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タリバンが捕獲した航空機等装備品は脅威にならないとしながら、落ち着いたら空爆で破壊を目指しそうな米軍の今後の動きに注目だ。

  

アフガニスタン・カンダハール基地のフライトラインに駐機中のA-29に向かうアフガン軍パイロット。Sept. 10, 2017, at Kandahar Airfield, Afghanistan. (Staff Sgt. Alexander W. Riedel/U.S. Air Force)

 

リバンがカンダハール飛行場を占拠すると、機体とポーズをとる戦闘員の写真がソーシャルメディアにすぐ現れた。米製ブラックホークやソ連時代のMi-17ヘリコプターの姿が写っていた。

 

次にマザリシャリフ空港を占拠し、さらに写真が流出し、A-29攻撃機やMD-530多用途ヘリコプターの姿が写っていた。

 

そしてアフガニスタン全土がタリバン支配下になると、今や問題はタリバンがアフガン空軍機材を入手するかではなく、何に使うのかになってきた。また米軍はどんな手を打つのだろうか。

 

アフガン空軍の保有機材211機のうち167機の固定翼機回転翼機が6月30日時点で稼働状態にあったとアフガニスタン再建担当特別監査官報告にある。

 

うち何機がタリバンに捕獲されたか国防総省から発表は出ていない。一部はアフガン空軍パイロットが国外へ移動させているものの総数も把握できていない。

 

ペンタゴンでの記者会見でハンク・テイラー少将(統合参謀本部地域作戦副部長)がこれ以上の機材の捕獲を防ぐべく米軍が何らかの行動を取る情報はないと8月16日述べている。

 

アフガニスタン従軍経験のあるブラドレー・バウマンはブラックホークパイロットで今回の米軍撤退を苦々しく思い、Defense Newsに対し、「ハンヴィー数百両、火砲その他装備に加え航空機も捕獲されたのは間違いない」「米軍に困った事態になる。こうした装備の予算を出したことだけでなく、タリバンが利用するからだ」と述べた。

 

バイデン政権は最高優先順位をアフガニスタンからの米国人脱出に置くべき、とバウマンは言い、アフガニスタンに残留する米製装備をことごとく破壊すべきであり、アフガン空軍の機材も同様だと述べた。

 

「今これを実行すれば、タリバンもカブール空港の撤収作戦への妨害をやめるはず。米国人全員が国外に出て、同時に協力してくれたアフガン国民も脱出させられる」

 

「これがすんだら、タリバンの捕獲機材すべてを破壊すればよい。絶対これを実行すべきだ」

アフガン空軍はA-29攻撃機を23機、C-130輸送機4機と軍用仕様のセスナ・キャラバン33機を運用していたことが特別監査官報告書でわかる。

 

ヘリコプターは150機ほどで、UH-60ブラックホーク多用途ヘリのほか、武装型MD-530に加えソ連製Mi-17もある。

 

中でも最も威力があるのがA-29スーパートゥカーノで、ブラジルのエンブラエルが製造し米企業シエラネヴァダが米製センサーや兵装の統合を担当した。

 

ジェット戦闘機並みの速力、機動性はないものの、A-29はゲリラ戦に最適化し、低速低空飛行で地上標的を狙う。同機は比較的未熟なパイロットでも操縦でき厳しい環境でも飛べる。

 

こうした特徴からアフガン空軍に最適の機材であるが、米軍に脅威を与えないと戦闘航空軍団を率いるマーク・ケリー大将は評している。

 

「M16銃からA-29まで敵の手に落ちた装備に心配があることは理解できるが、実際にどう使われるかは不明だ」とケリー大将はDefense News取材の8月16日に述べていた。「ただしA-29は最先端技術の機体ではない」「同機の性能やコンピュータ処理能力はこちら側を心配せせる内容ではない」

 

タリバンが捕獲機材を売却するとしても、ロシアや中国を利する機密技術を搭載した機材は皆無だとTealグループの航空宇宙アナリストのリチャード・アブラフィアは解説している。「ロシアや中国にとってスーパートゥカーノや初期型のブラックホークの入手は簡単だが、搭載技術はきわめてローテクだ。」

 

捕獲機材を運用したくてもタリバンには数々の障害が横たわる。

 

まずタリバンには訓練を受けたパイロットが不足しており、各機の装備を使いこなせず、兵装の運用ができないとケリー大将は指摘する。「それでも飛行させるのは可能だろう」「だが地上攻撃の前に自分たちの安全が危険となる」

 

最終的にタリバンも訓練を受けたパイロットを確保するだろうが、「こちら側の真剣な脅威になるとは思えない」とケリー大将は評した。

 

タリバンにはもっと大きな障害があり、それはコストであり、専門知識であり、機体維持に必要な補給支援活動、飛行前後の活動であり、保守管理や必要部品の調達だ。だが、解決が不可能な課題ではないとバウマンも指摘する。「タリバンがパイロットを見つける可能性があり、こうしたパイロットが寝返る可能性もある」「米国に反する外国が援助する可能性もある」

 

これに対しアブラフィアは搭載兵装がアフガニスタン市民あるいはその他国の住民に向けられればタリバンの目指す国内統治の効果を下げることになると指摘。

 

「いったん間違えば9/11以前の状況に戻り、テロ集団が同国に集まる」「現時点で組織化された抵抗運動は同国内に存在しない。またタリバンも周辺国に戦闘を挑もうとしていないが、もし挑戦すれば難航するだろう」

 

国外脱出相次ぐ

 

軍用機の多くが国外脱出しており、タリバンが手にできるのは少数機に限られる。

 

土曜日夜にアフガン空軍固定翼機、ヘリコプターがそれぞれ3機と2機タジキスタンに到着し、ヘリコプターには143名が乗っていた。タジキスタンは各機に着陸許可を与えたとニューヨークタイムズが報じた。

 

アフガン空軍はウズベキスタンへも脱出している。

8月16日にウズベキスタン検察庁は機種不詳の固定翼機22機、ヘリコプター24機で空軍隊員等585名が8月14日15日の二日間で到着したと発表している。

 

同庁からはA-29だけで3機が着陸許可を8月15日に申請し、ウズベク空軍のMiG-29がエスコートしていたが、MiG-29とA-29で空中衝突が発生したとの発表も出ている。両機パイロットとも脱出し無事だった。■

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The Taliban have access to US military aircraft. Now what happens?

 

By: Valerie Insinna 

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