Photo by Jim Kendall
米陸軍は無人航空機システム(UAS)、ロケット弾、砲弾、迫撃砲弾(RAM)への対応を目指し、ハイテクレーザー兵器装備の整備を続けている。
陸軍の最新広報資料ではマルチドメイン作戦へ対応しつつ新型スタンドオフ機能を実現するとある。
中でも指向性エナジーの応用が最も進展しており、陸軍は24カ月でレーザーを車体に搭載し、戦闘用途の試作車を完成させた。
無人機やRAMにレーザーで対抗することで陸軍の防空ミサイル防衛体制が充実し、同時にシステム全体のライフサイクルコストが補給活動の必要が減るため低下する効果も実現する。
今夏、陸軍迅速能力整備重要技術開発室Rapid Capabilities and Critical Technologies Office (RCCTO)が航空ミサイル防衛機能横断チーム等とレーザー搭載ストライカーをオクラホマのフォート・シルへ持ち込み、指向性エナジー機動短距離防空Directed Energy-Maneuver Short-Range Air Defense (DE M-SHORAD)の戦闘発射実証を行った。実戦部隊をUASやRAMの脅威から防御すべくRCCTOはレーザー搭載ストライカー4両で1個小隊を2022年度までに整備する。
「レーザーの初めての戦闘応用となります」とL・ニール・サーグッド中将(極超音速・指向性エナジー・宇宙・迅速調達担当)は語った。中将はRCCTOも統括する。「現時点で技術は準備が整った。未来の扉を開く」
戦闘射撃想定ではストライカーに現実を想定したシナリオが準備された。陸軍にとっても初の出来事であり、今後のDE M-SHORAD装備に必要となる特性を考慮した。
「前例のない試みです」と語るのはG・スコット・マクロード大佐(RCCTOのDE M-SHORAD事業主査だ。「これまでどこにもない機能を実現し配備する。改修や性能向上ではない。わずか24カ月で政府民間合同で設計、統合の上実用環境で作動する装備に仕上げた」
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DE M-SHORAD用の試作装備は陸軍が進める近代化戦略の一環で対空防衛、ミサイル防衛を意識している。戦闘射撃実証は7月に終わり、隊員は新型装備の取り扱い訓練を完了し、最新技術を通じDE M-SHORAD装備に習熟することができた。数日で装備の操作が可能となり、標的捕捉の技量を示し、交戦を実際を行えるようになった。
隊員を考慮した設計が試作装備のあちこちに見受けられる。例えば、訓練では民生用のゲーム用コントローラを使っており、標準型の軍用コントローラより使い勝手が良い。ストライカーの三次元モデルがハンドヘルド機器で使え、仮想的にシステムを移動でき、部品単位で分解できる。またオンラインでシステム研修資料にアクセス可能だ。
演習で隊員は実際の脅威を再現した戦闘シナリオを体験した。E M-SHORAD兵装システムは設計どおりの性能を実証し、22年度配備をめざし大きな一歩となった。
「今回の実証は迅速試作化の好例となった」とクレイグ・ロビン博士(RCCTOのDEプロジェクト室)が語る。「はじめて戦闘対応レーザーを一定の距離から脅威対象に向け放射した。まだ完全ではないものの、隊員のフィードバックを反映し、将来の指向性エナジー兵器としての完成度を上げていく」
「今回の試作品から学ぶ点は多い。2つの狙いがある。一つは隊員が安全に運用できる装備の設計、2番目は、確実に脅威に対応できるようにすること。技術開発は完了している。次は隊員に初の実戦能力を与えることだ」(サーグッド中将)■
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