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ロシアの北極圏での活動強化へ西側が懸念(USNI News)―日本にとっても他人事ではない

北極海航路の地図。NOAA画像 米国・同盟国は、北極圏の情勢が複雑化する中、予測不可能なクレムリンと格闘を迫られる ア イスランド上空にまだ太陽が昇らない中、米統合参謀本部議長であるCQ・ブラウン大将が、米国とその同盟国が北極圏で高まるロシアの脅威に対処する方法をシミュレーションするため、米海軍の対潜哨戒機に搭乗した。  ブラウンはアイスランドに2日間滞在し、北極圏の安全保障(物理的および経済面)について話し合うために、北極圏の国防長官らと会談した。その会合に出席しなかった北極圏の国がひとつあった。2022年2月にウクライナに侵攻して以来、北極圏国防長官会議に招待されていないロシアである。  ロシアの北極圏での活動に対する懸念は新しいものではない。米国は、ソビエト連邦が潜水艦パトロールで北大西洋での影響力を主張していた頃から、懸念を抱いていた。アイスランド政府高官は、最近同地域を訪問した際に、USNIニュースとワシントン・ポスト紙の取材に対し、ウラジーミル・プーチン大統領がウクライナに侵攻して以来、北極圏諸国はますます予測不可能なロシア政権に対処していると述べた。  「問題は技術的能力だけではありません。意図が問題なのです。だからこそ、(潜水艦の)航行を監視することが非常に重要です」と、同高官は10月中旬のアイスランド訪問中にUSNIニュースに語った。「…(これはロシアが)より大きなリスクを負うことを厭わない国であり、実際にウクライナで民間人を意図的に爆撃している毎日です。そして、潜水艦や航空機を運用しているのは、まさにその政府なのです。ですから、私たちは警戒を怠るわけにはいきません」。  ロシアによる北極圏での軍事活動の活発化、すなわち北極圏の統治体制の変更を試みる動きは、この地域の課題をさらに増大させる。 2 024年10月10日、アイスランド沖で、対潜戦シミュレーションでP-8Aに搭乗する統合参謀本部議長、CQ・ブラウン・ジュニア大将。DoD Photo  米海軍艦隊司令官ダリル・コードル大将Adm. Daryl Caudleにとって、北極は大きな懸念事項である。その理由の一部は、米軍の捜索・救助能力の不足、氷の融解に伴う北極での商業船や軍艦の増加、そして中国が北極圏に面した国であると主張していることにある。  ロシアは広大な北極圏国家であり、その北部国境は北...

ロシア戦闘機が米軍機の前に乱暴な操縦で挑発―アラスカの防衛増強は喫緊の課題だ(The War Zone)

     NORAD A NORAD F-16 intercepts a Russian Il-38 in the Alaska Air Defense Identification Zone in September 2024 under Operation Noble Eagle. NORAD employs a layered defense network of satellites, ground-based and airborne radars and fighter aircraft in seamless interoperability to detect and track aircraft and inform appropriate actions. NORAD remains ready to employ a number of response options in defense of North America. NORAD Alaskan NORAD Region/Alaskan Com A NORAD F-16 intercepts a Russian Tu-142 Bear-F in the Alaska Air Defense Identificati on Zone in September 2024 under Operation Noble Eagle. NORAD employs a layered defense network of satellites, ground-based and airborne radars and fighter aircraft in seamless interoperability to detect and track aircraft and inform appropriate actions. NORAD remains ready to employ a number of response options in defense of North America. NORAD Alaskan NORAD Region/Alaskan Com ロシアのSu-35がアラスカ沖の超至近距離でアメリカのF-16に「頭突き」した映像が公開され...

第二次大戦の戦場アッツ、キスカが再び米戦略で重要地点に浮上。北極圏を巡る中露への対抗上で。

  1942年8月時点のアリューシャン列島の米軍基地。 Wikimedia Commons 1943年5月、米軍は日本軍からアッツ島とキスカ島を奪還する戦いを開始した。 アリューシャン列島の一部である各島は、太平洋作戦で重要地点となった。 太平洋と北極圏に重点を移す今日の米国はアラスカの軍事的な重要性を再認識している。 日 本軍との残酷な戦いから79年、米国領の辺境地が再び注目の的になっている  1943年5月11日、アメリカ兵はアッツ島上陸を開始した。アッツ島は、隣のキスカ島とともに、1年前から日本軍に占領されていた。  アリューシャン列島の最西端に位置し、アンカレッジから約1,500マイル離れている。日本による占領は、1812年戦争以来、アメリカ領土が外国勢力に占領された初めてのケースとなった。  同島に上陸した日本軍は、中部太平洋のミッドウェイ島を攻撃・占領した部隊を含む、大規模作戦で最北端の部隊であった。アメリカは、1943年半ばに大軍を送り込み、島を奪還した。  しかし、アッツの戦いは3日で終わる想定が、3週間に及ぶ苦闘となった。  79年後の今、アリューシャン列島とアラスカは、北極圏へのアクセスが容易になり、ロシアや中国との競争の場となり、米国にとって再び重要な場所になっている。 1943年6月、アッツ島で壕にこもる日本軍に銃と手榴弾で迫る米兵たち。 (AP Photo) アリューシャン列島作戦 日本は1942年6月、真珠湾攻撃からちょうど6ヶ月後にキスカとアッツを占領した。日本軍上陸に先立って行われたダッチハーバー空襲では、米軍兵士43人が死亡、航空機11機が破壊された。  アリューシャン列島での日本の目的は、ミッドウェー侵攻の前にアメリカ軍の注意をそらすこと、人口希薄な島々を前線基地に使わせないことの2つだった。  日本軍はアリューシャン列島に上陸して数ヶ月で数千名の兵力を配備し、要塞、バンカーやトンネルなど重要インフラを建設した。キスカ島には港湾施設と滑走路も建設された。  米軍はアラスカの重要性と防衛力不足を認識し、アラスカ駐留を増強した。キスカとアッツが占領された時点で、アラスカ防衛司令部の兵力はわずか2万4千人であったが、1943年1月に9万4,000人になった。  1943年2月末までに、米軍は近隣の島に上陸し、アッツとキスカに空...