2023年6月18日、パリ・エアショーで撮影された欧州の新世代戦闘機(FCAS)のモックアップ。(Julien de Rosa/AFP via Getty Images)。
ドイツとフランス間の7月24日の会談後、ドイツ国防相ボリス・ピストリウスGerman Defence Minister Boris Pistoriusは、作業分担をめぐるパートナー企業間のいざこざに対し、年内に新世代戦闘航空システムプロジェクトに関する「状況を明らかにする」と述べた。
ピストリウス大臣は、ドイツ西部のオスナブリュックで行われたセバスティアン・ルコルヌ仏軍大臣French Armed Forces Minister Sebastien Lecornuとの共同記者会見で、「関係企業の中には、膨大な専門知識を持っているだけでなく、当然ながら自分たちの利益や意志を持っているところもある。それは最初からわかっていたことだ」。
「私たち両名にとって重要なのは、このプロジェクトが独仏の協力とパートナーシップを象徴するものであり、国家のエゴイズムを象徴するものではないということです」。
フランスの航空機メーカーであるダッソー・アビアションは、このシステムの中核となる新型戦闘機の開発を主導しているが、より大きな役割を声高に主張している。同社のエリック・トラピエ最高経営責任者(CEO)CEO Eric Trappierは、このプロジェクトの戦闘機部門でドイツとスペインを代表するエアバスとの作業分担をめぐる揉め事で生じた遅れを繰り返し訴えてきた。
フランスは、このプロジェクトが2040年の期限に間に合うようにするため、FCASの作業分担を再考するようパートナーのドイツとスペインに提案したと、同国の軍備総局が今月初めに発表した。
FCASプロジェクトは "正念場"を迎えており、フェーズ2の次のステップは実証機の開発だとルコルヌは言う。なぜなら、これからのフェーズは、航空機を製造するために私たちを確実に結びつけるからだ。
ピストリウスはハードルが存在することを認めたが、どれも乗り越えられないものではないと述べた。
ルコルヌ大臣によれば、パートナーはプロジェクトのフェーズ1Aと1Bで何がうまくいき、何がうまくいかなかったかを監査し、オスナブリュックでの会議では、各大臣が自国の軍需機関や関係企業に指示を出すことになるという。
欧州の防衛態勢の強化は、仏独の緊密な協力によってのみ成功し得るとピストリウスは述べ、両大臣はFCASと将来型地上戦闘システムの両方に全面的にコミットしていると付け加えた。将来型陸上戦闘システムは2040年に予定されているという。
フランスの大臣は、FCASの第一の基準は、プロジェクトが各国軍のニーズに対応していることであり、これが他のいかなる懸念にも優先すると述べた。
フランスにとってのニーズとは、核兵器を搭載できること、空母から運用できることなどである。
「基本的に、われわれは産業活動やプロジェクトを遂行するためにここにいるのではなく、自国の軍のための軍備プロジェクトを遂行し、その結果としてメーカーに発注するためにここにいるのです」とルコルヌは語った。「何年もの間、協力は自国の産業を発展させることを目的としていたこともあった」。
ルコルヌによれば、2つ目の基準は、FCASプロジェクトが予定通りに進むことで、3、4、5年の遅れはドイツとフランスの遅れを意味するとし、予定表ではFCASは2040年までに完全運用されるとあるが、ダッソーのトラピエは何度も、遅れれば2045年の可能性が高くなると述べている。
フランスにとって3つ目の考慮点は、このプロジェクトが自国の主権を尊重することだとルコルヌは言う。
ピストリウスは、ドイツはFCASプログラムに関連する将来の輸出の邪魔をするつもりはないと述べ、武器輸出の問題は国内問題であり、欧州委員会の役割はないと強調した。■
Germany, France to ‘clarify’ FCAS project by year-end as firms bicker
Friday, Jul 25, 2025