クリスマス特集です。肩の力を抜いてください。
ヒル空軍基地(ユタ州)で、第419戦闘航空団のF-35ライトニングIIの前で写真撮影をするサンタ。同航空団は子供たちにクリスマスパーティーを毎年開催し、世界各地に展開する多忙な1年を終えた予備隊員が家族と再会する機会を提供している。2019年12月8日 (U.S. Air Force photo/Senior Airman Justin Fuchs)
60年もの間、NORADのサンタクロース追跡は、世界中の子どもたちにサンタクロースの領空侵犯データを提供し続けてきまた。新聞の誤植から始まったサンタさん追跡は、今では国防総省の広報活動の柱だ。サンタを防空上の脅威として扱うことで、ホリデーシーズンの伝統を軍事航空に結びつけた。サンタのトナカイが世界中に恐怖の雨を降らせることを考えると、北極方面での防衛努力の変遷を検証する価値があるのではないか。
サンタクロースはいつも空中を飛んで各家庭にプレゼントを届けていたわけではないが、19世紀半ばのアメリカのクリスマスに、空飛ぶトナカイのアイデアがすでにあった。つまり、サンタは空の領域を完全に支配していたのである。サンタの空域支配に対する最初の挑戦は、第一次世界大戦だった。第一次世界大戦中、防空技術は急速に発展し、戦闘機が登場し、空の支配に挑戦した。また、地上対空火砲の射程距離や殺傷能力も飛躍的に向上した。サンタは、飛行船と飛行機の両方を試験的に導入したが、前者は可燃性が高く、うまくいかなかった。「サンタの飛行船」は、あっという間に歴史のゴミ箱行きとなった。
第一次世界大戦後、追撃機や対空兵器に対するサンタの答えは、より高く、より速く、そして可能な限り多数の仲間を連れて飛ぶことであった。戦間期の北極戦術航空学校の教義では、装甲と重武装を施したトナカイ編隊は対空攻撃の有効範囲以上の高度で活動しながら、敵の戦闘機を追い越したり、かわしたりできると主張があった。しかし、レーダーと地上戦力の発達により、トナカイ編隊は全く通用しなくなった。
第二次世界大戦後、ジェット機やミサイル技術が発達し、様相は再び変わった。ターボジェットのトナカイが引くそりは、より高く、より速く飛ぶことができた。しかし、そりがいかに高速でも地対空ミサイルが狙えることが経験的に分かっていた。そこでサンタは、迷った末に、レガシーシステムの組み合わせで任務を遂行することにした。 高空精密飛行ではなく、低空低速で接近し、スタンドオフシステムで防空網を切り抜け、プレゼントを射程距離内に届けるというものである。その後、防空システムを攻撃し、サンタのそりに道を開くための訓練と装備を施した特殊なトナカイをサンタの妖精たちが開発した。この "ワイルドトナカイ "は、地対空ミサイルをターゲットとし、特殊弾でサンタに安全経路を切り開いた。また、電磁波を利用して、防衛用レーダー、通信システム、ミサイル誘導システムなどの破壊も行った。
結果として高価で扱いにくい巨大「プレゼントパッケージ」が生まれた。そこで、サンタの妖精たちは、単独でレーダーや強力な防空網を回避できるステルス技術の開発に着手した。サンタには夜間のみ活動するとの利点があったが、特殊なステルスコーティングとレーダーを無視した形状では、そりの防御はほとんど不可能になった。ルドルフは鼻が明るいこともあり、ステルス性に欠け、1993年に退役した。
しかし、ステルスは高価であり、ステルスそり部隊の大規模調達とメンテナンスコストにはサンタも白目を剥いた。技術輸出によるスケールメリットは、問題の一部しか解決しない。北極の巨大な玩具工場で培ったノウハウを生かし、軽量で安価なドローン技術を核としたシステムを開発した。このドローンは、防空網の構成要素を探知、追跡し、目標に弾薬を誘導したり、目標そのものを破壊できる。サンタのドローンは、北極にあるドローン技術と通信技術を駆使し、防空網を突破できる。
制空は重要であり、航空攻撃と航空防衛のバランスは進化し続けている。トナカイは航空環境が許せば生き残れるが、サンタはそのような環境が将来も続くと期待できない。北極の空の支配を維持するため、サンタクロースが宇宙戦力を開発する日が来るだろうか。可能性は十分にあり、むしろ必然だろう。■
NORAD恒例のサンタ追跡サイトはこちらから。
https://www.noradsanta.org/en/
Santa Claus: The Ultimate Air Defense Threat?
https://www.19fortyfive.com/2021/12/santa-claus-the-ultimate-air-defense-threat/
Now a 1945 Contributing Editor, Dr. Robert Farley is a Senior Lecturer at the Patterson School at the University of Kentucky. Dr. Farley is the author of Grounded: The Case for Abolishing the United States Air Force (University Press of Kentucky, 2014), the Battleship Book (Wildside, 2016), and Patents for Power: Intellectual Property Law and the Diffusion of Military Technology (University of Chicago, 2020).
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