く監視しており、ジルコンやその他のシステムに関し質の高い情報を新たに得ているはずだ。

 この演習に関連しロシア海軍がシリアのタルトゥス港にある施設から艦船を避難させているのではないかという憶測を呼んだが、これは時期尚早だったようだ。

 以前、ジルコンの発射を至近距離から撮影したとする公式ビデオを見たことがあるが、その時はミサイルの詳細を確認するのが非常に難しかった。そのため、2020年10月に公開された映像は、ジルコンだけでなく、他の兵器が映っている映像をつなぎ合わせて編集されたものではないかという議論さえ起こった。2020年のビデオでは、ゴルシュコフから海軍の標的に対してジルコンが発射される最初のテストが行われたと主張した。


2020年10月、白海を航行中のフリゲート艦アドミラル・ゴルシュコフの前甲板で、16セル3S14垂直発射システムから発射されたミサイルを示すロシア国防省の映像の静止画。これがジルコンを示すとされる最初の公式画像である。 ロシア国防省のキャプチャ

2020年10月6日、白海でのジルコンテストを撮影したとするロシア国防省のビデオ:


2022年5月にロシア国防省が公開した別のビデオでは、ゴルシュコフがジルコンを発射する様子が映っているとされているが、ミサイルは遠目にしか映っておらず、詳細は見えない:

 新しいビデオと2020年のビデオを比較すると、同じミサイルのようだが、実際にどのように動作するかについて疑問が残ったままだ。

 興味深いことに、2020年当時、ジルコンにまつわる多くの憶測は、3S14 VLSからも発射可能な古い設計の超音速ミサイル「オニキス」との関係の可能性に焦点が当てられていた。


軍艦の艦首から見た、発射後に上昇するジルコン。ロシア国防省のキャプチャ昨日の実弾演習での発射後のジルコンの別のビュー。 ロシア国防省のキャプチャ


オニキスはウクライナやシリアでの戦闘でも陸上目標に対して使用されており、ジルコンも同様に両用兵器とされている。

 過去にロシア国防省は、ジルコンがテストで「マッハ8以上」の速度に達したと主張し、ウラジーミル・プーチン大統領は、この兵器の最高速度はマッハ9程度で、航続距離は約620マイルだと述べた。もしそれが本当なら、極超音速の範疇にしっかりと入る。

 一方、オニキスの最高速度はマッハ2.2で、液体燃料のラムジェットモーターを動力源としている 最大航続距離は180マイルと言われているが、低高度を飛行する場合は大幅に短縮される。


 ジルコンは、ロシアメディアが過去に説明のために使った「ウェーブライダー」型の極超音速ミサイルとまったく異なる外観をしている。米空軍の実験的なX-51ウェーブライダーと同様、このタイプのミサイルは超音速衝撃波を利用して飛行体の揚力と安定性を維持する。通常、必要な速度と高度に到達させるために従来のロケットモーターを使用し、その後にスクラムジェットなどの空気呼吸高速エンジンを使用する。


インターネット上に出回っているジルコンだとされるグラフィック。


2023年1月、ロシア国防省は、ゴルシコフが初めてジルコン・ミサイルで武装して配備を開始したと発表した。

 ロシア政府関係者は過去に、ロシア海軍の先進的で極めて静粛な原子力潜水艦「ヤーセン」「ヤーセンM」級を含む潜水艦ヤ艦船が、将来ジルコンを採用できるようになることを期待していると述べている。   2021年10月、ロシアはジルコンを潜水艦から初めて試験発射することに成功したと主張した。

 しかし、明らかに戦闘デビューと思われるジルコンの発射には、地上に設置された何らかの発射装置が使用されたようだ。

 今年2月、ウクライナの科学者たちは、ロシアが初めてウクライナの少なくとも1つの標的への攻撃にジルコンを使用したと主張した。 この主張と並行して、科学者たちはジルコンの残骸とされる "エンジンやステアリング機構の破片(特定のマーキングがある)"のビデオを見せた。


キーウ科学捜査研究所が示したジルコンミサイルのな断片とされるもの。


 最も興味深いのは、キーウ科学捜査研究所がジルコンミサイルの線画を提供したことである。

 この図面では、ウェーブライダー型のデザインではなく、超高速のラムジェットを動力とするミサイルが描かれている。 この2段式ミサイルは、機首の上のキャップに環状の空気取り入れ口が隠されている。 同様のアプローチは、極超音速ラムジェットを動力とする巡航ミサイルのデモンストレーターであるボーイング・ハイフライにも採用されている。

 これは、昨日地中海で行われた演習で撮影されたジルコンの映像ともほぼ一致する。


ロシアの極秘軍事研究施設TSNII VVKOにある極超音速機ボーイングHyFlyのモックアップ(推定)。 ズヴェズダTV


 ウクライナからの明白な証拠とジルコンの最新のビデオを合わせると、オニキスと同様の全体的な寸法を持つミサイルであり、環状の空気取り入れ口がある可能性が高い。オニキスと類似していれば、ジルコンを同じタイプの地上発射装置から発射することも容易である。ビデオでは、ミサイルの球根状のノーズキャップが、前方への持続的な飛行に移行する際に分離するのが見える。



最新のビデオでジルコンをクローズアップすると、特徴的なノーズキャップが見え、明らかに環状インテークが隠されている。 ロシア国防省のキャプチャ


 英国国防省は、ウクライナに対してジルコンが使用された場合、通常はオニキスミサイルを発射する陸上バスティオン沿岸防衛システムから発射された可能性が高いと評価した。

 英国国防省は、「ロシアは、新しい兵器システムを実戦環境でテストし、能力を実証している可能性が高い」と付け加えた。

 多くの点で、ジルコンは謎めいた兵器であり、その作動原理や性能の正確な詳細はまだ確認されていない。ミサイルの運用状況も不明だが、ロシアは現在、ジルコンを以前より詳細に公開する姿勢を見せているようだ。■


Our Best Look At Russia’s Shadowy Zircon Hypersonic Missile

The Russian Navy launched the Zircon cruise missile as part of a large-scale live-fire exercise in the Mediterranean.

Thomas Newdick



https://www.twz.com/sea/our-best-look-at-russias-shadowy-zircon-hypersonic-missile


2021年10月29日金曜日

中国の宇宙極超音速ミサイルに米国はどう対抗するのか。AI技術の導入で核戦争シナリオが一変したようだ。抑止効果が生まれるのは米国が同等の技術を実戦化してからになる。

An earlier model of Chinese hypersonic missile, the DF-ZF, was on display at a 2019 parade.

 

中国の極超音速ミサイルDF-17の初期型が2019年の軍事パレードに登場した。ZOYA RUSINOVA\TASS VIA GETTY IMAGES

 

 

国が今夏打ち上げた極超音速ミサイルは「地球一周した」と米関係者がDefense Oneに教えてくれた。ペンタゴンは今回の驚くべきテストの意味を解析中だ。

 

7月27日打ち上げられたとまずフィナンシャルタイムズが伝え、米国がアフガニスタン問題に忙殺されている間に実施された。

 

10月27日Bloomberg Televisionの取材に応えたマーク・ミリー統合参謀本部議長はこの打ち上げについて「スプートニク並みの衝撃はないが、かなり近い意味がある。全力を挙げて注視している」と述べた。

 

中国外務省は平和目的の宇宙機だったと公表している。

 

フィナンシャルタイムズ記事は複数筋を引用し、核弾頭搭載可能の極超音速ミサイルが地球周回軌道を取り標的に向かったと伝えていた。

 

アリゾナ州選出民主党下院議員ルーベン・ギャレゴは今回の打ち上げで米国防優先事項の見直しが必要なことが明白と述べている。

 

「パニックになってはいけないが、再考の必要が確かにある」と述べるギャレゴは海兵隊出身でイラク戦争に出征し、現在は下院軍事委員会に所属している。

 

「軍事委員会は極超音速技術、研究の投資で遅れていることに気づかされている。急いで追いつきたいが、今回の事態で情報収集の遅れが露呈し、確認に時間がかかった」(ギャレゴ)

 

今回の打ち上げでペンタゴン高官の間に米国がソフトウェアや人工知能で中国より遅れているのかとの議論が高まっているとミリー議長も認めている中で、空軍のソフトウェア部門トップが先月辞任している。

 

American Enterprise Instituteの客員研究員ジョン・フェラーリ(元陸軍少将)は今回の打ち上げで重大な問題が表に出たと述べている。

 

「AIが今回の打ち上げと飛行制御に使われていることが関心の的だ。核をめぐるゲームが一変した可能性がある」「問題は防衛がこれに対応できるか、あるいは攻撃を正しく行えるかだ」

 

この形で核攻撃を想定しあらゆる標的を防御しようとすれば米国は破産を免れないとフェラーリは言う。

 

「技術面では互角にする必要がある。AI技術で極超音速ミサイルを阻止することが可能とならないと打ち上げの阻止につながる技術は実用化できないだろう。特に宇宙から発射された場合に」

 

同等の技術が実用化されれば米国は中国への抑止力が実現する、あるいはその他国が同様にミサイルを開発しても対応でき、核戦争の相互破壊が確実になり抑止力が実現したのと同じ状況になるとフェラーリは述べる。

 

米国は各種極超音速ミサイルを開発中だ。先週はヴァージニアのワロップス島から極超音速ミサイル三本の打ち上げに成功したが、四本目はブースターの作動不良により失敗した。■

 

‘It Did Circle the Globe’: US Confirms China’s Orbital Hypersonic Test

 

Tara Copp

BY TARA COPP

SENIOR PENTAGON REPORTER, DEFENSE ONE

OCTOBER 27, 2021