ヴェネズエラが対象の麻薬取締作戦の拡大に伴い、10機のF-35戦闘機がプエルトリコへ向かっていることを米当局者が認めた
(米空軍写真/ケイトリン・アーギッシュ曹長撮影)
カリブ海でのトランプ政権による麻薬対策作戦に詳しい情報筋が本誌に対し、F-35 ジョイントストライクファイター10機が作戦参加のためプエルトリコへ派遣される命令を受けたことを確認した。これはロイター通信による先行報道を裏付けるものだ。戦闘機は来週プエルトリコに到着する見込みだが所属部隊、派遣元、到着後の任務内容については不明だ。
戦闘機配備の情報は、ヴェネズエラ空軍のF-16戦闘機がカリブ海で活動中の米海軍駆逐艦に接近飛行した翌日に伝えられた。これは米ヴェネズエラ間の緊張激化における最新の動きである。
米当局者は金曜朝、米駆逐艦「ジェイソン・ダンハム」付近を飛行したヴェネズエラF-16戦闘機2機について本誌に「極めて挑発的な行動であり、明らかに武力示威だ」と述べた。(USN/Mass Communication Specialist 3rd Class Theoplis Stewart II)
この駆逐艦への接近飛行は、ドナルド・トランプ米大統領が「ヴェネズエラの独裁者ニコラス・マドゥロと密接に連携する『ヴェネズエラ・トレン・デ・アラグア麻薬テロリスト』」所属の船舶を軍が攻撃したと発言した2日後に発生した。トランプ大統領は攻撃の動画を公開し、麻薬密売人11名を殺害したと述べた。大統領は7月に麻薬テロ組織と指定されたグループに対する軍事力行使を承認する機密文書に署名しているが、この事件は議会承認なしに攻撃を実施した合法性など様々な問題点を浮き彫りにした。
フォックスニュースがXで報じたところによると、同艇は停止命令を受けていたが従わず撃沈された。
同地域からの麻薬流入阻止を掲げるトランプ大統領は少なくとも8隻の軍艦に加え、追加の監視・攻撃資産を同地域に派遣していた。
米当局者は金曜日朝、ダンハムに加え、同地域に展開する海軍資産の位置に関する最新情報を提供した。
第22海兵遠征部隊(MEU)は、イオー・ジマ強襲揚陸艦(ARG)の一部として、8月14日にノーフォークを出港し、カリブ海南部へ向かった。この部隊は、3隻の艦船に4,500人以上の水兵と海兵隊員を乗せていた。艦船は、ワスプ級強襲揚陸艦「USSイオー・ジマ」、サンアントニオ級強襲揚陸艦「USSサンアントニオ」、および「USSフォートローダーデール」である。これらの艦艇は現在もプエルトリコ南岸沖に停泊し、海兵隊員と水兵が水陸両用上陸訓練を実施中だ。
ARG/MEU艦艇に加え、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「グラヴェリー」も南カリブ海で航行中だと当局者は述べた。
一方、少なくとも2隻の海軍艦艇がパナマ運河を通過した。タィコンデロガ級ミサイル巡洋艦「レイク・エリー」は最近、太平洋側からカリブ海側へ運河を通過した。アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「サンプソン」は運河の太平洋側に停泊中である。潜水艦部隊の位置公表に関する公式発表方針を理由に、当局はロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦「ニューポート・ニューズ」の所在は明かさなかった。同艦も今回の作戦に参加している。
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦サンプソン(DDG 102)は9月2日、パナマシティのアマドール国際クルーズターミナルに停泊し、現在も同地に留まっていると、米当局者が本誌に伝えた。(写真:Martin BERNETTI / AFP)MARTIN BERNETTI
麻薬テロ組織と見なされるグループを標的としているものの、これらの作戦に直接関与する当局者は先週本誌に対し、ヴェネズエラ大統領も標的としていると明かした。同大統領は2020年、トランプ政権第1期中にニューヨーク連邦裁判所で起訴された。マドゥロ大統領と側近数名を含む14名は、コロンビアの反政府組織FARCとの共謀によるコカイン密輸および麻薬テロリズムの連邦罪で起訴された。米国政府はマドゥロの逮捕に5000万ドルの懸賞金を懸けている。
F-35は多様な能力を発揮する。標的攻撃や敵機迎撃といった物理的戦闘能力で最も知られる一方、統合打撃戦闘機は高性能レーダーと電光システムを備えた極めて強力な情報収集ツールでもある。しかし電子情報収集能力こそが、おそらく最も強力な偵察資産と言える。
更新 午後1時20分(東部時間)–
ピート・ヘグセス国防長官は木曜日、ジョージア州フォートベニングを訪問中に、今週早々に実施された麻薬カルテルの密輸艇への致死攻撃について追加説明した。長官は死亡したとされる密輸業者を悪名高いテロリストに例えた。
「麻薬カルテル出身であることはアルカイダ出身と何ら変わらない」とヘグセス長官は記者団に宣言した。「国際水域において、彼らはこれまで通り、そうした扱いを受けるだろう」
「我々は麻薬密輸艇を撃沈し、11人の麻薬テロリストを海底に沈めた」と長官は主張した。「同様の行為を行う者は同じ運命を辿るだろう。我々は彼らの正体、行動内容、代表する組織、目的地への移動理由を完全に把握していた」。
更新:東部時間午後5時36分 –
国防総省を戦争省に改称すると発表したホワイトハウス式典で、トランプはヴェネズエラ政権の転覆を狙っているか問われた。
「その件については話さないが、選挙が行われたという事実は議論している。控えめに言っても非常に奇妙な選挙だった。非常に控えめな表現だ。言えるのは、ヴェネズエラから我が国に数十億ドル相当の麻薬が流入しているということだけだ」。
トランプは、破壊されたとされる密輸艇が麻薬で満たされていたと再び主張した。「あの船を見れば…袋が山積みになっている。その袋がアメリカで何十万人もの死者を出している。それが現実だ」。
大統領はまた、「昨年アメリカで30万~35万人が薬物で死亡した」と根拠なく主張した。
実際の数字いかんにかかわらずトランプは密輸業者への致死攻撃を継続すると述べた。
「先日もあらゆる種類の麻薬、おそらく主にフェンタニルが、あらゆる種類の麻薬を積んだ連中が侵入させようとしているのを見つければ、我々は彼らを排除する」と大統領は誓った。「公海や近海で遊びたい連中は、大変な目に遭うだろう」。
トランプはさらに、米艦船に接近しすぎた航空機は撃墜されると付け加えた。ヴェネズエラ軍機が米軍艦艇上空を飛行した場合の対応を問われると、トランプは「まあ、彼らは厄介な目に遭うだろう」と応じた。
その後、同席していた統合参謀本部議長ダン・ケイン空軍大将に目を向けた。「しかし将軍、彼らがそんなことをしたら、君には好きなように行動する選択肢があるんだぞ」と大統領はケインに伝えた。「危険な位置を飛行するなら、君や艦長がどう対処するかを判断してよい」。
トランプは戦闘機がダンハムにどれほど接近したかについては言及を避けた。「その件については話したくない」とトランプは述べた。「だが危険な状況に追い込まれたら、撃墜されるだろう」。
一方で米大統領は自身の行動が効果を上げていると述べた。
「あの[ボート襲撃]現場付近の船舶航行は大幅に減少している」とトランプはさらに説明した。「彼らはそれを『滑走路』と呼んでいた。米国への滑走路だ。その滑走路の船舶航行が激減している。理由は想像がつくだろう」。
F-35s Deploying To Caribbean Amid Growing Tensions With Venezuela (Updated)
A U.S. official has confirmed to us that 10 F-35s are heading to Puerto Rico as the counter-narcotics operation aimed at Venezuela expands.
Updated Sep 5, 2025 12:43 PM EDT
ハワード・アルトマン
シニアスタッフライター
ハワードは『The War Zone』のシニアスタッフライターであり、『Military Times』の元シニアマネージングエディターである。それ以前は『Tampa Bay Times』のシニアライターとして軍事問題を担当した。ハワードの作品は『Yahoo News』『RealClearDefense』『Air Force Times』など様々な出版物に掲載されている。