Two U.S. Air Force F-35A fighter aircraft from Hill Air Force Base, Utah, fly in formation with two Finnish F-18 Hornets while en route to Turku, Finland on June 13, 2019. (US Air Force/ Airman 1st Class Jovante Johnson)
フィンランドの次期戦闘機選定でF-35の評点が4.47と次点の3.81に大差で採択された。
ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機がフィンラインドのHX戦闘機選定で採択され、契約規模は100億ユーロ(110億ドル)相当になる。
フィンランドはF-35A通常型離着陸仕様を合計64機導入する。近隣諸国ではノルウェイもF/A-18ホーネットの後継機種として導入している。また、機体以外に兵装類及び機体維持パッケージも導入する。
フィンランド国防相アンティ・カイコーネンAntti Kaikkonenは採択結果を伝える報道会見で「接戦だった」と述べた。
ロッキードには競合相手多数があり、ボーイングはF/A-18E/Fスーパーホーネット、ユーロファイターのタイフーン、ダッソーのラファール、さらにSaabのグリペンEがあったが、F-35が各機より優れるとの評価を得た。
フィンランド空軍司令官パシ・ヨキンネン少将 Maj. Gen. Pasi Jokinen によればF-35が全分野で最高評価点を得ており、性能評価で4.47点で、要求水準の4.0点を上回った。次点の機体は3.81点に過ぎなかったという。
フィンランドHX競合が防衛ウォッチャーの関心を集めたのは同国の調達戦略が独特なためで、フィンランドの要求内容に応えるべく参加各社は複数機種含む各種システムを提示可能としていた。例として、SaabはGlobalEye空中早期警戒機もパッケージとして提示し、ボーイングはEA-18Gグラウラー電子攻撃機も加え提案した。選定は二週間にわたる戦闘シミュレーションで幕を下ろした。
「最高の性能を有するシステムの選定が重要となり、支援要素や開発力をライフサイクルにわたり提供できるかを判断した」(カイコーネン)
「F-35はフィンランドの要求する保安体制、供給力、産業界の関与、費用の各面で合格した。軍事性能面の評価で同機は総合戦力で最高点となり、我が国の防衛力強化に役立つと評価した。同機の性能は空陸海のいずれでも最高点となった」
フィンランド向けF-35一号機は2025年に引き渡し予定で同年に旧型ホーネットの用途廃止が始まる。
ロッキード・マーティンは選定結果に早速歓迎の意思を示し、同社提案が産業界にも恩恵を与えると強調した。
「フィンランド政府により開かれた競合の結果当社のF-35が選定されたことを名誉に思います。今後はフィンランド国防軍並びにフィンランド防衛産業界と協力しF-35の納入及び維持に努めます」と同社F-35事業担当副社長ブリジット・ローダーデイルBridget Lauderdaleが声明文を発表している。
「F-35はフィンランド国内産業界にもデジタル機能による第五世代機技術及び製造の強化という効果をもたらします。同機関連の製造は20年超にわたり続き、機体維持関連の業務は2070年代まで展開します」
同社提案の産業界への優遇策として機体前方部分、一部構造部品をフィンランド等で生産し、エンジン最終組立もフィンランド軍機向けに行うとフィンランド国防省が発表している。
今年に入りF-35はこれで二件目の採択を勝ち取った。6月にスイスが同機をダッソー、ユーロファイター、ボーイングを破り採択した。契約規模は65億ドル。カナダも待望久しい戦闘機選定結果を来年早々に発表する見込みでF-35とグリペンに絞り込まれている。
各国の選定でF-35は連戦連勝だが、ドイツは例外だ。ハイエンド戦闘機材の導入財務的に可能な各国はF-35に傾いており、その他機材がことごとく敗退している。
ボーイング広報はフィンランド選定結果に失望したとしながら、スーパーホーネットとEA-18Gグラウラーの今後の採用に期待し、「両機種への国際市場の関心は大きい」とした。
Saab広報はフィンランドとは今後も緊密に協力していくとし、「今回の結果は当社の期待通りにならなかったが、Saabはきわめて強力な提案を行い、グリペンとGlobalEyeを組み合わせ、総合的なパッケージとしたほか、広範な産業界の関与を提示した」と述べている。■
Finland picks F-35 in $11B fighter battle - Breaking Defense Breaking Defense - Defense industry news, analysis and commentary
on December 10, 2021 at 9:58 AM
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