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プロジェクト33でインド太平洋で全領域での統合作戦の実現を目指す米海軍の姿を太平洋艦隊司令官が解説(USNI Proceedings)

  2024年1月25日、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ダニエル・イノウエ(USS Daniel Inouye、DDG-118)がニミッツ級空母セオドア・ルーズベルト(USS Theodore Roosevelt、CVN-71)に横付けし、補給を受ける。米海軍(クリス・ウィリアムソン撮影 米海軍のナビゲーション・プラン2024とプロジェクト33の実施計画がハイエンド戦への対応能力を高める サム・パパロ米海軍大将 2025年1月 Proceedings 第151巻第1号、1463ページ 米 国は、21世紀における最も重要な作戦地域であるインド太平洋地域において、地域の安定を維持し、すべての国の主権的権利を保護するよう努めている。中国、ロシア、北朝鮮が安定性と安全保障を脅かしている。1 これらの国家は、現在のルールに基づく国際システムを自国に有利な状態に変えようと不安定な状況を作り出しているが、米国統合軍は、ますます有能になる同盟国やパートナーと協力しつつ、地域秩序を覆そうとする勢力を阻止する準備を常に整えている。  米太平洋軍は地域統合軍司令官であり、リサ・フランチェッティ海軍作戦部長(CNO)の新たな「2024年航行計画(NavPlan)」およびその実施計画である「プロジェクト33」などの軍のイニシアティブによって強化された陸軍、海軍、海兵隊、空軍、宇宙軍の能力を活用している。これらの軍事能力は、統合軍として連携することで、戦闘領域を拡大し、紛争を抑止し、危機に対応し、必要に応じて戦闘を行い勝利を収めることで、インド太平洋地域における信頼性と抑止力を強化する。 統合軍の能力と、同盟国およびパートナー諸国との相互運用性の核心となるのは、米国の各軍事部門の即応態勢と近代化だ。プロジェクト33は、海軍を個々の軍事部門として改善し、統合戦闘エコシステムへの貢献を強化するための明確な道筋を提供する。 プロジェクト33を通じて、海軍は即応態勢を強化する。具体的には、戦闘即応能力の向上を目的としたメンテナンスのバックログの削減、ロボットおよび自律システム(UxS)の運用化、有能な人材の採用と確保に向けた取り組みの強化、水兵の戦術的熟練度を高めるための柔軟な訓練の改善、必要な即応部隊を編成し維持するための重要なインフラの復旧などだ。 大型艦の建造には数年かかる。...

米駆逐艦がSM-3でイランミサイルの迎撃に成功、空母USSハリー・S・トルーマンは第六艦隊に加わるため移動中(USNI News)

  USS バルクリーBulkeley (DDG 84) は、2024年10月1日、東地中海からイスラエルを防衛するため、イラン弾道ミサイル複数と交戦した。 US Navy Image 米 海軍の誘導ミサイル駆逐艦2隻が、スタンダード・ミサイル3などの兵器を組み合わせて、イランのミサイルを破壊したことを、米政府関係者が水曜日にUSNI Newsに確認した。   USSバルクリー(DDG-84)とUSSコール(DDG-67)は、イスラエルに向け発射されたイランのミサイルに対し、約12発の迎撃ミサイルを発射した、と国防総省は火曜日に発表した。   USNI News の Fleet and Marine Tracker によれば、2隻の駆逐艦はそれぞれ独立して配備され、月曜日時点で東地中海にいた。   国防総省のパトリック・ライダー報道官は、イランのミサイル攻撃からイスラエルを守るために駆逐艦がどのように関与したかについての詳細は明らかにしなかった。   イランは約200発の弾道ミサイルを発射したが、無人機や巡航ミサイルも使用したかどうかは不明だとライダーは述べた。   水曜日の記者団との会話で、海軍作戦部長のリサ・フランケッティ提督は、火曜日の作戦についての詳細は明かせないとしながらも、アメリカはイスラエルが自衛できることを保証することに全力を尽くしていると述べた。   「わがほうの艦船は、(米中央軍)司令官が望むように配置されており......このような攻撃に対応できるように態勢を整えている」と彼女は防衛ライターズ・グループの朝食会で語った。「そしてまた、昨日の報道でご覧になったように、コールとバルクレーはその防衛を行うことができました。ですから、私たちは中東で起こるいかなる行動にも、世界の他の地域と同じように備えているのです」。   フランチェッティ作戦部長は、空母打撃群と水陸両用即応集団が、海兵遠征部隊を伴って中東に計画配備されていることを指摘した。「私の責任は、彼らが訓練され、人員配置され、認定され、準備が整っていることを確認することであり、彼らのスケジュールを管理することである」。   水曜日時点で、USSハリー・S・トルーマン(CVN-75)は米第6艦隊に加わり、東地中...

SSBNコロンビア級投入までのつなぎにオハイオ級の耐用年数延長が始まる

    2021年6月28日、ジブラルタル港に到着したUSSアラスカ(SSBN-732)。 US Navy Photo 最 古参の潜水艦5隻が3年の寿命延長の候補だと、米海軍当局が発表した。 修理期間18ヶ月で、海軍が戦略核の不測の事態に備えミサイル原潜10隻の増加をサポートするため、オハイオ級核弾道ミサイル潜水艦SSBN5隻を対象にすると、戦略潜水艦プログラムを統括するスコット・パパーノ少将Rear Adm. Scott Pappanoは、海軍潜水艦連盟の年次シンポジウムで述べた。 この計画は、2030年10月に最初のパトロールを開始する予定の次期SSBNコロンビア級の初号艦USS District of Columbia (SSBN-826)以下コロンビア級の就役までのつなぎとなる。 パパーノ少将は、「コロンビア級が稼働し、オハイオ級が退役する2030年代が、リスクが最も高い時期になる」と述べた。 今後のSSBNは、初期問題が発生する可能性のある新造艦と、部品故障のリスクが高い最古参オハイオ級が並立すると、パパーノ少将は述べた。 事態を複雑にしている要素としてパパーノ少将は、次期戦略兵器トライデントII D5 Life Extension IIミサイルのテストプログラムがあり、これはSSBN各級でテストする必要がある、と述べている。 新ミサイルはコロンビア級9号艦から搭載され、12号艦まで継続されるが、同級の以前の8隻の潜水艦は後日装備を受けるとパパーノ少将は述べた。このプログラムでは、ミサイルの老朽部品を交換し、2060年代まで寿命を延ばす設計とする。 不活性化前制限使用(PIRA)を受ける初号艦は、USSアラスカ(SSBN-732)で、早ければ2029会計年度に始まる可能性があると、パパーノ少将は述べた。海軍は、確立ずみプロセスに基づき、調達に時間がかかる材料を確保するため、2025年または2026年までにPIRAを進めるかを決定すると、海軍作戦本部(OPNAV N97)の潜水艦戦担当ディレクターダグ・ペリー少将Rear.Adm. Doug Perryが述べた。 「潜水艦の寿命延長の評価プロセスは、高度なまで標準化されたプロセスだ」。「すべての潜水艦は、引退時期が近づくと、艦の物理的な状態の見直しを指示されデータを収集します。艦のすべての部...

2023年度国防予算要求の概要② 米海軍省の艦艇、航空機関連の動向

  今回退役の対象とされる巡洋艦は5隻 米 海軍は、5年間で36億ドルを節約するため、来年度に艦船24隻を退役させたいと発表した。 2023年度予算要で、海軍はフリーダム級沿海域戦闘艦(LSC)9隻、タイコンデロガ級巡洋艦5隻、ロサンゼルス級潜水艦2隻、揚陸ドック艦4隻、給油艦2隻、遠征転送ドック2隻を退役させる。 LCSの退役について、海軍予算担当副次官補ジョン・ガンブルトン John Gumbleton は、コンステレーション級フリゲート艦が対潜能力を持つため、LCSの対潜戦任務が不要となるとした。 「LCSのASW能力を見ての決定です。ASWのミッション・モジュールは、大きな課題を抱えたまま、うまくいきそうにありません。浮いた予算で4隻目のフリゲート艦を導入します。4隻目には効果的なASW能力があると思われるので、LCSポートフォリオでリスクを取ることにした」と、ガンブルトンは記者団に語っている。 コンステレーション級フリゲート初号艦は2026年の納入予定であり、初期運用能力獲得は2030年となる。 「フリーダム級には、駆動系で問題があります。ただしその修正は法外な金額ではありません」と、ガンブルトンは9隻のLCSに言及した。「しかし、艦種2つを維持する代わりに、艦種を一つに絞れば、節約が可能になります。それで今回の決定になったのです」 USSフォートワース(LCS-3)は、海軍が退役させたいLCS9隻の1隻。海軍は2021年度と2022年度にフォートワースを退役させようとしたが、議会が阻止した。フォートワースは2012年に就役した。フリーダム級LCSは、ガスタービンとディーゼルエンジンを結合するコンバイニングギアで問題が発生したが、フォートワースには別のコンバイニングギア機構を備えている。 海軍次官メレディス・バーガー Meredith Berger は、LCSの9隻退役について聞かれ、「費用のかかる修理やメンテナンスから解放される」と述べた。 海軍関係者は、2023年度予算要求について、改訂版の国家防衛戦略、カルロス・デルトロ Carlos Del Toro 海軍長官の目標、海軍作戦部長マイク・ギルデー大将Adm. Mike Gildayの優先事項である即応性、近代化、能力を満たすものと説明している。   「この環境下で、艦隊を持続可能...

米海軍のスーパー駆逐艦ズムワルトが艦体に錆を走らせたまま、第一線配備が進んでいない状態についてSNSで関心が広まっている。

  @CRJ1321 VIA @WARSHIPCAM   米 海軍に三隻しかないDDG-1000級駆逐艦の一号艦USSズムワルトは南カリフォーニア沖合で試験評価と訓練を続けているが、5年前に就役したものの、サンディエゴ湾を定期的に出入りする状況が続いている。二号艦USSマイケル・マンソー(DDG-1001)もサンディエゴに到着し、艤装工事と公試に入った。だがズムワルトの外観がここにきて輝きを失っている。レーダー波吸収タイルの一部が脱色しており、艦体に錆が見られる。     @CRJ1321 撮影の写真がツイッター @Warshipcam に掲載されているが、同艦は通常のきれいな状態と異なる外観だ。   米海軍自慢のスーパー駆逐艦に錆が広がっていることにソーシャルメディアの関心が広がりを見せている。   長期間展開する艦艇を高ピッチで運用した場合は、整備の整った基地に停泊されたままの状態と異なり、艦の状態が悪くなることはよくある。「錆の広がり」は議論を呼ぶが、艦が動く限りは大きな問題ではないとの意見もある一方、海軍内に大きな問題がある証拠で憂慮のタネだとの意見もある。   同艦の外観での言い訳として、そもそも同艦乗組員が最小規模で設計されており、DDG-1000級はアーレイ・バーク級よりはるかに大きいものの、乗組員数は半分程度の175名で、しかもこれは実戦投入時の定員だ。   自動化の採用で省人化を進めているとは言え、肉体労働は必要であり、DDG-1000の清掃対象が広い。ズムワルト級乗員は低視認性塗料の維持もこなす必要があり、艦体には従来艦より曲面が多く錆発生への対応が大変だ。このため、ズムワルト、マイケル・マンソーの艦橋は複合材とし錆の発生を少なくしている。ただし姉妹艦USSリンドン・B・ジョンソン(DDG-1002)の艦橋は鋼鉄製に変更されている。   ズムワルトがいつ第一線配備になるか不明だが、現時点で初期作戦能力は獲得済みのはずだ。米会計検査院(GAO)は主要米軍装備品事業について最新の報告書で同級について以下述べている。 2020年9月時点で海軍は169百万ドルの予算要求でDDG 1000級の少なくとも一隻に新装備4種類の搭載を想定している。さらに追加予算を要求し、残る...