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Su-57はF-35の性能より劣る。ステルス性能、無人機との共同運用、電子戦装備、極超音速兵器運用のいずれもロシアの遅れは明らか。だが本当にF-35がそこまで優秀なのだろうか。

 Su-57が見掛け倒しなのか、F-35が拡張性があるから技術の進展に対応できるのか。真実はまだわかりませんが、少なくともロシア空軍もSu-57の意味のある導入がままならないのは事実のようですね。


Russian Su-57s Can't Compete with U.S. F-35s. Here's Why

 

 

シアのSu-57が米F-35やF-22に対抗できないと考えてよい理由がある。また今後登場する第六世代機に対しても米機は優越性があると考えてよい。

 

 

なぜか。ステルス性能、極超音速兵器、有人無人機の同時運用を考えればよい。

 

Su-57の実態がいまだに不明なため、少なくともロシアの報道記事での主張は忘れてよい。

 

ただし、ロシア政府のお墨付きを付けた新聞記事が最近出ており、ロシアも有人機無人機同時運用の「忠実なるウィングマン」機能でF-35に遅れているのは認めているようだ。

 

例としてペンタゴン、空軍他が「忠実なるウィングマン」構想の推進に注力しており、F-35のコックピットから無人機の飛行進路を制御したり、センサーを操作しデータ解析が可能となる。

 

つまり作戦上の効果と戦術戦力が著しく向上することになり、無人機からの映像やデータを有人機上で活用できるようになる。

 

この技術の実証を空軍はめざしており、そのひとつ「ヴァルキリー」無人機がF-35と並行して飛行しているが、空軍技術陣は10年前からこの技術開発にあたっている。

 

2014年に、空軍の科学主任だったグレゴリー・ザカライス博士と話したことがある。博士の専門は自律運航でF-35で無人機との同時運用が現実になると述べており、正しく予見していたことになる。

 

この機能で前例のない作戦上の優位性が生まれる。たとえばF-35が無人機を敵防空体制の空域に前進させ、有人機の指令でISR活動や兵装を発射する。「忠実なるウィングマン」構想の最大の売りはセンサーからシューターへの時間差を短くすることにある。

 

Su-57の実力は


 

イズベスチアの昨年の報道によれば、ロシアはS-70オホートニク-B無人機とSu-57のネットワーク化をめざし、米国の有人機無人機同時運用に追いつこうとしているようだ。

 

詳細は不明だが、米空軍がすでに直接のデータリンクを無人機とF-35で実現していることを考えると、ロシアは後れを取っている。

 

二番目に、ステルス機能を実現する要素に機内エンジンの排熱処理やレーダー吸収塗料があるが、Su-57はF-35の水準に追い付いていないようだ。

 

Su-57にも機内兵装庫があり、F-22に似た双発構造だが、曲面処理や機体表面のスムーズさがF-35より見劣りがする。Su-57はたしかにステルス性能を有しており、主翼機体の一体化等の特徴は見られる。

 

Su-57はマッハ2の飛行性能があるとされ、米F-22のマッハ2.25より若干劣るようだ。今後登場する第六世代機の速力も考慮する必要がある。

 

ステルス性能以外ではF-35のミッションシステム各種の優秀性が目立ち、長距離高解像度のセンサーと標的捕捉機能、コンピュータ処理能力、兵装の有効射程、誘導装置が高性だ。

 

敵をアウトレンジ攻撃できること、「センサー融合」で多様なデータを瞬時に統合し解析する能力を考えると、F-35の実戦能力のほうが優れている。

 

Su-57がAI機能を活用したコンピュータシステムで運用されるのか、F-35に匹敵する性能があるのか、これまでの常識を破るAIM-9Xなみの誘導兵器を運用できるのか不明な点は多い。ただし、F-35でもEW(電子戦)装備の実態は不明で、極めて高性能といわれるだけだ。

 

敵の兵器誘導システムを探知し妨害する機能に大きな意味がある。また敵の通信内容の傍受も可能だ。米産業界はペンタゴン、空軍と共同で敵の対抗装置を妨害する手段の開発に努めてきた。つまり、敵の妨害工作に影響を受けない兵器誘導手段を狙う。敵が無線交信や赤外線標的捕捉を妨害しようとすれば、EW対抗措置や各種通信の強化策で対抗することになる。周波数の頻繁な変更もそのひとつだ。

 

ではSu-57が発射する飛翔コースを変更可能な兵器はどこまで有効なのだろうか。兵器誘導装置は妨害に耐えられるのか。ロシアはウクライナでの軍事行動中に高度のEW戦術を示したが、Su-57の実際の性能が高いとは限らない。

 

兵装面ではロシア紙はSu-57で極超音速空対地ミサイルの「試作型」を運用可能と伝えている。

 

匿名筋の話として昨年に国営RIAノーヴォスチ新聞に出た記事ではSu-57で試射したミサイルは「完全に機能する実寸大のモックアップ」だったとあるが、発射しなかった。記事では「ダミーのミサイルには推進手段がなく、燃料、弾頭もつけていなかったがそれ以外は実際の兵器と重量寸法が同じだった」とある。

 

ロシア紙ではテスト版のミサイルには「シーカーヘッドと電子回路がついていた」とある。また記事では新型兵器の詳細を伝えており、「小型の空対地兵器で敵の防空ミサイル防衛体制を撃破し、巡航ミサイルや弾道ミサイル発射装置を攻撃するのが目的」とある。

 

ARRW 極超音速兵器


こうした装備が実際にどこまで有効に使用されるのかが不明だ。米空軍は空中発射式迅速対応兵器ARRW極超音速兵器の開発を急速に進めている。

 

ARRWは戦闘機から発射可能な極超音速攻撃兵器でマッハ20に達するといわれる。ロシアは極超音速兵器で優越性があると主張するが、極超音速兵器では第五世代機からの運用に成功した側が優越性を享受できる。ここでも米国が先を走っており、F-35での運用が迫っている。

 

この点を説明するとF-35はもともとパラダイムを一変させるような新型兵器であってもソフトウェアのアップグレードで対応するよう設計されているかrだ。つまるところ、詳細は不明だが、S-57がF-35の真のライバルになる可能性は限りなく低いと言わざるを得ない。■

 

Russian Su-57s Can't Compete with U.S. F-35s. Here's Why

Reasons for F-35 dominance include hypersonics and manned-unmanned teaming

KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN

 

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master’s Degree in Comparative Literature from Columbia University. 


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