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8月, 2021の投稿を表示しています

米軍はカブール空港にどんな装備品を残してきたのか。タリバンが利用できないよう破壊、機能喪失させたというが....

    VIA TWITTER     米 軍はほぼ20年にわたるアフガニスタン作戦を完了し、同国を完全撤退した。予想通り、最後に米軍は各種武器装備品を破壊あるいは使用不能にした。   米中央軍(CENTCOM)司令フランク・マッケンジー海兵大将は記者会見で以下の装備品を「非軍事化」したうえでハミド・カルザイ国際空港に残していったことを認めた。   ロケット弾砲弾迫撃砲弾対抗装置(C-RAM)少なくとも二個装備 航空機計73機(米軍、アフガニスタン軍所属機) 耐地雷待ち伏せ攻撃防御(MRAP)装甲トラック70両 ハンビー27台 US ARMY A Centurion C-RAM defense system.     マッケンジー大将は上記装備を具体的にどう使用不能にしたのかについて説明していない。またC-RAMの型名称についても述べていない。C-RAMはハミド・カルザイ国際空港で本日もISIS分派の攻撃を防いだ。説明では二個装備程度とあるが正式な数にも触れていない。   米軍で供用中のC-RAMは一式15百万ドルのセンチュリオンのみである。現地ではロケット攻撃の際にセンチュリオン特有の20mmヴァルカン機関砲の発射音が聞こえたとの報道もある。   ハミド・カルザイ国際空港に設置したといわれるセンチュリオンの映像画像がいっさいないことに興味を惹かれる。ニューヨークタイムズはC-RAMが米大使館敷地内に設置してあったが、撤収時に使用不能にされたと報じていた。   マッケンジー大将は航空機についても詳しい機種別情報に触れておらず、一部は修理不能な状態と述べたに過ぎない。今回の機材はアフガニスタン空軍機材の大部分と思われる。   最終撤収時に同空港に合った機材にはA-29スーパートゥカーノ軽攻撃機、C-130Hハーキュリーズ輸送機、UH-60ブラックホーク、Mi-17輸送ヘリコプターがあった。その他機材は長年に渡り放置されていたものもある。L-39武装型ジェット練習機もそのひとつで、ツイッターで同型機が3機残っているのがわかる。   アフガン空軍へ供与した米製機材をタリバンの手に渡さないため米国はどのような手段を取るかがこれまでわからなかったが、ネット上に流出した写真ではアフガン空軍のUH-60ブラックホークの窓が破れ、扉が破壊されているのがわかる。   タリバンはすでに

北朝鮮がプルトニウム生産を再開か。ヨンビョン核施設に活動の兆候現る。国際制裁をものともせず核兵器開発を続ける北朝鮮の動きに警戒を。

    2021年3月2日撮影の放射化学実験施設の衛星写真。 Satellite image (c) 2020 Maxar Technologies/Getty Images   北 朝鮮がヨンビョン核施設の原子炉運転を再開した模様と国際原子力エナジー機関(IAEA)が発表した。   原子炉は出力5メガワットと小規模だがプルトニウム生産が目的で、核兵器製造に用いる。 「2018年12月以降2021年7月まで原子炉は作動の兆候が皆無だった」とIAEA報告書は指摘している。   「だが、2021年7月に入ると冷却水の排水など兆候が現れ、原子炉運転との関連が見られた」(同報告書)   これに対し南朝鮮はIAEA評価を認めていない。   同国政府は北朝鮮の核・ミサイル活動を米国と共同で注視していると統一省報道官が8月30日に述べている。   報告書ではあわせてヨンビョンの放射化学実験施設で2月中旬から7月初めにかけて活動が続いたと指摘している。同施設は燃料棒再処理に使用される。   また報告書は原子炉や施設の状況を「大きく憂慮させるもの」と表現している。   IAEAでは評価の根拠として民間から購入した衛星写真としている。   北朝鮮国内の核活動査察は不可能となっている。同国は数年前に査察官を国外追放した。   北朝鮮を調査対象とする米スティムソンセンターが処理作業に触れ、1月撮影の画像で核兵器製造用のプルトニウム回収の準備に入っているようだと指摘していた。再処理作業でプルトニウムが入手できる。   北朝鮮は核兵器開発を続けているため国際制裁対象となっており、国際社会とりわけ近隣の南朝鮮、日本の懸念の種となっている。   2月に出た国連の内部報告では北朝鮮が長期にわたる制裁にもかかわらず核兵器開発を続けていると指摘していた。■ North Korea appears to have restarted controversial nuclear reactor

8月に三日間連続で宮古海峡上空に無人機各型を展開したPLAの狙いにもっと関心を。(ISRは本ブログの大きな柱)

    統合幕僚監部     中 国人民解放軍の無人機が東シナ海から宮古海峡にかけ飛行し、航空自衛隊は三日連続で戦闘機を発進させた。中国軍の無人機運用能力が向上してきたことに加え、東シナ海からフィリピン海にかけての水域が通商路として重要なため、日本も対応を連日迫られた。   今回の飛行活動8月24日に始まり、 Tengoen TB-001スコーピオン中高度長時間飛行(MALE) 無人機が東シナ海から沖縄の北西方面に飛んだ。翌日はハルビン BZK-005 MALE型無人機が宮古海峡を行き来した。8月26日にはTB-001が再び宮古海峡上空に現れた。三例とも航空自衛隊がスクランブル出動し、中国無人機の様子を監視した。   8月25日26日の両日には山西Y-8Q哨戒機一機、Y-9JB電子情報収集機一機が無人機に随行していた。   BZK-005系統の無人機は長距離情報収集偵察監視(ISR)用の機材で連続40時間の飛行が可能とされれていた。標準型のBZK-005は2006年に姿を現し、推進式プロペラ一基、後退翼、機体後部は双胴式で、2018年にPLAは武装型BZK-005Cを公表している。   同機の主センサーは機首下のタレットに搭載する電子光学赤外線フルモーションビデオカメラだ。昨年に別の型BZK-005Eが搭乗し、レーダー装置を機首下につけており、電子光学タレットは機体下の別の位置に変更されている。   航空自衛隊が公表したBZK-005が宮古海峡上空を飛ぶ写真ではさらに仕様が変わっていることがわかる。機首下にレドームをつけ、胴体下に光学タレットがわかる。BZK-005は見通し線外での作戦を衛星経由の操作で実施し、多用な情報集任務につくようだ。   防衛省   防衛省     TB-001スコーピオンも長距離対応無人機で機体後部が双胴式になっているが、BZK-005とは異なる形状だ。スコーピオンは大型でTengoenが初めて製造した無人機だ。同社は2016年に創立された新しい企業だ。機体はエンジン二基でプロペラを左右で高翼方式の主翼下で回す。   BZK-005と異なり、TB-001は当初から武装無人機の設計であり、主翼下にはハードポイント四か所があり、胴体下にセンサータレットがつく。航空自衛隊公表の同機写真では主翼下には何も装着していなかったが、あきらかに追加センサー

ブラッドレイ歩兵戦闘車両は攻撃力装甲防御力を向上し、米陸軍はこれからの戦闘でも大きな役割を期待し、敵IFVの駆逐を想定。

    米陸軍はブラッドレイの残存性を高める改良を進めている。   M 2ブラッドレイ歩兵戦闘車両は歩兵部隊隊員を戦場に輸送するのが任務だが、報道陣は戦車と誤解することが多い。軌道走行式で33トンの車重と装甲を施し、25mmブッシュマスター自動機関砲とTOW対戦車ミサイル発射機で武装しているため無理もないところか。   ただし、M2への批判派は火力性能が不足と見ている。機械化歩兵分隊は地形を縫い敵位置を偵察し、あるいは敵を待ち伏せし、防衛線を守る、あるいは敵を建物内から追い出すのが役目だ。   ただし、M2の歩兵輸送能力に制約がある。初期型では7名しか搭載できず、やっと9名を運べるよう改良されたにすぎない。となると機械化歩兵小隊の輸送にブラッドレイ4両必要となり、全員が一両に乗ることはできない。   M2およびM3ブラッドレイは1,800両近く供用中で米陸軍では二段階で性能改修を行い、ちょうど半分まで来ている。2018年1月にさらに上の性能を狙うM2A5改修の企画が生まれ、搭載兵員数を増やすべく車体の拡大と装甲を強化し、30mm機関砲の搭載を狙う。   陸軍の大型かつ強力な歩兵輸送車ブラッドレイはさらに大型化しそうだ。   M2A4 性能改修型   米陸軍ではブラッドレイが活躍する場面はM1エイブラムズ主力戦車より多い。イラク砂漠戦となった1990-1991年の湾岸戦争でブラッドレイはエイブラムズ以上の敵装甲車両を葬った。   敵の犠牲となったブラッドレイはわずか3両で、友軍の誤射で破壊されたほうが多い。だが、その後、長期化したイラクでの対戦闘員作戦中にブラッドレイ数十両の喪失が発生した。装甲防御で改良を受けていたにもかかわらずだ。そもそもブラッドレイでは地雷や即席爆発物(IED)への防御は優先度が低く、これより装甲が薄いストライカー装甲車両より被害事例が多くなっていた。   装甲改良とあわせセンサー機能の充実を図ったものの本格的な解決策にならなず、追加重量がエンジン負担につながり、電気系統に不足が生まれ、機動性が犠牲となってしまった。2012年からM2A4仕様への改良が始まり、現在も「技術改良提言」(ECP)を二段階で進めている。   このうちECP1がほぼ完了しており、ブラッドレイは設計時の車両性能を回復すべく、大型トーションバーと軌道改修を行い、サスペンション

クアッド四か国海軍部隊のマラバール演習が8月26日スタート。第一段階はフィリピン海で特殊部隊も交え展開中。

  US Indo-Pacific Command     オ ーストラリア、日本、インド、米国が8月26日マラバール2021演習の第一段階をフィリピン海で開始した。   マラバールは毎年開催されている海洋演習で、高度の戦術作戦立案能力、訓練能力、配備能力を王立オーストラリア海軍(RAN)、インド海軍(IN)、海上自衛隊(JMSDF)、米海軍の間で磨くもので志を共有する各国で法の支配を基礎におくインド太平洋秩序を維持が目的だ。   今年度の演習は米海軍が主宰し、二段階に分かれる。まず四か国でフィリピン海を舞台に合同海軍運用、対潜戦、防空演習、実弾火砲発射、海上補給活動、相互航空運用、海上阻止行動を訓練する。   今年の演習では海軍特殊戦部隊が第一段階に加わり、非正規海上脅威への対応とともに通常の海軍部隊との共同運用技術を高める。   「マラバール21は多国間訓練で戦闘技術を磨き、海上保安の技能を高める優れた機会だ。 「米海軍の駆逐艦部隊は各国部隊とともに地域安全保障と安定の基礎を形成し、インド太平洋の各国が恩恵を得るのを助ける」(CTF71司令チャールズ・サージャント大佐)   米海軍からは第一段階で太平洋艦隊の対潜艦トップのアーレイ・バーク級駆逐艦USSバリー(DDG 52)以下絵画運特殊戦部隊、海上警備偵察機材、海上輸送司令部(MSC)隷下のヘンリー・J・カイザー級給油補給艦USNSラパハノック (T-AO 204)が加わる。   インド海軍からはシバリク級多用途ステルスフリゲート艦INSシバリク(F 47)、カモルタ級対潜コルベットINSカドマット(P 29)が加わり、海上自衛隊はいずも級多用途駆逐艦JSかが(DDH 184)、むらさめ級駆逐艦JSむらさめ(DD 101)、JSしらぬい(DD 120)が、オーストラリアはアンザック級フリゲートHMASワラモンガ(FFH 152)を派遣する。航空機ではインド海軍のP-8、海上自衛隊がP-1、米海軍のP-8Aが加わる。   オーストラリア、インド、日本、米国の各海軍部隊はこれまでも定期的にインド太平洋で演習を行っており、悪意ある影響に対抗し域内の安全と安定のため協力を強めている。■   Australia, India, Japan, and US Kick-off Exercise MALABAR 2021 Na

バイデンも覆せなかったトランプの遺産F-15EX。イーグルIIは戦術機材の中でどう位置づけられるのか。最終生産規模が見えてこないが、ボーイングは今後も事業量を確保している。

  F-15EX rendering Boeing illustration   民 主党のジョー・バイデン大統領は就任にあたり、先任大統領の決定多数を覆すと誓っていたが、共和党のドナルド・トランプ大統領時代に始まったたF-15EX調達は全面的に進展している。   Tealグループ副社長のリチャード・アブラフィアは「トランプの置き土産がF-15調達の復活だ」と述べる。   イーグルIIの名称がついたEX型はC型の後継機種の位置づけだが最終調達規模はまだ見えてこない。   ボーイング は空軍から12億ドルでロット1契約の交付を昨年受けた。さらに期限機数を特定しない229億ドル契約もある。空軍はこの契約で最大200機調達に向かうとボーイングは解説している。   イーグルIIにはフライバイワイヤ機体制御、高性能コックピット装備、BAEシステムズ製AN/ALQ-250イーグルパッシブアクティブ警告生存装備を電子戦に備え搭載している。   特に兵装搭載量が大幅強化され、全長22フィート重量7千ポンドの極超音速ミサイルも運用可能となった。ボーイングは高度50千フィートでマッハ2飛行可能とする。   同機はペンタゴンがめざすDevSecOps構想の先駆けとなる。これはソフトウェアのアジャイル開発を目指し、オープンミッションシステム想定の機体構成とデジタルエンジニアリングがあいまって従来より迅速かつ平易に性能改修が実現できたとボーイングは説明している。   空軍は同機にスカイボーグ事業で開発する無人ウィングマンをつける予定だ。「スカイボーグ担当部門とは毎週ミーティングを行っており、こちらには短期での実証実現を求めてきた」「有人無人機のチームとしてF-15EXがまずこれを実現する」とボーイングは説明。     トランプ政権が同機の調達を求めたのは2020年度からである。空軍上層部には第五世代機調達に集中したいとの意向があったが、その後イーグルII調達を求める意見に変わった。   議会は2020年度8機、2021年度12機の調達予算を承認した。バイデン政権の2022年度予算では12機を上乗せするとある。   ボーイングは政権交代があったが同機調達の方向に変化がなかったことに驚く様子がない。   「最初はトランプの事業だとしていたが、政争とは無関係にあくまでも要求性能の実現をめざしDoD