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主張 ソ連共産党体制崩壊から30年。中国共産党はソ連と同じ結末に向かっている。

 2022年はいよいよ中国でこれまで隠してきた不都合な点が次々に露呈する予感がします。ただし、我々は中国人と中国共産党をはっきり区別する必要がありますね。

 

ChinaChinese President Xi Jinping. Image Credit: CCP.

 

ハイル・ゴルバチョフ総書記長がソビエト社会主義共和国連合を解体したのが1991年のクリスマスのことだった。以来三十年が経過し、中国共産党(CCP)はソ連崩壊を意識しつつ、ソ連と同じ運命を先送り仕様と画策している。

 

この十年間習近平総書記の下で中国を統治する同党は流れを変えた。結果として今日のCCPは多くの面で1980年代のソ連共産党に匹敵する存在になっているとDefense & Foreign Affairs Strategic Policy編集長グレゴリー・コプレイGregory Copleyが指摘している。

 

観測筋の多くがゴルバチョフは瀕死状態のソ連を引き継いで対策を打つ必要にあったと指摘。ただし、ゴルバチョフの大胆な改革策グラスノスト(開放)、ペレストロイカ(改革)がソ連終焉を早めたと見る向きが多い。

 

習近平もゴルバチョフを批判していた。「ソ連がなぜ分解したのか。ソ連共産党がなぜ崩壊したのか」と2012年12月に広東省での非公開会合で発言した。第18回全国人民代表会議で書記長に任命された翌月のことだ。「理想と信念が揺らいだのが重要な理由だ」

 

「ゴルバチョフの口からソ連共産党解体という言葉が静かに出てきた。これで偉大な党が姿を消した」と習は述べ、「結局、真の勇気を持つ人がいなかったのだ。だれも異論をさしはさまなかった」

 

この習発言は「新南巡講話」と呼ばれている。毛沢東の後継者となった鄧小平が1992年に広東省で新センで経済改革を提唱した発言にちなむ。

 

鄧小平は「外部世界への改革開放」を進め、中国共産体制が経済自由化で繁栄を提供できなければ毛沢東主義の残滓を乗り越えられず存続が危うくなると考えていた。「豊かになることはいいこと」と本人が実際に発言していないが、この文言が本人についてまわっているが「貧困は社会主義と無関係」と実際に発言していた。

 

習近平が2012年講話で広東省を選んだのは偶然ではない。むしろ復古調の発言で第一期中国共産党最高指導者の路線を復活させたのだ。鄧は中国共産主義体制を毛沢東から救ったと自認したが、習は中国共産党を鄧から救ったと考えている。

 

ソ連崩壊の理由として経済があまりにも非効率だったことを多くの識者が指摘している。ただし、もっと根本的な理由があった。「ソ連体制の前提は国民意識の統制にあった」と指摘するのはロシア研究者デイヴィッド・サッターで、「誤った方向への改革を目指す中で真実を認めれば、虚偽に基づいた制度の崩壊は不可避となる」

 

鄧小平改革は繁栄をもたらしたが、同時に共産党支配が及ばない新たな有力者も生んでしまった。さらに重要なのは一般中国国民の間に政治統制が弱まるとの期待を生んでしまったことだ。そのため、改革は毛沢東主義を弱体化し、党の正統性と社会統制が後退した。1989年の北京の春に首都で大規模デモが発生し、その他数百か所でもデモが見られたのは国民の側に変化の可能性を感じるとともに要求をあげる動きがでたためだ。

 

ここまで広がった抗議運動に鄧小平は共産党の権力掌握を示すべく国民の生命を平然と奪い、権力支配の延命化を図った。その後後継者二人江沢民、胡錦涛は鄧小平の血なまぐさい対応をかばい、事件の教訓を学ぼうとしなかった。その結果、中国国民は党への恐れをすでに失い、再び党の正統性を受け入れなくなった。

 

習近平はその正当性を受け入れるよう求めており、毛沢東主義を思わせる「共同富裕」にそれが明らかだ。習は改革の流れを逆行させ、民間部門を攻撃し、専制主義を旨とする社会統制を復活させ、絶対服従の政治を求め、海外とのつながりを切ろうとしている。中国が世界から切り離されるのが習同志が狙う共産体制温存の手段だ。「習は失敗したソ連モデルを踏襲している」とコプレイは評する。

 

習は使い古された中国の定石に頼っている。孤立主義、排外主義の傾向は中華人民共和国建国初期の政策であり、2千年にわたる中華王朝時代を想起させる。ジョージア工科大のフェイ・リン・ワンFei-Ling Wangが著書The China Order: Centralia, World Empire, and the Nature of Chinese Powerで孤立主義は中国式全体主義の一部であると主張している。

 

ペンシルベニア大のアーサー・ウォルドロンArthur Waldronは中国の統治者は定期的に他国との接触を避け、「社会の無秩序化を招かないようにしてきた。まさしく今日の中国はグローバライゼーションで混乱している」と述べているが、習近平はまさしくこの方式に戻ろうとしているのだ。

 

これまでの中国でみられたように鎖国すれば経済は停滞し、破綻が避けられなくなる。現時点の中国経済は縮小方向に向かっているのも習の視点が誤っているせいだろう。

 

中国共産体制を救う道はない。鄧は開放でつまづいた。習は孤立化で失敗を招きつつある。中国指導部は常に中国jの政権体制は独特と主張してきたので、中国ゆえの失敗ということにしよう。■

 

China Is Becoming the Soviet Union - 19FortyFive

ByGordon ChangPublished8 hours ago

 

Now a 1945 Contributing Editor, Gordon G. Chang is the author of The Coming Collapse of China and The Great U.S.-China Tech War. Follow him on Twitter @GordonGChang

In this article:China, Fall of Soviet Union, featured, Soviet Union, USSR


コメント

  1. ぼたんのちから2021年12月26日 23:53

    ソ連は、政治、経済、社会の閉塞状態に陥って自壊したが、CCP中国が同様の状況に直面してもソ連と同じように崩壊することは限らない。
    習は、国家が閉塞状態に陥ることを見越して、記事のように鎖国をするのかもしれない。鎖国は経済の縮小をもたらし、共同富裕は、共同貧困になり、不満を持つ人民には徹底した弾圧を加えるつもりでいる。
    「新南巡講話」の「真の勇気」とは、中国のCCP支配の「理想と信念」を堅持し、いかなる犠牲を払ってもそれを貫徹することであり、天安門事変をはるかに越える人民弾圧が予想される。その手段は、最初に武警が使用され、最終的にCCPの私兵であるPLAが担うことになる。この弾圧は極めて強力で、人民にとって大きな悲劇になると思える。
    そうなれば、習は、CCPの「理想と信念」に基づく中国支配に執着し、人民の生命をないがしろにできる「真の勇気」を示すということになるのかもしれない。
    しかし、過去の中華帝国滅亡の展開が示すように、どんなに強固な専制政治下であっても、反乱と裏切りが続き、大きな犠牲があっても、ドミノ倒しのように政権が崩壊するのかもしれない。こちらの方が、中国にふさわしい。
    だが実際の展開は、第二の文化大革命と習の終身支配、CCP支配のさらなる継続になる可能性が最も高いように思える。

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