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コロナウィルス後のPRC②(正)中国の目指す世界にさせないため西側が何をすべきか

武漢ウィルス後の世界は中国に厳しい態度をとる② (こちらが②の記事でした。おわびします)
「パンデミックが世界規模でひろがり、中国を野放しにすると破滅的な結果が生まれる実証になった。COVID-19にワクチンが必要なように、敵意を隠さず協調の意思を示さない中国共産党には予防薬が必要だ」

実的になろう。中国と西側世界の関係は変化しつつある。

以前は北京を利益を生む「小切手帳」と見る向きが多数だった。だがこれは少数派だ。中国との協調を重視する勢力でさえ困難な事態の到来を覚悟している。

中国共産党の支配下にある中国の影響力は西側社会の自由、繁栄、安全に脅威だ。米国、カナダ、欧州の協力があってこそ自由主義国家群は繁栄できる。

新冷戦時代に突入するとの見方も現実的ではない。我々は相互につながった世界、独立国家が24時間ビジネス展開する世界に生きているのであり、そこでは「自由の共通観念」として海や空の自由移動を権利として認めている。


打開策として大西洋をはさむ自由主義国家は団結して中国の役割、世界問題に中立の立場を取らないことだ。国民主権、人権、自由な企業活動を共通価値とする我々と違い、中国共産党は全て否定する。我々がこうした価値観を守らなければ、大切な世界を失う。

欧米の指導層は従来と同じ形で中国に対処すれば危険だと認識しつつある。では何をすべきか。

中国問題が全面に出てきた理由のひとつに武漢で発生したCOVID-19の大流行に中国共産党がとった驚くべき対応がある。中国政府は高い伝染性を承知しながら、自国民の海外渡航を制限しなかった。

さらに国際保健基準で定めた報告を遅らせ、ウィルスの生体標本を他国に提供せず、研究やワクチン開発をさせなかった。もっともこの逸脱は今回がはじめてではなく、中国には悪い見本の歴史がある。


世界規模のパンデミックが発生し、中国を野放しにすると大変な事態になると実証された。COVID-19にワクチンが必要なように、敵意を隠さず協調の意思がない中国共産党には予防薬が必要だ。行動を開始しよう。

NATOは中国の脅威を真剣に受け止める必要がある。中国の行動や国力はNATOの防衛能力を減少させかねない。

通信から産業制御まで、宇宙からサイバー空間まで、鉄道、橋梁、港湾まで中国は大西洋の両岸で足場を築いている。NATOが抑止力・防衛機能を発揮するために各インフラは必要だ。

中国によりスイッチを制御されたり悪意ある影響が出れば、NATO防衛体制が大きく損なわれる。NATOの抑止力維持に中国の干渉を許してはならず、外部脅威への自衛力を今後も維持する必要がある。

米国はグローバル大国であり、その権益・責任は世界規模にひろがる。その米国はインド太平洋で中国に対抗しつつ中東の安定化へも責務がある。米国が各方面で成功するためNATOに責任を果たしてもらいたい。特に欧州の安全を脅かす外部勢力への対応が必要だ。

NATOの最上位課題がロシアによる不安定工作への対抗なのは間違いない。その次に深刻な脅威が中東なのは欧州の平和安定に影響を与えるからだ。こうした現実脅威に対応すべくNATOは準備が必要だ。

強いNATOがあってこそ世界各地で中国に対応する余裕が米国に生まれる。

欧州の不安定化を狙う中国に対応すべく、EUが米国に不可欠な相手となる。


EUは中国の強奪的な振る舞いを制約してきた。特に貿易、金融、投資の各分野で顕著だ。

EUはアフリカでも米国と協力できる。アフリカは人権、経済、テロ活動、環境、公衆衛生と幅広い難題に直面し、統治機構と治安の不足が問題を悪化させている。

中国のアフリカ進出で問題は全て悪化している。中国は汚職を促進し、望ましくない貸付慣行を許し、誤った情報を拡散している。EUは米国とこうした課題の解決に加われるはずだ。

欧米の共同対応で国際機関の透明性、責任性を高めることができる。

中国共産党は積極的に自国民や関係者を各種国際機関に送り込み中国政府に従属する運営をめざしてきた。世界保健機関は氷山の一角にすぎない。この面での脅威に対応する協力相手が米国に必要だ。

中国問題への対処には強い欧米経済が不可欠だ。大西洋両岸の経済回復には相互の社会がからみあっている。

欧米の経済回復を共同作業とし、経済援助でなく投資活動と民間部門での共同事業を中心とすべきだ。

米国と欧州各国がここまでお互いを必要とする事態は今までなかった。大西洋両岸の指導層は世界で最重要な関係の強化を約束する支出を躊躇すべきではない。■

この記事は以下を再構成したものです。




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