@CRJ1321 VIA @WARSHIPCAM
米海軍に三隻しかないDDG-1000級駆逐艦の一号艦USSズムワルトは南カリフォーニア沖合で試験評価と訓練を続けているが、5年前に就役したものの、サンディエゴ湾を定期的に出入りする状況が続いている。二号艦USSマイケル・マンソー(DDG-1001)もサンディエゴに到着し、艤装工事と公試に入った。だがズムワルトの外観がここにきて輝きを失っている。レーダー波吸収タイルの一部が脱色しており、艦体に錆が見られる。
@CRJ1321撮影の写真がツイッター@Warshipcamに掲載されているが、同艦は通常のきれいな状態と異なる外観だ。
米海軍自慢のスーパー駆逐艦に錆が広がっていることにソーシャルメディアの関心が広がりを見せている。
長期間展開する艦艇を高ピッチで運用した場合は、整備の整った基地に停泊されたままの状態と異なり、艦の状態が悪くなることはよくある。「錆の広がり」は議論を呼ぶが、艦が動く限りは大きな問題ではないとの意見もある一方、海軍内に大きな問題がある証拠で憂慮のタネだとの意見もある。
同艦の外観での言い訳として、そもそも同艦乗組員が最小規模で設計されており、DDG-1000級はアーレイ・バーク級よりはるかに大きいものの、乗組員数は半分程度の175名で、しかもこれは実戦投入時の定員だ。
自動化の採用で省人化を進めているとは言え、肉体労働は必要であり、DDG-1000の清掃対象が広い。ズムワルト級乗員は低視認性塗料の維持もこなす必要があり、艦体には従来艦より曲面が多く錆発生への対応が大変だ。このため、ズムワルト、マイケル・マンソーの艦橋は複合材とし錆の発生を少なくしている。ただし姉妹艦USSリンドン・B・ジョンソン(DDG-1002)の艦橋は鋼鉄製に変更されている。
ズムワルトがいつ第一線配備になるか不明だが、現時点で初期作戦能力は獲得済みのはずだ。米会計検査院(GAO)は主要米軍装備品事業について最新の報告書で同級について以下述べている。
2020年9月時点で海軍は169百万ドルの予算要求でDDG 1000級の少なくとも一隻に新装備4種類の搭載を想定している。さらに追加予算を要求し、残る各艦への装備搭載を進めるとしている。海軍は各装備品は艦艇搭載に向け成熟化済みと主張するものの、搭載の完了は2021年12月の初期作戦能力獲得から数年先となる。このためDDG 1000級各艦は少なくとも2025年までは想定した作戦能力を下回る状態のままとなる。
ズムワルトの近況について海軍に照会している。同艦は巨額の予算を投じ物議を醸しだしたものの、このような状況に置かれているのは不幸とした言いようがない。外観のみじめさのため、同艦が初めて出動した際の成果予想に陰りを落としてる。
海軍省は以下返答してきた。
USSズムワルト(DDG 1000)は高度消磁テストを終え12月9日母港に入港した。水上艦部隊には常に錆との戦いがある。運用環境の厳しさのため乗員は懸命に錆対策を整備中に行い、艦艇の戦力維持のため乗員訓練が必要だ。■
The Navy's $9B Stealthy Super Destroyer Is Covered In Rust
The controversial futuristic warship looked less than gleaming as it pulled into San Diego Bay recently.
BY TYLER ROGOWAY DECEMBER 10, 2021
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