統合幕僚監部
中国人民解放軍の無人機が東シナ海から宮古海峡にかけ飛行し、航空自衛隊は三日連続で戦闘機を発進させた。中国軍の無人機運用能力が向上してきたことに加え、東シナ海からフィリピン海にかけての水域が通商路として重要なため、日本も対応を連日迫られた。
今回の飛行活動8月24日に始まり、 Tengoen TB-001スコーピオン中高度長時間飛行(MALE) 無人機が東シナ海から沖縄の北西方面に飛んだ。翌日はハルビン BZK-005 MALE型無人機が宮古海峡を行き来した。8月26日にはTB-001が再び宮古海峡上空に現れた。三例とも航空自衛隊がスクランブル出動し、中国無人機の様子を監視した。
8月25日26日の両日には山西Y-8Q哨戒機一機、Y-9JB電子情報収集機一機が無人機に随行していた。
BZK-005系統の無人機は長距離情報収集偵察監視(ISR)用の機材で連続40時間の飛行が可能とされれていた。標準型のBZK-005は2006年に姿を現し、推進式プロペラ一基、後退翼、機体後部は双胴式で、2018年にPLAは武装型BZK-005Cを公表している。
同機の主センサーは機首下のタレットに搭載する電子光学赤外線フルモーションビデオカメラだ。昨年に別の型BZK-005Eが搭乗し、レーダー装置を機首下につけており、電子光学タレットは機体下の別の位置に変更されている。
航空自衛隊が公表したBZK-005が宮古海峡上空を飛ぶ写真ではさらに仕様が変わっていることがわかる。機首下にレドームをつけ、胴体下に光学タレットがわかる。BZK-005は見通し線外での作戦を衛星経由の操作で実施し、多用な情報集任務につくようだ。
防衛省
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TB-001スコーピオンも長距離対応無人機で機体後部が双胴式になっているが、BZK-005とは異なる形状だ。スコーピオンは大型でTengoenが初めて製造した無人機だ。同社は2016年に創立された新しい企業だ。機体はエンジン二基でプロペラを左右で高翼方式の主翼下で回す。
BZK-005と異なり、TB-001は当初から武装無人機の設計であり、主翼下にはハードポイント四か所があり、胴体下にセンサータレットがつく。航空自衛隊公表の同機写真では主翼下には何も装着していなかったが、あきらかに追加センサーをつけており、おそらくレーダーあるいは電子情報収集ポッドが胴体下についているのが見える。また機体全体にわたりアンテナがはりめぐらされている。とはいえ、双発の同機は多様な情報収集機能が付く点でTB-001より先を行っており、レーダーも機首につくし、完全視界線外での運用が可能だ。
防衛省
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今回の無人機各型で中国は多様な情報収集を重要地点で展開できる能力を誇示した。多用な機能で地図作成、防空体制の発する電子信号の収集、さらにレーダー地図作成、船舶の写真撮影まである。中国の空母部隊が宮古海峡を通過することが通常のことになってきた今日ではこうした活動は特に重要な意味を有する。
中国の無人機は一見高性能に見えるが、冷静見ればMQ-1、MQ-9クラスに匹敵するに過ぎない。中国は高高度飛行監視機能を有する機材で優位を発揮しようと開発を進めている。だが現状の非戦闘型無人機を飛ばすだけで航空自衛隊の待機戦闘機はスクランブル対応させることができる。
三日連続で無人機を投入したことからこれまでと異なる海軍艦艇の動きが実現しそうだ。中国軍艦三隻(駆逐艦2隻、フリゲート艦一隻)が宮古海峡を8月24日通過している。
とはいえ、無人機三機の投入で中国の無人機運用能力が着実に上がっているのがわかる。インド太平洋で次の戦術・戦略課題になるのが容易に想像できる。■
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Japanese Fighters Intercept Three Chinese Drones In As Many Days
It isn't clear if the surge in Chinese drone presence over the East China Sea is indicative of a new trend or prelude to a major naval movement.
BY JOSEPH TREVITHICK AND TYLER ROGOWAY AUGUST 26, 2021
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