2021年3月2日撮影の放射化学実験施設の衛星写真。 Satellite image (c) 2020 Maxar Technologies/Getty Images
北朝鮮がヨンビョン核施設の原子炉運転を再開した模様と国際原子力エナジー機関(IAEA)が発表した。
原子炉は出力5メガワットと小規模だがプルトニウム生産が目的で、核兵器製造に用いる。
「2018年12月以降2021年7月まで原子炉は作動の兆候が皆無だった」とIAEA報告書は指摘している。
「だが、2021年7月に入ると冷却水の排水など兆候が現れ、原子炉運転との関連が見られた」(同報告書)
これに対し南朝鮮はIAEA評価を認めていない。
同国政府は北朝鮮の核・ミサイル活動を米国と共同で注視していると統一省報道官が8月30日に述べている。
報告書ではあわせてヨンビョンの放射化学実験施設で2月中旬から7月初めにかけて活動が続いたと指摘している。同施設は燃料棒再処理に使用される。
また報告書は原子炉や施設の状況を「大きく憂慮させるもの」と表現している。
IAEAでは評価の根拠として民間から購入した衛星写真としている。
北朝鮮国内の核活動査察は不可能となっている。同国は数年前に査察官を国外追放した。
北朝鮮を調査対象とする米スティムソンセンターが処理作業に触れ、1月撮影の画像で核兵器製造用のプルトニウム回収の準備に入っているようだと指摘していた。再処理作業でプルトニウムが入手できる。
北朝鮮は核兵器開発を続けているため国際制裁対象となっており、国際社会とりわけ近隣の南朝鮮、日本の懸念の種となっている。
2月に出た国連の内部報告では北朝鮮が長期にわたる制裁にもかかわらず核兵器開発を続けていると指摘していた。■
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