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米海軍にイラン小舟艇攻撃許可が下りた

US Navy photo

ランがペルシア湾で敵対行動、挑発行動をとった場合に米海軍は迎撃ミサイル、攻撃型無人機、艦上機関砲、電子戦兵器、さらにレーザーで撃破する。
イランの脅威に対し攻撃、あるいは防御する許可を米海軍に与えたとトランプ大統領はツイッターで明らかにしており、ペンタゴン上層部もこれを裏付けるコメントを出した。
ペルシア湾でのイランによる脅威をペンタゴンは真剣に受け止めている。小舟艇での襲撃や機雷が展開中の部隊や民間商船の通航で障害になっている。とくに狭いホルムズ海峡で問題で、原油タンカーほかグローバル通商活動の懸念となっている。
参謀副議長ジョン・ハイテン大将ならびに国防副長官デイビッド・ノーキストは大統領メッセージを支持して記者団と会見し、現地米軍指揮官に必要に応じイランの小舟艇や兵器の破壊を実行する「権限」を与えていると述べた。今回のメッセージの意図は部分的にせよ米国がCOVID 19で危機的状況にあるのを利用しないようイランへ警告を与えつつ、米軍は必要なら「いつでも開戦できる」状態だと伝えることにある。
だがこうした状況から次の疑問が出てくる。「米海軍はイラン部隊をどうやって迅速に撃破するのか」
「敵意があると判明すれば、こちらは相手を撃滅する手段もとる。湾内で発生すれば圧倒的兵力で対応し、防衛措置をとる。指揮官には敵対行動、敵意に対応する権限を与えたとハイテン大将は記者団に語った。
あくまでもイランが挑発してきた、あるいは脅威となった場合に限り米海軍艦艇は攻撃に移るということだ。
これを念頭にハイテン、ノーキスト両名は記者の質問に答え、トランプ大統領のメッセージに沿い、米海軍は必要な対応を取ると述べた。「現地展開中の部隊の指揮官には実施能力を与えている」(ハイテン)
巡洋艦、駆逐艦の5インチ砲が12キロメートル以内で威力を発揮する。さらに、揚陸艦、空母、沿海部戦闘艦に50口径機関銃から57ミリ「小舟艇撃破」兵器まで各種火砲や迎撃手段がある。
海軍艦艇には近接兵器システム(CIWS)、別名ファランクス機関銃があり、毎分4,500発を発射できる。もともと対航空機、ミサイル、ヘリコプター用に開発されたが近年の改修で「1B」仕様となり近接距離での水上艦艇撃破にも対応可能となった。CIWSはレーダー、火器管制・指揮命令系統と接続され、艦艇が攻撃を受ければ即座に対応できる。CIWSは海軍艦艇の防御の「最後の一線」とよく言われるが、その他にもローリングエアフレームミサイルやシーラムも使える。
ノーキスト副長官は「防御用」兵器の使用を海軍指揮官に認めているとコメントしている。「各艦には防御の権利があり、実際の稼働では細心の注意で防御することになる」
さらに高性能版シースパローミサイル・ブロック2を搭載する艦が多い。これはシーカー性能を引き上げ、海面すれすれを飛ぶ対艦巡航ミサイルへ対応可能としたものだ。また最新版の防御手段には電子戦(EW)や低価格精密レーザー光線があり、接近してくる攻撃手段に対抗する。レーザー、EWともに船舶で混み合う海域では有害な破片を多数発生させないので有効だ。
イランには大量の弾道ミサイルがあり、防御も多層構造で対応する。米海軍水上部隊にはイランからの攻撃の探知追尾が十分可能だろう。いうまでもなく、海軍艦船には各種攻撃手段も搭載され、迅速かつ精密な攻撃を展開できる。
最後に、攻撃、防御の海上戦はスタンドオフ距離での想定だ。標的をまず探知しないと撃破できない。このため、海軍や空軍の無人機が水平線の先で脅威の探知に動員されている。駆逐艦には海軍統合火器管制対空装備(NIFC-CA)が導入されており、ホークアイ早期警戒機やF-35のセンサー情報がネットワーク化された兵装に入り、水平線の先にある脅威にピンポイント対応できる。高性能レーダーや通信技術を利用し、脅威対象のデータが艦上の指揮官に送られると、SM-6迎撃ミサイルで安全なスタンドオフ距離で敵を撃破する。NIFC-CAを使えば、攻撃を受ける前にイラン小舟艇の大群を撃破できる。
こうした戦闘構想・戦術を支えるのが海軍の兵器開発部門で艦載指揮統制システムやISRネットワーキングシステムを迅速に実現してきた。ライブ映像などのセンサーデータの受信処理量を拡張し、無人機やその他ネットワーク装備のヘリコプター、哨戒機、水上艦艇、潜水艦に対応する。急進展するAIやコンピュータ処理の自動化により、こうした処理が更に高速化され、受信したセンサー情報の処理が数秒で完了する可能性が出てきた。■
この記事は以下を再構成したものです。
Kris Osborn


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