スキップしてメイン コンテンツに移動

環球時報=CCPの論説を読む。米台がレッドラインを超えればPLA軍用機が堂々と台湾上空を制圧する突破口になる。-----どうしたらこんな発想が出てくるのか。

  

今回は環球時報の論説をなるべく原文のままお伝えします。台湾を台湾島と表現するのも気になりますが、全体としてどうしたらこんな思想が生まれるのか、こんな世界への視点が生まれるのか、原則論だけで世界が自分たちの臨む方向へ動く(中華思想ですね)となるのか非常に興味深いところです。問題はこういう見方をする大量の国民が情報統制の中で生きていることで、世界市民としての視点がこのままでは生まれることは絶望的ですね。

 

Two J-10 fighter jets attached to an aviation brigade of the air force under the PLA Southern Theater Command soar into the air in formation during a combat flight training mission on November 17, 2020. (eng.chinamil.com.cn/Photo by Wu Gaoming)
PLA南方戦域司令部隷下の航空連隊所属のJ-10戦闘機編隊が演習のため離陸した。November 17, 2020. (eng.chinamil.com.cn/Photo by Wu Gaoming)

 

ご注意 この記事は環球時報の社説をそのままご紹介し、CCPの考え方をお伝えするものです。当ブログの見解をお伝えするものではありません。

 

 

ョー・バイデン大統領が「世界の民主国家を仮想民主主義サミットに招待し、一年後には対面でのサミット開催を目指す」と8月11日にホワイトハウスが発表した。

 

サミットは12月9日から10日にかけ開催される。メディア多数は中国対抗策としてバイデン政権が打つ次の手だとの解説がある。

 

サミットでは世界各国を民主主義国家、非民主主義国家別名「専制主義」集団に分ける。この線引きで世界を区分するという。ロシアなど多数の国には西側同様の複数政党制度があるが、西側メディアにより「専制主義」国家に区分されることが多い。同様の扱いを受けるのが米国の同盟国たるトルコだ。サウジアラビアは民主陣営から外されている。

 

台湾の民進党(DPP)政権はサミット参加に興奮を隠せない。バイデン発表を伝えた台湾現地紙Taiwan Newsは「下院外交委員会公聴会のあった3月10日にブリンケン国務長官はサミットに台湾を招待したいと発言している」と報道した。

 

同記事では公聴会でブリンケン長官は台湾には堅固な民主体制があり、同時に重要な技術ハブ国でもある、と述べ、世界に貢献する国でもある、と発言したとある。

 

ホワイトハウスは今回のサミットで「各国の国家元首、民主社会、博愛主義、民間部門をつなぎ、世界の指導者に役立つ機会にしたい」と述べている。この文脈では台湾参加者を仮想サミットに招待するのは米国のだれなのか。中国は自国の立ち位置を明確に示する。米国が台湾の地方指導者蔡英文を同会合に招待することに断固反対する。蔡を参加させスクリーン上に各国トップと同時にその姿が映れば一つの中国の原則に大きく違反する。

 

ご注意 この記事は環球時報の社説をそのままご紹介し、CCPの考え方をお伝えするものです。当ブログの見解をお伝えするものではありません。

 

米国はAPECで慣行となっている台湾招待の方式に従うべきだ。そうでなければこのサミットは台湾問題への干渉をさらにエスカレートさせることになる。米国と台湾島が基本線を破るのを中国本土は看過することも容認することもできない。その際は誰も見たことのない嵐が台湾海峡に吹き荒れるだろう。

 

米国政府と台湾島に警告する。いわゆる民主体制を「台湾独立」推進の隠れ蓑にしてはならない。もしワシントンが蔡に各国首脳とともに参加する機会を設ければ、それは台湾を「国家」として公認することになる。そうなれば台湾海峡の現状を外部から否定することになる。中国は確固たる手段を行使せざるをえなくなる。一つの中国原則固持のため決定的な対抗措置を取る。

 

1995年に台湾の地方指導者李登輝がコーネル大同窓会出席の名目で訪米した。ここから深刻な台湾海峡問題が生まれた。人民解放軍はミサイル数発を同島周囲にうちこんだ。もしバイデンが蔡をサミットへ招待すれば、さらに深刻な事態となる。中国は1995年当時を上回る規模の対抗策を打つ。その場合、「独立」に対抗し、長期にわたり効果を生む対策が必要となり、再統一を早める必要が生まれる。その場限りの対応に止める必要はない。

 

米国と台湾島が共謀し「サラミ切り」戦術を進めていることに留意すべきだ。これは台湾問題で大きな進展の実現を目指している。だが、本土には台湾分離主義者の動きを封じる意思も手段がともに急速に伸長している。中国はためらうことなく刀を下ろし、米国及び台湾島の高慢な態度に一撃を加える。その他西側諸国は台湾問題への小細工を減らすべきだ。

 

米国および台湾島がレッドラインを超えれば、台湾上空をPLA戦闘機が飛行する日が来ると中国は警告してきた。これは強い抑止効果を生んでいる。迷うことなく中国は台湾への主権行使を宣言し、米国・台湾島の言葉だけの主張や小細工を圧倒する。また台湾海峡を挟む状況の支配権のありかを明瞭に示すことになる。本土が動く前に、特別な機会が必要となる。蔡がサミットにバイデン招待のもと参加すれば、まさしくその機会がやってくる。

 

ご注意 この記事は環球時報の社説をそのままご紹介し、CCPの考え方をお伝えするものです。当ブログの見解をお伝えするものではありません。

 

バイデン政権は台湾問題を混乱させている。これにより中国本土は問題への対処で負担が高くなった。本土は次のような戦術の行使を求められている。そちらはそちらのルールでプレイしてほしい。こちらははこちらのルールでプレイする。米国との競合関係にとらわれてはいけない。

 

米国と台湾が小細工を止めないと、大きな危機が台湾海峡に発生するのは必至だ。危機が現実になる前に確固たる措置を進める必要がある。不断の努力で対決に向かう必要がある。また米国台湾島の傲慢な態度を徹底的に打破し、中国の勝利を永続させる必要がある。高度集中戦に対処すべく、中国は心理面軍事面双方で臨戦態勢を整える必要がある。

 

米国および台湾島が突破口となる事態を作ればPLA軍用機が台湾上空全域を飛び回る事態が生まれるとみている。台湾島上空の空域はPLAの通常作戦範囲内にある。戦闘機が上空を飛べば、その下の地面は中国の領土であることを示し、台湾内の軍事施設に照準を合わせる本土のミサイル多数さらにわが爆撃機部隊は確固たる答えとなり、歴史を創ることになる。■

 

この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。

市況価格より2-3割安い翻訳をご入用の方はaviationbusiness2021@gmailまでご連絡ください。

 

US, Taiwan crossing the red line will create historic opportunity for PLA fighter jets to fly over island: Global Times editorial

By Global Times

Published: Aug 12, 2021 06:07 PM


コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...