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SSBNコロンビア級投入までのつなぎにオハイオ級の耐用年数延長が始まる

    2021年6月28日、ジブラルタル港に到着したUSSアラスカ(SSBN-732)。 US Navy Photo 最 古参の潜水艦5隻が3年の寿命延長の候補だと、米海軍当局が発表した。 修理期間18ヶ月で、海軍が戦略核の不測の事態に備えミサイル原潜10隻の増加をサポートするため、オハイオ級核弾道ミサイル潜水艦SSBN5隻を対象にすると、戦略潜水艦プログラムを統括するスコット・パパーノ少将Rear Adm. Scott Pappanoは、海軍潜水艦連盟の年次シンポジウムで述べた。 この計画は、2030年10月に最初のパトロールを開始する予定の次期SSBNコロンビア級の初号艦USS District of Columbia (SSBN-826)以下コロンビア級の就役までのつなぎとなる。 パパーノ少将は、「コロンビア級が稼働し、オハイオ級が退役する2030年代が、リスクが最も高い時期になる」と述べた。 今後のSSBNは、初期問題が発生する可能性のある新造艦と、部品故障のリスクが高い最古参オハイオ級が並立すると、パパーノ少将は述べた。 事態を複雑にしている要素としてパパーノ少将は、次期戦略兵器トライデントII D5 Life Extension IIミサイルのテストプログラムがあり、これはSSBN各級でテストする必要がある、と述べている。 新ミサイルはコロンビア級9号艦から搭載され、12号艦まで継続されるが、同級の以前の8隻の潜水艦は後日装備を受けるとパパーノ少将は述べた。このプログラムでは、ミサイルの老朽部品を交換し、2060年代まで寿命を延ばす設計とする。 不活性化前制限使用(PIRA)を受ける初号艦は、USSアラスカ(SSBN-732)で、早ければ2029会計年度に始まる可能性があると、パパーノ少将は述べた。海軍は、確立ずみプロセスに基づき、調達に時間がかかる材料を確保するため、2025年または2026年までにPIRAを進めるかを決定すると、海軍作戦本部(OPNAV N97)の潜水艦戦担当ディレクターダグ・ペリー少将Rear.Adm. Doug Perryが述べた。 「潜水艦の寿命延長の評価プロセスは、高度なまで標準化されたプロセスだ」。「すべての潜水艦は、引退時期が近づくと、艦の物理的な状態の見直しを指示されデータを収集します。艦のすべての部品、長年にわたるメ

2023年度国防予算要求の概要② 米海軍省の艦艇、航空機関連の動向

  今回退役の対象とされる巡洋艦は5隻 米 海軍は、5年間で36億ドルを節約するため、来年度に艦船24隻を退役させたいと発表した。 2023年度予算要で、海軍はフリーダム級沿海域戦闘艦(LSC)9隻、タイコンデロガ級巡洋艦5隻、ロサンゼルス級潜水艦2隻、揚陸ドック艦4隻、給油艦2隻、遠征転送ドック2隻を退役させる。 LCSの退役について、海軍予算担当副次官補ジョン・ガンブルトン John Gumbleton は、コンステレーション級フリゲート艦が対潜能力を持つため、LCSの対潜戦任務が不要となるとした。 「LCSのASW能力を見ての決定です。ASWのミッション・モジュールは、大きな課題を抱えたまま、うまくいきそうにありません。浮いた予算で4隻目のフリゲート艦を導入します。4隻目には効果的なASW能力があると思われるので、LCSポートフォリオでリスクを取ることにした」と、ガンブルトンは記者団に語っている。 コンステレーション級フリゲート初号艦は2026年の納入予定であり、初期運用能力獲得は2030年となる。 「フリーダム級には、駆動系で問題があります。ただしその修正は法外な金額ではありません」と、ガンブルトンは9隻のLCSに言及した。「しかし、艦種2つを維持する代わりに、艦種を一つに絞れば、節約が可能になります。それで今回の決定になったのです」 USSフォートワース(LCS-3)は、海軍が退役させたいLCS9隻の1隻。海軍は2021年度と2022年度にフォートワースを退役させようとしたが、議会が阻止した。フォートワースは2012年に就役した。フリーダム級LCSは、ガスタービンとディーゼルエンジンを結合するコンバイニングギアで問題が発生したが、フォートワースには別のコンバイニングギア機構を備えている。 海軍次官メレディス・バーガー Meredith Berger は、LCSの9隻退役について聞かれ、「費用のかかる修理やメンテナンスから解放される」と述べた。 海軍関係者は、2023年度予算要求について、改訂版の国家防衛戦略、カルロス・デルトロ Carlos Del Toro 海軍長官の目標、海軍作戦部長マイク・ギルデー大将Adm. Mike Gildayの優先事項である即応性、近代化、能力を満たすものと説明している。   「この環境下で、艦隊を持続可能とする決定をした。

米海軍のスーパー駆逐艦ズムワルトが艦体に錆を走らせたまま、第一線配備が進んでいない状態についてSNSで関心が広まっている。

  @CRJ1321 VIA @WARSHIPCAM   米 海軍に三隻しかないDDG-1000級駆逐艦の一号艦USSズムワルトは南カリフォーニア沖合で試験評価と訓練を続けているが、5年前に就役したものの、サンディエゴ湾を定期的に出入りする状況が続いている。二号艦USSマイケル・マンソー(DDG-1001)もサンディエゴに到着し、艤装工事と公試に入った。だがズムワルトの外観がここにきて輝きを失っている。レーダー波吸収タイルの一部が脱色しており、艦体に錆が見られる。     @CRJ1321 撮影の写真がツイッター @Warshipcam に掲載されているが、同艦は通常のきれいな状態と異なる外観だ。   米海軍自慢のスーパー駆逐艦に錆が広がっていることにソーシャルメディアの関心が広がりを見せている。   長期間展開する艦艇を高ピッチで運用した場合は、整備の整った基地に停泊されたままの状態と異なり、艦の状態が悪くなることはよくある。「錆の広がり」は議論を呼ぶが、艦が動く限りは大きな問題ではないとの意見もある一方、海軍内に大きな問題がある証拠で憂慮のタネだとの意見もある。   同艦の外観での言い訳として、そもそも同艦乗組員が最小規模で設計されており、DDG-1000級はアーレイ・バーク級よりはるかに大きいものの、乗組員数は半分程度の175名で、しかもこれは実戦投入時の定員だ。   自動化の採用で省人化を進めているとは言え、肉体労働は必要であり、DDG-1000の清掃対象が広い。ズムワルト級乗員は低視認性塗料の維持もこなす必要があり、艦体には従来艦より曲面が多く錆発生への対応が大変だ。このため、ズムワルト、マイケル・マンソーの艦橋は複合材とし錆の発生を少なくしている。ただし姉妹艦USSリンドン・B・ジョンソン(DDG-1002)の艦橋は鋼鉄製に変更されている。   ズムワルトがいつ第一線配備になるか不明だが、現時点で初期作戦能力は獲得済みのはずだ。米会計検査院(GAO)は主要米軍装備品事業について最新の報告書で同級について以下述べている。 2020年9月時点で海軍は169百万ドルの予算要求でDDG 1000級の少なくとも一隻に新装備4種類の搭載を想定している。さらに追加予算を要求し、残る各艦への装備搭載を進めるとしている。海軍は各装備品は艦艇搭載に向け成熟化済みと主張するも

戦艦のカムバックで中国に対抗せよ

21世紀の現在に戦艦? いえいえ、ここで言う戦艦とは攻撃力と防御力を兼ね備えた一定程度の大きさを持った艦艇のようです。ズムワルト級ぐらいの大きさでしょうか。大は小を兼ねるといいますが、果たして海軍当局が採用するかどうか。ところで時々CNNなどの同時通訳を聞いていてびっくりすることがあるのですが、どうもwarshipを戦艦と誤って訳しているんですね。軍艦ということばは死語になっているのでしょうか。 高 性能な装甲を備えた現代の戦艦があれば、危険な状況からも十分帰還できる艦艇が生まれる。 第二次大戦で日本海軍が投入した超大型戦艦、大和と武蔵は18.1インチ砲という史上最大の主砲を搭載しながら、1隻も米艦船を沈めていない。航空戦力が優勢となり、両艦は鋼鉄の恐竜と化した。 だが鋼鉄の恐竜を倒すのは容易ではなかった。大和は魚雷11本、爆弾6発の命中で沈んだ。武蔵には魚雷命中19本、爆弾17発が必要だった。戦略面で両艦は無益な存在だったが、撃破は極めて困難だった。 海軍艦艇の建造には数十年におよぶ計画が必要で、直近の戦闘事例に対応させてしまうリスクがついてまわる。第二次大戦終結後の米海軍は航空母艦中心に整備してきた。だが大規模戦闘は皆無に近く、別の任務が逆に増えた。中国の台頭に対抗すべく最も頻繁になっているのが航行の自由作戦(FONOPs)で、戦闘はまったく想定していない。 ここ数年の中国は根拠のない主張を南シナ海で強硬に繰り返している。対応して米国も定期的にFONOPsを実行し、中国の人工島沖合12カイリを米駆逐艦に航行させ、中国の領海主張を拒絶している。今の所中国は米作戦に真っ向から対抗する無分別さは示していない。 だが駆逐艦の艦体は脆弱だ。USSフィッツジェラルドがコンテナ船に衝突し乗員7名が死亡した事故があった。その後、USSジョン・S・マケインが石油タンカーと衝突し沈没寸前となった。この際は乗員10名が死亡した。タンカーには負傷者はなかった。二回の衝突事例から現在の海軍艦艇の根本的欠陥が見える。残存性が低い。海軍艦艇といえば石油タンカーを恐れさせる存在だったが、今や逆になっている。 米海軍には空母打撃群の攻撃力とならび誘導ミサイル駆逐艦も必要な戦力だ。だが攻撃を受けても航行を続けられる艦艇も必要ではないか。中国が精密攻撃能力を整備

米中の軍事緊張が高まる中で米海軍が台湾海峡通過航行を敢行した

日本ではあくまでも米中両国は「貿易戦争」をしているのであって、経済問題で対立しているとの報道にとどまっていますが、米国(おそらく中国でも)では軍事対立への道、すなわち新冷戦として現状を捉えているのですね。またもや日本は空気が読めない対応に終止してしまうのでしょうか。 US Navy warships just rocked the Taiwan Strait in rare move, turning up the pressure on China米海軍艦艇が台湾海峡で波を立て中国に圧力をかけた Ryan Pickrell https://www.businessinsider.com/two-us-navy-warships-sail-through-taiwan-strait-2018-10 US Navy guided-missile destroyers and guided-missile cruisers U.S. Navy photo by Lt.j.g. Caleb Swigart 米海軍が10月22日中国の玄関口で威力を誇示すべく艦艇二隻に台湾海峡を通過させた 海峡を通過した駆逐艦USSカーティス・ウィルバー、巡洋艦USSアンティータムに中国艦船が追尾した あたかも両国で緊張が高まる中での事件のため、国際法の枠内とはいえ中国が怒りをおぼえることになりそうだ 米 海軍艦艇二隻が台湾海峡を通過したと台湾国防省が月曜日発表した。 アーレイ・バーク級駆逐艦USSカーティス・ウィルバー、タイコンデロガ級巡洋艦USSアンティータムの二隻が台湾海峡を同日に航行したと米太平洋艦隊もBusiness Insiderに認めた。米海軍では7月にもUSSマスティン、USSベンフォールドの駆逐艦二隻を航行させていた。 今回は「国際法に準拠した通常の台湾海峡航行」と太平洋艦隊広報官レイチェル・マクマー少尉がBusiness Insiderに語り、ミッションの目的は「自由かつ開かれたインド太平洋」の維持が米国の国是と示す点にあるとし、「米海軍は国際法の許す範囲で今後もいかなる地点で飛行・航行・作戦を展開する」と述べた。 今回の背景に米中両国の軍が緊張を高めていることがあり、貿易から領土主張に至るまで両国の対立が強まってい

MQ-25で変わる海軍航空戦力、2020年代中ごろに日本へ配備か

なるほどMQ-25は前方配備艦に優先導入されるわけですか。日本にも急に身近な機体になりそうですね。ジョージ・ワシントンが大修理を終えるのは2021年予定だとすれば辻褄があい、2020年台中頃に同機が配備されそうですね。日本ではまた例の筋が無人機導入に反対の声をあげないか心配です。しかしMQの呼称で給油機というのは妙ですね。普通ならKではないですか。これには別の意図があるのではないですか。 U.S. Navy Awards Boeing Lucrative MQ-25 Contract 米海軍がボーイングにMQ-25契約を交付 Aug 30, 2018 Lee Hudson | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/defense/us-navy-awards-boeing-lucrative-mq-25-contract Boeing 米 海軍がMQ-25Aスティングレイ艦載無人給油機で ボーイング に契約交付し試作型4機が生産される。 総額805.2百万ドルでUAV試作機が製造されれば空母航空隊の給油機不足が解消され、 F/A-18E /Fスーパーホーネットが給油機の役割から解放される。ボーイングには長期的に朗報となる。海軍はスティングレー72機を調達する。 今回は三社が採用をめぐりしのぎを削った。ボーイング、 ジェネラルアトミクス・エアロノーティカルシステムズ (GA-ASI)、 ロッキード・マーティン のスカンクワークスだ。海軍は1999年から実現を図り、2017年に要求内容を改訂し、各社がそれぞれ特色のあるコンセプトを提示した。 ボーイング、GA-ASIはともに主翼機体尾翼一体型のUAV案を、ロッキード・マーティン案は全翼機だった。 ボーイングは空母航空戦力で大手だがMQ-25Aでは開発取り消しとなった無人艦載偵察攻撃機(Uclass)の設計内容を流用した。GA-ASIはこれだけ複雑な機体の製造は初のため不利な立場で参画した。ロッキード・マーティンはF-35Cで海軍航空部門の経験がある。原型機の製造までしたのはボーイングのみだが、また飛行は実施していない。 海軍の予定ではMQ-25A開発機材の納入介しを2020年度と

F-35B搭載のUSSエセックスが沈黙のまま太平洋へ出動したのは中国へのメッセージ

The US Navy just quietly sent an F-35 aircraft carrier to the Pacific — and it signals a big change米海軍が沈黙のままF-35搭載空母を太平洋へ出動させたのは大きな変化のあらわれか Alex Lockie http://www.businessinsider.com/us-navy-quietly-sends-f-35-aircraft-carrier-to-pacific-china-south-sea-2018-7 USSアメリカ艦上で兵装満載のまま短距離離艦を始めるF-35B。 Lockheed Martin 米海軍が小型空母USSエセックスを西太平洋に出動させた。米海兵隊所属のF-35B共用打撃戦闘機を搭載している。この事実は公表していない。 米国はF-35展開を通常は大々的に宣伝するが、今回は沈黙を保っているのは大きな変更を意味するのだろう。 米国には西太平洋に主要敵対国数か国があり、その動きへの対抗上今回は作戦運用を広報活動より優先したのだろう。 米 海軍がF-35配備の動きを宣伝してきた従来の慣行を破りジャンプジェット空母USSエセックスを西太平洋に同機満載し秘密のうちに派遣した。厄介な敵対国対策で米国の対応方法に変化が生まれることを示唆しているようだ。 USSワスプが今年先に米海兵隊所属F-35B部隊を搭載する初の小型空母になった際にはメディア報道があった。だがエセックスの出港では変化がみられ、海軍当局は出港後に事実発表したとUSNI Newsが報じた。 大小問わず空母含む主力艦を米海軍は世界各地に派遣しているが今回のような形の出動は以前に一回あったのみだ。 F-35は史上最高額の兵器システムとなったが費用の膨張や遅延で繰り返し批判を受けてきた。海兵隊運用のF-35Bは垂直着陸と短距離離陸が可能で、強襲揚陸艦で運用できる。AV-8Bに後退して対地対空攻撃ミッションを実施する。海軍用のF-35Cには拘束フックがついており空母着艦ができる 当然ながら米軍は最新ジェット機を見せつけることに熱心であり、ステルスと高性能センサー制御により航空戦を革命的に変えると豪語している。ただしこの広報活動を今