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2026年2月24日火曜日

攻撃ヘリにドローン撃墜任務。AH-64があらたな威力を発揮する場面が搭乗しそう。攻撃ヘリは存在意義を改めて主張できるか

 

AH-64アパッチが30mm近接信管砲弾でドローン撃墜を狙う

XM1225APEX弾薬はアパッチの対ドローン装備で新たな武器となる

TWZ

タイラー・ロゴーウェイ

公開日 2026年2月16日 午後3時29分 EST

AH-64 has tested APEX proximity fuse roundsチャーリー・デューク軍曹

AH-64アパッチ攻撃ヘリコプターは近年、対ドローンプラットフォームへ進化を遂げている——これは本誌が注視してきた動向だイスラエル空軍が長年AH-64のこの役割を開拓してきた一方、米陸軍は今やこれを正式に規定し、新たな能力を追加した。我々が以前から提言していた通り、アパッチは顎部搭載のM230機関砲用に近接信管式30mm砲弾を装備し、ドローン撃墜兵器体系を強化。これにより代替手段よりも低コストで大量投入可能な交戦オプションを獲得した。

米陸軍の最新発表によれば、アパッチは昨年12月に30x113mm XM1225航空用近接信管弾(APEX)の実弾射撃試験を実施。試験はアリゾナ州南部の広大なユマ試験場(YPG)で行われ、各種ドローン標的に対する複数回の模擬交戦が実施された。

A U.S. Army AH-64 Apache helicopter assigned to the 5-17 Air Cavalry Squadron, 2nd Infantry Division, fires the M230 Bushmaster chain gun during live-fire aerial gunnery training at Rodriguez Live Fire Complex, Republic of Korea, on March 6, 2025. The exercise certified aircrews, sharpened weapons proficiency, and enhanced overall force readiness. (U.S. Army photo by Staff Sgt. Neil McLean)2025年3月6日、大韓民国ロドリゲス実弾射撃訓練場での空中射撃訓練で、第2歩兵師団第5-17航空騎兵中隊所属の米陸軍AH-64アパッチヘリコプターがM230ブッシュマスター機関砲を発射した。(米陸軍写真:ニール・マクリーン軍曹)コーネリアス・マクリーン軍曹

特殊なAPEX弾薬は、対象物に接近した際にのみ起爆し、破片を散布する形で爆発する。小型で自律移動するドローンを撃墜するにはこれが重要だ。アパッチの単眼照準式顎下砲は、精度面で狙撃銃とは言い難い。同時に、この弾薬は地上目標(人員、装甲のない車両、小型ボートなど)に対しても使用可能であり、アパッチ標準装備の衝撃起爆式高爆発弾と比較して独自の広域効果を発揮する。

(短編動画) M230チェーンガンがAH-64アパッチ砲手の頭部動作を追尾

AH-64アパッチ攻撃ヘリコプターが30mm機関砲でイラク軍トラックと砲兵を撃破

主要請負業者をノースロップ・グラマンが引き継いだM230機関砲の派生型は、地上からの低性能ドローン脅威対策として既に広く採用が進んでいる。軽量型M230LF(陸軍ではM914と指定)は対ドローン車両に搭載されている。これには8×8ストライカー軽装甲車を基にした「サージェント・ストウト機動短距離防空(M-SHORAD)システム」が含まれる。陸軍は別途、M914用として自爆式およびその他の近接信管式30mm弾薬の開発を進めてきた。新開発のAPEX弾薬は性能が向上し、アパッチ/M230の組み合わせと互換性がある。地上システム用として開発された他の弾薬は、我々の知る限りアパッチでの使用が承認されたことはない。

多弾種砲塔の中核を成すM230派生型を搭載したM-SHORAD(米陸軍)

M230LF ブッシュマスター連装機関砲 | XM914

XM1225の試験成功に関する陸軍公式発表の一部は以下の通り:

「ニュージャージー州ピカティニー兵器廠の中口径弾薬製品管理官(PdM MCA)が開発・管理するXM1225 APEX弾薬は、アパッチのM230エリア武器システムや射撃管制システムの改造を必要とせず、無人航空機(UAS)、露出した要員、小型ボートなどの現代的脅威に対抗するよう設計されている。XM1225は信頼性ある性能を確保するため徹底的な安全試験を経ており、アパッチの兵装体系に安全かつ効果的に追加される。この革新的な設計は、既存プラットフォームへのシームレスな統合を保証すると同時に、殺傷力と作戦上の柔軟性を向上させる。

…主な目的は、同一条件下でXM1225弾薬の精度を評価し、従来のM789高爆発性両用弾(HEDP)との性能比較を行うことだった。副次的な目的は、地上目標および無人航空機(UAS)目標に対するXM1225とM789の混合装填弾薬に関するデータを収集することであった。

初期結果は極めて成功しており、XM1225は全ての精度要件を満たし、地上目標とUAS目標の両方に対して卓越した有効性を示した。XM1225の近接信管機能により、目標付近で起爆が可能となり、より広い殺傷半径を確保。これにより空中および分散した脅威を無力化する能力が大幅に向上する。この機能によりアパッチは対地・対空戦闘双方で戦場を支配し、現代の戦闘シナリオにおいて戦闘員に決定的な優位性を提供する。」

U.S. Soldiers with the 1-151st Attack Reconnaissance Battalion, 59th Aviation Troop Command, South Carolina National Guard, conduct their annual aerial-gunnery qualification table at the Poinsett Range, Sumter, South Carolina, May 22, 2024. Aircrews fired both 30mm rounds and rockets, the training allowed Soldiers to sharpen their armory skills, communication and team work with their assigned AH-64 Apache helicopters. (U.S. Army National Guard photo by Sgt. Tim Andrews)2024年5月22日、サウスカロライナ州サマーターのポインセット射撃場で、サウスカロライナ州兵第59航空部隊司令部第1-151攻撃偵察大隊が年次航空射撃資格試験を実施している。(米陸軍州兵、ティム・アンドルー軍曹撮影) ティム・アンドルー軍曹

APEX弾薬の重要な特徴は、弾道特性がすでに実戦配備されている M789 高爆発性二重目的 (HEDP) 弾と非常によく似ているため、アパッチの乗組員がこれをうまく使用するために追加の訓練をほとんど必要としないことだ。これらの砲弾は、衝撃/掠弾信管を使用して爆発を指令する。

空からドローン対策に銃を使用する場合の主な問題は、標準的な高爆発性または焼夷性の大型砲弾は、何かに当たるまで飛行を続け、当たった時点で爆発するということだ。そのため、水平方向や上方向への発砲は非常に問題がある。弾は地面に到達するまで何キロも飛行する可能性があるからです。その予測不可能な区域にいる人や物は、良い結果にはならない。高偏向射撃でさえリスクが高く、特にドローンの小型化が進む中で顕著である。大半の砲弾は目標を外れて下方に着弾するだけでなく、航空機自体がドローンに衝突する危険性もある。空中での距離測定や目標追跡は困難だからだ。したがって、自爆機能を備えた砲弾、さらに優れた近接信管式砲弾の採用が鍵となる。

アパッチに30mm砲弾を装填する様子

AH-64はロングボウレーダーで空中目標を追尾する改良型AGM-114ミサイルを装備している。レーザー誘導ヘルファイアも潜在的には選択肢となり得る。いずれにせよ、ヘルファイアの単価は6桁台後半に達する。先進精密殺傷兵器システムII(APKWS II)レーザー誘導ロケットは低コストな選択肢で、単価は5桁台前半から中盤である。AH-64が、空中目標攻撃用に近接信管を採用したAPKWS IIの対無人航空機システム弾薬(FALCO)バージョン(固定翼機向け空対空最適化型)の使用認可を得ているかは現時点で不明である。

したがって、AH-64に近接信管弾によるはるかに信頼性が高く安全な銃撃オプションを提供することは、対ドローン任務を担う乗員にとって大きな恩恵となる。アパッチは30mm弾を驚異的な1,200発搭載可能で、前線の過酷な地上拠点でも極めて迅速に再装填できる。

現状を踏まえると、AH-64が対ドローン戦術に新たな武器を装備する日もそう遠くないだろう。■

タイラー・ロゴウェイ

編集長

タイラーは軍事技術・戦略・外交政策の研究に情熱を注ぎ、防衛メディア分野でこれらのテーマにおける主導的な発言力を築いてきた。防衛サイト『フォックストロット・アルファ』の創設者であり、その後『ザ・ウォー・ゾーン』を開発した。


AH-64 Apache Is Getting Proximity Fuzed 30mm Cannon Ammo For Swatting Down Drones

The XM1225 APEX ammo will offer another arrow in the Apache's growing anti-drone quiver.

Tyler Rogoway

Published Feb 16, 2026 3:29 PM EST

https://www.twz.com/air/ah-64-apache-is-getting-proximity-fuzed-30mm-cannon-ammo-for-swatting-down-drones





2024年12月2日月曜日

AH-64アパッチで小型AESAレーダーのテストへ(The War Zone)―ウクライナ戦で脆弱性を露呈した攻撃ヘリの将来をAESAが変える可能性はあるのでしょうか

 





米陸軍は、アパッチのスタブウィング下に収まる小型アクティブ電子スキャンアレイレーダーを求めている


陸軍は、AH-64アパッチ攻撃ヘリコプターの武器パイロンを使いアクティブ電子スキャン・アレイ(AESA)レーダーをテストしたいと考えている。この種のレーダーは、特に悪天候時や、空中の脅威を含む遠距離の標的を発見、追跡、交戦するための非常に貴重なツールとなるが、その他にも機能があり、一般的な情報収集や状況認識の向上も可能になる。このレーダーが成功すれば、陸軍の他のプラットフォーム(回転翼と固定翼の両方)に搭載される可能性がある、と陸軍は述べている。

 AH-64に搭載される可能性のあるレーダーの機内デモンストレーションに関する情報提供要請書(RFI)が最近、米国政府によって公表された。アパッチ攻撃ヘリコプタのプロジェクト・マネージャーが適切なレーダーを提供してくれそうなソースの市場調査を行っている。その後、アラバマ州レッドストーン工廠で最新のAH-64E V6バージョンを使用したデモンストレーションが実施される。


A U.S. Army AH-64E Apache Guardian helicopter, assigned to the 12th Combat Aviation Brigade, simulated an opposing force for an attack on a patrol base at Grafenwoehr training area, Germany, Aug. 14, 2024. This exercise enabled the unit to practice engagements using stinger missiles mounted to the Avenger weapon system and to track the helicopters in the air with the Sentinel Radar.

第12戦闘航空旅団に所属する米陸軍AH-64Eアパッチ攻撃ヘリコプターが、2024年8月14日、ドイツのグラーフェンヴォーア訓練場で、哨戒基地への攻撃のために相手部隊をシミュレートしている。 米陸軍 リアラ・シュメイト少佐撮影


 RFIによると、最新鋭のAESAレーダーは、「火器管制、操縦、劣化した視覚環境下での操縦支援(DVE)、電柱/タワーとケーブルの検出、空中危険、地形追従(TF)、地形回避(TA)、拡張現実(AR)技術を使用した海岸線のマッピング」を含む、幅広い機能にわたってテストされる。

 このようなRFIは、問題群に対処するための可能性のある選択肢を広く募集するために、オープンエンドとなることは珍しいことではないが陸軍が潜在的なレーダーソリューションにも興味を持っていることを指摘している。

 また、少なくとも機内デモに関する限り、アパッチがこのプログラムの中心となる一方、陸軍はUH-60ブラックホークやCH-47チヌーク・ヘリコプター、さらに近々発表されるFLRAA(Future Long-Range Assault Aircraft)にも同じレーダーを搭載する可能性を検討しているという。 RFIはまた、非公開の陸軍固定翼機にレーダーを搭載する可能性も言及している。


米陸軍のティルトローター「フューチャー・ロングレンジ・アサルト・エアクラフト(FLRAA)」の完成予想図。 ベル


可能性としては、複数ベンダーが機内デモンストレーションのために選ばれることになるかもしれない。さらにRFIによると、陸軍は「まだ(AESAレーダーを)代替機に統合できていない」企業からの回答も求めており、「技術成熟度の限界やその他の実現可能なデモンストレーション能力を強調する」ことが奨励されている。

 試験は3週間にわたり、最終的にデモンストレーションが行われる。

 AH-64E V6のデモンストレーションでは、AESAレーダーを使って「様々な距離」で「関連するターゲット」に対しデータを収集するとある。 ターゲットは静止と移動があり、陸上(オートバイ、トラック、戦車)、沿岸環境、空中(AH-64、MD530、T-6 Texan II、非公開のドローン)が予定されている。

 提案されている飛行デモンストレーションのシナリオには、地上、空中、沿岸のターゲティングのための攻撃プロファイル、地形マッピング(TM)、TF、TAのためのnap-of-the-earth(NOE)ルート、パイロット支援シンボロジーをプレビューするためのDVE着陸プロファイル、海岸線/合成開口レーダー(SAR)マッピングのための水上ルートが含まれている。

 AESAレーダーが従来のレーダーと異なるのは、レーダー・アンテナが物理的に動いてターゲットを狙うのではなく、電子ビームを「操縦」するのに非常に小さなレーダー・モジュール数百で形成されたマトリックスを使用する点だ。 このため、AESAは機械スキャンするタイプよりもはるかに信頼性が高く、探知距離、忠実度、電子戦への耐性が向上し、探知から電子攻撃、通信まで複数タスクをこなすことができる。 AESAレーダーのビームは、素早く移動したり変調したりすることができるため、レーダーは複数タスクを同時実行することもできる。例えば、陸軍のデモでは、地上と上空で戦場のターゲットを監視したり、AH-64の飛行経路に沿って天候を監視したりする。

 テストキャンペーンにドローンのターゲットが含まれていることは興味深く陸軍とAH-64運用部隊で特に関心が高まっている分野だ。

 以前にも述べたように、陸軍のAH-64は現在、中東への前方展開中も含め、敵の空中ドローンを探知し破壊する能力を磨く練習をしている。 同時に、AESAレーダーは、一方向攻撃弾やその他の小型の「神風ドローン」の探知に関しては、レガシーレーダーよりも顕著な利点を提供する。 とりわけ、AESAレーダーは通常、小型のものやレーダー断面積の小さいものであっても、より速く、より遠くにある関心対象を発見することができる。


2024年9月23日、CENTCOM AORでの訓練中、小型無人機にヘルファイアミサイルを発射する米陸軍AH-64D。 米陸軍撮影:Spc. Dean John Kd De Dios


AH-64にAESAレーダーを試験搭載する米陸軍の決定は、ボーイングがつい最近本誌と詳細に話し合った同機の近代化計画に照らしても興味深い。

 AESAレーダーについては特に言及されなかったが、AH-64の現在のLongbow火器管制レーダーをマストマウントの位置から移動させ、胴体に統合し、空力的な改善をもたらすという野心がある。

 当時本誌が観察したように、レーダーを搭載する1つの方法は、コンフォーマルAESAアレイを使用することである。


AH-64の将来の近代化バージョンで予想される主な改良点を示すボーイングのプロダクトカード。 ボーイング


しかし現在、陸軍はAH-64のスタブウイング下にAESAレーダーを取り付けるという、シンプルな解決策を検討している。一方で、このような取り付けは、武器や外部燃料、その他の格納庫に使用される貴重なスペースと重量を奪うことになる。

 AH-64の最新バージョンは、この種のレーダーを設置する際にも大きな利点がある。オープン・アーキテクチャーのおかげで、このようなシステムの「ボルトオン」がはるかに簡単かつ迅速に行えるからだ もうひとつの大きな利点はAH-64のデータリンク・システムにある。つまり、AESAを搭載したアパッチ1機で、同型の編隊や他のプラットフォームに照準を合わせることができるのだ。

 AESAレーダーがヘリコプターに搭載されることは、ごく一部の空中早期警戒型以外には皆無に近いが、ロシアがKa-52ホクム攻撃ヘリコプターにこの種の技術を搭載しようとしていことは注目に値する。

 海軍仕様のKa-52KにはレゼッツAESAレーダーが搭載されているが、陸上仕様のKa-52Mには新しいAESAレーダーが搭載される見込みで、おそらくザスロンのV006レゼッツだろう。このレーダーはXバンドレーダーで、メーカーによると25マイルから戦車群を、31マイルから戦闘機を探知できるという。


アクティブ電子走査アンテナを備えたV006またはRZ-001 Rezets(カッター)レーダー。 ピョートル・ブトフスキ


Phazotron-NIIR社のFH02は、Ka帯用のメカニカルスロットアレイとX帯用のAESAという2つのアンテナを組み合わせている。同社によると、Kaレンジでは12.4マイル、Xレンジで21.8マイルの距離から戦車を探知できるという。


Ka-52の機首に搭載されたFH02レーダーを示す図。 ファゾトロン


 ヘリコプター用に最適化された既存の欧米製AESAレーダーとしては、欧州のレオナルドがOsprey 30を提供しており、すでに米海軍の回転翼ドローンMQ-8C Fire Scoutで制式名称AN/ZPY-8として搭載されているほか、レオナルドAW101ヘリコプターのノルウェー版にも搭載されている。


レオナルド・オスプレイ30 AESAレーダーを搭載したノルウェーのレオナルドAW101ヘリコプター。 Airwolfhound/Wikimedia Commons tim felce


 特に、オスプレイ30はコンパクトなので、回転アンテナのない設置場所でも、最大4つの固定アンテナを使って360度カバーすることができる。その小型サイズと、米軍がすでに使用しているという事実により、オスプレイ・レーダーは米陸軍AH-64でのデモンストレーション用の魅力的な選択肢となり得る。

 小型AESAレーダーは、ノースロップのAN/ZPY-5 Vehicle and Dismount Exploitation Radar (VADER)など、陸軍が固定翼機の一部でテストしているもので、ビーチクラフト・キングエアー350をベースとするEnhanced Medium Altitude Reconnaissance and Surveillance System (EMARSS)のポッドに搭載されている。

 今のところ、AESAのデモンストレーションのためにどのようなオプションが提案されるかはわからないが、AH-64が就役開始して40年が経過し、陸軍が現在、照準とナビゲーション機能の両方で、さまざまな環境において主要な新機能の追加につながる新型レーダーの導入を真剣に検討していることは確かに重要である。■


AH-64 Apache To Be Tested With Wing-Mounted AESA Radar

The U.S. Army is looking for an active electronically scanned array radar small enough to fit under the Apache's stub wing.

Thomas Newdick


https://www.twz.com/air/ah-64-apache-to-be-tested-with-wing-mounted-aesa-radar


2020年4月5日日曜日

これが米陸軍の最強兵器5点だ




強力な兵器に関する限り米陸軍に不足ということばは存在しない。中には驚くほど高価格な装備、複雑すぎる装備もあり、政治家や防衛産業がイチオシの装備が第一線の兵員に嫌われることもある。

とはいえ、今日の米陸軍は小規模戦、対戦闘員戦から大規模機械化戦までの各種設定で驚くほどの規模の火力を展開できる。以上を念頭に米陸軍の花形装備を見てみよう。

AH-64

米陸上部隊の最強兵器が航空機というのは皮肉だ。だが米軍の戦闘実績や今後発生しそうな戦闘を見れば、航空戦力が最大なまで決定的な力を発揮するのは確かだ。

30ミリ機関砲、ヘルファイヤミサイル、高性能センサーを搭載したアパッチは速力、火力、航続距離の組み合わせで地上部隊の有効射程に入る前に敵軍を撃破する力を陸軍に実現した。アパッチは砂漠の嵐作戦からアフガン戦に至るまで各地で投入されてきた。

重要なのはアパッチは陸軍が独自運用する航空戦力であり、空軍や海軍の機材による近接航空支援に依存しなくても良い点だ。攻撃ヘリコプターが地上部隊の代わりになることは今までもこれからもない。だが地上部隊は攻撃ヘリコプターによる支援をありがたく感じるはずだ。


M-1 エイブラムズ

M-1エイブラムズが世界最高の戦車なのかは相手が誰かで変わり、もっと重要なのは相手の出身国により変わる。とはいえ、M-1が世界最高の部類の戦車であることは間違いない。

車体重量60トンのM-1A2は120ミリ主砲を搭載し、劣化ウラン装甲は3フィートの厚みがあり、時速40マイル超で走行できる。1991年にはソ連製装甲車両をイラクで撃破し、中国の99式戦車も同様に撃破できるだろう。戦闘中に破壊されたエイブラムズはごく少数だが、ISISがイラク政府のM-1を捕獲したり破壊しているのは戦車自体というより乗員の質の問題だろう。

M-109A6 パラディン

強力な自走式榴弾砲である同装備は最近米国が関与した小規模戦では出番がなかったが、強力な装備であることは確かだ。パラディンはM-109走行式装備の最新版で、ロケット推進式の155ミリ榴弾を20マイル地点まで飛ばす。GPS誘導またはレーザー誘導のエクスキャリバー弾も発射できる。

TOW対戦車ミサイル 

対戦車ミサイルではロシアが最大の供給国のようで、西側の装甲装備がロシア他の各国に大きな脅威になっている証拠だ。だが米陸軍も対戦車ミサイルを整備していることはしばしば忘れられている。

TOW(チューブ発射式、光学追尾優先誘導方式)対戦車ミサイルは供用開始し45年近くになる今でも強力だ。ヴィエトナムではロシア製戦車を撃破し、アラブ=イスラエル戦争、イラン=イラク戦さらに今はシリアで威力を発揮している。新型のTOW 2Bは地下壕破壊用ミサイルにもなり、エアロモデルは戦車上空で爆裂し薄い上部装甲を貫通する。

M2 .50口径機関銃

80年もの間供用されてきた機関銃を陸軍最強の兵装とするのには抵抗があるかもしれない。だがM2「マジュース」は数え切れない戦役に投入され効果を上げてきた驚くべき銃である。

フランクリン・ロウズヴェルトが大統領に就任し、ドイツでヒトラーが権力を掌握したころに開発されたM2は世界各地で対空、対車両、対人攻撃用の機関銃として機関砲に近い威力を発揮してきた。最新の改良版M2A1では簡単に交換できる弾倉と夜間の閃光減少装置がつく。■

この記事は以下を再構成したものです。

These Five Weapons Show Why No One Can Beat The U.S. Army

When it comes to lethal weapons, the U.S. Army has no shortage.
April 4, 2020  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: ArmyMilitaryRussiaChinaU.S. ArmyM1 Abrams Tank

2016年12月11日日曜日

ヘッドラインニュース 12月11日(日)


12月11日のヘッドライン

筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。


KC-46Aの15機調達へ道開く
2017年度早期の国防支出内容を定めた法案で米空軍が求めてきたKC-46Aの量産機調達が可能となる。現行の支出権限は12月9日に期限切れとなるためのつなぎ措置で議会通過は確実と見られる。その他AH-64アパッチ、UH-60ブラックホークの調達継続も可能となる。

ウェルシュ前参謀総長がノースロップ・グラマン取締役へ
空軍参謀総長を務めたマーク・ウェルシュはテキサスA&M大で行政学部長だが、ノースロップは役員に任命すると8日発表した。同社にはマイヤース前統合参謀本部議長、ラフヘッド前海軍作戦部長が役員となっている。ボーイング、ロッキード両社にも同じ傾向がある。

サウジ、UAEへ大型装備売却案件が実現へ
次期米議会が承認すればチヌークのサウジアラビア向け、UAEヘアパッチ、モロッコへTOWミサイルの売却が可能となる。総額79億ドル。その他すでにカタール、UAE向けの戦闘機売却が先に承認されており、国貿安全保障協力庁が所管する武器輸出は2016年に336億ドルに上る見込み。

中国の新型爆撃機H-20
馬空軍司令官は中国が新型長距離爆撃機H-20を開発中だと述べている。完成まで時間がかかるようだが、B-2に匹敵するステルス性能を目指しているという。現行のH-6は性能に厳戒があり、真の戦略爆撃機とは言えない。


2016年6月19日日曜日

★モスル近郊の戦闘にアパッチが初投入され効果を見せた



Apache Gunships Draw First Blood in the Fight for Mosul

Coalition airpower gets closer to the action

by RODRIGO UGARTE
アフガニスタン、2016年5月U.S. Army photo
米陸軍所属のアパッチヘリコプター部隊がイラク北部のスラム国拠点で6月12日、はじめて威力を発揮した。ガンシップ部隊はモスルの包囲奪還作戦に投入されたイラク地上部隊を支援した。モスルは2014年6月以来占拠されている。
  1. 陸軍第十航空連隊第一大隊のAH-64アパッチ二機がカヤラQayyarah近郊で車両を攻撃し即席爆破装置を破壊したとペンタゴン報道官がWar Is Boringに伝えている。カヤラはモスル南方50マイルでチグリス河沿いの小都市だがイラク軍のモスル攻略では重要拠点。
  2. アシュトン・カーター国防長官は6月13日の交戦についてブリュッセルで報道陣に説明した。「(バラク・オバマ大統領が)同機の投入で効果が発揮できると数か月前に現地配備を承認していた」
  3. アパッチは重装備ヘリコプターでロケット弾、ヘルファイヤミサイル、30ミリ機関砲で爆発弾を発射できるガンシップでイスラム国が多用する高速移動可能な「テクニカル」すなわち装甲車両に搭載した爆発物VBIEDに対応できる。
  4. イスラム国はVBIEDをシリア、イラク各地で主要武器にしている。車両に装甲板を付けて自殺爆弾戦闘員が運転し、攻勢の先陣を切ることが多い。よく見られる戦法は車両をイラク軍やクルド人軍の陣地に突入させ爆発させることだ。
  5. 車両には多量の火薬を搭載しトラック爆弾にする。1995年にティモシー・マクヴェイが同じ方式でオクラホマシティの連邦ビルを倒壊させている。イスラム国は攻撃に複数の車両を投入する。防衛網突破の後で戦闘員が突入し守備隊を圧倒する戦術だ。イスラム国はじめテロ集団は民間人でにぎわう市場や公共施設をVBIEDで攻撃している。
  6. カヤラは最前線でイラク軍がチグリス東岸でイスラム国部隊と戦闘している。ハイダル・スメリはツイッター @IraqiSecurityでカヤラと東方のマクムールの激戦の模様を伝えている。
  7. カヤラ占拠はイスラム国勢力を分断しファルージャ南方の部隊を孤立化させる意味で重要だ。
  8. イラクの自由作戦で設営した前線基地FOBエンデュランスはカヤラ市街地に近く、攻撃作戦に有効活用されている。滑走路はMiG戦闘機でも運用可能な長さがあり、イラク空軍のSu-25対地攻撃機や米軍A-10ウォートホグが使用しイラク地上部隊の攻勢を支援できる。
  9. 攻勢を支援すべく米軍、連合軍の航空機部隊はイスラム国陣地を19回空爆した。うちモスルに6回、カヤラは7回だった。カヤラ空爆はVBIED製造工場、橋梁三つ、砲兵陣地二か所、集積地7か所他車両多数を狙い、アパッチがこのうち一台を仕留めた。
  10. 「同機に要請が入ったのは今回が初めてで効果を上げた」とカーター長官は報道陣に語っている。「(アパッチの)投入は適切なタイミングで、イラク軍と米軍指揮官が投入を決めたのはモスル攻略のため重要地点に部隊が展開していたためだろう」「目的は達成し、部隊は侵攻を続けた」
  11. アパッチ部隊は通常の手順どおりまず状況調査をしたとペンタゴン報道官は説明したが、同機を要請したのが誰だったか明かしていない。同地点に展開中のイラク部隊の規模およびカヤラ近郊での戦闘報道からイラク軍あるいは随行する米軍顧問団と思われる。
  12. 「目標の位置関係、友軍や民間人の位置、目標地点から射撃士が最適の兵装システムを選択した」と固有の決意作戦本部の報道官がWar Is Boringにeメイルで伝えてきた。「連合軍による空爆の一環としてアパッチもイラク政府と連絡調整のうえ、同国支援に運用された」
  13. イスラム国との戦闘は2014年に開始されイラク国内で活動する米軍は5,500名ほどに増えている。大部分の3,870名がイラク軍に助言と支援を提供し残りは兵站補給部門および特殊部隊隊員だ。
  14. アパッチも2014年にイラクに戻った。今年4月にはアパッチ8機が追加配備された。
  15. 米顧問団はイラク軍部隊に大隊単位で配備され、従来より迅速かつ柔軟にモスル奪回する支援体制ができた。固有の決意作戦が開始されてイラクで戦死した米軍隊員は三名だ。
  16. アパッチ乗員にも危険はある。低速低空飛行で地上部隊に正確な支援が可能で、連合軍の他機種より効果がある一方で対空火砲や機関銃の標的になりやすい。nなかでももっと大きな脅威は戦闘員が肩越しに発射する地対空ミサイルだ。
  17. ニューヨークタイムズが2014年10月にイスラム国が携帯ミサイルで低空飛行中のヘリコプターを攻撃方法を戦闘員に教える様子を伝えている。アパッチの性能特性から対応策までをテロリスト集団内で研究している。
  18. 同機撃墜には安定した高地から狙い、探知要員とともに狙撃者を一緒に連れていくようオンラインで勧奨しているとジャーナリストのC.J.シヴァースが紹介している。狙撃手は墜落後の乗員を射撃するためだ。
  19. 「ミサイルを発射した直後のヘリコプターにこちらもミサイル発射するのがよい。パイロットと射撃士は目標を見ることに忙殺されているはずだから」と教本は解説している。
  20. イスラム国戦闘員が肩越しに対空ミサイルを発射した最新事例は2014年でMi-35M攻撃ヘリを撃墜している。アパッチにも脅威が残っている。■