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「中国をビクつかせろ」ケンドール新空軍長官が就任。難航してきた旧式機材の整理も新手法で加速化するか。ケンドールはオバマ政権でDoD調達トップを経験し、ペンタゴン内部を熟知。

 

空軍長官フランク・ケンドールが宇宙軍参謀総長ジョン・W・レイモンド大将(左)、空軍参謀総長CQ・ブラウンジュニア大将、空軍次官ジーナ・オーティスと長官就任後初の打ち合わせを空軍省の各トップとヴァージニア州アーリントンで2021年7月28日に行った。(Eric Dietrich/U.S. Air Force)


空軍文官のトップとして宣誓を済ませたフランク・ケンドールはさっそく予算関係文書に向かった。

 

ペンタゴンで調達業務トップを務めていたケンドールは軍事技術に詳しく、ぎりぎりのところで2023年度空軍予算の修正を命じた。

 

ケンドールはDefense News単独取材の8月13日に狙いは「中国をびくつかせる」最新技術の配備にあるとした。だがこれが実現するかは議会が納得し、既存機材の整理が実現するか次第だ。

 

「空軍にしわ寄せがきている」「本当にしたいのは高い優先順位事業に資源をまわすことだ。だが議会は旧型機の退役をなかなかさせてくれず、難航している」

 

ケンドールはFY23予算で目指す具体的な支出面の変更点について触れたくないとした。空軍参謀総長C・Q・ブラウン大将は空軍には装備近代化で大胆な構想があると述べたものの、さらに野心的な提案が控えていることをほのめかす発言をしていた。

 

ケンドール長官は「中国について長く執着してきた。特に軍事力近代化は米国の安全保障にとって大きな影響がある」と述べた。ケンドールは陸軍で長い経歴を有し、ペンタゴン勤務も長い。オバマ政権下で調達の責任者だった。

 

「復帰後に目指しているのは中国がどんな近代化を狙っているかの情報収集の拡充だ」とし、「予想以上の相手は早く動いているので、気を抜く暇がないほど忙しく立ち向かう必要がある」

 

では中国が脅威を感じそうな技術にはどんなものがあるのか。

 

ケンドールはF-35のブロック4改修をとりあげ、情報処理能力の向上に加え新型兵装やセンサーの追加も可能となる。

 

また、ネットワーク化自律装備各種や人工知能も有望だが、各軍で効果的な活用がまだできておらず、取り組むべき課題だとケンドールは指摘。

 

さらに空軍には極秘事業数点がある。

 

「まだ公表していないが進行中の事業があり、ここではお話しできない」「その中でB-21爆撃機は一部公開した。同機は高性能機材となろう。また進行中のものが数点ある」

 

「将来の敵に脅威となる装備について止まることなく考えていく必要がある」

 

空軍長官としてケンドールは空軍、宇宙軍あわせ2,070億ドル予算を管理する立場になる。(ここに挙げた金額にはその他政府官庁の「転嫁」予算380億ドルを含める)バイデン政権の国防予算は伸びがなくなる予想だが、ケンドールは空軍のミッションは実現可能と述べた。

 

「本当に必要なことに集中させてもらえれば、話題に上ることが多い装備品を活用できる」「だが基地の処分はまかりならぬ、必要度が低い機材の処分は認められないとなれば萎縮してしまい、装備近代化の阻害となる」

 

同じ状況をケンドールは以前も経験している。

 

オバマ政権からトランプ政権にかけ、空軍は次世代機、人工知能、全領域指揮統制機能、自律運航装備など新技術向け予算を確保しようと、旧型機の処分を目指した。

.

空軍はA-10、U-2、RQ-4グローバルホークの全廃をFY14予算からFY17予算で狙った。だが議会の反対で、その狙いは一部でしか実現していない。

 

最近は空軍も断片的な要求の戦術に変更しており、議会はB-1爆撃機、KC-10給油機、RQ-4グローバルホークの部分的廃止を認めるに至った。ただ、節約効果は限られたものになっている。

 

ケンドールはむしろ機種全体の処分方針への復帰を支援する姿勢を暗示している。

 

「純粋な経済問題としてみれば一機種で全機廃止するほうが良い結果が得られる」「各機材には固定費用がついてくる。なかんずく、運用機数により変動費が生まれる。固定費をなくそうとすれば全機廃止するしかない」

ただし、空軍機材の削減には議会の同意が必要と本人も認識している。

 

ケンドールが議会関係者に示した構想とは複数機種をパッケージにして合意のもと廃止すれば、空軍は機種ごとに説明し同意を取り付ける必要がなくなるというものだ。

 

構想はまだ完成度が低いが、ケンドールは議会関係者のインプットを求めつつ、空軍が機材廃止を政界の同意ある形で進めつつ国内雇用や経済への影響は最小限にしたいと述べた。

 

「狙い通りにいかない場面もあるが、前に進まねば。国家安全保障はひとえに我々の動きにかかっている。逆の選択肢は長期間にかけて貧弱な戦力を有する部隊攻勢に転落することだ」■

 

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The new US Air Force secretary wants to 'scare China'

By: Valerie Insinna   

 


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