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期待高まる新技術、太陽光電力を無線に変換し地上送信する実証実験にAFRLが成功。軌道上太陽光発電施設の構築は2025年予定。実現すれば米軍の作戦活動に大きな変化が生まれる。

AFRL


KIRTLAND AIR FORCE BASE, N.M. (AFRL) – 

空軍研究本部(AFRL)がノースロップ・グラマンと開発中の宇宙太陽光発電段階的実証研究プロジェクトSpace Solar Power Incremental Demonstrations and Research (SSPIDR)の一部となるアラクネー宇宙機Arachne flight experimentの構成部品でエンドツーエンド実証実験に成功した。

 

新型構造部品「サンドイッチタイル」の地上実証で太陽光を無線周波数(RF)への変換に成功した。大規模太陽光発電を宇宙空間で行う道が開いた。


AFRLはノースロップ・グラマンに100百万ドル超の契約を2018年に交付し、試作型宇宙太陽光発電システムの中核構造部品の実証用ペイロード製作を求めた。サンドイッチタイルとはアラクネーのペイロードで重要な部材となり、今後の大規模実用システム製造の基礎となる。

 

サンドイッチタイルは二層構造で、まず高性能太陽光電池(PV)で太陽エナジーを集め、電力として第二層へ伝える。この第二層に配置したコンポネントで太陽光をRFへ変換し、送信する。


「太陽光をRFへ変換するのに成功し、軽量で拡大可能な宇宙構造物に一歩近づきブロック構造でアラクネーを実現する」とノースロップ・グラマン副社長ジェイ・パテルJay Patelが述べている。「世界各地に展開する米軍部隊に戦略的優位性を約束する機能の実現を今後も支援していきます」


関係者がノースロップ・グラマン社施設に集まり、大きな一歩となった今回の実証を見守った。


「SSPIDRプロジェクト室は今回の基本性能実証に大きく感動しています」とSSPIDRプロジェクト副主幹メロデイ・マーティネスMelody Martinezが感想を述べている。「太陽光エナジーをRFエナジーに変換できたことの意味は大きく、宇宙配備太陽光発電が大規模地表ビームで送信可能となります」


地上実証ではシミュレーターを使い、タイルのPV側が輝き太陽光-RF変換が進行中だとわかった。参列者はリアルタイムのRF出力データをモニターでフレキシブルプラスチック防護の後ろから確認した。 RFエナジーがピークに達すると太陽光RF変換が成功したとわかり喝采を上げた。


「SSPIDRで重要な場面に立ち会えて気分が高揚した。ノースロップ・グラマンのこれまでの奮闘が成果を生んだ」とアラクネー技術主任カイル・グレイクマンKyle Gleichmanが感想を述べている。「今後は中核となるペイロード打ち上げが控えており、さらなる一歩に踏み込みたい。軌道上でこの技術を早期に実現し、ニーズに答えたい」

 

アラクネー用のタイル機能実験に成功し、一平方メートルブロックを製造するめどがついた。これまでの太陽光-RF変換実験でもこの規模は未実施だ。アラクネー打ち上げは2025年の予定。■

 

AFRLとは

空軍研究本部(AFRL)は空軍省の第一線科学研究開発拠点で、導入可能な戦闘技術を空、宇宙、サイバー空間で開拓、開発、統合で重要な役割を果たしている。技術9分野で世界各地で40超の各種業務に11,500名が従事しており、AFRLが取り扱う科学技術分野は基礎研究から高度研究さらに技術開発へと多様にわたる。詳しくは以下へ。www.afresearchlab.com



AFRL, Northrop Grumman demonstrate solar to radio frequency conversion > Air Force Research Laboratory > News

AFRL, Northrop Grumman demonstrate solar to radio frequency conversion

 

  • Published Dec. 21, 2021

  • By Rachel Delaney

  • Air Force Research Laboratory


これはすごい。日本もオーストラリアで同様の実験を進めていますが、やはり安全保障がからむと真剣度、予算投入規模がちがうのでしょうか。軍事行動のエナジー供給で心配がなくなれば、兵たん活動が伸びる脆弱性から解放されるなど、大きな意味があります。民生用にも無限かつ安価な宇宙からの供給が実現すれば、今後増えるエナジー需要に応えるとともにいよいよ石油文明が終焉を迎えそうですね。

 

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