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5月, 2020の投稿を表示しています

パンデミック後のPRC⑦ 解放軍予算は最低の伸びとはいえ7%弱増、台湾へ圧力をかける

  全国人民代表会議には習近平主席も参加し2020年5月22日に北京で開幕した。 (Kevin Frayer/Getty Images) 中 国は今年の国防予算を前年比で6.6パーセント増と30年で最低の成長率と発表した。 金額で昨年の1670億ドルが1782億ドルになる。この規模は米国に次ぎ第二位。伸びは 最低 とはいえ、110億ドルの予算増は中国のこれまでの実績でも第5位の規模だ。▶背後には人民解放軍PLAにCOVID-19パンデミックの影響を与えない意図が見える。中国経済は2020年第1四半期に対前年比で6.8パーセント縮小した。▶李克強首相は実質は政府のいいなりの人民代表会議開幕で演説し、PLAへの悪影響を否定した。▶「国防体制と軍の改革を進め、補給活動を強化し、革新的国防関連技術の開発を強化する」(李)。 李首相は台湾にも触れ、「独立を志向する分離主義の動きには断固反対しこれを抑える」とし、台湾住民に「本土に加わり、再統一の動きに合流せよ」と訴えた。▶意図的なのか李首相は台湾再統一で「平和的」との表現を避け、これまでの中国指導部が全人代で台湾に関し発言する際の常套句を使わなかった。中国は台湾再統一に際し武力行使を放棄していない。 李首相発言と同時に米国防長官マーク・エスパーは台湾を支持する米国の立場を再確認した。長官は米国は「台湾支持の公約を確実に守る」と述べ、台湾関係法の縛りもあり、台湾に必要な防衛装備を供給すると発言。▶米国務省は台湾向け潜水艦用大型魚雷18本を180百万ドルで売却する案件を21日木曜日に承認した。Mk 46 Mod 6高性能技術魚雷は台湾海軍潜水艦に搭載される。2017年には同様の兵装48点の売却があった。 台湾報道では台湾周辺で中国軍がパンデミックと無関係に活動を続け、中国艦艇航空機が国際空域、海域で定期的に活動している。中国は通常の訓練とするが、台湾政府は台湾への脅迫と見ている。■ この記事は以下を再構成したものです。 China announces $178.2 billion military budget By: Mike Yeo    7 hours ago

米海軍:X-37で軌道上から地上へ送電の実験を行う

米海軍は巨大な太陽光パネルから地球上への送電を試行する。 国防総省発表に米宇宙軍がX-37B再利用可能スペースプレーンで宇宙空間実験を行うとあり、種子への放射線の影響を見る実験と、注目すべき内容ではない。 一方で、さりげなく目立たない形で海軍研究本部が太陽光エナジーを地球に送る活用方法を模索すると記述がある。マイクロウェーブエナジーに変換し地上へ送信すると広報資料にある。▶太陽光パネルをX-37Bに搭載し軌道上で太陽光エナジーを集めて地球へ送る構想だ。 宇宙からの送電実験 十分に作動する設計なら太陽光を収集し、莫大な量のエナジーを地球に送れる。宇宙空間なら雲に遮られることもなく発電効率が上がり、パネル上に埃もつかないはずだ。▶集めたエナジーは地球にマイクロウェーブとして転送する。エナジー収集のしくみは緊急時電源としてさらに軍事用途にも使える。▶移動困難地に展開する地上部隊も理論上は制限なしで莫大なエナジーが使えるようになる。燃料補給装備のトラック、タンク等が不要になる。▶さらに太陽光エナジーは軌道上の宇宙ステーション、スペースプレーンや衛星等に電源供給できる。 課題は ただし、実現までに克服すべき課題がある。海軍研究本部のポール・ジャッフェ博士の説明では宇宙空間への打上げる費用が高額なことが一番だ。重量がかさめば多くの推進剤が必要となり費用も上がる。重量を最小限にするには内部部品を小型軽量化する必要があり、技術面で難易度が上がる。▶その他として太陽光収集だけの問題ではなく、衛星全般に共通する要素がある。いったん打ち上げれば、軌道周回中の衛星の速度は相当早くなる。別の軌道から地球上の任意地点にエナジー送信するのは難題となる。この目論見が実現可能となるかはわからないし、コストと技術上の課題も残る。■ この記事は以下を再構成したものです。 Yes, the U.S. Navy Wants to Harvest the Sun’s Energy May 22, 2020  Topic: Technology   Region: Space   Blog Brand: The Buzz   Tags: America U.S. Navy Space Force Sun Sunlight Solar Po

主張 少ないF-22「最重要航空機材」をフル活用すべき米空軍

     デプチュラ退役中将とバーキー両名が「最重要軍事装備」と呼ぶF-22 (Air Force ) 5 月15日に訓練中のF-22ラプター1機の喪失事故が発生し、同機の配備規模で警鐘となった。 アフガニスタン、イラクでの対戦闘員作戦を重視しすぎたあまりF-22調達は187機と小規模で終了した。空軍の要求は381機だった。今や、両国での戦闘は過去となり、新しく国防戦略構想が出た中で、F-22の性能がさらに重要度を増している。 第5世代機の同機こそ最重要軍事装備であり、今回の事故喪失でF-22の性能向上改修には予算を全額計上し実施の必要を痛感している。これからもF-22に匹敵する性能を有する機材は米国でも他国でも生まれない。同機に関する予算管理、機材管理には現実を反映させねばならない。 F-22の主要任務は航空優勢の確保にある。これが軍事作戦の成功に不可欠なことは言うまでもない。同機は地上目標も精密攻撃可能な性能を有し、敵が優勢の環境でも情報収集監視偵察任務もこなせるが、なんといっても空対空戦の王者だ。各種の性能を実施でき、その全貌は公開されていないが、F-22はわが国の通常抑止力で最大効果を発揮する。他機種より小規模な部隊編成だが、他機種と比べようのない戦闘効果がF-22から生まれる。 ステルス、センサー技術、処理能力、卓越した飛行性能でF-22は他機種の追随を許さない。一部の機能だけ有する機体はあるが、F-22のように全て包括した機体は存在しない。ステルスにより敵機は接近攻撃がきわめてむずかしい。センサーと処理能力で戦闘空間の把握は驚くほど精密になる。速力と操縦性で同水準の機体はない。F-22の真価に疑問を呈する向きには同機の水準に近づこうと必死な各国の姿を見てもらいたい。いかにF-22が画期的かがわかる。 わが国にF-22がもっと多く必要な事実は実に単純明快だ。だがF-22生産ラインは閉鎖され数年が経過し、生産再開は容易ではない。F-35はもともとF-22の補完用であり、対地攻撃能力を充実させ、同機も今後の航空戦力整備で不可欠な機体だ。F-22配備数が小規模のため、F-35の年間調達規模が一層重要になっている。今後登場する制空戦闘機構想はなんとしても進める必要がある。 ただし、COVID-19関

地磁気減少と国家安全保障の関係:地球環境に大きな変化が起こる前兆か

大西洋上の問題だからと安閑としていられません。この惑星上の生命を守っているのは放射線から守るシールドがあってこそで、地磁気の減少でこのシールドが弱まれば、まずガンの発症が増えたり、地震が増えるでしょう。あるいは磁極逆転になるのか。人類の存続があやうくなるのでは 。 南 大西洋上空に地磁気が弱い箇所があり、ここ50年で規模を拡大しながら年間12マイル西に移動している。 南大西洋上空異常現象と呼ばれ、地球を守る磁場が消えれば、危険な太陽放射線にさらされる危険事態が発生しかねない。▶欧州宇宙局ESAは異常現象がここ5年で二方向に分離したと報告。一つがアフリカ南西の洋上で、もうひとつは南アメリカ方面だ。▶「南大西洋上空異常現象の東側部分は10年前に登場し、最近は大きく発達している」とドイツ地球科学研究所が指摘している。▶地磁気全体は200年でおよそ9%減少しているとESAはまとめている。▶異常現象が二分化した理由は科学陣でも解明していない。地球内部の核の動きとの関係の解明が急務という。 磁場の衰弱は衛星や宇宙機にも影響を与える。▶太陽光中の高電荷粒子が増えれば地球を守るシールドを通過しやすくなる。▶低地球軌道上の宇宙機や衛星が粒子を浴びればハードウェアの損傷や故障発生につながる。また内部の電子装備の機能が低下し、重要なデータ収集機能が遮断されたりコンピュータ部品の劣化が進む原因となる。 さらに国際宇宙ステーションの問題がある。2018年度の研究報告によれば異常現象部分を通過するとステーション内部の人員は「強度の放射線に数分間被爆する」とある。 地球の磁場は地表1800マイル下にある外核の流体状の鉄の渦巻移動が生んでいる。▶変化を正確に観測するためESAはSwarm衛星3機を利用している。■ この記事は以下を再構成したものです。 Satellites in Danger as Earth’s Magnetic Field Weakens May 29, 2020  Topic: Space   Region: Space   Blog Brand: Techland   Tags: Satellites Space Space Force Magnetic Field Earth Orbit by Ethen Ki

パンデミック後のPRC⑥ 科学技術振興で反撃に出る米国

  (Mark Schiefelbein/AP) 意 見対立があたりまえの米議会も中国への怒りで団結している。 米議会は1,000億ドルを全米科学財団に投じ人工知能、量子コンピュータ、高度通信技術、ロボット工学他の研究を促進させる。超党派提案で上院の民主党議員トップが仕切っている。 上院の民主党院内総務チャック・シューマー議員がまとめた無限のフロンティア法案では全米科学財団を全米科学技術財団に改名し、「DARPA並みの権限」を有する技術局を創設し研究開発契約を交付させる。5年間で1,000億ドルを投じる。 普段は分断ばかり目立つ議会だが、中国への怒りでひとつにまとまってきた。下院は水曜日にイスラム少数民族の人権抑圧に対し中国関係者を制裁する法案を、上院は香港で取締りを強める中国への懲罰を検討した。 シューマー法案にはトッド・ヤング(共、インディアナ)も共同発起人だ。下院版は下院軍事委員会メンバーのロー・ハナ(民、カリフォーニア)、マイク・ギャラガー(共、ウィスコンシン)両議員の共同提案。 「歴史的低金利の時代に官民連携で科学技術の大幅な進歩をめざし連邦政府に研究開発事業をさせる」と上記4名の議員はUSA Todayに意見表明している。 「わが国が回復に向かう中、中国が力をつけてきたのを意識すべきだ。強権的政治思想の中国指導部はこの機会を捉え米国を追い抜こうと技術革新へ支出を増やしており、米国民の将来の安全繁栄が脅かされかねない」 法案内容のまとめを見ると、提案にある技術局は以下の技術分野に重点的に資金を回す。 人工知能と機械学習 高性能コンピュータ処理、半導体、高性能コンピュータハードウェア 量子コンピュータ、情報システム ロボット工学、自動化、高性能製造技術 自然環境災害の予防 高性能通信技術 バイオテクノロジー、合成バイオロジー 高度エナジー技術 サイバーセキュリティ、データ保存管理技術 素材工学、その他重要分野に関連が深い工学や採掘技術 法案では100億ドルで国内少なくとも10箇所の技術ハブを選定し「中核技術の研究開発・製造のグローバルセンター」にするとある。 シューマー議員は原案を昨年11月に提示し、中国を意識した技術の「壮大なる挑戦」としてドナ

中国を制圧する海軍力のカギは各国が運用するF-35B空母だ

 この記事は日本含む「連合国」の視点ですが、見方を変えると包囲され封鎖される中国にとっては不安で仕方ないでしょうね。F-35Bを各国が供用すれば大きな効果が生まれそうですね。日本についてはいずも級で知見を積んで更に大型艦の建造に進むのか、注目です。 F -35Bは短距離離陸垂直着陸(STOVL) 性能を有する第5世代共用打撃戦闘機(JSF)だ。B型はF-35AやC型と異なり、リフトファンと推力偏向エンジンで短い滑走路で離陸し、垂直着陸できる。このため小型空母や強襲揚陸艦でも運用できる。 JSFは大量配備の第5世代戦闘機として世界唯一の存在だ。第5世代機は敵機を先に探知しながら敵に探知されない点で従来型機材と一線を画し、大幅な戦力増強が期待できる。敵を目隠しして戦うようなものだ。 第5世代機の戦力と柔軟性を組み合わせ連合国側の航空戦力運用艦船数は三倍となる。ここから中国への海軍戦力の優位性が生まれる。F-35Bは当初AV-8Bハリヤー後継機として近接航空支援用と見られていたが、同機の性能は底にとどまらず、航空、海洋両面で優勢確保に投入してこそ真価を発揮できる。 ステルス性能、長距離センサー性能に加えレイセオンのAIM-120 AMRAAM空対空ミサイルを機内搭載し世界最高の制空戦闘機となる。ただし、F-22には劣る。共用打撃ミサイル(JSM)、ロッキードの長距離対艦ミサイル(LRASM)がF-35Bに長距離対水上艦、対地攻撃能力を付与する。JSMは機内兵装庫に搭載可能でステルスを犠牲にしない。 AN/APG 81は戦闘機搭載レーダーとして最高性能で、電子スキャンアレイで海上捜索から空中での敵機捜索まで各種用途に使える。ソフトウェアの継続改良で能力拡張する。高高度でF-35のセンサーは水平線超え探知が可能で、水上艦を上回る探知距離が実現する。長距離攻撃手段と長距離を見通す目が組み合わされF-35Bは敵より先に探知し撃破できる。 米国の原子力空母ニミッツ級10隻はカタパルト発進と拘束ワイヤー着艦対応のF-35Cを運用する。各艦は圧倒的戦力を有する。ただし原子力空母部隊の整備には巨額予算が必要で、米国以外の各国では実現が困難だ。この敷居をF-35Bが下げ第5世代機の艦艇搭載を実現できる。 米海軍にも通常型の強襲揚陸

パンデミック後のPRC⑤ 中国は超大国の座につく試験に不合格

日本国内では緊急事態宣言の解除、営業自粛の撤廃など身近な問題に議論の焦点があるようですが、全く異なる地図になった世界情勢には関心を払う余裕がないようです。こういう事態だからこそ余裕ある向きには未来を設計する能力を発揮してもらいたいものです。 半 世紀にわたり驚異的成長を達成してきた中国は超大国へあと一歩に近づいていたが、コロナウィルスの犠牲になったようだ。パンデミックは中国に責任ある超大国の姿を示す絶好の機会のはずだったが、目論見は未達成に終わった。 世界がコロナウィルス危機発生前より強い敵意を示すのに中国は気づいている。 ▶ 原因の多くは中国自身にあり、対策の誤りや初期段階で情報を抑制し、他国に責任転嫁し、影響力を誇示するような稚拙な対応も一因だ。▶ 昨年12月初旬にウィルスは把握されていたようだが、中国官憲は新型ウィルスを話題にした医師団を処分し、標本は破棄させた。▶発症の中心地武漢に厳しい移動制限を課した時点で百万単位の住民がすでに移動していた。 中国は全面的プロパガンダ工作を開始し、 自らの過ちを隠し 無責任対応から目をそらせるべく、米国が発信元だと世界に告げてしまった。▶世界は中国が無実と信じず、逆に米国は対応を硬化し中国は敵対勢力だとの確信を深めた。 ▶ 中国の大失態やその後のプロパガンダ工作は米国でもまれな超党派合意を生んだ。▶共和民主両党は中国には強硬な態度で臨むしかないと理解し、中国当局は信頼できず、パンデミックは中国に責任があると共通認識に至った。 ▶ ハード、ソフト両面で大幅な余力がある米国は独裁的な敵勢力に極めて危険な存在だ。 米国外に目を転じると、中国は自国イメージ改善を試みたものの失敗している。 ▶ ヨーロッパでは中国提供の医療物資で不良品が多数見つかった。 ▶ オランダはマスク数十万点を受取り拒否した。 ▶ スペインも検査キットで不良品が相次ぎ返品している。 中国人主人公が米国傭兵を撃破する人気映画にあやかり中国の積極的外交姿勢は「戦狼」と呼ばれるが、対外関係で裏目に出ている。 ▶ オーストラリアがウィルスの発生原因を尋ねたところ、中国国営メディアはオーストラリアは「中国という靴の底に張り付いたガム」と表現した。 ▶ オーストラリアが中国との通商関係を悪化させようとしており、「オーストラリア