スキップしてメイン コンテンツに移動

コロナウィルス後のPRC③ 米上院が台湾支援の決議を全会一致で成立させました。

日本ではコロナウィルス(武漢ウィルスの方が本来ぴったりなのですが)を自然災害、通り魔被害と受け止めて、人災と取る向きは少数でましてや中国の責任を追及する動きは皆無ですね。欧米から見れば誠に奇異に映るでしょう。ましてや参議院で中国を非難する決議が全会一致で成立する可能性も皆無でしょう。日本が変なのか、米国が変なのか。いえ、おかしいのは中国共産党です。



上院は国務長官に「台湾に世界保健機関オブザーバー資格を再度与える戦略」を求める決議を5月12日全会一致で採択した。中国に痛い一撃となった。今回の上院決議では国務省に「台湾の公式非公式外交関係強化に関する定時報告を議会に」求めるつつWHOに台湾をオブザーバー出席させるとある。

コロナウィルス大量発生で中国政府と台湾の対立が加熱している。台湾当局は5月18日のWHOコロナウィルス予防会議へ出席を希望しているが、北京は台湾とは中国国内の反乱省にすぎず、外交権がないと主張している。▶台湾はオブザーバー資格で2009年から2017年まで「チャイニーズ・タイペイ」の名で参加していたが、5月の会合にはWHOは台湾を招く「権限がない」と説明している。▶米国や台湾には台湾が出したコロナウィルスへの警戒呼びかけをWHOが無視したのは中国の神経を逆なでしたくなかったためだとの批判が強い。▶台湾で1月21日のコロナウィルス上陸以来の死者はわずか7名だが、中国はほぼ同時期に4千名が死亡との報道がある。

「2017年から中国は台湾をWHOから締め出している」とジム・インホフェ上院議員(共、オクラホマ)が発言。「これは受け入れがたい。コロナウィルスのパンデミック状態で世界が対応する中、中国外交は弱いものいじめを一層強めている」▶議案はインホフェ初め21名の議員が発起人となり、対中強硬派のジョシュ・ホーリー(共、モンタナ)、進歩派の中核エド・マーキー(民、マサチューセッツ)、ボブ・メネンデス(民、ニュージャージー)の上院外交委員会の中心議員が名を連ねた。

マイク・ポンペイオ国務長官はウィルスは中国武漢が発生地で実験施設の事故を中国政府が隠蔽したと一環して主張している。▶5月11日に長官は「中国共産党はウィルスの発生地点、発生状況、ヒト感染の発生過程を情報統制しただけでなく、WHOを使い別の筋書きを広めた」と述べている。

ポンペイオの意図はトランプ政権としてWHOに代わる組織を米主導で作ることにある。▶今回の上院での全会一致採択はポンペイオによる批判を党派を超えて支持しているあらわれだが、ポンペイオの目指す方向を無条件で承諾しているわけでもない。

「中国は初期にウィルスの被害を隠蔽した行為への責任、さらにワクチンや治療方法の確立に必要な科学情報の流通を妨害したことへも責任がある」とクリス・マーフィー上院議員(民、コネチカット)がNational Interest インタビューに答えている。▶「WHO脱退が正しい対応と言えるか。WHOが中国の過大な影響力を受けているに不満としても、米国脱退は問題を悪化させるだけだ」「中国への不満に現政権は何ら対応していない」と述べた。

この記事は以下を再構成したものです。

May 12, 2020  Topic: Security  Blog Brand: Coronavirus  Tags: Tby Matthew Petti 


Matthew Petti is a national security reporter at the National Interest. Follow him on Twitter: @matthew_petti.

コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...