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2024年3月24日日曜日

モスクワのコンサートホール襲撃事件で犯行声明を出したISIS-Kとは何者なのか? なぜロシアが襲撃されるのか。なぜプーチンは事前の米情報を無視したのか。

米情報機関が事前に襲撃の可能性をロシア政府に警告していたのにプーチンの鶴の一声で一蹴していたとは、プーチンの失策となりますが、対米不信のフィルターがかかっているため何を聞いても拒絶するのでしょう。それでは犠牲となったロシア市民多数があまりにも可愛そうです。Business Insider記事からのご紹介です。


A fire rages inside the Crocus City Hall in Krasnoyarsk, Russia, near Moscow. Russia's state media agency reported that armed gunmen opened fire at the music venue.Contributor/Getty Images



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    モスクワ近郊、クラスノヤルスクにあるクロッカス市庁舎内で武装集団が音楽会場で発砲したとロシアの国営メディアは報じた

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    ロシア国営メディアは、武装した襲撃者が金曜日にモスクワ近郊のコンサートホールを襲撃したと報じた

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    同通信によると、少なくとも130人が死亡、100人以上が負傷した

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    イスラム国の一派ISIS-Kが犯行声明を出した


曜日にモスクワ近郊の音楽会場「クロッカス・シティ・ホール」で武装集団が発砲し、少なくとも133人が死亡、145人以上が負傷したとロシア国営メディア「タス」が調査委員会の報道を引用し報じた。

 報告されている死傷者数は、ロシアの首都近郊での襲撃事件としてはここ数年で最悪だ。

 以下は、これまでに判明している情報をまとめた。


何が起きたのか?

金曜の夕方、モスクワの西端にある音楽ホール、クロッカス・シティ・ホールで正体不明のグループが発砲した。

 AP通信によると、襲撃に直接関係したと思われる4人が逮捕された。ウラジーミル・プーチン大統領は土曜日の午後、この大虐殺関連で最初の発言として、テロに関係していると疑われる合計11人を当局が拘束したと述べた。

 タス通信によると、この会場ではロシアのロックバンド、ピクニックの公演が予定されていた。会場のウェブサイトによると、コンサートホールは約6,200人を収容可能とある。

 AP通信によると、133人以上が死亡、約145人が負傷した。タス通信によると、ロシアのミハイル・ムラシコ保健相は負傷者に子供も含まれていると地元ニュースチャンネルに語った。

 タス通信によると、直後に爆発が起こり、火災が発生した。非常事態省はクロッカス市庁舎の3分の1が包囲されたとロシア通信に伝えた。


誰の犯行なのか?

CNNによると、襲撃の直後、アフガニスタンにあるテロ集団ISIS-K(イスラム国ホラサン州)が、テレグラムでISIS系通信社Amaqと共有した声明で、この攻撃の犯行を主張した。

 ニューヨーク・タイムズによると、アメリカ当局は同グループの犯行であることを確認したという。

 米当局の確認にもかかわらず、プーチンはISIS-Kに言及せず、代わりにウクライナを指摘した。彼は土曜日の演説で、ウクライナが襲撃者4名の逃亡を助けようとしていると主張した。

 NPRによると、プーチンは「彼らは隠れようとしてウクライナに向かったが、ウクライナ側に国境を越える経路が用意されていた」と述べた。

 ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領の顧問であるミハイロ・ポドリャクは、クレムリンによる非難を否定し、「ウクライナはクロッカス市庁舎での銃撃/爆発と明確に何の関係もない」とXで述べた。

 「それは全く意味をなさない」と彼は書き、モスクワの攻撃は "軍事プロパガンダの急激な増加、軍国化の加速、動員拡大、そして最終的には戦争の規模拡大に貢献するだろう」と付け加えた。


ISIS-Kとは何者なのか?

ワシントンDCを拠点とするシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)によると、ISIS-Kはイスラム国の関連組織で、2015年に結成され、パキスタンの過激派が中心の構成で、宗派の違いのためタリバンの宿敵とみなされている、とBIは以前報じていた。

 CSISによると、同支部は2018年までに、アフガニスタンとパキスタンで民間人に対する100件近い攻撃に関与していた。しかし、2021年8月にカブールのハミド・カルザイ国際空港で自爆テロを行い、米軍兵士13人と民間人169人が死亡し国際的なスポットライトを浴びた。

 ISIS-Kはイスラム国の「より成功した支部の1つ」と考えられていると、CSISのテロ対策・中東専門家ダニエル・バイマンはBusiness Insiderに語った。


なぜISIS-Kはロシアを標的にするのか?

ISIS-Kのロシアとの敵対関係は、同国のイスラム教徒に対する残虐な扱いを反映した歴史的紛争に起因している可能性がある。

 「ロシアのコーカサス征服まで遡ることができます。さらに、1940年代のソ連によるイスラム教徒の強制送還まで遡ることができる」。

バイマンはBIの取材に対し、1990年代から2000年代にかけて、イスラム教の小共和国であるチェチェンで起こった独立戦争もあると語った。

 ワシントンに拠点を置くシンクタンク、ウィルソン・センターのマイケル・クーゲルマン所長はロイターに対し、ISIS-Kは「ロシアはイスラム教徒を定期的に抑圧する活動に加担していると見ている 」と語った。


攻撃がこの時点で実行されたのはなぜか?

バイマンによれば、金曜の攻撃のタイミングの根拠は明らかではないが、象徴的、政治的な目的というより「作戦上の」理由に関係していることが多いという。

 ISIS-Kの襲撃は単に準備ができたから金曜日に実行したのかもしれない、とバイマンは言う。

 3月7日、在ロシア米大使館はロシア政府に対し、ロシアの首都近郊で「大規模な集会を標的とする」計画を有する「過激派」があると警告した。

 警告は、ロシアにおけるISIS-Kの存在を示す情報に基づくものであったと、2人のアメリカ政府関係者がワシントン・ポスト紙に語った。

 攻撃3日前にプーチン大統領は、警告を「挑発的」として退けた。

 世界的な安全保障コンサルティング会社ソウファン・グループの国内テロと国際テロの専門家コリン・P・クラークは、ニューヨーク・タイムズに対し、「ISIS-Kは過去2年間、ロシアに執着している」と述べ、同グループは「クレムリンがイスラム教徒の血を流していると非難している」と付け加えた。

 クレムリンと在ロシア米国大使館の報道官にコメントを求めたが、返答がない。■


What we know about the Moscow concert hall attack — and why ISIS-K is claiming responsibility

Lloyd Lee Mar 24, 2024, 6:59 AM JST


 

2021年8月28日土曜日

速報 米軍がアフガニスタンのISIS-Kに報復攻撃を実施

  • ISIS-K DRONE STRIKE

USAF

 

ハミド・カルザイ国際空港アビーゲートの自爆攻撃で米軍隊員13名および多数の民間人が殺害されたのをうけ、米中央軍は無人機によりISIS-Kの「パートナー」一名を殺害したと発表した。無人機攻撃が行われたのはナンガハール地方でバイデン大統領が襲撃事件に関与した者への懲罰を公約した翌日のことになった。

 

米中央軍の発表内容を伝える。

 

「米軍部隊がISIS-Kの襲撃立案者を水平線越えで対テロ攻撃した。無人機による空爆がアフガニスタンのナンガハール地方でおこなわれ、初期評価では標的は死亡していることが判明した。民間人の死傷は発生していない」

 

今回殺害した立案者が空港襲撃事件等の立案にも携わっていたのかは不明だし、別の首謀者がいたのかもしれない。また襲撃事件に関与したのが何人だったのかも不明だ。とはいえ、今回の攻撃はバイデンが公約したISIS-K対応で具体的な行動につながったものだ。

 

声明文では「地平線越え」の作戦だったとあり、攻撃に投入した機体はアフガニスタン国外から運用されたことがわかる。この戦術はアフガニスタン撤退後にバイデン政権が活用する構想だが、米国のアフガニスタン完全撤収前に実行されたことに注目する。一部にはテロ活動を引き起こすのではと実施に慎重な動きもあった。

 

攻撃対象が空港襲撃事件の首謀者ではなかった可能性もあるが、今後もこうした攻撃が続きそうだ。


 America Strikes Backs At ISIS-K In Afghanistan


U.S. Executes Revenge Drone Strike On ISIS-K "Planner" In Afghanistan (Updated)

The operation comes just a day after President Biden vowed to make the terror group pay for its heinous suicide bombing at Kabul's Airport.


BY TYLER ROGOWAY AUGUST 27, 2021

2021年8月27日金曜日

速報 カブール空港襲撃事件はISIS-Kの仕業。カブール空港撤収作戦の最終段階で保安体制に懸念。自衛隊の邦人等脱出にどんな影響が出る?

 Injured people being carried to a hospital after explosions outside Hamid Karzai International Airport in Kabul, Afghanistan, on August 26, 2021.

ハリド・カルザイ国際空港付近で発生した爆発の被害者が病院へ搬送された。August 26, 2021. ANADOLU AGENCY VIA GETTY IMAGES / SAYED KHODAIBERDI SADAT

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8月26日ハミド・カルザイ国際空港襲撃事件で米軍に12名死亡15名負傷の被害が発生した。

 

ペンタゴンは自爆攻撃とし、アビー検問所の外側とすぐそばのバロンホテルで爆発が二回あった。

 

中央軍司令官の海兵隊フランク・マッケンジー大将は米軍隊員に死傷者が発生したと認め、「人員面の被害規模は調査中で全体を把握できていない」と述べた。

 

死亡した12名のうち11名は海兵隊員、一名は海軍所属で空港へ入ろうとする避難民の選別を行っているところで爆発が発生したとマッケンジーがペンタゴン記者団に中東からリモートで述べた。

 

襲撃ではISIS戦闘員一名も銃撃を加えたと同大将は述べ、ゲートでの爆発で「空港内の駐屯地への被害はなかった」とした。

 

マッケンジー大将は今回の襲撃を多重攻撃と表現した。「ISIS-Kの脅威が今回現実になってしまった。こうした襲撃は今後も続くとみている。考えられる対策をすべて取っている。タリバンが空港の外縁部警備にあたっており、必要な防護措置を取ると当方に連絡してきた」

 

マッケンジーは現時点の推測として自爆テロ要員はタリバン検問所を通過し米軍が空港に入ろうとする避難民をチェックする中に紛れ込んだとする。

 

タリバンは空港へ向かう群衆のチェックを行っているが、「チェックがうまくいく場合といかない場合がある」とし、米軍もチェック機能を改善していることを強調した。

 

マッケンジー大将は米軍が「ひきょうな」攻撃の主犯を探し出し、反応の「準備ができている」と述べた。

 

カブールに展開する米軍部隊には自衛能力があるとし、AH-64攻撃ヘリコプター、MQ-9無人機が同空港を拠点に飛行し、F-15やAC-130ガンシップが周辺部の警戒にあたり、対ロケット弾・迫撃砲弾装備も配備済みと述べた。またトラックによる襲撃も入口で阻止する体制にあり、タリバンには保安体制の強化や近隣道路の閉鎖を要請しているとも述べた。

 

また、航空機への射撃が発生したと認めた。「わが方の航空機に時折射撃が加えられているが被害は皆無だ。軍用機には自衛用装備があるが、チャーター機などが脆弱だ」

 

「切れ目なく航空機を離発着させることが最重要事項だ。一機で450名もの避難民が乗っており、ISISが狙っている」

 

今回の襲撃事件の数時間前に米大使館から残留米国人に緊急連絡があり、空港検問ゲートに近づかないよう求めていた。また英国からもゲート付近の群衆がイラク-シリア-コラサンのイスラム国(ISIS-K)の標的になっているとの警告も出ていた。

 

カブール撤収作戦は急速に最終段階に入りつつあり、8月26日時点で陸軍海兵隊部隊5千名近くが展開していた。カブール空港内には5千名近くの避難民が残っており、マッケンジー大将は「空港外へ退去させる」としている。

 

大規模空輸作戦で8月26日時点で計104千名の米国人等を移送させた。

 

まだ1千名の米国人が国内に残るが全員が国外脱出を希望しているわけではないとマッケンジーは述べた。

 

マッケンジー大将は米軍部隊によるカブール空港入り口での避難民選別作業を賞賛し,「避難民の息がかかるほど密で危険な作業だが着実にこなしている」とした。

 

ロイド・オースティン国防長官はツイッターで「テロリストは自爆したが、その瞬間も米軍隊員は他者の生命を救おうとしていた。その損失を悔やむ。負傷した隊員を救う。また深い悲しみにある隊員の家族を支える。だからと言って進行中の任務を放棄するわけにいかない」と述べた。


同日に空港敷地内で別の爆発もあったが、これは米軍による「制御爆発」で撤収の準備作業だったと国防関係者が同日遅く解説している。■


11 Marines, 1 Sailor Killed in Terrorist Attack at Kabul Airport

Service members were securing one of the last gates open for Afghans, Americans to escape.

By TARA COPP and ELIZABETH HOWE

AUGUST 26, 2021 03:44 PM ET


米軍の死傷者には言及があってもアフガニスタン人の被害に触れていないのが気になります。米軍はタリバンと意思疎通があり、役割分担をしている様子がわかります。さて、自衛隊機はカブールに到着しましたが、対象となる日本人等が一人も空港に到達できておらず空のままパキスタンに戻ったようです。現行法では空港外での自衛隊の活動はできないようです。一人も脱出させられないのであれば、作戦が失敗したことになり、揚げ足を取る向きが出てくるでしょう。むしろ、軍隊として機能できない制約を受けている自衛隊の地位を替えるべく憲法改正に向かわなければならないのですが。